沖縄県は、新型コロナウイルスの感染が急拡大して入院患者が増加し、多くの病院で新たな入院患者の受け入れが難しくなっているとして、軽症患者を受け入れる医療施設を26日から那覇市内で稼働させました。
新型コロナウイルスの沖縄県の感染状況は、6月18日までの1週間で、県内54の医療機関から報告された新型コロナの患者数は1552人、1医療機関当たりの平均患者は28・74人で、前週から1・56倍に増えました。推計される患者総数は7280人で、全国最悪の水準の感染状況が続いているとみられます。
県全体の入院者数は18日現在で507人で、重症は9人、新型コロナ専用病床の使用率は県全体で57・8%。医療機関での院内感染も相次ぎ、救急部門の診療を制限する病院も複数出ていて、医療提供体制がひっ迫しています。
これについて、玉城デニー知事は26日に記者会見を開いて、県として行う緊急の対策を発表しました。
それによりますと、65歳以上の軽症の患者を25人まで受け入れて治療できる施設を26日から那覇市内で稼働させるとともに、感染症専門の医師などでつくるチームを設置して、県に助言してもらうということです。
玉城知事は、「救急医療に大きな負荷がかかり、心筋梗塞や脳卒中などの救急治療が必要な方や、交通事故などで外傷を負った方の治療が難しくなり、救えるはずの命を救うことができなくなる事態が現実となる恐れがある」と危機感を示しました。
その上で、県民に対し、体調が悪い場合は外出を控えるとともに、高齢者など重症化リスクが高い人は、ワクチンを早期に接種するよう呼び掛けました。
2023年6月26日(月)