2023/12/24

🟧健康保険証、来年12月2日に廃止を正式決定 猶予期間は最長1年間

 政府は22日の閣議で、現行の健康保険証を来年、2024年12月2日に廃止することを正式に決めました。廃止後も最長1年間は猶予期間として今の健康保険証が利用できるほか、「マイナ保険証」を持っていない人には代わりとなる「資格確認書」を発行するとしています。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化を巡り、今年6月に成立した法律では2024年12月8日までに今の健康保険証を廃止することが定められています。

 先週、岸田文雄首相は予定どおり2024年秋に今の健康保険証を廃止して「マイナ保険証」に移行する方針を表明し、これを受けて政府は22日の閣議で、2024年12月2日に保険証の発行を終了し、廃止することを正式に決めました。同日以降、新規発行を停止します。

 現行の健康保険証は廃止された後も猶予期間として最長1年間使える一方、「マイナ保険証」を持っていない人には、有効期限が最長5年の「資格確認書」を発行し、医療機関を受診できるようにします。

 武見敬三厚生労働相は閣議の後の記者会見で、「多くの国民にマイナ保険証のメリットを実感してもらえるよう、あらゆる手段を通じて努力する」と述べました。

 その上で、マイナ保険証の利用率を向上させた医療機関に支援金を支給することなどを通じ、利用を促進していく考えを示しました。

 2023年12月24日(日)

🟧神戸徳洲会病院、インスリン投与せず糖尿病の男性患者死亡 院長が既往歴見落としか

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)に入院していた糖尿病の70歳代男性が9月に死亡した事案があり、市保健所は22日、医師が既往歴を見落とし適切な対応をしなかった可能性があるとして、医療法に基づき病院を立ち入り検査しました。

 市や病院によると、通院患者だった男性は新型コロナウイルスへの感染で肺炎が重症化し、8月に別の大学病院に転院。症状が改善したため9月5日に神戸徳洲会病院に戻り入院したものの、9月15日に死亡しました。主治医の新保雅也院長が糖尿病の既往歴を見落とし、インスリンの投与など必要な治療がなされず、血糖値のコントロールができずに死亡した可能性があります。

 同病院は当初、遺族側に死因を肺炎と説明。内部で調査委員会を立ち上げたものの、医療事故かどうかの結論は出さず国などに報告していませんでした。市の指摘を受け12月、国の医療事故調査制度に基づき外部機関に検証を依頼しました。病院の担当者は、「市の指導を受けながら院内の情報共有体制などを調べる」としています。

 同病院を巡っては、循環器内科の男性医師がかかわったカテーテル手術後に11人の患者が死亡した問題が、7月に発覚。市が8月に、安全管理体制に不備があったとして行政指導しました。11月に指導の是正状況を病院に確認する過程で、今回の入院した男性へのインスリン投与を一時実施せず、死亡したことがわかったといいます。

 市が病院側に指摘した後、病院側は遺族への説明内容を「死因は肺炎」から「血糖値をコントロールする治療をできずに死亡した可能性がある」と変更したといいます。

 2023年12月24日(日)

🟧来年度の診療報酬改定、人件費など引き上げも薬価は引き下げ

 政府は20日午前、2024年度の診療報酬の改定を巡り、医師や看護師らの人件費に回る「本体」部分を0・88%引き上げる一方、薬代の「薬価」部分は、公定価格と市場での取引価格の差額を踏まえて1%引き下げ、診療報酬全体では0・12%のマイナス改定とすることを決めました。全体の引き下げは、2016年度以降5回連続となります。

 診療報酬の「本体」の改定率は、2022年度の前回改定(0・43%)を大きく上回る水準となります。鈴木俊一財務相と武見敬三厚生労働相が同日午前、閣僚折衝を行い合意しました。

 介護保険サービスの公定価格である介護報酬は1・59%、障害者への福祉サービスを行う事業者に関する障害福祉サービス等報酬も1・12%、それぞれ引き上げます。介護報酬は、前回2021年度改定の0・7%から大幅に増加。障害福祉サービス等報酬も、2021年度改定の0・56%を大きく上回りました。

 診療報酬は2年に1度改定され、介護報酬と障害福祉サービス等報酬は3年に1度改定されます。2024年度は6年に1度、これら3つの報酬が同時に改定されます。

 閣僚折衝の後、武見厚生労働相は記者会見を開き、「医療・介護・福祉の分野で働く人の賃上げを実現できる水準を確保できた。財務省と主張に開きがあったのは事実だが、賃上げによる経済の好循環を作る役割を果たすことを考えながら任に当らせていただいた。今後、この改定率を前提に賃上げや処遇改善につながる仕組みの構築に向けて具体的な議論を深めていきたい」と述べました。

