2024/01/24

🟧在宅酸素療法、3年で15人が火災で死亡 原因は喫煙が最多

 呼吸機能が低下した患者が在宅酸素療法の装置を利用中に火災が発生し、2021年以降の3年間で60~90歳代の男女15人が死亡していたことが、一般社団法人「日本産業・医療ガス協会」の調査でわかりました。このうち喫煙が原因(推定含む)と判断されたのは4件ありました。患者の中には喫煙の習慣を続けている人もいるとみられ、同協会は火気とは距離を置いて酸素供給装置を利用するよう呼び掛けを強めています。

 この治療法では、肺や心臓の疾患で呼吸機能が低下した患者の鼻に酸素濃縮装置や携帯用酸素ボンベなどからチューブを通じて酸素を送ります。「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」(COPD)の患者が利用することで知られ、COPD患者の大半が喫煙経験者とされます。

 同協会によると、利用者が自宅で火災に遭って死傷する重大な事故は、2003年10月~2023年11月末では103件に上り、94人が死亡していました。火災の原因は喫煙が39件(約4割)を占め、原因特定された中では最多でした。

 漏電は7件、ストーブや線香などの「その他」は16件、原因が不明だったのは41件でした。装置自体が火災の原因になったケースはありませんでした。協会の担当者は「治療の上でもよくないのに、喫煙を続けている人が多いのでは」としています。

 在宅酸素療法の装置を利用中に火気が近くにあると、酸素が燃焼を促して、チューブや洋服などに燃え移る恐れがあります。厚生労働省は室内で装置を使う時は、2メートル以内に火が出るものを置かないよう注意を呼び掛けており、担当者は「(装置の)使用経験が浅く使い方に不安がある人や、逆に慣れていて漫然と使っている人は特に注意してほしい」と話しています。

 2024年1月24日(水)

🟧大学病院医師の教育や研究は「労働」、厚労省が曖昧な「自己研鑚」通達を改正

 厚生労働省は、医師が知識や技能を習得するための「自己研鑚(けんさん)」に関する2019年7月の通達を一部改正し、労働に該当する具体例として、大学病院での教育や研究を明示しました。従来の通達は、自己研鑚と労働の線引きが曖昧(あいまい)で、 恣意(しい) 的な運用を懸念する声が医療現場から上がっていました。医師の残業時間を制限する「医師の働き方改革」が4月から始まるのを前に、解釈を明確化する狙いがあります。改正は1月15日付。

 厚労省は、診療などの本来業務と直接関連がなく、上司の指示もない自己研鑽は、労働に該当しないとの考え方を通達で示し、その運用方法については別の通達で説明していました。

 しかし、昨年8月、甲南医療センター(神戸市)の専攻医が過労自殺した問題が発覚。労働基準監督署が認定した長時間労働について、センター側は「自己研鑚が含まれる」と反論し、各地の医師から、本来は労働に当たる時間が自己研鑚として処理されているとの声が相次いでいました。

 こうした状況を受け、自己研鑚の考え方に関する通達は維持した上で、運用方法に関する通達を改正しました。大学病院の教育や研究は本来業務に当たると明示し、具体的には、学生の試験問題の作成・採点、学生の論文作成に対する指導などを挙げました。

 その上で、こうした教育や研究に直接関係のある自己研鑽に関しても、労働時間内に、指示された場所で行う場合は労働時間と見なし、上司の明示・黙示の指示で行う場合は、所定労働時間外でも労働時間と見なすと説明しています。

 一般病院については、具体例は示しませんでした。その理由について厚労省は「自己研鑚と業務の区分がむずかしい」としているものの、今回の改正で「医師と上司の理解が一致するよう双方で十分に確認すること」を求める文言を新たに加えました。

 厚労省は「一般病院も、大学病院の考え方に準じて業務との関連性を適切に判断してほしい」としています。

 2024年1月24日(水)

