2025/11/05

🟥温室効果ガス排出量、過去最多 2024年577億トン、対策急務

 国連環境計画(UNEP)は4日、2024年の世界の温室効果ガス排出量は前年から2・3%増えて過去最多となり、二酸化炭素(CO2)換算で577億トンだったとする報告書を公表した。産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える「パリ協定」の目標達成には遠く、対策を強化しなければ、今世紀中に最大で2・8度上昇するとした。

 パリ協定参加国がそれぞれ確約した2035年までの温室ガス削減目標(NDC)を達成しても、2・3~2・5度上昇すると予測。昨年からわずかに緩和しただけで「地球温暖化による人命や経済への被害を軽減するには、より迅速で大幅な排出削減が必要になる」と警鐘を鳴らした。アメリカがパリ協定から正式離脱すれば、約0・1度上乗せされる可能性もあるという。

 2024年の排出量が最も多かったのは中国で156億トン。アメリカ59億トン、インド44億トン、ヨーロッパ連合(EU)32億トン、ロシア26億トンと続いた。環境省によると、日本の排出量は2023年度で11億トン。

 2025年11月5日(水)

2025/11/04

🟥高齢者のうつと便秘が関連 順天堂大が研究

 高齢者のうつ症状とおなかの症状、特に便秘が関連していることを、順天堂大の研究チームが専門誌に発表した。このような関連を報告した研究は国内では初めてという。

 チームは順天堂東京江東高齢者医療センターの内科外来を受診した自分で歩ける65歳以上の男性427人、女性557人の計984人を対象に、腹部の症状を聞く質問票とうつ症状を評価する質問票に答えてもらい、関連の有無や強さを分析した。

 腹部の症状は、食べた物が胃から喉に戻る逆流、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢の5項目あり、これとは別に便秘の重症度も評価した。また、うつ症状では軽度から重度と評価される人は38・7%を占めた。

 分析の結果、うつ症状はおなかの症状すべてと関連があり、関連の強い順に便秘、胃もたれ、下痢、逆流、胃痛だった。うつ症状が強いほど便秘が重症で、逆流、下痢の症状も悪化していた。

 チームによると、便秘は若年層では女性が多いが、60代以降は男性も急増し、70歳以上になると男女比はほぼ同じになる。心臓や脳血管、腎臓の病気や、筋力が衰えるサルコペニアや虚弱(フレイル)にも関連するとされる。うつ症状は生活の質を低下させ、食欲低下などを引き起こす。

 調査をまとめた同センターの浅岡大介教授(消化器内科)は、「うつや便秘は高齢者の健康長寿に影響を及ぼす。人生100年時代の日本で、高齢者のうつ症状や便秘の予防・対策の重要性が示された」と話している。

 2025年11月4日(火)

2025/11/03

🟥保険料滞納の外国人の在留資格更新など認めない仕組み導入へ

 国民年金や国民健康保険の保険料を滞納し、納付を求めても応じない外国人を対象に、政府は、再来年、2027年6月から、原則として在留資格の変更や更新を認めない仕組みを導入する方針です。

 日本で3カ月を超えて暮らす外国人には、公的な年金・医療保険への加入が義務付けられている。

 ただ、厚生労働省によると、外国人の国民年金保険料の昨年度の「最終納付率」は49・7、国民健康保険料の「納付率」は、合わせて150の自治体を対象にした調査では、昨年12月末の時点で、平均で63%にとどまっている。

 このため、政府は、保険料を滞納し、納付を求めても応じない場合、原則として在留資格の変更や更新を認めない仕組みを導入する方針である。

 厚労省と出入国在留管理庁が連携し、保険料の収納情報を在留審査に反映させるもので、再来年、2027年6月からの運用開始に向け、準備を進めることにしている。

 一方、国民健康保険料を滞納した状態で医療を受け、そのまま日本を離れるケースも確認されていることから、厚労省は、日本人を含め、海外から転入する人が自治体に住民登録する際、一定期間の保険料を事前に一括して納められる仕組みを、来年4月から、自治体の判断で導入できるようにする方針である。

 2025年11月3日(月)

2025/11/02

🟥慢性の腰痛に湿布薬処方は「低価値」 医療費の無駄3000億円の試算

 患者の健康にとってほとんど、または全くメリットのない「低価値(ローバリュー)な医療」に、日本では年間に最大で3000億円以上費やされているとする試算を、筑波大学やアメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校などのチームがまとめた。

 研究結果は、専門家による査読を受ける前の論文(プレプリント)として公表した。

 うち456億円を、長期的な腰の痛みなどに対する湿布薬などの「外用薬」の処方が占めた。長期の痛みにこれらの薬は効果が乏しいとされ、増え続ける医療費を抑えるための議論にも影響を与えそうだ。

 低価値な医療にはさまざまなケースがあり、典型的なのが「風邪に対する抗菌薬の処方」。ウイルス感染が原因となる一般的な風邪には、細菌をやっつける抗菌薬を使っても効果がなく、薬が効きにくい耐性菌を生むなど、弊害のほうが大きい。

 こうした低価値な医療のうち、どんな医療行為がどれくらい、無駄ともいえる医療費の支出につながっているのか。チームは医療費の請求に用いられる「診療報酬明細書」(レセプト)のデータベースを用いて調べた。

 これまでの研究などをもとに、価値が低い、または全くないと判断できる薬の処方や検査、手術など52種類の医療行為を選定。2022年4月~2023年3月に、国内のさまざまな世代約190万人に提供された医療行為のうち、低価値な医療に該当する件数やかかった医療費を算出した。

