2025/05/05

🟩発達障害、全国ネットワーク結成 当事者団体が連携、施策を提言へ

 発達障害がある人たちの権利を守り、生きやすい社会を実現するために、各地の当事者団体がネットワークを結成しました。名称は「全国発達障害者連絡会議」(略称・発達連)。当事者の意見を集約し、行政、立法への提言や啓発活動を行います。

 発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)などの総称。2005年施行(2016年改正)の発達障害者支援法は、相談体制の整備や教育現場での配慮、就労支援、司法手続きにおける意思疎通の手段確保などを規定しています。

 一方、施行から20年がたち、発達障害という言葉は知られるようになったものの、自治体の地域協議会に当事者が参画するケースは限られ、施策に声が十分反映されていません。

 ネットワーク結成には、シンポジウムなどで交流を重ねてきた6団体が参加。NPO法人「DDAC(発達障害をもつ大人の会)」(大阪市)の理事長で、ネットワーク共同代表の広野ゆいさんは「当事者が自らの言葉で社会に訴え、社会を変えていく力を発揮するため、確かな道しるべになりたい」としています。

 2025年5月5日(月)

2025/05/04

🟩東京都が確認したはしか患者が新幹線で静岡県内を訪問 県が接触者に注意喚起

 4月下旬に静岡県を訪れていた女性が、はしか(麻疹)に感染していたことが、5月2日にわかりました。東海道新幹線に乗って静岡県内を訪れていたということで、静岡県は女性と接触した疑いがある人は届け出てほしいと話しています。

 県によると、女性は30歳代で、2日に東京都が患者として確認しました。東京都の保健医療局や静岡県の感染症管理センターによりますと、女性は4月26日、品川駅を午前9時04分に発車した東海道新幹線こだま711号・新大阪行きの3号車(自由席)に乗車し、同10時34分ごろ掛川駅で降りたということです。

 県では女性が県内で接触した人は特定できていて、体調チェックなど健康観察を行っています。そのほかで不特定多数の人との接触は確認されていません。

 はしかに感染した女性は海外渡航歴があり、発熱やせき、発疹などの症状が出ているということです。

 はしかは感染力が極めて強く、感染すると約10日から12日後に風邪のような症状が現れ、2~4日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が現れるということです。

 県は、はしかの症状が疑われる場合は医療機関に相談の上、速やかに受診してほしいと呼び掛けていて、5月3日、県感染症管理センター内に相談窓口を設置し、窓口でははしかに関して心配のある県民からの相談を受け付けています。

 相談窓口は<電055(928)7220>。当面の間、午前9時から午後5時まで受け付けます。

 2025年5月4日(日)

2025/05/03

🟩アスベストじん肺訴訟、国の敗訴判決確定 賠償金請求時期見直し

 アスベスト(石綿)を扱う工場で働き、じん肺を患ったとして元労働者の遺族が訴えた裁判で、国に賠償を命じた2審の判決について国は上告せず確定しました。これを受けて厚生労働省は被害者が賠償金を請求できる開始時期を見直し、これまでより遅くなっても受け取れるようにしました。

 アスベストを扱う工場で働き1999年にじん肺と診断され、翌年、労働局から健康被害を認定された兵庫県尼崎市の男性の遺族が国に約600万円の賠償を求めた裁判では、20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなる「除斥期間」の起算点について争われました。

 遺族側は「行政が健康被害を認定した時」だと主張したのに対し、国はこれよりも早い「医師の診断日」が起算点になり、尼崎市の男性の場合、権利は消滅していると主張しましたが、4月、2審の大阪高等裁判所は遺族側の訴えを認める判決を言い渡しました。

 厚労省は期限の5月1日までに最高裁判所に上告せず、この判決が確定しました。

 そして、アスベストを扱う工場で働きじん肺になった人について「除斥期間」の起算点を見直し、これまでよりも遅い時期で、行政がじん肺の症状の重さなどを区分する「じん肺管理区分」を決定した日を新たな起算点とし、この日から20年以内であれば賠償金を受け取ることができるようにしました。