🟧終末時計、昨年と同じ「残り1分30秒」 核戦争など懸念

 アメリカの科学雑誌は「人類最後の日」までの残り時間を象徴的に示す今年の「終末時計」について、ウクライナ情勢や緊迫化する中東情勢などによって、過去最も短かった昨年と同じ「残り1分30秒」と発表し、世界は引き続き、前例のない危険な状態にあると警告しました。

 これはアメリカの科学雑誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が23日、アメリカのワシントンで記者会見して発表したものです。

 この中で「人類最後の日」までの残り時間を象徴的に示す今年の「終末時計」の時刻について、「残り1分30秒」と発表しました。

 「終末時計」の発表は1947年の「残り7分」から始まり、東西冷戦の終結後には「残り17分」まで戻されましたが、その後は徐々に短くなり、昨年はロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを受けて10秒進められ、「残り1分30秒」とこれまでで最も短くなっていました。

 今年は昨年と同じで、科学雑誌は長期化するロシアによるウクライナへの軍事侵攻でロシアの核兵器使用は依然として深刻なリスクだと指摘しています。

 さらに、イスラエルとハマスの軍事衝突はより広範な紛争になり、世界的にも予測不可能な脅威をもたらす恐れがあると強い危機感を示しました。

 そのほか、気候変動の世界的な影響や、AIによる偽情報拡散のリスクなどを挙げ、世界は引き続き、前例のない危険な状態にあると警告しました。

 国際政治が専門で、「終末時計」を発表している科学雑誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」のレイチェル・ブロンソン代表は、「世界はこれまでで最も終末に近付いている。持続不可能な危険な状況にある。これが私たちが伝えたい最も重要なメッセージだ」と強調しました。

 また、北朝鮮の核・ミサイル開発について、「北朝鮮はより好戦的で攻撃的になっている。そして、核兵器に焦点を合わせ続けている。北朝鮮は時計が終末に近付いている理由の1つだ」と述べ、強い懸念を示しました。

 さらに、イスラエルとハマスの軍事衝突の影響について、「衝突が地域紛争へとエスカレートし、核保有国や核保有国を目指す国々を巻き込み始める可能性がある。中東で私たちが目にしているのは、より広範な紛争の可能性だ」と述べて、強い危機感を示しました。

 その上で、ブロンソン代表は「終末時計」を巻き戻すためには、核保有国のアメリカと中国、アメリカとロシアの間の真剣な対話が必要だと訴えたほか、「核兵器への依存や投資の拡大、気候変動、AIについて、私たちが声を上げ、指導者たちと話し合う必要がある」と強調しました。

 2024年1月24日(水)

🟧群馬県の新型コロナ感染、18週ぶり「注意報」水準に 新変異型「JN・1」も確認

 群馬県は23日、85カ所の定点医療機関から15~21日に報告された新型コロナウイルス感染症の1医療機関当たりの患者数が前週比6・16人増の14・88人となり、昨年9月以来18週ぶりに10人を超えたと発表しました。増加は4週連続。入院患者も増えており、県は新型コロナ用の病床確保数を増やして対応しています。

 1医療機関当たり10人はインフルエンザの場合、県が「注意報」を発令する水準。県内12保健所別では、利根沼田の37・33人が最も多く、次いで富岡の22・33人、渋川の20・50人でした。社会福祉施設と医療機関での集団感染が、27施設で計391人報告されました。

 県衛生環境研究所は、「冬休みが明けて学校が再開したことや、施設の集団感染が増えたことが影響した可能性がある」と指摘しています。国内で感染が拡大している新たな変異型「JN・1」が、県内でも確認されているといいます。

 厚生労働省が毎週公表している群馬県内の入院患者数は、17日時点で前週比91人増の327人。県は同日、さらなる入院患者の増加に備え、コロナ用に空けておく県内の「即応病床」数をゼロから41床に引き上げました。

 一方、インフルエンザの患者数は1医療機関当たり14・42人で、前週から4・34人増えました。増加は6週ぶり。

 保健所別では、利根沼田の32・00人が最も多く、渋川の22・67人、桐生の21・25人と続きました。保育所や幼稚園、小中学校などの休校、学年・学級閉鎖は17市町村の35校で報告されました。

