2025/09/06

🟥宮崎大学と花王、猫のウイルス感染を簡易検査 あぶらとりフィルムで

 宮崎大学(宮崎市)は3日、花王や宮崎市との共同研究でネコのウイルス感染を簡易検査できる手法を確認したと発表した。市販のあぶらとりフィルムで採取した皮脂に含まれるRNA(リボ核酸)を分析して、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)と猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、ネコエイズ)の検出に成功したという。

 SFTSはマダニを媒介とし、人にも動物にも感染する。感染した人や動物の血液などを介してもうつる。発症すると、発熱や嘔吐(おうと)、下痢、意識障害などの症状が出る。宮崎大によると、致死率は人が10〜30%、ネコは60%と高い。有効な治療法は確立されていない。

 花王が開発した人の肌や体の状態を把握する「皮脂RNAモニタリング」という技術をネコに応用した。従来の血液検査に比べネコへの負担を軽減できるほか、獣医師のSFTS感染リスクを減らせる。

 宮崎大はネコの皮脂からのRNA検出感度が高く、人のDNAやRNAと見分けられる「プライマー」と呼ばれる遺伝子増幅に必要な因子を開発した。「偽陰性」が出ることを防ぐ。ネコの皮脂は耳から採取する方法が最適といい、かまれるリスクも低い。

 SFTSについては血液検査で感染が確認されたネコから採取した皮脂を動物病院から入手して、RNAの検査でも陽性を確認した。FIVについては皮脂による検査での陽性21体と血液検査の結果が一致した。

 宮崎大農学部の斉藤暁准教授は、「情報量の多さで血液検査に完全に置き換えられるものではないが、早く陽性の判断ができることで感染を広げるリスク低減に役立つ。動物に対する検査としては有効性が高いのではないか」と話している。

 将来は自宅の飼い猫の皮脂を採取して、動物病院などに郵送して検査できるようにすることを目指す。

 2025年9月6日(土)

2025/09/05

🟥小林製薬、男性向けシミ防止クリーム約57万個を自主回収 水分蒸発で成分濃縮の恐れ

 小林製薬は5日、男性用のスキンケア商品について、有効成分が時間の経過とともに濃縮されて法律で定める基準を上回る可能性があるとして、対象の商品約57万個を自主回収すると発表した。

 自主回収を行うのは、小林製薬が販売するシミ防止クリーム「メンズケシミンプレミアムオールインワンクリーム」で、2023年9月から今年8月までに製造された約57万個。

 会社によると、今年8月、2023年に製造された商品を自主的に検査したところ、シミやしわを改善する「ナイアシンアミド」と呼ばれる有効成分が濃縮され、法律で定める基準よりごくわずかに高くなっていたということである。

 時間の経過とともに水分が蒸発したためとみられ、会社では、使用期限の3年以内に承認された規格から外れる可能性があるとして、自主回収を決めた。

 これまでに、健康被害の情報は寄せられていないということである。

 ほかのケシミンブランドの製品については使用に問題はないとしている。

 小林製薬は「原因を一刻も早く究明するとともに、品質管理に万全を期し、再発防止に徹底して取り組んでいきます」とコメントしている。

 回収対象の製品は小林製薬の依頼を受けた配送会社が引き取った上で、購入金額と同額をQUOカードで払い戻す。問い合わせは、フリーダイヤル0120−24−5884で受け付けている。

 2025年9月5日(金)

2025/09/04

🟥新型コロナ感染、2年たっても後遺症続く 3・5~7・2%の人に疲労感や睡眠障害など

 新型コロナウイルスに感染してから2年たっても、疲労感・ 倦怠(けんたい)感、睡眠障害などの後遺症が続く人が、3・5~7・2%いることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。後遺症がある人の割合は時間の経過とともに低下した。

 調査は大阪府八尾市と札幌市で継続的に行っている。2024年度は、計1万4872人の成人を対象に実施し、5972人から回答を得た。

 2024年11月~2025年1月時点で感染から2年以上が経過していた八尾市1922人、札幌市1620人のうち、感染2年後の時点で何らかの症状が続いていたと答えたのはそれぞれ3・5%、7・2%だった。感染3カ月後の時点と比べ、八尾市で4分の1、札幌市では2分の1以下に減った。

 症状別では、疲労感・倦怠感、睡眠障害、集中力低下、呼吸困難、嗅覚障害などが目立った。

 厚労省が3日に開いた専門家部会で、研究担当者は「2年たっても一定割合で症状が続いており、就業や就学に影響が出るなど社会経済的な課題を抱えている可能性がある。より詳しい状況を調べたい」と述べた。

 2025年9月4日(木)

2025/09/03

🟥熱中症で5486人搬送、6人死亡 8月31日までの1週間

 8月25日から31日までの1週間に熱中症で医療機関に運ばれた人は全国で合わせて5486人だったことが、総務省消防庁のまとめでわかった。

 内訳でみると、岐阜県、兵庫県、高知県など1府5県で「死亡」が計6人、入院が必要な「重症」と「中等症」が1979人、入院の必要がない「軽症」が3474人などだった。

