2025/05/02

🟩百日せきで乳児2人死亡、薬が効きにくい耐性菌に感染 専門家「速やかなワクチン接種」呼び掛け

 子供を中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」の感染拡大が続く中、今年に入り全国で少なくとも2人の乳児が死亡していることが、関係者の話でわかりました。いずれもワクチン接種前の生後1カ月でした。専門家は、飛沫(ひまつ)を防ぐなど基本的な感染対策の徹底と、ワクチンの接種が可能になる生後2カ月での速やかな接種を呼び掛けています。

 百日せきは、主にせきやくしゃみなどの飛沫に含まれる細菌から感染します。百日せきを含む5種混合ワクチンは、公費による定期接種の対象で、安全性と有効性が確認されている生後2カ月から接種が可能となります。接種前の乳児は、呼吸困難や肺炎などで重症化する恐れがあります。

 東京都立小児総合医療センターと兵庫県立こども病院で今年3月、いずれも生後1カ月の女児が呼吸不全などで亡くなりました。どちらも治療薬が効きにくい耐性菌に感染していたといいます。

 過去の乳児の死亡例は、2014~2023年の国の人口動態統計で、2015年と2028年に各1人が確認されています。

 東京都立小児総合医療センター感染症科の堀越裕歩部長は、「今回の急激な感染拡大には、耐性菌の影響もあるとみられる。治療が難しく、子供の重症例が増える恐れもある」と警戒感を示しています。

 乳児の感染対策として、欧米などでは妊婦に百日せきワクチンを接種する方法が普及しています。堀越部長は、「耐性菌にもワクチンは有効で、生後2カ月になったらすぐに接種することが大切だ」と指摘しています。

 百日せきの患者数について、国立健康危機管理研究機構は、4月14~20日の1週間で1884人(速報値)だったと発表しました。前週の1222人を上回り、すべての患者を把握するようになった2018以降で過去最多を4週連続で更新しました。今年の累計患者数は9336人で1万人に迫っています。

 2025年5月2日(金)

2025/05/01

🟩東京都内「赤ちゃんポスト」に子供の預け入れ 墨田区の賛育会病院

 親が育てられない子供を匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」の運用を東京都墨田区の病院が始めて1カ月がたちましたが、これまでに生後間もない赤ちゃんが実際に預けられていたことが1日、初めてわかりました。

 東京都墨田区の賛育会病院は今年3月31日から親が育てられない子供を匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」を「ベビーバスケット」と名付け、運用を始めました。

 また、妊婦が医療機関以外に身元を明かさずに出産する「内密出産」も同時に開始し、いずれも、医療機関としては熊本市の慈恵病院に続いて全国で2例目となります。

 事業開始から1カ月となる中、これまでに内密出産の相談や問い合わせが複数件、寄せられたほか、生後間もない赤ちゃんが実際にベビーバスケットに預けられたケースがあったことが、病院への取材で初めてわかりました。

 具体的な件数は明らかにされていませんが、病院によりますと、赤ちゃんの健康状態に問題があった事例はなく、親がしたためたとみられる書き置きが残されていたこともあったということです。

 賛育会病院の賀藤均院長は、「赤ちゃんが生きていてよかった、よく預けに来てくれたと思っています。身近な家族に相談できずに追い込まれている人はたくさんいます。赤ちゃんが遺棄される事件が繰り返される中、社会がどう対応していくのかみんなで考えていかないといけません。とにかく1人で悩まず相談してほしい」と話しています。

 病院では妊娠や出産の悩みについて匿名での電話相談にも応じていて、不安があればまずは連絡してほしいと呼び掛けています。

 2025年5月1日(木)

2025/04/30

🟩群馬県神流町、水道水で14人が食中毒 カンピロバクター検出、農業用水が流入

 群馬県神流(かんな)町で、水道水が原因の食中毒が発生し、水道水を飲んだ子供を含む町民14人が発熱や腹痛、下痢などの症状を訴え、一部の人の便から細菌「カンピロバクター」が検出されました。県が29日に発表しました。神流町によると、配水池の農業用水タンクの水が飲料用水タンクへ流入したことが原因とみられます。

 県などによりますと、神流町から21日、「町内の相原(あいばら)地区の複数の住人が熱や下痢などの症状で医療機関を受診しており、水道水が原因と疑われる」との連絡が保健所に入り、調査を開始しました。

 14人は9歳以下から80歳代の男女で、全員が相原配水池から供給された水道水を飲んでいました。神流町が池の水を調査した結果、「一般細菌数」が水質基準の1・5倍に上り、大腸菌も検出。14人のうち複数の人の便からカンピロバクターが検出され、県は29日、この水道水を飲んだことによる食中毒と断定したと発表しました。入院した人はおらず、14人はいずれも回復に向かっています。

 神流町によると、配水池には、飲料用水タンクと農業用水タンクが隣接して置かれており、双方が同一の排水管でつながっています。調査のため飲料用水タンクの水を抜いた際、農業用水タンク側の水が逆流しているのが確認されました。

 農業用水は近くの沢から引いていて、消毒などはされていないといいます。

 神流町では19日以降、相原地区の25世帯、44人の住民に対し、水道水の飲み水としての使用を控えるよう呼び掛けています。同地区には飲料水のペットボトルを配布しているといいます。

 厚生労働省などによると、カンピロバクターは、鶏や牛、豚など家畜の腸管内に生息する細菌。特に鶏の腸管内にいる確率が高く、市販の鶏肉の6割程度から菌が検出されたとの調査結果もあります。

 カンピロバクターを原因とする食中毒は、生や半生、加熱不足の鶏肉料理で多発しているほか、殺菌が不十分な井戸水や湧水、簡易水道水に由来する水系の感染事例も確認されています。