 厚労省は、「慎重に検討を重ねた上、関係省庁とも協議した結果、最高裁への上告は行わないこととした」とコメントしています。

 2025年5月3日(土)

2025/05/02

🟩百日せきで乳児2人死亡、薬が効きにくい耐性菌に感染 専門家「速やかなワクチン接種」呼び掛け

 子供を中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」の感染拡大が続く中、今年に入り全国で少なくとも2人の乳児が死亡していることが、関係者の話でわかりました。いずれもワクチン接種前の生後1カ月でした。専門家は、飛沫(ひまつ)を防ぐなど基本的な感染対策の徹底と、ワクチンの接種が可能になる生後2カ月での速やかな接種を呼び掛けています。

 百日せきは、主にせきやくしゃみなどの飛沫に含まれる細菌から感染します。百日せきを含む5種混合ワクチンは、公費による定期接種の対象で、安全性と有効性が確認されている生後2カ月から接種が可能となります。接種前の乳児は、呼吸困難や肺炎などで重症化する恐れがあります。

 東京都立小児総合医療センターと兵庫県立こども病院で今年3月、いずれも生後1カ月の女児が呼吸不全などで亡くなりました。どちらも治療薬が効きにくい耐性菌に感染していたといいます。

 過去の乳児の死亡例は、2014~2023年の国の人口動態統計で、2015年と2028年に各1人が確認されています。

 東京都立小児総合医療センター感染症科の堀越裕歩部長は、「今回の急激な感染拡大には、耐性菌の影響もあるとみられる。治療が難しく、子供の重症例が増える恐れもある」と警戒感を示しています。

 乳児の感染対策として、欧米などでは妊婦に百日せきワクチンを接種する方法が普及しています。堀越部長は、「耐性菌にもワクチンは有効で、生後2カ月になったらすぐに接種することが大切だ」と指摘しています。

 百日せきの患者数について、国立健康危機管理研究機構は、4月14~20日の1週間で1884人(速報値)だったと発表しました。前週の1222人を上回り、すべての患者を把握するようになった2018以降で過去最多を4週連続で更新しました。今年の累計患者数は9336人で1万人に迫っています。

 2025年5月2日(金)

2025/05/01

🟩東京都内「赤ちゃんポスト」に子供の預け入れ 墨田区の賛育会病院

 親が育てられない子供を匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」の運用を東京都墨田区の病院が始めて1カ月がたちましたが、これまでに生後間もない赤ちゃんが実際に預けられていたことが1日、初めてわかりました。

 東京都墨田区の賛育会病院は今年3月31日から親が育てられない子供を匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」を「ベビーバスケット」と名付け、運用を始めました。

 また、妊婦が医療機関以外に身元を明かさずに出産する「内密出産」も同時に開始し、いずれも、医療機関としては熊本市の慈恵病院に続いて全国で2例目となります。

 事業開始から1カ月となる中、これまでに内密出産の相談や問い合わせが複数件、寄せられたほか、生後間もない赤ちゃんが実際にベビーバスケットに預けられたケースがあったことが、病院への取材で初めてわかりました。

 具体的な件数は明らかにされていませんが、病院によりますと、赤ちゃんの健康状態に問題があった事例はなく、親がしたためたとみられる書き置きが残されていたこともあったということです。

 賛育会病院の賀藤均院長は、「赤ちゃんが生きていてよかった、よく預けに来てくれたと思っています。身近な家族に相談できずに追い込まれている人はたくさんいます。赤ちゃんが遺棄される事件が繰り返される中、社会がどう対応していくのかみんなで考えていかないといけません。とにかく1人で悩まず相談してほしい」と話しています。

 病院では妊娠や出産の悩みについて匿名での電話相談にも応じていて、不安があればまずは連絡してほしいと呼び掛けています。

 2025年5月1日(木)