 2024年1月24日(水)

2024/01/23

🟧牛のげっぷ中のメタンガスを低減する海藻の量産手法を開発 鹿島建設

 ゼネコン大手の鹿島建設の葉山水域環境実験場(葉山町一色)は、牛のげっぷに含まれるメタンガス排出量低減に寄与する海藻「カギケノリ」の量産培養手法を開発しました。

 メタンガスは二酸化炭素(CO2)に次いで、地球温暖化の原因となっている気体です。カギケノリは牛などの反すう動物の餌に混ぜることで、胃の中で発生するメタンガスを抑制する効果を持つ海藻です。今回、カギケノリの形状を自然に近い状態である直立形状から球状に変えることで、人の管理のもと陸上の水槽で安定的に量産できる技術を確立しました。

 牛や羊、山羊(やぎ)、鹿(しか)などは反すう動物と呼ばれ、食べた物を部分的に消化した後に、もう一度口の中に戻して咀嚼(そしゃく)するという食べ方をします。これらの動物は4つの胃を持っていますが、第1胃と呼ばれる胃にいる微生物がメタンガスを作り出し、動物のげっぷを通して大気中に放出されます。

 その量は全世界の温室効果ガスの約4%(CO2換算)を占め、さらにメタンガスの温室効果は、CO2の28倍にもなるため、地球温暖化を引き起こす原因の1つとされています。また、反すう家畜の数は世界的に増加しており、げっぷを通して放出されるメタンガスは今後さらに増えると見込まれるため、その抑制が求められています。

 近年、海産紅藻類のカギケノリを反すう家畜の餌に混ぜて給餌することで、げっぷ中のメタンを低減できることが、研究によって明らかになりました。カギケノリには胃の中のメタンガス生成細菌を減らす物質が含まれ、牛の餌に混ぜることで排出量が最大80%減ったという報告もあります。

 しかし、カギケノリの量産技術はまだ確立されておらず、多くの企業や団体が研究を進めていました。鹿島建設は今後、ほかの機関と連携してカギケノリの大量生産を目指すといいます。

 2024年1月23日(火)

🟧小学校の給食のみそ汁に画びょう混入 鳥取県米子市

 鳥取県米子市の小学校で22日、給食のみそ汁に画びょうが入っているのが見付かりました。児童にけがはなく、米子市は画びょうが混入した原因を調べています。

 米子市教育委員会によりますと、22日、市立彦名小学校で児童が給食を食べていたところ、みそ汁の中に画びょう1個が入っているのを見付け、担任の教諭に知らせました。児童にけがはありませんでした。

 画びょうは直径1センチ、針の長さが8ミリの大きさで、市の学校給食センターの調理室では画びょうを使っておらず、この小学校で掲示物を張る際などに使っている画びょうと同じものだったということです。

 米子市は画びょうが混入した原因を調べています。

 米子市学校給食課は、「安全、安心であるべき学校給食で、このようなことが発生したのは極めて遺憾であり、異物混入の防止にいっそう努める」とコメントしています。

 2024年1月23日(火)

🟧2023年の出生数、過去最少の可能性高まる 1~11月出生数69万6886人

 2023年1~11月に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は前年同期比5・3%減の69万6886人だったことが23日、わかりました。厚生労働省が人口動態統計の速報値(外国人らを含む)を公表しました。

 12月分も同じペースだった場合、2023年通年の出生数は70万人台半ばとなり、過去最少となる可能性が高まりました。

 2024年1月23日(火)

🟧千葉県銚子市の鳥インフルエンザ陽性、41万羽を殺処分へ 今季2例目

 千葉県は12日、高病原性鳥インフルエンザの疑いがあった銚子市の養鶏場の採卵鶏について、遺伝子検査で陽性が判明したと発表しました。県は同日、自衛隊に災害派遣を要請しました。養鶏場で飼育されている約41万羽の殺処分や消毒などの防疫措置を進めます。今季、県内での鳥インフルエンザ発生...