 2023年12月24日(日)

🟧高齢者の介護保険料、年間所得420万円以上は増額へ 「応能負担」を強化

 65歳以上の高齢者が支払う介護保険料について、厚生労働省は来年度から年間所得が420万円以上の高齢者を対象に引き上げることを決めました。

 65歳以上の高齢者が支払う介護保険料は、国が示した基準をもとに市町村が決めています。

 現在の国の基準は年間所得や年間の年金収入に応じて9段階の区分を設けていて、最も低い区分の「80万円以下」の人から、最も高い区分の「320万円以上」の人まで、所得が高い人ほど増額される仕組みです。

 しかし、65歳以上の高齢者が支払う介護保険料について、厚労省は来年度から年間所得が420万円以上の高齢者を対象に引き上げることを決めました。

 具体的には、現在「320万円以上」に設定している最も所得の高い区分を細分化して、新たに「420万円以上」「520万円以上」「620万円以上」「720万円以上」の4段階を設け、年間所得が420万円以上の所得の高い高齢者(145万人)については、収入に応じて保険料を納める「応能負担」を強化し、これまでよりも高い介護保険料を負担してもらうことになりました。

 また、厚労省は所得が低い高齢者(1323万人)については介護保険料の負担額を減らすことにしています。

 負担割合の変更は来年、2024年4月から行われる予定です。

 介護保険料には、40歳から64歳までの現役世代が支払う保険料と、65歳以上の高齢者が支払う保険料の、2種類あります。

 介護費用が増え続ける中、持続可能な仕組みをつくるために、厚生労働省は65歳以上の高齢者のうち、所得が高い人の負担額を増やす案について検討してきました。

 65歳以上が支払う介護保険料は、介護保険制度が始まった23年前の2000年度は全国平均で月2911円でしたが、急速な高齢化が進む中、現在は月6014円と2倍以上になり、2040年度には月9000円程度になると推計されています。

 物価高なども重なって、所得が低い高齢者の実質的な負担が増していますが、厚労省は今回、所得が高い高齢者の負担額を増やし、所得が低い高齢者の負担額を減らすことで、同じ世代の中で高齢者同士負担を分け合い、制度を持続可能なものにするための見直しを行いました。

 2023年12月24日(日)

🟧小麦から「カビ毒」検出の岩手県、県内26市町村で利用確認 ふるさと納税返礼品や給食で

 JA全農いわてが販売する岩手県産小麦「ナンブコムギ」から基準値を超えるカビ毒が検出された問題で、学校給食やふるさと納税の返礼品などへの影響が広がっています。カビ毒の可能性がある小麦の利用が確認されたのは、県内全33市町村の約8割に当たる26市町村。これまでに健康被害は確認されておらず、県は「通常の摂取量で健康に影響をおよぼす可能性は低い」として、冷静な対応を呼び掛けています。

 JA全農いわては11月28日、県産小麦の一部から、カビ毒の一種「デオキシニバレノール」が、食品衛生法の基準(1キロ・グラム当たり1ミリ・グラム)の最大約6倍検出されたと発表。対象の小麦約710トンのうち、約404トンはすでに小麦粉などとして出荷され、製粉会社などが自主回収を始める事態となりました。

 ナンブコムギは地域の特産品にも広く利用され、12月7日には、花巻市がふるさと納税の返礼品「花巻産南部小麦そうめん」に使われていたと発表。ほかの自治体の返礼品でも利用が次々と判明し、影響は14日までに計8市町(計481件)におよびました。

 学校給食にも、すいとんや煎餅(せんべい)汁、ひっつみ汁などとして提供され、14日までに少なくとも県内計26市町村のほか、青森、宮城両県の小中学校などで利用が確認されました。

 内閣府の食品安全委員会によると、今回検出されたデオキシニバレノールは、汚染された食品を食べると嘔吐(おうと)や下痢などを引き起こす恐れがあるとされます。製粉や調理の過程で濃度が薄まるという報告もあるといい、同委員会は「基準は低く設定されている。超過しても、ただちに健康への影響が出る性質のものではない」としています。

 「南部せんべい」の原材料にナンブコムギを使っていた盛岡市の「老舗白沢せんべい店」は11月27日から休業して商品を自主回収するなどし、これまで約2万枚、商品価格で200万円以上のせんべいを廃棄したものの、12月18日に再開しました。一部の商品で安全性が確認された別のナンブコムギの利用を再開しており、白沢一美津社長(51)は「ごまにもピーナッツにも負けない風味と味があり、ずっしりした重量感も出る。今後も利用を戻していきたい」と話しました。

