2024/09/30

🟧塩野義製薬、発達障害の子供をアバターで支援 2025年度にも、心理的障壁を取り除く

 塩野義製薬が注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害のある子供を対象に、アバター(分身)技術を使って、言葉の遅れなど子供が直面する困り事に対応する支援サービスに取り組むことが29日、わかりました。2025年度中にもサービスを開始します。対面ではなくアバターを介することで、心理的障壁を取り除くことができるといいます。

 発達障害の子供は他人とのコミュニケーションが苦手な場合が多く、成長するに従って社会生活に困難を感じるため、周囲の理解と支援が必要になります。

 塩野義製薬は、大阪大大学院の石黒浩教授(ロボット工学)が設立し、同社も出資するベンチャー企業「AVITA(アビータ)」(東京都品川区)と協業。塩野義製薬が独自のソフトウエアを作成し、アバターの技術開発はアビータが手掛けます。

 言語の療育を行う言語聴覚士がアバターを通じて子供に接する「言語聴覚療法」を提供するサービスを2025年度中に、個人の特性に合わせて対人関係を学ぶ「ソーシャルスキルトレーニング」サービスを2026年度中にそれぞれ始めることを目指しています。

 塩野義製薬の調査では、言語聴覚士がアバターを使ってASDの子供らに接したところ、人と直接対面するよりも会話に集中する傾向があったといいます。

 アバターは自由に選ぶことができ、人間だけでなく動物やアニメ風のキャラクターなど子供の特性に合わせて設定します。声も変えることができ、子供の関心を引きやすいアバターをつくり出すことが可能。興味を引き付けながら言葉や会話の練習ができます。

 言葉の問題はその後の学習の遅れや人間関係の構築などに影響を与えることから、専門的な支援が必要とされる一方、子供の言語療育を担う言語聴覚士の数には限りがあります。アバターのサービスは同時に複数の配信も可能なため、よりきめ細かい対応が期待できます。

 3歳児健診で言葉の遅れがみられた幼児や、小学校で対人コミュニケーションに悩む児童らをサポートし、各家庭のほか、学校の支援学級、児童発達支援事業所などでの導入を想定します。

 塩野義製薬は今年2月に、小児のADHD患者を対象とした、ゲームで症状緩和が期待できるデジタル治療用アプリの製造販売承認を申請しています。治療だけでなく、困り事に応じた福祉環境の必要性から今回の事業に乗り出すことを決めました。

 担当者は、「発達障害は切れ目のない支援が必要。今後サービスの対象幅や内容を広げていきたい」と話しています。

 2024年9月30日(月)

2024/09/29

🟧うつ病治療薬「ズラノロン」、国内で製造販売承認申請 塩野義製薬、治験で即効性確認

 塩野義製薬は27日、同社がアメリカのセージ・セラピューティクスから日本、台湾および韓国における独占的開発権・販売権を取得しているうつ病治療薬「ズラノロン」について、同日付で日本での製造販売承認申請を行ったと発表しました。

 今回の製造販売承認申請は、同社が日本で実施した第3相の臨床試験(治験)の良好な結果に基づくもの。第3相の臨床試験は、中等症から重症のうつ病患者412 名を対象に、ズラノロンの有効性および安全性、忍容性の評価を目的に国内で実施された試験です。

 うつ病の重症度を評価する尺度であるHAM-D合計スコアのベースラインからの変化量について、ズラノロン投与群はプラセボ投与群に対して統計学的に有意な減少が確認され、主要評価項目を達成しました。

 また、ズラノロン投与群は、投与3日目からHAM-D合計スコアが有意に減少し、本剤の即効性が示されました。

 日本におけるうつ病の患者数は約500万人と推計され、非致死性の健康を損なう疾患の中では最多の罹病者数です。既存の治療薬は効果発現までに数週間かかることが多く、即効性のある治療薬が求められています。これまでの臨床試験で即効性が確認されている同剤は、うつ病治療の新たな選択肢としての貢献が期待されます。

 2024年9月29日(日)

2024/09/28

🟧新型コロナ感染者4週連続減少、前週比0・82倍 厚労省「夏場のピークは越えた」

 厚生労働省は27日、全国約5000カ所の定点医療機関から直近(9月16~22日)の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数が2万1400人だったと発表しました。1医療機関当たり4・35人(前週5・28人)で、前週比0・82倍。8月下旬以降、4週連続で減少しています。

 都道府県別では、宮城県が6・97人(前週10・8人)となり、3週連続で最多。岩手県が6・71人(同10・11人)、新潟県が6・67人(同8・21人)、茨城県が6・66人(同7・5人)、千葉県が6・5人(同7・75人)と続いています。少なかったのは沖縄県2・04人、鹿児島県2・09人、佐賀県2・21人など。

 東北地方では、ほかの地域よりも1医療機関当たりの患者数が多い状況が続いているものの、その数は減ってきています。

 夏休み中に国内外に出掛けた人は多く、お盆明けに感染者が増えることも予想されましたが、結果的には前年同期に比べて大幅に少なく推移しました。

 厚労省は、「流行していたウイルスに対する免疫を持った人が増えたことや、受診する人が減ったことが要因」とみており、「夏の流行はピークを越えた可能性が高い。例年、冬に再び増える傾向にあるので感染状況を注視していきたい」としています。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1471人で、前週比0・80倍でした。

 2024年9月28日(土)

2024/09/27

🟧長崎県の新型コロナ感染者が8週連続で減少 手足口病は警報レベル続く

 長崎県内の新型コロナウイルスの報告患者数は8週連続で減少しました。一方で、手足口病は14週連続の警報レベルとなっています。

 16日(月)から22日(日)までの1週間に、県内70の定点医療機関が県に報告した新型コロナウイルスの患者は166人で、前の週より60人減り、8週連続で減少しました。

