2026/03/12

🟥みちのく記念病院の「みとり医」、自分の氏名わからず署名できず 青森県警、「しかるべき処分」の意見つけ書類送付

 2023年3月、青森県八戸市のみちのく記念病院で患者同士の殺人が起き、それを病院が 隠蔽(いんぺい)していた衝撃的な事件。県警は医師法違反(無診察治療)の疑いで同病院に勤務していた男性医師(86)の捜査書類を青森地検に送付し、起訴を求めない「しかるべき処分」の意見をつけた。一連の捜査は区切りを迎えた。

 病院関係者らによると、同病院では認知症の疑いのある医師らを「みとり医」と呼び、夜間や休日に死亡診断を任せることが常態化していた。みとり医はこれまで3人判明しており、書類送付された医師はそのうちの1人だった。

 殺人の隠蔽にかかわった別のみとり医はすでに死亡しており、書類送付された医師は隠蔽事件後の2023年8月ごろから病院に勤務していた。2025年2月末で病院を辞め、現在は県内にはいないという。

 ある病院関係者によると、この医師には認知症の疑いがあり、診察時に「死亡診断書をどう書けばいいの?」と看護師に尋ねたり、自分の氏名がわからず書類に署名できなかったりした。病院の敷地内の医師住宅に住んでいながら、病院への入り方もわからなかったという。

 また県は10日、同病院を運営する医療法人「杏林会」から病院運営の改善について報告を受けたと発表した。内容を精査するとして、具体的な中身は明らかにしていない。杏林会は11日に概要を公表するとしている。

 同病院では隠蔽事件で当時の院長と、殺害された患者の主治医が2025年2月に犯人隠避容疑で逮捕され、不適切な運営が表面化した。県と八戸市は臨時立ち入り検査を複数回行い、県は昨年9月、杏林会に対して今年2月末までに、医師の適切な勤務管理体制の構築や再発防止策を講じるよう命じる行政処分を出していた。

 2026年3月12日(木)

2026/03/11

🟥抗がん剤投与で患者死亡、埼玉県立小児医療センター 2人重体、別の薬液検出

 さいたま市中央区にある埼玉県立小児医療センターで、昨年、白血病の患者3人が抗がん剤の投与を受けた後、歩行困難などの神経症状が出て、このうち1人が死亡していたことがわかった。その後の調査で、患者からは本来治療に使用される抗がん剤とは別の薬液が検出されたということで、病院が経緯を詳しく調べている。

 埼玉県立小児医療センターによると、昨年1月から10月までのおよそ9カ月間に、10歳未満の男の子1人と10代の男性2人の合わせて3人の白血病の患者が、抗がん剤を注射する治療を受けた後、歩行が難しくなるなど神経症状が出たということである。

 昨年10月22日に治療を受けた10代の男性は、翌日から太ももの痛みなどを発症し、今年2月5日に亡くなった。残りの2人は重い後遺症で、意識不明の重体だということである。

 病院が昨年11月に調査対策委員会を立ち上げ、患者から採取した髄液を分析したところ、本来治療では使用しない別の薬液が検出され、この薬液が神経症状が出た原因となった可能性が高いとしている。

 病院は別の薬液が検出された経緯などついてさらに詳しく調べるとともに、事件と事故の両面の可能性があるとして警察にも届け出たということである。

 2026年3月11日(水)

🟥はしか感染者、東京都で今年12人 都医師会がワクチン接種を呼び掛け「集団免疫が低下」

 はしか(麻疹)の感染者が増加しているとして、東京都医師会は10日の定例記者会見で、ワクチン接種の重要性を改めて強調した。感染者が医療機関で不特定多数と接触し得る状況に置かれたケースが出ていることも念頭に、「少しでも、はしかの疑いがあれば、事前に連絡した上で受診してほしい」と呼び掛けた。

 厚生労働省によると、はしかは10日程度の潜伏期間の後、発熱やせき、鼻水など風邪のような初期症状があり、その後、39度以上の熱や発疹が出る。空気感染、 飛沫(ひまつ)感染、接触感染で広がり、感染者1000人に1人が死亡するとされる。ワクチンを接種すれば感染リスクが大幅に下がる。

 都内の感染者数は、過去10年では2019年に最多の124に上ったが、コロナ禍の間は激減して2021、2022年はゼロだった。その後次第に増え、昨年は34人の感染が確認された。今年は3月上旬までに12人で、前年を大幅に上回るペースで増加している。

