2025/07/16

🟪熱中症で搬送、13日までの1週間に全国で8546人 前年同期比で増

 7月13日までの1週間に熱中症で病院に搬送された人は、全国で8500人余りと、前の週よりは減ったものの、前の年の同じ時期よりも多くなりました。

 総務省消防庁によりますと、7月7日から13日までの1週間に熱中症で病院に運ばれた人は、全国で合わせて8546人でした。

 前の週の1万人余りからは減ったものの、昨年の同じ時期と比べて248人上回ったほか、今年の調査が始まった5月以降、3番目に多くなっています。

 内訳は、「死亡」が9人で、3週間以上の入院が必要な「重症」が190人、短期の入院が必要な「中等症」が3056人、入院の必要がない「軽症」が5240人などでした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が5168人と全体の6割を占めたほか、18歳以上65歳未満が2763人、7歳以上18歳未満が572人、7歳未満が43人でした。

 都道府県別では、東京都が714人と最も多く、次いで大阪府が698人、愛知県が588人などとなっています。

 場所別では、住宅が3683人で、全体の4割以上を占め最も多かったほか、道路が1662人、道路工事現場や工場などの仕事場が890人、駅のホームや駐車場など不特定の人が出入りする屋外が777人などとなっています。

 これで、今年5月1日から7月13日までの累計は3万6727人となり、前の年の同じ時期の2万5573人から1万人以上多くなりました。

 総務省消防庁は「暑い日が続いたので搬送者も多く推移していると考えられる。来週にかけて気温の高い日が予想されているので、水分や塩分の補給、エアコンの使用などの基本的な暑さ対策を引き続き徹底してほしい」と話しています。

 2025年7月16日(水)

2025/07/15

🟪百日せき、累計患者数4万人超え 3週連続で過去最多更新

 子供を中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」の流行が続いています。7月6日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は前の週より225人増えて3578人と、3週連続で過去最多となりました。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の乳児が感染すると重症化して死亡する恐れもあります。

 国立健康危機管理研究機構によりますと、7月6日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は前の週より225人多い3578人と、現在の方法で統計を取り始めた2018年以降で、最も多くなりました。患者数が過去最多となるのは3週連続です。

 都道府県ごとにみますと、東京都で277人、埼玉県で254人、群馬県で176人、神奈川県で171人、茨城県と兵庫県で165人、千葉県で154人、新潟県で150人などとなっています。

 また、今年これまでの累計の患者数は4万3728人となりました。4000人余りだった昨年の10倍を超えています。

 今シーズンは患者数の増加に伴い乳児が重症化したり死亡したりするケースが報告されていて、6月末までに少なくとも4つの都県で生後1カ月未満から4カ月の乳児4人が亡くなっています。

 また、これまで治療に使われてきた抗菌薬が効かない「耐性菌」に感染するケースも各地で報告されています。

 日本小児科学会は生後2カ月を迎えたら速やかに定期接種のワクチンを接種するなど重症化リスクの高い乳児への対策を呼び掛けています。

 2025年7月15日(火)

2025/07/14

🟪妊産婦の自殺、昨年までの3年間で162人 20歳代前半と40歳代前半がハイリスク

 自殺の調査や支援に当たる一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」がまとめた調査によりますと、昨年の妊産婦(妊娠中および産後1年以内)の自殺者数は44人でした。このうち妊娠中は12人、産後2カ月以内は7人、産後3カ月〜1年以内は25人だったということです。

 妊産婦の自殺者数について記録されるようになった2022年以降の3年間では、妊産婦の自殺者数は合わせて162人に上りました。

 また、自殺者数を出生数で割った妊産婦の自殺死亡率をみてみると、妊娠中の場合は20歳〜24歳が、産後の場合は40〜44歳が最も高い結果となりました。この傾向は3年間の調査で変わらず、調査団体は、この年代が妊産婦の自殺のハイリスクグループであるとしています。

 自殺の原因・動機の調査では、パートナーがいる場合は、妊娠中・産後ともに、「家庭問題」を原因に挙げる割合が最も高かったということです。また、その「家庭問題」の内容としては、「子育ての悩み」を挙げた割合が全体の8割以上に上り、最も多くを占めました。

 調査団体は、「妊娠中や産後まもない女性が自殺で亡くなることは、本人にとってはもちろん、パートナーや家族のその後の人生に非常に大きな影響を与える」と指摘。その上で、「リスクが高いグループにはより重点的な支援を行いつつ、それ以外の人についても100%行き届く支援が大切だ」といいます。また、「妊娠にまつわるSOSの電話相談も増えてきているので、一人で抱えずにまずは声に出してほしい」としています。

 2025年7月14日(月)

2025/07/13

🟪精神障害労災、初の1000件超え 6年連続で過去最多 目立つカスタマーハラスメント

 厚生労働省は6月25日、仕事によるストレスが原因で精神障害を発症し、2024年度に労災認定を受けたのは1055件(前年度比172件増)だったと発表しました。6年連続で過去最多となり、初めて1000件を超えました。このうち自殺や自殺未遂に至ったのは88件(同9件増)。原因別では、初めて通年で集計したカスタマーハラスメント(カスハラ)が108件で、全体で3番目の多さでした。