 1医療機関当たりの患者数は平均2・37人で、5月以来、約4カ月ぶりに2人台となりました。

 年齢別では、10歳代が最も多い34人、次いで10歳未満が31人、80歳以上が22人となっています。

 保健所別では、長崎3・88人、上五島3・67人、壱岐3・33人が多くなっています。

 乳幼児の発症が多い手足口病は、県内44の定点医療機関で報告数が339人(前週比60人減)。1定点医療機関当たりは7・70人(前週比1・37人減)でした。

 保健所別では、県南13・80人が最多。県央12・14人、佐世保8・83人と続きました。

 発熱や全身の倦怠(けんたい)感、頭痛、せきなどの症状が出る「マイコプラズマ肺炎」の県内12定点医療機関の報告数は20人(前週比4人減)。1定点医療機関当たりの報告数は1・67人(前週比0・33人減)。

 保健所別では、長崎、佐世保、県央、県南が3・00人。

 県環境保健研究センターは、「新型コロナ、手足口病以外にも、発熱や咳が主症状のマイコプラズマ肺炎が、過去5年間で最多の患者報告数となっている。いずれの感染症にも、場面に応じたマスクの着用や手洗い、換気、三密の回避などが有効なので、引き続き基本的な感染対策に努めてほしい」としています。

  2024年9月27日(金)

2024/09/26

🟧経口中絶薬、外来でも使用可能に 無床診療所への拡大は再審議

 人工妊娠中絶のための飲み薬について、厚生労働省の薬事審議会は25日、一定の条件を満たせば外来での使用を可能とする方針を了承しました。入院ベッドのない無床診療所での使用については、「準備が整っていない」とし、下位の専門家部会に差し戻して再度審議します。

 この薬は、妊娠9週0日までの妊婦が対象のラインファーマの経口薬「メフィーゴパック」。使用中に大量出血の恐れもあるため、厚労省は昨年4月の承認時に、適切な使用体制が確立されるまで入院可能な医療機関で使用し、2剤目の使用後は院内待機を求める通知を出していました。

 こども家庭庁の研究班が昨年5~10月の使用実績435件を調査し、「重篤な合併症はなかった」と結論付けたことを踏まえ、通知の改正に向けた議論が進んでいました。

 今後、2剤目の使用後は、医療機関から16キロ以内などの条件を満たせば帰宅できるようになります。一方、使用できるのは引き続き入院可能な医療機関に限られます。

 関係者によると、調査対象期間外で、「重篤な有害事象」が複数確認されたため、日本産婦人科医会から、無床診療所への使用拡大について慎重な対応を求める声が上がっていました。

 厚労省は「(薬の)安全性に疑義が呈されたわけではない」としています。

 2024年9月26日(木)

2024/09/25

🟧旧優生保護法の下で強制不妊手術、宮城県内の男女4人の和解が成立

 旧優生保護法の下で不妊手術を強制されたとして、国に賠償を求めていた宮城県内の5人の裁判で、このうち4人については国側が謝罪した上で、慰謝料を含む約1650万円をそれぞれに支払うことで24日、和解が成立しました。一方、原告団の共同代表の女性は、現段階では和解できないとして引き続き、協議が続けられることになりました。

 旧優生保護法の下で不妊手術を強制されたとして国を訴えている各地の原告や弁護団は、9月13日、国が慰謝料を支払うことなどで和解するとした合意書に調印しました。

 宮城県内では5人の原告が国に賠償を求めていましたが、弁護団によりますと、このうち7月の最高裁判所の判決で仙台高等裁判所で審理をやり直すことになった佐藤由美さん(仮名、60歳代)を含む男女4人については、24日に行われた協議で国側が謝罪し、慰謝料を含む約1650万円をそれぞれに支払うことで和解が成立しました。

 一方、最高裁の判決で佐藤さんとともに審理をやり直すことになった原告団の共同代表の飯塚淳子(仮名、70歳代)さんは、現段階では和解できないとして引き続き、協議が続けられることになりました。

 優生保護法被害全国弁護団の新里宏二弁護士は、「すぐに納得できないという気持ちは弁護団として理解できる。お金の問題ではないので、時間をかける必要がある」と話していました。

 24日、和解が成立した佐藤由美さんは、一連の裁判で全国で初めて訴えを起こしていました。

 協議の後の会見で、裁判に参加することが難しい由美さんを支え、代わりに裁判に参加してきた義理の姉の佐藤路子さん(仮名)は、「裁判が始まってから弁護団始め、いろんな方に支えられてここまできました。裁判が始まったことから、世の中が変わっていくのが肌で感じるようにわかり、声を上げやすくなった」と話していました。

 2024年9月25日(水)

2024/09/24

🟧脳死判定の20歳代男性の心臓など4臓器提供、家族が承諾 鹿児島大で摘出、九州大などで移植へ

 鹿児島大学病院で23日午前、臓器移植法に基づく脳死と判定されていた20歳代男性の心臓、肝臓、腎臓、すい臓が摘出されました。鹿児島県内で公表された脳死判定による臓器提供は10例目、全国では1124例目。

 日本臓器移植ネットワークによると、男性は重症頭部外傷で鹿児島大学病院に入院していました。脳死判定は1回目が20日午後4時すぎ、2回目が21日午前10時45分に終わりました。本人から臓器提供の意思表示はなかったものの、家族が承諾しました。

 心臓は千葉大学医学部付属病院で40歳代男性に、肝臓は東京大学医学部付属病院で20歳代男性に、腎臓とすい臓は自治医科大学付属病院で60歳代男性に、もう1つの腎臓は九州大学病院で10歳代男性に移植される予定。

 臓器移植法は1997年施行。2010年に改正され、本人の意思表示が不明な場合は、家族の承諾があれば提供が可能になりました。

 2024年9月24日(火)