 記者会見で、都医師会の首里京子理事は「免疫がなければ同じ空間にいるだけでうつってしまう」と、はしかの感染力の強さを強調した。近年のワクチン接種率の低下にも触れ、「接種率が下がれば集団免疫が低下し、感染の連鎖が起こる。積極的に接種してほしい」と訴えた。

 また、都内では、感染者が大病院など公共の施設で不特定多数と接触した可能性のあるケースが目立ち、都が繰り返し注意を呼び掛けている。

 若手の医師を中心に、はしかの患者を診た経験がない医師も増えており、初期症状から、はしの感染に気付けない場合もあるといい、首里理事は「はしかの疑いがあれば、他の患者と空間や時間を分けて受診をしてもらう必要がある。疑いがある場合はぜひ、医療機関に知らせてほしい」と訴えた。

 2026年3月11日(水)

2026/03/10

🟥精神疾患の専門的治療、初診からオンライン可能に ひきこもりなど通院難しい患者も治療受けやすく

 厚生労働省は、うつ病などの精神疾患で通院が難しい患者への専門的治療を、初診からオンライン診療で行えるようにする。ひきこもりの患者たちが治療を受けやすくするのが目的で、6月からの診療報酬改定で公的医療保険を適用する。

 内閣府の2022年度の推計では、自宅や自室をほとんど出ない「ひきこもり状態」の15~64歳は146万人。精神疾患が背景にあっても通院できない場合がある。うつ病などで体を動かす意欲を失い、医療機関に足を運べない人もいる。

 通院が難しい精神疾患の患者を適切な治療につなげるため、厚労省はオンラインでの専門的な精神療法に初診から保険適用する。精神科医らは画面越しに患者の話を聞き、考え方や気持ちの整理の手助けをする。

 オンライン診療は、患者から得られる情報が少なくなりがちで信頼関係を築くのも難しい。初診では、保健師らが訪問して相談に応じたり、受診を勧めたりしている患者を対象にするなど、自治体と医療機関が連携していることが条件。オンライン診療に習熟した精神科医らが対応し、診療時には保健師らが患者のそばにいることも求める。乱用の恐れがある向精神薬などの処方は認めない。

 オンライン診療では、現行でも精神科は初診料を得られるが、専門的な治療に関する診療報酬は認めていなかった。

 2026年3月10日(火)

2026/03/09

🟥介護保険料負担、月6360円 40~64歳、2026年度推計

 厚生労働省は9日、40歳以上の人が払う介護保険料のうち、40~64歳が2026年度に負担するのは平均で1人当たり月6360円になるとの推計を公表した。企業や公費の負担分を含む。2025年度から158円増え、過去最高を更新した。高齢化による介護サービスの利用増などが影響した。

 介護保険制度が始まった2000年度(月2075円)の3倍以上になっている。健康保険組合などに入る会社員の保険料は原則として労使で折半し、給与水準が高い人ほど負担が増える。国民健康保険に入る自営業者らの場合は公費で半分を負担し、実際の保険料額は自治体によって異なる。

 40~64歳の保険料は毎年度改定する。65歳以上の保険料は市区町村ごとに3年に1度改定され、2024年度から3年間は全国平均で月6225円となり、過去最高を更新した。

 2026年3月9日(月)

2026/03/08

🟥就学前の発達特性、早期発見へ 京都市が4月から5歳児健診開始 相談や療育体験など支援

 京都市は4月から、子供の発達特性の早期発見につなげるため「5歳児健診」を新たに開始する。5歳は言語の理解能力や社会性が高まる時期で、言葉やコミュニケーションの遅れなどから発達障害の特性を認知しやすい。小学校入学前から適切な支援を提供したり相談しやすい体制を整えたりすることが目的。国も5歳児健診の普及を後押ししており、新年度予算案として5060万円を開会中の市議会2月定例会に提案している。

 法定の3歳児健診から、小学校入学前の秋ごろに自治体が実施する「就学時健診」までは2~3年の空白期間がある。就学時健診を機に発達障害などが判明しても入学まで間がなく、必要な支援を受けたり特別支援学級など適切な進路を選んだりする時間が少ないという課題が指摘されている。