2025/04/30

🟩群馬県神流町、水道水で14人が食中毒 カンピロバクター検出、農業用水が流入

 群馬県神流(かんな)町で、水道水が原因の食中毒が発生し、水道水を飲んだ子供を含む町民14人が発熱や腹痛、下痢などの症状を訴え、一部の人の便から細菌「カンピロバクター」が検出されました。県が29日に発表しました。神流町によると、配水池の農業用水タンクの水が飲料用水タンクへ流入したことが原因とみられます。

 県などによりますと、神流町から21日、「町内の相原(あいばら)地区の複数の住人が熱や下痢などの症状で医療機関を受診しており、水道水が原因と疑われる」との連絡が保健所に入り、調査を開始しました。

 14人は9歳以下から80歳代の男女で、全員が相原配水池から供給された水道水を飲んでいました。神流町が池の水を調査した結果、「一般細菌数」が水質基準の1・5倍に上り、大腸菌も検出。14人のうち複数の人の便からカンピロバクターが検出され、県は29日、この水道水を飲んだことによる食中毒と断定したと発表しました。入院した人はおらず、14人はいずれも回復に向かっています。

 神流町によると、配水池には、飲料用水タンクと農業用水タンクが隣接して置かれており、双方が同一の排水管でつながっています。調査のため飲料用水タンクの水を抜いた際、農業用水タンク側の水が逆流しているのが確認されました。

 農業用水は近くの沢から引いていて、消毒などはされていないといいます。

 神流町では19日以降、相原地区の25世帯、44人の住民に対し、水道水の飲み水としての使用を控えるよう呼び掛けています。同地区には飲料水のペットボトルを配布しているといいます。

 厚生労働省などによると、カンピロバクターは、鶏や牛、豚など家畜の腸管内に生息する細菌。特に鶏の腸管内にいる確率が高く、市販の鶏肉の6割程度から菌が検出されたとの調査結果もあります。

 カンピロバクターを原因とする食中毒は、生や半生、加熱不足の鶏肉料理で多発しているほか、殺菌が不十分な井戸水や湧水、簡易水道水に由来する水系の感染事例も確認されています。

 国内で発生している細菌性食中毒の中では近年、発生件数が最も多く、年間300件、患者数2000人程度で推移しています。

 2025年4月30日(水)

2025/04/29

🟩国内最高齢、愛知県の114歳に ひ孫33人玄孫11人の近藤ミネさん

 愛知県幸田町に住む114歳の近藤ミネさんが、国内最高齢となったことが28日、厚生労働省から発表されました。

 この日、三女の藤田すみ子さん(74)が町役場で、近藤さんの近況などを語りました。 町によると、1910(明治43)年9月1日生まれの近藤さんは、結婚後は農家として働き、明るい性格で周囲から好かれているといいます。

 すみ子さんによると、ミネさんは現在、左足の骨折の治療のため岡崎市内の病院に入院中。毎日面会に訪れるすみ子さんが同日午後、最高齢者となったことを知らせたといいます。すみ子さんは、「耳が遠く伝わっているかわからないが、家族はみな最高齢にびっくりしていた」と話しました。

 ミネさんの長生きの秘訣(ひけつ)は「好き嫌いなく食べ、よく外に出掛けていたこと」だといい、毎年豊田市の香嵐渓を訪れ、うどんや五平餅を食べていたといいます。子供は9人で、孫16人、ひ孫33人、玄孫(やしゃご)が11人います。

 幸田町の成瀬敦町長は、「近藤さんが国内最高齢になったことは町民の喜びと誇りだ。これからの日々が、健やかで穏やかなものであるようお祈り申し上げる」とのコメントを発表しました。

 2025年4月29日(火)

🟩中国から輸入のスナック菓子から国内使用禁止の酸化防止剤、輸入業者に回収と廃棄命令

 千葉市は23日、同市美浜区の食品輸入業者「清水物産ホールディングス」が中国から輸入したスナック菓子から、国内で使用が禁止されている食品添加物が検出されたと発表しました。千葉市保健所は同日、同社に回収と廃棄を命じました。  違反のあった菓子は「フライドポテト うすしお味」(1袋...