2024/09/23

🟧神奈川県の「100歳以上」が5000人突破 横浜市2064人、川崎市736人

 神奈川県は17日、県内の1日時点での100歳以上の人口(年齢は15日時点)が5141人(前年比245人増)に上り、記録が残る1981年以降、過去最多となったと発表しました。記録の更新は43年連続。

 内訳は男性674人(同18人増)、女性4467人(同227増)。市町村別では、横浜市が最多の2064人、川崎市が736人で続きました。最高齢は、男性が横浜市の110歳、女性も同市の113歳でした。

 厚生労働省によると、神奈川県内の100歳以上の高齢者は東京都に次いで全国2番目に多いものの、人口10万人当たりでみると、55・70人で全国42番目でした。

 2024年9月23日(月)

2024/09/22

🟧新型コロナウイルス感染者、3週連続で減少 1医療機関当たり5・28人、前週比0・80倍

 厚生労働省は20日、全国約5000の定点医療機関から9~15日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が2万5985人だったと発表しました。1医療機関当たりは5・28人で、前週比0・80倍と3週連続で減少しました。昨年の同時期は1医療機関当たり17・54人でした。

 鹿児島を除く46都道府県で減少。1医療機関当たりの感染者数が多かったのは宮城県10・80人、岩手県10・11人、山形県9・93人。少なかったのは沖縄県2・05人、鹿児島県2・29人、福岡県2・46人など。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1838人で、前週比0・74倍。

 同期間に報告されたインフルエンザの感染者数は2520人、1医療機関当たり0・51人で、前週比1・13倍でした。

 2024年9月22日(日)

2024/09/20

🟧15日までの1週間の熱中症搬送、全国で4157人 今後も対策を

 総務省消防庁によりますと、9月9日から15日までの1週間に熱中症で病院に救急搬送された人は、全国で合わせて4157人で、前の1週間より1000人余り多くなり、2週連続で増加しました。

 初診時の傷病程度別では、外来診療のみの軽症が2823人。短期間の入院が必要な中等症が1216人で、軽症と合わせて全体の97・2%を占めました。3週間以上の入院が必要な重症が79人、死亡が3人、その他が36人でした。

 都道府県別の搬送者数は、大阪府が370人で最も多く、次いで東京都(317人)、埼玉県(259人)、兵庫県・福岡県(226人)、愛知県(205人)、千葉県(185人)などが続きました。

 年代別では、65歳以上の高齢者が2195人と5割強を占めたほか、18歳以上65歳未満が1515人、7歳以上18歳未満が430人、7歳未満が17人でした。

 熱中症の発生場所に関しては、住居(1136人)が最多で、道路(895人)、屋外の競技場や駐車場(630人)などとなっています。

 総務省消防庁は、「引き続き暑さが見込まれるため、水分補給やエアコンの使用など熱中症への基本的な対策は今後も続けてほしい」と呼び掛けています。

 2024年9月20日(金)

2024/09/19

🟧8月熱中症搬送は3万2806人、昨年8月より2029人減少 死者は23都府県で43人

 総務省消防庁は18日、熱中症により8月に救急搬送された人は、全国で3万2806人だったと発表しました。猛暑が続く一方、台風10号の影響で悪天候の日も多く、昨年8月より2029人減少しました。23都府県で計43人の死亡が確認されました。

 今後も数日間は残暑が続く見通しで、消防庁はエアコンの適切な使用や小まめな水分補給、帽子の着用などを呼び掛けています。

 3週間以上の入院が必要な重症者は708人、短期入院が必要な中等症は1万615人。年齢別では、65歳以上の高齢者が1万8703人で6割近くを占めました。

 都道府県別では、東京都が2439人で最も多く、大阪府2406人、愛知県2136人と続きました。

 2024年9月19日(木)

2024/09/18

🟧小林製薬、紅麹成分含むサプリメント問題受け再発防止策を公表 利益重視転換や脱創業家経営など

 小林製薬は17日、紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを巡る一連の問題を受けた再発防止策を公表しました。

 品質や安全への意識改革を図るため、責任を担う部署の明確化のほか、創業家依存から脱却し、ガバナンスの抜本的な改革に取り組むとしました。

 小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを巡っては、摂取した後、腎臓の病気を発症するなど、健康被害の訴えが相次いでいて、経営責任を取る形で、創業家出身の会長と社長が辞任し、8月、紅麹関連の製品の製造や販売を行う事業から撤退することを決めました。

 一連の問題を受けて、会社が17日に公表した再発防止策によりますと、品質や安全への意識改革を図るため、品質保証や安全管理の責任を担う部署を明確にすることや、開発部門と工場の間で、製造工程の課題について検討する場を設けることなど、体制を強化するとしました。

 また、意識改革の一環として、重要な経営目標として掲げていた「連続増益」を中期経営計画から削除するとしています。

 さらに再発防止策では、問題の公表が遅れたことを受け、創業家依存の経営からの脱却や、意思決定機関の刷新など、ガバナンスの抜本的な改革に取り組むことも盛り込みました。

 「同調圧力が働きやすく、創業家の意向をくんだ意思決定になっていた」として、同質性を排除し、多様な人材の確保などを進めるとしました。

 再発防止策について、小林製薬の山根聡社長は「1日も早くという思いで再発防止策を定めた。今後は全社一丸となり、皆さんが製品を安心して使えるよう、再発の防止に真摯(しんし)に努めていく。新たな会社に生まれ変わることを誓う」と述べました。

 2024年9月18日(水)

2024/09/17

🟦全国の100歳以上は9万5119人に 54年連続増、女性が88%

 全国の100歳以上の高齢者は、2023年から3000人近く増えて9万5000人あまりで、54年連続で過去最多となったことが、厚生労働省のまとめでわかりました。

 厚労省が公表した9月1日時点の住民基本台帳を基にした国内に住む100歳以上の高齢者の数は、2023年から2980人増えて9万5119人で、1970年以降54年連続で、過去最多となりました。