 何を低価値な医療行為とするか、判断する基準には幅もあるため、件数や医療費はより厳しめの定義(狭義)とやや広めの定義(広義)にわけて導き出した。

 2025年11月2日(日)

2025/11/01

🟥インフルエンザ患者数、前週と比べ約1・9倍に 新型コロナは6週連続減

 10月26日までの1週間に全国から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週と比べて約1・9倍に増えた。東京都や沖縄県など5つの都県では1医療機関当たり10人を超えている。

 国立健康危機管理研究機構などによりますと、10月26日までの1週間に全国約3000カ所の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は2万4276人で、前の週の約1・9倍に増えた。

 1医療機関当たりの患者数は6・29人と、前の週から3・03人増えている。

 都道府県別にみると、沖縄県で19・40人、神奈川県で11・88人、千葉県で11・82人、埼玉県で11・73人、東京都で10・37人と5つの都県で1医療機関当たり10人を超えている。

 また、44の都道府県で前の週から増加した。

 厚生労働省は手洗いや適切なマスクの着用など基本的な感染対策を徹底するとともに、ワクチンの接種も検討するよう呼び掛けている。

 一方、厚生労働省は31日、全国約3000の定点医療機関から10月20〜26日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が計8665人だったと発表した。1医療機関当たりの感染者数は2・25人。前週比0・88倍で6週連続の減少となった。

 都道府県別にみると、愛媛県の4・92人が最多で、宮城県4・69人、新潟県4・29人が続いた。少なかったのは福井県1・10人、大阪府1・29人、島根県1・35人などだった。

 2025年11月1日(土)

2025/10/31

🟥食道がんの胸腔鏡手術、開胸手術に劣らない結果 負担少なく「推奨」

 食道がんの手術で、従来の開胸手術に比べ、より患者の負担が少ない胸腔鏡(きょうくうきょう)による手術を行った場合でも、長期的な生存期間が劣らないとする研究結果を、国立がん研究センターなどが30日、発表した。今後、食道がんの診療ガイドラインが改訂され、胸腔鏡手術の推奨度が上がるという。

 食道がんは、年間に約2万7000人が診断され、中高年男性に多い。のどと胃をつなぐ食道にできるために手術範囲が広く、従来の開胸手術は患者の負担が大きいことが指摘されてきた。近年、胸に小さな穴を開け、カメラや器具を入れて行う胸腔鏡手術が普及し、多くの医療機関で行われているものの、長期的な成績を比較した研究はなかったという。

 研究は、国立がん研究センターが支援し、国内の多施設が参加する日本臨床腫瘍(しゅよう)研究グループ(JCOG)が行った。2015〜2022年に手術可能と判断された患者300人を、開胸手術と胸腔鏡手術に無作為に割り当てて調べた。

 その結果、開胸手術は3年後の生存割合が70・9%だったのに比べ、胸腔鏡手術は82・0%。合併症の発生に大きな違いはなく、術後の呼吸機能の低下は開胸手術が12・5%、胸腔鏡手術は9・7%と抑えることができた。傷の痛みは胸腔鏡手術が少なかったという。

 研究チームの竹内裕也・浜松医科大教授は、「今回の研究では、日本内視鏡外科学会の技術認定医など熟練した外科医のもとで手術が行われた。今後の治療も、同等の技術のもと行われるようガイドラインで推奨する」と話す。

 一方で、近年はロボット支援による手術も急速に増えつつあるものの、長期的な有効性などが十分示されておらず、さらなるエビデンスの蓄積が必要だとした。

 論文はイギリスの医学誌に掲載された。

 2025年10月31日(金)

2025/10/30

🟥熱中症搬送が初めて10万人超す 5〜9月、死者117人・重症者2217人

 総務省消防庁は29日、今年5〜9月に熱中症で医療機関に救急搬送されたのは全国で過去最多の10万510人だったとの確定値を発表した。10万人を超えたのは、集計対象を5〜9月に広げた2015年以降初めて。梅雨明けが早かったことや、記録的猛暑が影響した。

 消防庁の担当者は、「6月中旬ごろから一気に気温が上がって搬送者が急増し、厳しい暑さが長期間にわたって続いた」と分析している。月別では、6月が前年比2・4倍の1万7229人で過去最多。9月が9766人で過去2番目となった。

 5〜9月の死者は117人で、3週間以上の入院が必要な重症は2217人。短期の入院が必要な中等症は3万4399人だった。65歳以上の高齢者が5万7433人で、搬送者の57・1%を占めた。都道府県別の搬送者数は東京都が9315人で最多。大阪府7202人、愛知6653人と続いた。

 気象庁によると、今年の夏(6〜8月)の日本の平均気温は平年を2・36度上回り、統計開始以降で最高。過去最も早い梅雨明けとなった地方も多かった。リスクが高まった際に注意を促す「熱中症警戒アラート」は、過去最多の延べ1749回発表された。

 2025年10月30日(木)

🟥食道がん、手術せずオプジーボ加え治療効果 京大など共同チーム

 食道がん患者への抗がん剤と放射線治療の併用治療に、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボを同時に使うと治療効果が高まることを、京都大学病院などによる研究チームが医師主導治験で明らかにした。今後、手術した場合とほぼ同等の治療効果が出ることを目指し、どのような人により有効なのかを確...