 任意の5歳児健診は全国の実施率が約15%(2024年度)にとどまる。国は2025年度から医師確保の費用など自治体への補助を引き上げ、2028年度までに全国で実施率100%の達成を目指している。府内では宇治市や福知山市など9市町村がすでに実施している。

 京都市ではまず5歳の誕生月の2~3カ月前に保護者に健診案内を郵送。電子フォームで質問票に回答してもらい、回答内容や希望に応じて対面で医師の診察や保健師らによる発達相談などを実施する2段階方式で行う。2026年度は約8000人が対象で、健診結果を踏まえ、個別の相談や療育体験などのフォロー体制をとっていくとしている。

 市の子ども家庭支援課は、「社会性が伸び、発達に関してさまざまな課題が生じる時期。健診を切っ掛けに子供や家族に合った対応、サポートができる体制づくりを進めていく」としている。

 2026年3月8日(日)

🟥鳥インフルエンザ、18万3000羽の殺処分完了 北海道・安平町

 北海道は8日、高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認された安平(あびら)町の養鶏場で、飼育する肉用鶏約18万3000羽の殺処分が同日に完了したと発表した。埋却などの防疫作業はさらに数日かかる見通し。

 北海道によると、4日に通常より多くの鶏が死んでいると養鶏場から通報があった。遺伝子検査で陽性が確認され、5日に殺処分を始めていた。

 2026年3月8日(日)

2026/03/07

🟥診療科「睡眠障害」を追加へ 早期治療に期待、厚労省

 十分な睡眠がとれない不眠症などの「睡眠障害」について、厚生労働省の専門家部会は医療機関が掲げる診療科の名前に追加することを了承した。「睡眠障害内科」など、ほかの診療科名と組み合わせて掲げられるようになり、睡眠に悩む人が適切な治療を受けられるようになることが期待される。

 経済協力開発機構(OECD)が2021年に公表した調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間20分余りと調査対象の33カ国で最も短く、国の調査でも睡眠による十分な休養を取れていないと感じる人が5人に1人に上るなど社会的な課題ともなっている。

 こうした中、6日開かれた専門家部会で、医療法で定められている、医療機関が看板などで掲げられる診療科名に「睡眠障害」を追加するかどうか審議され、他の診療科名と組み合わせて掲げるようにすることが了承された。

 「睡眠障害内科」や「睡眠障害精神科」といった名称が想定されていて、睡眠に悩む人が適切な医療機関を受診し、早期の治療につなげやすくなることが期待されている。

 「睡眠障害」の診療科名を巡っては、日本睡眠学会が睡眠の問題で心疾患などの病気やうつ病などの発症リスクが高まる一方、受診先がわかりにくいとして昨年厚生労働省に、診療科に名前を追加するよう要望していた。

 2026年3月7日(土)

🟥「国民負担率」45・7%、2025年度より0・4ポイント低下見通し

 財務省は5日、国民が所得の中から税金や社会保険料をどれだけ支払うかを示す「国民負担率」が、2026年度は45・7%になる見通しだと発表した。経済成長で所得の伸びが予測され、2025年度の見込みより0・4ポイント低下する。

 内訳では、国税と地方税を合わせた租税負担率が0・3ポイント減の28・0%となる。所得税が課され始める「年収の壁」の引き上げも負担率の低下につながる。医療や介護、年金など社会保障の負担率は0・2ポイント減の17・6%となる見込みだ。

 国民負担率は、社会保障費の増大などで上昇が続き、2022年度に過去最高の47・3%となって以降、低下傾向に転じている。

 2026年3月7日(土)

2026/03/06

🟥iPS細胞使用の再生医療2製品、国内製造販売を正式に承認 厚労省 

 心臓病とパーキンソン病の治療のためのiPS細胞を使った2つの再生医療製品について、厚生労働省は6日、国内での製造販売を正式に承認したと発表した。今後、製造体制などが整えば、早ければ、今年の夏ごろにも医療保険を適用した治療が受けられる可能性があるということである。

 製造販売が承認されたのは、いずれもiPS細胞から作られた▽大阪大学発のベンチャー企業「クオリプス」が開発し、虚血性心筋症という重い心臓病の治療に使われる心筋細胞シート「リハート」と、▽大阪市に本社がある製薬会社「住友ファーマ」が申請した手足の震えなどの症状が出るパーキンソン病の患者の脳に移植する細胞「アムシェプリ」である。