 性別でみると、女性が8万3958人で全体の88%あまりを占め、男性が1万1161人となっています。

 国内の最高齢は1908年(明治41年)生まれの116歳で、兵庫県芦屋市に住む糸岡富子さんです。今年8月、ギネスワールドレコーズ(イギリス)から世界最高齢に認定されました。

 また男性の最高齢は、1914年(大正3年)生まれの110歳で、静岡県磐田市に住む水野清隆さんです。

 人口10万人当たりの100歳以上の人数は、全国平均で76・49人。都道府県別でみると、島根県が159・54人と12年連続で最も多く、次いで、高知県が154・20人、鹿児島県が130・73人でした。

 一方、最も少なかったのは35年連続で埼玉県で45・81人、次いで愛知県が48・80人、千葉県が52・60人でした。

 100歳以上の高齢者の数は1963年(昭和38年)には全国で153人でしたが、1981年(昭和56年)に1000人を超え、そして1998年(平成10年)に1万人を超えたということです。

 今年度中に新たに100歳となる見込みの人は、9月1日時点で海外在住者や永住外国人を含めて4万7888人。前年度から781人増え、過去最多を更新しました。女性は4万900人、男性は6988人でした。

 2024年9月17日(火)

2024/09/16

🟦高齢者の推計人口は過去最多3625万人、総人口のほぼ3割 就業者数も914万人と過去最多 

 総務省は15日、65歳以上の高齢者の推計人口を発表しました。15日時点の高齢者は前年比2万人増の3625万人、総人口に占める割合も前年比0・2ポイント上昇して29・3%となり、いずれも過去最多を記録しました。

 昨年の高齢者の就業者数も914万人と20年連続で増加し、過去最多を更新した。男性が前の年から4万人減って534万人だった一方、女性は5万人増えて380万人となっています。

 同省が16日の敬老の日に合わせて発表しました。高齢者の男女別内訳は、男性が1572万人で男性全体に占める割合は26・1%、女性は男性より481万人多い2053万人で、女性全体の32・3%でした。

 世代別で見ると、70歳以上は2898万人と総人口の23・4%、80歳以上は1290万人で総人口の10・4%となりました。高齢者の割合は1950年以降年々高まっており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、第2次ベビーブーム期(1971~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には34・8%に達すると見込まれています。

 国連の推計によると、日本の高齢者の割合(29・3%)は人口10万人以上の世界200の国・地域で最も高く、主要国ではイタリアが24・6%、ドイツが23・2%などと続いています。

 一方、労働力調査を基にした総務省の集計では、昨年の高齢者の就業率は前年と同じ25・2%で、高齢者の4人に1人が働いていることになります。15歳以上の就業者全体に占める割合は13・5%で、およそ7人に1人が高齢者となる計算です。産業別に見ると、「卸売業、小売業」が132万人と最多。「医療、福祉」分野は107万人で、10年前の約2・4倍に増加しました。

 総務省は、「労働市場の人手不足などにより高齢者が活躍する場は増えていて、働く高齢者が増える傾向は続くとみている」としています。

 2024年9月16日(月)

2024/09/15

🟦1~6月の交通死者、千葉県が全国ワーストの72人 飲酒運転による事故目立つ

 千葉県警は、今年の上半期(1~6月)に県内で起きた交通事故の状況を発表しました。交通人身事故の死者数は72人(前年同期比15人増)に上り、全国ワーストでした。飲酒運転による人身事故の発生件数は67件(同10件増)で、依然として厳しい状況が続いています。

 県警交通総務課によると、死者数の内訳では、自動車に乗車中に亡くなるケースが37%で最多でした。単独事故や正面衝突の事故が多く、運転中のスマートフォン操作や脇見運転によるドライバーの前方不注意といった「安全運転義務違反」が事故原因の75%を占めました。シートベルトを着用していないケースもありました。

 事故で亡くなった人を年齢別でみると、25~64歳が最多の48%、65歳以上が45%と続きました。

 飲酒運転による人身事故の発生件数は、2018年からコロナ禍などで減少傾向でしたが、2022年に増加に転じ、50件台を推移。今年の上半期は67件と前年同期比で10件増えました。

 年齢別では、20歳代が最も多く16件、50歳代が15件と続きました。発生時間帯は、午前2時〜7時台と午後8時~11時台が多くなりました。

 また、ドライバーが酒を飲み終えて1時間以上たってから運転したケースが71%を占めました。事故を起こしたドライバーは、「ちょっと休めば酒が抜けて大丈夫だと思った」と説明する場合が多いといいます」。

 交通総務課によると、体重約60キロの人がビール(アルコール5%)500ミリ・リットルを飲んだ場合、アルコールが分解されるまで約4時間かかるといいます。担当者は「飲酒運転は犯罪。前日飲み過ぎたと思ったら翌日は運転しないといった意識を徹底して」と呼び掛けています。

 歩行中に犠牲になったり、大けがをした事故は、65歳未満が126人で前年同期比で2割ほど増えました。特に夜間の事故が相次ぎ、飲酒した状態で巻き込まれたのは12件あり、5人が亡くなりました。

 夜間に飲酒や病気で路上に横たわったところをはねられたのは7人(前年同期比6人増)で、うち3人が亡くなりました。

 2024年9月15日(日)

2024/09/14

🟦新型コロナウイルス感染者、1医療機関当たり6・57人 2週連続で減少、東北地方は流行続く

 厚生労働省は13日、全国約5000の定点医療機関から9月2~8日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3万2443人だったと発表しました。1医療機関当たりは6・57人で、前週比0・88倍と2週連続で減少しました。