 都道府県別の搬送者は、東京都が589人で最多。大阪府422人、埼玉県357人と続いた。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が3143人と全体の半数以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が1868人、7歳以上18歳未満が457人、7歳未満が18人だった。

 場所ごとに詳しくみると、住宅が1982人と最も多く、次いで道路が1149人、駅や競技場、野外のコンサート会場など不特定の人が出入りする屋外が771人などとなっている。

 これで、今年5月1日から8月31日までの累計は9万7人となり、昨年の同じ時期の8万6075人から3900人余り多くなった。

 2025年9月3日(水)

2025/09/02

🟥マダニ媒介感染症「SFTS」、患者数142人 ペット介して感染にも注意を

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年、これまでに全国から報告された患者数は速報値で142人となった。感染したペットの体液などを介して感染するケースも確認されていて、専門家は注意を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがあり、厚生労働省によると、感染して死亡する患者の割合は10%から30%に上るとされている。

 国立健康危機管理研究機構によると、8月24日までに31の道府県から患者が報告され、累計の患者数は速報値で142人となっていて、これまでで最も多かった2023年を上回って過去最多となっている。

 西日本を中心に患者数が多くなっているが、今年はこれまで感染が確認されていなかった北海道や関東地方からも患者が報告されていて、厚労省は、マダニに刺されないよう野外で肌の露出を減らすなどの対策を呼び掛けている。

 さらに感染したネコを始めとしたペットの体液などを介して人に感染するケースもあり、国立健康危機管理研究機構獣医科学部の前田健部長は「患者の少なくとも数%は、感染したネコから感染するなどしていると考えられる。ネコを飼っている場合は、ダニに刺されないよう室内飼いを徹底するほか、野外のネコは素手で触らないようにしてほしい」と呼び掛けている。

 2025年9月2日(火)

2025/09/01

🟥東京都の今夏、熱中症疑いで8341人搬送 すでに昨夏を上回る

 厳しい暑さが続く中、東京都内でこの夏、熱中症の疑いで医療機関に搬送された人は合わせて8341人と、昨年の夏をすでに上回り、2年連続で過去最多となったことがわかった。

 東京消防庁は、年齢や場所にかかわらず症状を訴える人が相次いでいるとして、対策の徹底を呼び掛けている。

 東京消防庁によると、都内で今年6月以降に熱中症の疑いで搬送された人は8月31日までに速報値で8341人に上った。

 これは昨年の6月から9月までの搬送者の数(7996人)より340人余り多く、2年連続で過去最多となった。

 搬送者のうち、1人が死亡、47人が重篤、192人が重症、3125人が中等症、4976人が軽症となっている。

 年代別では高齢者が多いものの、10歳代や20歳代の若い世代も含まれているということである。

 東京消防庁は厳しい暑さが続く中、年齢や場所にかかわらず症状を訴える人が相次いでいるとして、のどが渇く前にこまめに水分を補給することや、室内では冷房や扇風機を適切に使用することなど、対策の徹底を呼び掛けている。

 2025年9月1日(月

2025/08/31

🟥緊急避妊薬「ノルレボ」の市販了承 対面販売義務付け、年齢制限せず保護者の同意も不要

 望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」について、厚生労働省の専門家部会は29日、医師の処方箋なしに薬局で購入できる市販薬としての製造販売を了承した。対面販売を義務付けた上、購入する女性の年齢を制限せず、保護者の同意は不要とした。

 この薬は、あすか製薬(東京都港区)が製造販売するもので、避妊を失敗したり、性暴力を受けたりした女性が使う。性行為から72時間以内に服用すると、妊娠を約8割防げる。

 専門家部会では、市販化に際し、薬剤師が対面で販売し、その場で服用することを義務付けるとした。臨床試験などで安全性が確認されているため、使用者の年齢を制限せず、予期せぬ妊娠を望まない若者を支援する観点から保護者の同意は不要とする。

 性犯罪による被害が疑われる場合には性被害者の支援拠点である都道府県の「ワンストップ支援センター」などの支援機関とも連携するとしている。

 この薬は、市販化を求める声を受け、2023年11月から日本薬剤師会が国の調査事業として、処方箋なしでの試験販売を16歳以上の女性を対象に一部薬局で行っている。

 緊急避妊薬は、海外約90カ国・地域では薬局で処方箋なしで買えるが、国内では医師の処方を受ける必要があった。

 2025年8月31日(日)

🟥北海道白老町の養鶏場、鳥インフルエンザ感染確定 今シーズン国内初、45万9000羽の殺処分始まる

 北海道白老町の養鶏場で死んだニワトリから、高病原性の「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出された。今シーズン、養鶏場での確認は全国で初めてで、北海道はこの養鶏場で飼育されているニワトリ、約46万羽の処分を始めた。  21日、北海道白老町の養鶏場で複数のニワトリが死んでいる...