 国内で発生している細菌性食中毒の中では近年、発生件数が最も多く、年間300件、患者数2000人程度で推移しています。

 2025年4月30日(水)

2025/04/29

🟩国内最高齢、愛知県の114歳に ひ孫33人玄孫11人の近藤ミネさん

 愛知県幸田町に住む114歳の近藤ミネさんが、国内最高齢となったことが28日、厚生労働省から発表されました。

 この日、三女の藤田すみ子さん(74)が町役場で、近藤さんの近況などを語りました。 町によると、1910(明治43)年9月1日生まれの近藤さんは、結婚後は農家として働き、明るい性格で周囲から好かれているといいます。

 すみ子さんによると、ミネさんは現在、左足の骨折の治療のため岡崎市内の病院に入院中。毎日面会に訪れるすみ子さんが同日午後、最高齢者となったことを知らせたといいます。すみ子さんは、「耳が遠く伝わっているかわからないが、家族はみな最高齢にびっくりしていた」と話しました。

 ミネさんの長生きの秘訣(ひけつ)は「好き嫌いなく食べ、よく外に出掛けていたこと」だといい、毎年豊田市の香嵐渓を訪れ、うどんや五平餅を食べていたといいます。子供は9人で、孫16人、ひ孫33人、玄孫(やしゃご)が11人います。

 幸田町の成瀬敦町長は、「近藤さんが国内最高齢になったことは町民の喜びと誇りだ。これからの日々が、健やかで穏やかなものであるようお祈り申し上げる」とのコメントを発表しました。

 2025年4月29日(火)

2025/04/28

🟩国内最高齢、115歳の女性死去 岐阜県土岐市

 国内最高齢だった岐阜県土岐市の林おかぎさんが26日午前8時39分、心不全のため同市立総合病院で亡くなりました。115歳でした。28日、厚生労働省などが明らかにしました。

 林さんは土岐市出身で、1909(明治42)年9月2日生まれ。昨年12月に世界でも最高齢とされた兵庫県芦屋市の女性が116歳で死去して以降、国内で最高齢でした。

 土岐市の加藤淳司市長は、「市民に希望を与えてくださった林おかぎ様の突然の訃報(ふほう)に大変驚くとともに哀惜の念に堪えません。ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。温かい笑顔は私たちの心に深く刻まれています。心よりご冥福をお祈りいたします」とのコメントを発表しました。

 新たな国内最高齢は、愛知県幸田町に住む114歳の近藤ミネさんとなりました。近藤さんは1910(明治43)年9月1日生まれ。

 2025年4月28日(月)

2025/04/27

🟩千葉県で結核集団感染、昨年に漫画喫茶で広がり6人感染 2週間以上続くせきは医療機関へ

 千葉県疾病対策課は25日、習志野保健所管内(習志野市、八千代市、鎌ケ谷市)で結核の集団感染が発生し、厚生労働省に報告したことを発表しました。昨年7月に1人の感染が判明。漫画喫茶で広がって計6人が感染し、うち4人が発病しました。全員が適切な治療を受け、快方に向かっているとしています。

 同課によると、昨年7月24日、病院から県に患者1人の発生届があり、その40歳代の男性が漫画喫茶を長期利用していたことがわかりました。今年1月以降、漫画喫茶で接触のあった他の利用者と従業員計7人の健康診断を実施し、発病者2人と感染者1人が確認されました。このうち1人は2月3日、発熱と呼吸困難で救急搬送され、肺結核と診断されました。2月中旬以降に調査対象を拡大して接触者8人を調べたところ、発病者1人と感染者1人が新たに確認されました。

 結核については、同一の感染源が2家族以上にまたがって、20人以上を感染させた場合、集団感染に認定します。発病者1人は感染者6人分と計算するため、今回の事例も集団感染に該当しました。

 2014年の千葉県内の結核患者の新規登録数は493人。集団感染事例は2023年にも1件発生しています。

 県は 結核の初期症状について風邪の症状とよく似ているとし、2週間以上せきが続く場合は医療機関を受診するよう呼び掛けています。

 2025年4月27日(日)

2025/04/26

🟩PFAS排出元特定、わずか4例 環境省「詳しい原因わからず」

 環境省が2023年度に実施した水質調査では、全国の地下水や河川で暫定指針値を超える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出されましたが、自治体が「排出元を特定できた」としているのはわずか4例でした。泡消火剤を使用していたアメリカ軍基地などが疑われているものの、同省は「詳しい原因はわからない」と説明しています。

 4例のうち、福島県会津若松市では工場排水からPFASが検出されました。静岡市や京都府綾部市では、汚染地域の周辺にPFASを扱っていた事業所がありました。岡山県吉備中央町では、PFAS除去に使った使用済み活性炭が山中に放置され、地下水を汚染したことがわかっています。

 2022年度の調査で、排出元が工場と特定された大阪府摂津市と大分市も含め、環境省が把握しているのは6例だけでした。東京都立川市、広島県東広島市、沖縄県宜野湾市などアメリカ軍施設周辺でも高い数値が出ているものの、汚染源は特定されていないといいます。

 水に溶けやすいPFASは、土壌に浸透し、地下水を通じて拡散するため、排出元と汚染地域が異なるケースも多くなっています。

 2025年4月26日(土)

🟪 6月の平均気温が過去最高を更新 、「観測史上最も暑い6月」に

 気象庁によりますと、今年6月の日本の平均気温は平年と比較して2・34度高く、統計を開始した1898年以降で最高を更新しました。  寒気と暖気の境目である偏西風が平年より北を流れ、日本上空が暖かい空気に覆われやすかったことなどが原因だということで、全国の122地点で歴代1位の高...