 宮城県や東京都など7都県を除き減少しました。1医療機関当たりの感染者数が多かったのは宮城県13・71人(前週11・87人)、岩手県13・43人(同15・44人)、青森県12・74人(同14・53人)、山形県12・74人(同13・51人)、秋田県12・13人(同12・65人)と東北地方が目立ちました。少なかったのは鹿児島県2・28人、沖縄県2・55人、福岡県3・02人など。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は2459人で、前週比0・81倍でした。こちらは5週連続で減少しました。

 2024年9月14日(土)

2024/09/13

🟦自己増幅型の新型コロナワクチン承認へ、少量接種で免疫が持続 厚労省部会が了承

 厚生労働省の専門家部会は12日、製薬会社「Meiji Seika ファルマ」(東京都中央区)が開発した、新型コロナウイルスのオミクロン株の新系統「JN・1」に対応したワクチン「コスタイベ」(商品名)について、製造販売の承認を了承しました。遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンを改良した新しいタイプで、少量の接種で効果が長く続く特性があります。

 このワクチンのタイプは、レプリコン(自己増幅型)と呼ばれます。mRNAをコピーして増やす「増殖装置」の設計図も成分に組み込むことで、接種からしばらくの間、ウイルスの働きを抑える中和抗体の産生につながるmRNAが体内で増えます。このため、接種量は従来の6分の1から20分の1で済むといいます。

 同社が、約830人を対象に行った臨床試験では、接種後1カ月時点で、血液中の中和抗体量は接種前の8倍、半年時点では同4倍でした。海外製の承認済みワクチンと比べて高く、副反応の頻度には違いがみられませんでした。

 承認されれば、10月に始まる定期接種用も含めて約430万回分が供給される予定です。

 北里大の中山哲夫名誉教授(臨床ウイルス学)は、「ワクチンの選択肢が増えるのは望ましい。新しいタイプであるため、承認された場合は、国や製薬会社は安全性の調査を続け、科学的根拠に基づいた情報を丁寧に発信する必要がある」と話しています。

 2024年9月13日(金)

2024/09/12

🟦全国9大学病院、ほかの医療機関への医師派遣の取りやめ・中止を検討

 今年4月から始まった医師の働き方改革の影響で、全国9つの大学病院で、ほかの医療機関への医師の派遣を取りやめたり、中止を検討したりしていることが、病院関係者の団体が行った調査でわかりました。

 今年4月から病院に勤める勤務医に対し、夜間や休日の時間外労働を制限する働き方改革が始まり、その影響を調べるため「全国医学部長病院長会議」が82の大学病院にアンケートを実施しました。

 その結果、今年5月の時点で約1割に当たる9つの大学病院で、地方などにあるほかの医療機関への医師の派遣を取りやめたり、中止を検討したりしていることがわかりました。

 また、医師の派遣は継続しながらも、勤務間のインターバルを設けるなど勤務体制を見直したり検討したりしている大学病院は24ありました。

 今回のアンケートでは時間外労働の制限が最も影響を与える業務も聞いていて、医学部の教授の66%は「研究」と答え、研修医の78%は「診療」と答えました。

 働き方改革によって医師の労働時間は減少傾向にあるということですが、全国医学部長病院長会議の相良博典会長は、「大学病院は地域医療で重要な役割を担っており、影響が拡大し続けると医療崩壊につながるため、医師の確保が欠かせない。国には待遇の改善などを求めていきたい」と話しています。

 2024年9月12日(木)

2024/09/11

🟦「睡眠時無呼吸症候群」の検知機能、アップルウォッチに搭載へ 兆候があった場合は利用者に通知

 アップルは9日、腕時計型端末「アップルウォッチ」に「睡眠時無呼吸症候群」の検知機能を搭載すると発表しました。20日発売の「シリーズ10」(税込み5万9800円から)などに搭載し、9月中に日本でも利用できるとしています。

 睡眠中に端末を通して得られたデータを基に、症候群の兆候があるかどうか、高精度で測定します。兆候があった場合は利用者に通知し、早期発見に役立てます。医者の診断に役立つよう、睡眠時無呼吸がいつ発生したか、アプリ上で確認することもできます。この症候群は睡眠中に呼吸が何度も止まる病気で、倦怠(けんたい)感や集中力の低下を招き、居眠り運転による交通事故にもつながるとされます。

 また、ワイヤレスイヤホン「エアポッズプロ2」(同3万9800円)に補聴器機能を搭載することも発表しました。日本で今秋に利用できるようになるといいます。

 2024年9月11日(水)

2024/09/10

🟦東京都内で梅毒感染者が2460人 過去最多の昨年に迫る勢い

 東京都内の梅毒感染者数が、過去最多だった昨年とほぼ同水準で増加し、今年1月から9月1日までの累計が2400人(速報値)を超えたことが、東京都感染症情報センターの集計でわかりました。東京都では「2021年以降、梅毒感染者は増加傾向にあり、予防を心掛けてほしい」と注意を呼び掛けています。

 東京都感染症情報センターによると、今年に入って梅毒感染者は、年始から35週目に当たる9月1日までに累計2460人。感染者数が過去最多だった昨年は、1年間で3701人に上りましたが、すでにその7割に迫る勢いで、同センターでは「過去最多だった昨年同時期(2526人)には及ばないものの、今年もハイペースで増えている」と感染の広がりを懸念しています。

 感染者の内訳をみると、7割が男性で、年代は20~50歳代、女性は20歳代で増加が目立ちます。都内の梅毒感染者は2020年まで抑制傾向にあったものの、2021年から増加に転じ、2023年に過去最多を更新しました。全国的にも2023年は感染者数が1万4906人と今の制度で統計を取り始めてから最多になり、特に東京都が突出しています。

 梅毒は主に性的接触により感染し、体にしこりや発疹などさまざまな症状が出ます。ただし、感染しても無症状の場合もあり、無自覚のまま他人にうつすことも多くなっています。治療が遅れると、脳や心臓などに重い症状が出ることもあります。妊娠中の女性が感染すると胎児に感染し、早産や新生児死亡の原因になる恐れがあります。