 今回の承認は条件付きで、7年以内にすべての患者を対象に調査を行ってさらなる有効性や安全性を検証することなどが求められているが、iPS細胞を使った製品として、世界で初めて実用化されることになる。

 今後は、企業からの申請に基づいて手続きが進められ、製造体制や医療機関の準備が整えば、早ければ、今年の夏ごろにも医療保険を適用した治療が受けられる可能性があるということである。

 価格は、リハートで1000万円以上とみられ、アムシェプリも高額になるとされる。

 6日の閣議後会見で上野賢一郎厚生労働相は「日本のみならず世界中の患者の救いとなることを願っている。患者の皆様に確実に届くよう、必要な手続きを速やかに進めていく」と話していた。

 2026年3月6日(金)

🟥インフルエンザ、3週連続の減少 前週比0・66倍

 厚生労働省は6日、全国約3000の定点医療機関から2月23日〜3月1日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計8万6175人で、1医療機関当たり22・66人だったと発表した。前週比0・66倍で、3週連続の減少。警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回った。

 今季は当初、A香港型(AH3型)ウイルスの新たな変異株が流行した。感染者数はいったん減少したが、昨年末以降、B型の検出割合が増加。A型にかかった人が、B型に再び感染することもあり、警報レベルを超える感染が広がっていた。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは長野県の37・16人。石川県34・40人、岩手県32・95人と続いた。

 2026年3月6日(金)

2026/03/05

🟥急に強い眠気に襲われる「ナルコレプシー」の治療薬、武田薬品が承認申請 ノーベル賞有力候補の柳沢正史教授が発見したオレキシン欠乏補う

 武田薬品工業は4日、睡眠障害の一つで急に強い眠気に襲われる「ナルコレプシー」の新たな治療薬「オベポレクストン」について、製造販売の承認を厚生労働省に申請したと発表した。

 ナルコレプシーは、睡眠と覚醒を調整する神経伝達物質・オレキシンの欠乏で起こるとされる。この薬はオレキシン不足を補い眠気を抑える。2月にアメリカの食品医薬品局(FDA)にも承認申請しており、承認されればオレキシン欠乏を補う世界で初の薬となる。

 オレキシンはノーベル賞の有力候補とされる筑波大の柳沢正史教授が発見したことで知られる。

 2026年3月5日(木)

2026/03/04

🟥19カ所の井戸でPFAS指針値超、最大3・6倍 石川県白山市の化学メーカー工場周辺

 石川県白山市の化学メーカーDICの工場敷地内から国の指針値を超える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出された問題で、県は3日、工場から約500メートルの範囲にある井戸の水質を調査した結果、19カ所で指針値を超えるPFASの代表物質「PFOA(ピーフォア)」と「PFOS(ピーフォス)」が検出されたと発表した。健康被害は確認されていないという。

 県によると、市内で2月21日までに採水した井戸53カ所のうち、19カ所で指針値の超過を確認。最大は、指針値で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)のところ、3・6倍の180ナノグラムが検出された。19カ所のうち飲み水に使っているのは2カ所(2世帯)で、水道と併用しているという。

 県は指針値を超えた井戸は引き続き飲用を控えるよう呼び掛け、それらの井戸から約500メートルの範囲でさらに水質調査を実施する。

 DICの工場では、同社が1~2月に敷地内の地下水を自主的に調査し、最大で指針値の2000倍に当たる9万9600ナノグラムのPFOAとPFOSが検出されていた。

 また県は3日、白山市の浄水場で2月に油を検知し13市町への水の供給を一時停止した問題について、原因は不明として調査を終了したと明らかにした。

 2026年3月4日(水)

🟥はしか感染の20代男性、2月21日に日本医科大付属病院で不特定多数と接触か 東京都が注意呼び掛け

 東京都によると、はしか(麻疹)への感染が確認された都内在住の20代男性が、2月21日午後に日本医科大学付属病院(文京区)の本館1階で、不特定多数と接触した可能性のあることが判明した。

 男性は16日から発熱や結膜充血、発疹などの症状があり、21日午後1~4時ごろ、同病院本館1階の中央受付を訪れ、診察を受けた。その後の検査で27日に、はしかと確定した。男性に直近の海外渡航歴はなく、これまでに2回のワクチン接種歴があった。

 都は21日午後に同病院を利用した人に対し、体調の変化があった場合は医療機関の指示に従って受診するよう呼び掛けている。

 2026年3月4日(水)