 2023年12月24日(日)

2023/12/23

🟧小中学生の体力調査、男子はコロナ以降で初めて前年度上回る 中2女子は過去最低を更新

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に50メートル走など、8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、男子は新型コロナウイルスの感染拡大以降初めて合計点が前の年度を上回り、女子の低下傾向も、これまでより緩やかになったことがわかりました。 スポーツ庁は、新型コロナによる行動制限が緩和され、体を動かす活動が増えた影響が考えられると分析しています。

 国は、平成2008年度から、全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走やボール投げ、反復横とび、上体起こし、握力、立ち幅跳び、長座体前屈などの8つの項目で体力や運動能力を調べており、今年度は約190万人が対象になりました。

 この中で、実技8項目の成績を数値化した「体力合計点」の全国平均は、男子が小中学生ともに新型コロナの感染拡大以降、初めて上昇傾向に転じ、「握力」を除く、すべての項目で前の年度を上回りました。

 中でも、「立ち幅跳び」は、小学生が1メートル51センチ余りで、前回より3ミリ伸びたほか、中学生が1メートル96センチ余りで、調査開始以来、最もいい成績となりました。

 一方、女子の体力合計点は、小学生がほぼ横ばい、中学生は過去最低を更新しましたが、低下傾向はこれまでより緩やかになり、改善の兆しがみられるということです。

 このうち、「長座体前屈」は、小中学生ともに前の年度を上回り、小学生が38センチ余りで、前の年度と比べて2・7ミリ伸びて、これまでで最もいい成績となり、中学生が46センチ余りで、過去2番目にいい成績となりました。

 全国体力テストの合計点は、男女ともに2019年度から低下が続き、昨年度は調査開始以来、最も低くなっていましたが、新型コロナの感染拡大以降、初めて改善傾向を示す結果となりました。

 これについてスポーツ庁は「学校や地域で行動制限が緩和されて、体を動かす活動が増えた影響が考えられる」と分析し、今後は、コロナ禍で減少した運動習慣を生活の中で定着させることが課題だとしています。

 調査結果の分析にかかわった、子供のスポーツ学が専門の中京大学の中野貴博教授は、男子と女子では体力合計点の回復の度合いに差があり、中学女子では、前の年度を下回ったことについて「運動に対する気持ちは、男子のほうがポジティブな傾向が強く、思春期の発達を考えても中学校2年生ぐらいの女子は、運動の好き嫌いが分かれ、やらない時間が続くことでちょっと距離を置く傾向がある。コロナ禍を経て、ほかの学年や男子に比べると、その影響が強く残った可能性がある」と指摘しています。

 その上で、「運動が得意だという意識が強くない女子でも、競技ベースではないものや、仲間同士でやるものには非常にいい反応を示すので、そこを理解して、いろいろな運動をさせる取り組みを強化していくことで、数年かけて元の水準に戻せるのではないか」と話していました。

 2023年12月23日(土)

🟧デング熱、2023年に500万件発生し5000人死亡 WHO発表

 世界保健機関(WHO)は22日、蚊が媒介するウイルス感染症のデング熱の発生件数が2023年に500万件を超えたと発表しました。80を超える国・地域で計5000人以上の死亡が報告され、地球規模で感染リスクが高まっていると判断しました。渡航や貿易の制限は勧告していません。

 発生件数は過去最悪の水準に近付いており、約8割が北アメリカと南アメリカに集中しているといいます。人口10万人当たりでは、ブラジルやペルー、メキシコなどが多くなっています。地球温暖化による気温上昇や脆弱な医療体制など複数の要因が感染急増につながっていると分析しました。

 WHOは、デング熱感染に対する特定の治療方法が確立されていないため、早期発見と医療機関への受診が死亡率を下げるとも指摘しています。

 デング熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカと呼ばれる蚊が媒介して感染します。最近では在留邦人などの感染事例も増加しています。感染対策としては、日中や外出時には長袖や長ズボンなどを着用することで肌の露出を控え、虫除けスプレーを使用し、蚊に刺されないことが重要となります。就寝時には蚊帳を利用し、蚊に刺されないように対策を取る必要があります。

 2023年12月23日(土)

🟥スマホ等の使用、仕事・勉強・家事以外は1日2時間まで 愛知県豊明市の条例案可決

 仕事や勉強、家事以外でのスマートフォンなどの使用は1日2時間以内を目安にするよう促す条例案が、22日、愛知県豊明市の市議会で採決され、賛成多数で可決・成立した。市によると、すべての市民を対象にスマートフォンなどの使用時間の目安を示した条例は全国で初めてで、10月1日に施行され...