 同センターでは、「梅毒は昔の病気と思われがちだが、近年は感染者が増えている。パートナー同士で感染の有無を確認し、また感染が疑われる場合は、早めに保健所や医療機関で検査をしてほしい」としています。

 2024年9月10日(火)

2024/09/09

🟦AIを活用し入院患者のメンタルケア、岡山大チームがシステム開発 

 岡山大の長谷井嬢准教授(整形外科)らの研究チームは、AI(人工知能)を用いて入院患者らの心理的ケアを行う「メンタルケアサポートシステム」を開発しました。通信アプリLINE(ライン)を使って対話する仕組みで、医療者による対面支援と併用してよりきめ細やかなケアにつなげます。

 6月に岡山大病院(岡山市北区鹿田町)に導入したほか、九州大病院(福岡市)、東北大病院(仙台市)など全国4病院の一部診療科でも利用されています。

 システムでは患者らが自身のスマートフォンやタブレットを使い、時間を問わずやりとりできます。「相談相手」は、主に小中学生用として友達のように会話ができる「心(こころ)さん」、高校生以上を対象に丁寧な言葉遣いで幅広い相談が可能な「葵(あおい)さん」を用意。共感が中心で、治療内容など専門的なことは答えません。

 例えば「夜は不安で眠れない」と訴えると、両者とも「つらいね」などと共感します。その後に心さんは「何かリラックスできることをしてみるのはどうかな」と音楽を聴いたり、本を読んだりすることを提案。葵さんは「特に不安に感じることがあるのでしょうか」と質問します。実際に使用した患者からは「人には言えないけど、AIには言えたことがある」といった感想が寄せられているといいます。

 医療従事者によるテスト運用では不適切な回答はなく、性的な表現や暴力的なメッセージを受けても避けて会話することができていました。命の危険があるような発言があった場合は、病院スタッフへの相談を促し、「私はここにいます」と孤独感を和らげる言葉を送りました。

 長谷井准教授らは、入院中の夜や休日には出勤している医療者が限られるため「話したいことや聞いてほしいことを一人で抱え込む状況が少なくないのではないか」と考えて開発に着手。「メッセージに『既読』とつくだけでも『受け止めてもらえた』という安心感が得られると聞く。患者の不安や孤独感の軽減につなげ、治療への前向きな気持ちを引き出してくれると期待している」としています。

 当面は利用無料で、入院患者に限定します。主治医が許可すれば使用できます。

 2024年9月9日(月)

2024/09/08

🟦医療保険の訪問看護費、10年間で5・4倍に増加 1人当たりも1・4倍に

 看護師らが利用者の自宅などに行きケアする訪問看護で、医療保険適用型と介護保険適用型の2種類のうち、医療型の費用が過去10年間で5・4倍に増えたことが7日、わかりました。介護型の2・3倍を大幅に上回っています。

 利用者数の増加が主な理由で、1人当たりの費用も1・4倍に増え、押し上げ要因になっています。

 訪問看護を巡っては、医療保険が適用される精神科や難病・末期の人向け老人ホームで不正、過剰な診療報酬の請求が指摘されています。利益を目的にした一部の事業者による制度の乱用も費用増加の一因とみられます。財務省は医療財政の圧迫要因として問題視しています。

 厚生労働省の概算医療費データベースによると、訪問看護ステーションの医療保険適用の費用は今年2月の1カ月で約521億円。2014年2月は約97億円で、5・4倍に増えました。利用者数(今年2月で約53万人)が4倍近く増えたことに加え、1人当たりの平均額が月約7万2000円から約9万8000円に増えたことも影響しています。

 2024年9月8日(日)

2024/09/07

🟦PFOS含む泡消火薬剤、アメリカ軍が使用と回答 東広島市の井戸水から基準超え検出

 広島県は6日、国の暫定目標値を超える有害な有機フッ素化合物の1つ「PFOS(ピーフォス)」が検出された同県東広島市に関し、アメリカ軍側からアメリカ軍川上弾薬庫でPFOSを含む泡消火薬剤が使用された記録が確認されたとの回答が中国四国防衛局経由であったと発表しました。これまでアメリカ軍は「県内にある基地では、泡消火薬剤を使用したことがない」と説明していましたが、一転して使用を認めました。

 県が発表した回答内容によると、アメリカ側が過去の記録の調査を進め、1991年から2009年に、PFOSを含む泡消火薬剤を使用した消防車の点検や訓練を敷地内北東部のヘリ発着場周辺でしていました。

 同市を流れる瀬野川上流部の水路近くの井戸水から高濃度で検出するなどし、上流近くにある弾薬庫に関し、県と市が防衛省を通じて、アメリカ軍に使用履歴や処分方法の公表を求めていました。

 訓練の回数や使用した泡消火薬剤の量などについては回答がなく、市環境先進都市推進課の水戸明課長は、「アメリカ軍側が使用を認めたことで、汚染の原因である可能性が高まった。今後も県と連携し、さらに詳細な数値の公表と敷地内の土壌調査などを求めていく」と話しました。

 2024年9月7日(土)

2024/09/06

🟩プラスチックごみ汚染、インドが930万トンと最多 世界全体の5分の1を占める量

 世界中から2020年に5210万トンのプラスチックごみが環境中に排出されて汚染につながり、このうちインドが930万トンと最多だったとの分析をイギリスのリーズ大チームが5日、イギリスの科学誌「ネイチャー」に発表しました。チームは「世界全体の5分の1を占める量」と指摘しました。中国は4位。

 従来の研究などで世界最多と報告されたこともある中国は、今回の分析では280万トン。ごみ焼却や埋め立て技術の向上で改善したとチームはみています。

 チームは世界の5万702の自治体を対象に、公表データなどを基に機械学習の手法も活用し、直径が5ミリより大きいプラスチックごみの各国の排出量を分析しました。

 2020年に世界で2億5170万トンのプラスチックごみが発生し、このうち約20%の5210万トンが環境中に廃棄されたと分析。国別では350万トンのナイジェリア、340万トンのインドネシアが首位のインドに続きました。