2026/03/03

🟥ドクターヘリ、東京都や関西地方など各地で運休 整備士不足の影響広がる

 医師や看護師が救命医療にあたりながら患者を搬送するドクターへリについて、東京都や関西地方など各地で一定期間、運航を休止するケースが出ている。運航を担う法人でヘリの整備士が不足しているためで、東京都では4月以降の運航のめどが立たないなど、影響が広がっている。

 都のドクターヘリは2022年から日中の時間帯、多摩地域を中心に年中無休で運航してきた。多摩地域の約200カ所の着地地点を活用することで、救急車よりも迅速に患者を搬送できるとされる。2024年度には1566回運航し、341人の患者を病院に搬送した。

 都の説明によると、ヘリの運航は事業開始当初から学校法人「ヒラタ学園」が担ってきたが、整備士が足りず、昨年8月と10月以降は月5〜8日程度運休。今月5~10日と16~26日も運休する予定という。

 ヒラタ学園との契約は今月末で終了する予定で、4月以降については新たな運航事業者が見付かっていないという。

 運休中は消防や医療機関と連携して陸路や消防ヘリで救急搬送するといい、都の担当者は「できるだけ早く再開したい。救急医療体制に支障がないように対応する」と話している。

 近畿6府県と徳島、鳥取の両県などでつくる関西広域連合管内でも現在、ヒラタ学園がドクターヘリ8機の運航を担っている。やはり整備士不足のため、昨年7月以降、交代で運休している。2026年度は同学園から別の運航会社に委託契約を切り替える動きが出ているが、現時点では6機の運航しか見通せていないという。

 同連合広域医療局の事務局がある徳島県によると、ドクターヘリは連合や各病院が委託契約する形で運航している。

 うち京都府や滋賀県などで運航する「京滋ヘリ」は、2026年度から中日本航空(愛知県)が担うことが決まった。鳥取県は、つくば航空(茨城県)との契約に向けて調整を進めている。

 さらに、大阪府、徳島県での運航ヘリについても、ヒラタ学園とは別の運航会社との協議が続いているが、4月以降の見通しは立っていないという。

 一方、奈良、和歌山、兵庫の3県では、2026年度もヒラタ学園による運航が決まっており、京都府、兵庫県、鳥取県をカバーする「3府県ヘリ」もその方向で調整している。

 2026年3月3日(火)

🟥岐阜市の40代男性、はしかに感染 岐阜県内では今年初の感染確認

 岐阜市は2日、同市の40代男性がはしか(麻疹)に感染したと発表した。男性は他人に感染させる恐れがある時期に商業施設を利用しており、市ははしかを疑う症状が出た場合は保健所に連絡するよう呼び掛けている。

 市感染症・医務薬務課によると、男性は2月10~13日に東南アジアに滞在。同28日に医療機関を受診し、市衛生試験所の遺伝子検査で感染が判明した。現在は回復傾向にあるという。

 男性は同23日午後5~6時ごろ、岐阜市下土居のウエルシア岐阜鷺山店を利用していた。

 市は、同じ時間帯に店舗を利用し、はしかを疑う症状が現れた場合は、最寄りの保健所まで連絡するよう呼び掛けている。

 はしかは潜伏期間が10~12日間程度で、発熱やせき、鼻汁、結膜の充血、発疹などの症状が出る。

 岐阜県内でのはしかの感染者の確認は、昨年5月以来。

 2026年3月3日(火)

2026/03/02

🟥コクミンの薬局、管理薬剤師が違法兼務 計12店舗、調剤報酬返還へ

 ドラッグストアチェーン「コクミン」(本社・大阪市)が運営する調剤薬局で、責任者である「管理薬剤師」が、複数の店舗で兼務する不適切な運用が続いていたことがわかった。管理薬剤師は患者の健康管理などのため現場での勤務が求められ、一つの店舗への専従が医薬品医療機器法(薬機法)で義務付けられている。同社は兼務が同法に抵触すると認め、調剤報酬の返還を検討する。

 コクミンによると、管理薬剤師の兼務は大阪府、兵庫県、福岡県の計12店舗で確認された。体調不良などで管理薬剤師らが欠員となって営業が難しくなった店舗に、この12店舗から管理薬剤師を派遣していた。