 原因別の最多は「パワハラ」224件、次いで「仕事内容・仕事量の大きな変化」119件。カスハラは2023年度から原因項目に追加され、7カ月分で52件でしたが、通年の今回は、セクハラの105件を上回りました。今回の108件中78件が女性でした。

 年齢別では、40歳代283件、30歳代245件、20歳代243件と続きます。業種別では「医療、福祉」270件が最多でした。請求件数についても3780件(同205件増)で過去最多となりました。

 2025年7月13日(日)

2025/07/12

🟪マダニ感染症「SFTS」、神奈川県内の60歳代女性が入院 発熱や倦怠感、経路は不明

 神奈川県は11日、主にマダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を、松田町在住の60歳代女性が発症したことを確認したと発表しました。

 県によると、県内でSFTSの患者が発生したのは2023年以来、2例目。女性は発熱や全身の倦怠(けんたい)感などの症状があり、入院して治療を続けています。6月28日に発熱の症状があり、7月2日に医療機関を受診しました。遺伝子検査の結果、8日にSFTSの陽性が確定しました。感染経路は不明で、行動歴などについて調査しています。

 SFTSは主にウイルスを持つマダニにかまれることで感染します。6~14日間程度の潜伏期間を経て発症し、重症化して死に至るケースもあります。

 2025年7月12日(土)

2025/07/11

🟪関東ではしか感染報告相次ぐ、すでに昨年1年間の4倍以上 海外渡航の注意や予防接種呼び掛け

 関東ではしか(麻疹)の感染報告が相次いでいます。アメリカでは33年ぶりの大流行となっており、厚生労働省や各自治体は海外渡航の注意や予防接種を呼び掛けています。

 厚労省によると、7月2日までの全国のはしか発生件数は計167件。そのうち関東1都6県は計96件で、全国の半数以上を占めています。関東では昨年1年間の合計件数が20件だったことから、厚労省の担当者は「今年は大幅に多い」として動向を注視しています。

 関東1都6県のうち最も多いのが神奈川県で32件。茨城県22件、東京都17件、千葉県15件と続きます。神奈川県では7月以降、連日のように発生報告や注意喚起の発表が続き、東京都も感染者の移動経路を公表し、接触者に注意を呼び掛けるなどしています。

 はしかに感染すると10日から12日の潜伏期間を経て、発熱、せき、鼻水など、風邪のような症状が現れます。2~3日発熱が続いた後に、39度以上の高熱と全身に赤い発疹が出ます。症状が現れる1日前から解熱後3日くらいまで、周りの人に感染させる力があるといいます。

 厚労省によると、はしかのウイルスは感染力が強く、空気感染もするため、手洗い、マスクのみでは予防しきれず、最も有効なのは予防接種だといいます。

 アメリカでは今年に入って約1300人の感染者が確認されており、2000人以上が確認された1992年以来、過去33年で最多。日本国内の自治体は流行している国・地域に渡航する際には予防接種を打つよう呼び掛けています。

 2025年7月11日(金)

2025/07/10

🟪糖尿病患者は熱中症高リスク 名工大解析「早めの対策を」

 名古屋工業大の研究チームは8日、糖尿病患者は糖尿病でない人に比べて熱中症になるリスクが約1・4倍とする全国の保険診療の明細(レセプト)による解析結果を発表しました。熱中症の搬送件数が増加傾向にある中、効果的な対策立案に役立つとしています。

 糖尿病患者は発汗しづらく、体温調節機能が低下するため、熱中症になりやすいとされており、大規模解析によっても裏付けされた形。平田晃正教授(医用工学)は患者に対し、「暑く感じないという段階から、早めの対策をしてほしい」と呼び掛けています。

 チームは2016~2022年の全国の糖尿病患者約19万人と、比較のために地域や年齢などの条件をそろえた非糖尿病者約75万人のレセプトを解析しました。糖尿病患者は熱中症になるリスクが約1・4倍で、特に30歳代男性は約1・7倍でした。

 東京都や大阪府などの都市部では、最高気温が30度以下でも患者が熱中症になりやすい傾向がありました。また、北海道などの寒冷地域でもリスクが高く、糖尿病患者の場合、通常より暑さに慣れるのに時間がかかることが原因とみられます。

 2025年7月10日(木)

🟥新感染症のPCR検査を素早く確立 国立衛研が模擬検体を開発

 新たなウイルス感染症が広がり始めた際、感染者の発見に役立つPCR検査を早期に使えるようにするため、国立医薬品食品衛生研究所などが性能評価に使う模擬検体を開発している。病気を起こさない疑似ウイルスと、唾液や鼻の粘膜を模した液体を混ぜたもので、実際の患者の検体が集まるのを待たずに...