 プラスチックごみ汚染は地球規模で問題化。今年11~12月に韓国・釜山市で開かれる政府間交渉委員会で国際的な規制条約案に合意できるかどうかが焦点になっています。

 2024年9月6日(金)

🟩新型コロナ感染者、山形県以外の46都道府県で減少 前週比0・85倍

 厚生労働省は6日、全国約5000の定点医療機関から8月26日~9月1日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3万6891人だったと発表しました。1医療機関当たりは7・46人で、前週比0・85倍と減少しました。

 山形県以外の46都道府県で減少しました。1医療機関当たりの感染者数が多かったのは岩手県15・44人、青森県14・53人、福島県13・54人。少なかったのは沖縄県4・30人、鹿児島県4・33人、福岡県4・40人など。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は3029人で、前週比0・89倍でした。

 2024年9月6日(金)

2024/09/05

🟩小林製薬の紅麹サプリ摂取の40歳代男性が大阪地裁に提訴 一連の健康被害で初

 小林製薬の紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを摂取して腎臓の機能に障害が出たとして、大阪府の40歳代の男性が、会社に損害賠償を求める訴えを起こしました。小林製薬によりますと、一連の健康被害を巡って訴えを起こすのは初めてだということです。

 訴えによりますと、大阪府内に住む40歳代の男性は今年1月、小林製薬が製造する「紅麹コレステヘルプ」をインターネットで購入し、服用を始めたということです。

 その後、サプリメントを摂取した人に健康被害が出ていることを知って今年5月に医療機関を受診したところ、腎臓の数値が異常を示し、サプリメントの摂取による「薬剤性急性腎障害」などと診断され、現在も経過観察が続いているということです。

 男性は、最初の症例報告を受けて会社が速やかに公表していれば服用しなかった可能性が高かったと主張して、今年7月、490万円あまりの損害賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。

 提出された答弁書によると、小林製薬は争う方針。ただ、サプリメントの摂取と症状との間に関連性があるとみられる患者への暫定的な対応として、医療費などとして男性に4万円超を支払い済みだといいます。

 小林製薬は、「個別のお客さまとのやりとりに関する回答は差し控える」としつつ、「紅麹コレステヘルプなどの摂取によって健康被害にあわれたお客さまに対しては、訴訟を提起されたか否かを問わず、誠実かつ適切な補償を行う」とコメントしています。

 2024年9月5日(木)

🟩シンガポール、エムポックスで3週間隔離へ 重症化しやすい「グレード1」感染者の濃厚接触者

 シンガポール保健省は4日、アフリカを中心に感染が拡大するエムポックス(サル痘)について、より重症化しやすいタイプの「クレード1」感染者の濃厚接触者を3週間、隔離すると発表しました。

 シンガポールでは、空港で体温チェックを実施するなど水際対策を強化しています。現時点では、クレード1感染者は確認されていません。

 発表によると、感染が確認された場合、保健省が接触者を追跡し、濃厚接触者は指定された政府施設に隔離されることになります。

 2024年9月5日(木)

2024/09/04

🟩2023年度の医療費、概算で47・3兆円 3年連続で過去最高を更新

 2023年度に医療機関に支払われた医療費(概算)は47兆3000億円で、前年度より1兆3000億円(2・9%)増え、3年連続で過去最高となりました。厚生労働省が3日発表しました。コロナ禍の影響が薄れる一方、インフルエンザを始め感染症の流行などが押し上げたとみられます。

 厚労省によると、2023年度の1人当たりの医療費は38万円で、前年度より1万2000円(3・4%)増えました。年齢別にみると、75歳以上は96万5000円(前年度比0・9%増)でした。75歳未満は25万2000円(同2・9%増)で、うち未就学の子供は26万1000円(同6・7%増)と伸びが目立ちました。インフルエンザやRSウイルスなどが流行し、若年層の医療費を押し上げる要因となりました。

 医療費の前年度と比べた増減率は、コロナ禍前の水準に戻りつつあります。2020年度はコロナ禍による受診控えの影響で急減。2021、2022両年度は反動もあって前年度比4%以上伸びたものの、2023年度は2%台となりました。

 一方、主な病名が新型コロナと診断された人の医療費は推計でおよそ4400億円で、前の年度から半減しました。

 厚生労働省は、「新型コロナに関連する医療費は『5類』への移行に伴って減ったものの、医療費が過去最高を更新したのは、高齢化の進展や医療の高度化が影響している」と分析しています。

 2024年9月4日(水)

2024/09/03

🟩今年の夏は平年より1・76度高く、「最も暑い夏」タイ記録

 この夏の日本の平均気温は平年と比べて1・76度高く、気象庁が1898年(明治31年)に統計を取り始めてから昨年と並んで最も高くなったことがわかりました。

 気象庁によりますと、今年7月は最高気温40度以上を1日に6つの地点で観測するなど危険な暑さが続いたほか、8月も西日本を中心に高気圧に覆われて日差しが強く照りつけ、連日猛烈な暑さとなりました。

 このため、今年の夏の日本の平均気温は平年と比べて1・76度高くなり、2023年と並んで気象庁が1898年に統計を取り始めてから最も暑い夏となりました。

 地域別でみると西日本が平年より1・4度、沖縄・奄美が平年より0・9度高く、それぞれ地域別の統計を取り始めた1946年(昭和21年)以降で最も高くなったほか、東日本は平年より1・7度高く1位タイとなりました。北日本は平年より2・3度高く、過去2番目となりました。

 地点別では、横浜市で平年を2・3度、千葉市で2・2度それぞれ上回るなど、全国80地点で観測史上1位(タイを含む)を記録。水戸市で2・4度、埼玉県熊谷市で2・2度上回るなど、61地点で観測史上2位(同)となりました。

 東京都心の今夏の平均気温は26・9度と平年を2・1度上回り、観測史上3位。1位の2010年夏に0・2度の差まで迫りました。

 日々の最高気温でも極端な暑さが目立ち、7月29日に栃木県佐野市で日本歴代3位の41・0度、群馬県館林市で40・2度を観測するなど、7~8月に全国9地点で40度以上を記録しました。

 中小都市や離島など全国15地点(関東では千葉県銚子市)の観測データを用い、都市化の影響が大きい大都市圏の暑さを除外して長期傾向(温暖化など)をみるための「日本の平均気温偏差」も今夏、基準値を1・76度上回り、昨年夏と並び過去最高でした。

 特に7月以降に全国で記録的な高温となったことを受けて、気象の専門家らによる気象庁の「異常気象分析検討会」は2日、会合を開いて分析しました。

 高温の背景として7月と8月ともに偏西風が北へ蛇行し、背の高い暖かな高気圧に覆われやすく日差しが強まった上、特に7月は太平洋高気圧が西日本に向かって強く張り出したことが影響したと指摘しています。

 また、地球温暖化や春に終息した「エルニーニョ現象」、日本近海の高い海面水温も影響しているとみられるということです。

 「異常気象分析検討会」の会長で東京大学先端科学技術研究センターの中村尚教授は、「去年は圧倒的に気温が高く『異常気象といって差し支えない』と発言したが、今年もそれに匹敵する、もしくはそれを上回るような地域もあった。今年の暑さも異常気象といって差し支えない」と述べました。

 その上で「長期的な地球温暖化が気温を底上げしていることは否めない。特にここ2、3年は海面水温が高い。以前と比べて気温が上がりやすい状況は続くのではないか」と指摘しています。

 2024年9月3日(火)

2024/09/02

🟩ギャンブル依存症の疑いある人、成人の1・7% インターネット利用が増加

 パチンコや競馬などのギャンブル依存症の疑いがある人の割合が成人の1・7%だったことが、厚生労働省の調査でわかりました。新型コロナの拡大前と比べてインターネットを使ったギャンブルの利用が増え、専門家は対策の必要性を指摘しています。

 厚労省はギャンブル依存症対策に役立てようと、3年に1度、ギャンブルに関する実態調査を行っており、昨年度に行った調査結果の速報値を公表しました。

 調査は18歳から75歳未満の男女を対象に郵便とインターネットで行われ、8898人から有効な回答を得ました。

 この中で、パチンコや競馬などのギャンブル依存症の疑いがある人の割合を調べたところ、全体では1・7%となり、男女別では男性が2・8%で、女性が0・5%でした。

 また、ギャンブル依存症の疑いがある人に、新型コロナの影響を尋ねたところ、約20%の人は感染拡大前と比べて、インターネットを使ったギャンブルの利用が増えたと回答しました。

 一方で、公的な相談機関を訪れた依存症の疑いのある人に、病院などに相談するまでの期間を尋ねたところ、約18%は5年以上かかったと答えました。

 厚労省の補助を受けて調査した久里浜医療センターの松下幸生院長は、「インターネットのギャンブルはいつでもどこでもアクセスでき、リスクが高いと考えられる。依存症に悩む人が相談しやすい環境を整えるなど、対策を検討すべきだ」と話していました。

 2024年9月2日(月)

2024/09/01

🟩主治医が薬の処方を失念して入院の男性死亡 千葉県循環器病センター、遺族と和解成立し公表

 千葉県は8月30日、市原市にある千葉県循環器病センターで2022年2月、入院中の70歳代男性に血栓予防の抗凝固薬を処方し忘れ、男性が死亡する医療事故があったと発表しました。外部の有識者を招いた事故調査委員会の調査が終了し、遺族との和解が成立したため、詳細を公表しました。

 同センターによると、男性は県内在住で、心不全や不整脈の持病がありました。2022年2月、呼吸苦でセンターに救急搬送され、集中治療室に緊急入院しました。その際、主治医は抗凝固薬「リクシアナ」の内服を中断し、注射用の抗凝固薬「ヘパリン」の点滴に切り替えました。

 治療で症状が改善し、男性は入院4日目に一般病棟に移りました。この時にヘパリンの点滴は終了しましたが、主治医がリクシアナの再開を失念し、処方しませんでした。

 男性は入院11日目、血栓が脳血管に詰まる心原性脳梗塞(こうそく)を発症。大脳機能に障害が起きて死亡しました。

 事故調査委員会は調査報告書で、「抗凝固薬の中断が脳梗塞の発症に影響した可能性がある」としています。主治医は、心臓に関係した症状のある患者を10人以上担当し、多忙でした。看護師や薬剤師らが再開の手立てを講じることもできませんでした。

 センターは再発防止のため、電子カルテに抗凝固薬の内服状況を入力するチェックリストを設け、看護師が情報を記入する、入院患者が病棟を移動する際はチェックリストを移動先の看護師に引き継ぐ、といった運用を始めています。医師以外の医療従事者が内服状況を共有するためです。

 センターの中村精岳病院長は、「患者や家族に申し訳ない。今後は医師や薬剤師、看護師などで薬の服用状況を共有する体制をつくるなどして、再発防止に努めたい」と述べました。

 2024年9月1日(日)

🟪インフルエンザの患者数が注意報の基準を超える 新型コロナと同時に流行ピークの恐れも

 インフルエンザの感染状況について、厚生労働省は20日、全国約5000の定点医療機関から9〜15日の1週間に報告された感染者数が1医療機関当たり19・06人だったと発表しました。前週(9・03人)と比べ2・11倍に急増し、「注意報」の基準の10人を超まし た。  都道府県別では...