 派遣された管理薬剤師が、利用客から処方箋(せん)を受け付けて調剤する際、その店舗の管理薬剤師の印鑑を使って発覚を免れていた事例もあった。派遣元の店舗は別の薬剤師らが業務に当たっていたという。

 兼務は、複数の店舗を統括するエリアマネジャー2人の指示で続いてきた。2人は会社側に、法令違反を認識していたが、通常通りに開店させることを優先したという趣旨の説明をしているという。

 昨年末に内部通報で発覚した。コクミンは各地の保健所などに報告し、指導を受けているという。同社は通報時点から過去1年間に逆上って兼務を確認。過去3年間をめどに調査を続け、期間中の調剤報酬について「返還も含めて適切に対応を進めていく」としている。調剤報酬は、調剤や服薬指導などに対して公的な保険制度から受け取る対価。

 コクミンはホームページに、「薬剤師が不在の際に閉局する判断基準を明確化し、再発防止を徹底する」とした。

 2026年3月2日(月)

2026/03/01

🟥救急隊の蘇生中止方針が増加 241消防本部で文書化

 がんや老衰などで終末期を迎えた高齢者らが蘇生措置を望まない意思をあらかじめ示していた場合、119番で到着した救急隊が、かかりつけ医などの指示で措置を中止できるとの方針を文書化する消防本部が増え、全国で少なくとも241に上ることが2月26日、日本臨床救急医学会の調査でわかった。回答の4割に当たる。

 心臓マッサージなどを望まない本人の意思が書面や家族の話で明らかになった際、一定の条件下で中止を認める内容。「人生の最終段階」を迎えた人の意思を尊重する取り組みの広がりが示された。

 同学会は2017年、中止する際の標準的な手順を盛り込んだ提言を発表。今回の調査によると、同様の方針を2016年以前に文書化した消防本部は39だったが、2017年以降は200と大幅に増えた(時期不明が2)。

 調査は2025年2~3月、全国720消防本部を対象に実施し、570本部が回答。それによると、241本部(42%)が蘇生措置の中止を認める方針を策定済みだった。うち170本部が、中止に際してかかりつけ医によるオンライン指示を必須としている。

 2026年3月1日(日)

2026/02/28

🟥心の健康診断「ストレスチェック」を2028年から全企業に義務付け 問われる実効性

 従業員のストレス状態を調べ、必要に応じて医師との面談を促す「ストレスチェック」制度が、2028年5月までにすべての企業で義務付けられる見通しとなった。これまでは従業員50人以上の事業所に限定していたが、対象を拡大する改正労働安全衛生法が昨年5月に成立した。ただ、制度導入後の10年で精神障害の労災支給の決定件数は2倍超に増加。分析方法を巡る課題も浮上しており、有用性を疑問視する声もある。

 ストレスチェックは従来、産業医設置義務がない従業員50人未満の小規模事業所については「努力義務」とされてきた。

 厚生労働省の実態調査によると、実施している事業所の割合は50人以上では8~9割で推移しているが、50人未満では約3割。厚労省が策定した第14次労働災害防止計画では、小規模事業所でも2027年までに50%以上とするが、達成のハードルは高い。

 特に問題視されているのが、小規模事業所でのメンタルヘルス対策自体の低調ぶりだ。対策に取り組む事業所自体は増加傾向にあるものの、2024年の実態調査では50人以上の事業所が94・3%なのに対し、30~49人で69・1%、10~29人で55・3%で、小規模事業所ほど少なかった。

 厚労省はストレスチェックを全事業所に義務付けることによって、メンタルヘルス対策の底上げを図りたい考えで、2月25日にはホームページに小規模事業所向けの実施マニュアルも掲載。「十分な準備期間を設ける」とし、施行は同法公布後の3年以内とした。

 そもそもストレスチェックは従業員が心身の状況に気付く機会とし、会社側の職場環境の把握と改善につなげる目的で導入された。

 ただ、導入されてから10年以上が経ち、ストレスチェックだけでは制度の本来の目的であるメンタルヘルス不調を未然に防げていないのが現状だ。

 仕事が原因で精神的な障害を抱える労働者は増えている。2024年度の労災支給は1055件と、制度が導入された2015年の472件に比べ倍以上にまでなっていた。

 厚労省関係者によると、今回の制度改正に向け、メンタルヘルス対策を検討する厚労省の作業部会では制度の有用性を高めるため「努力義務としている集団分析を義務化するべきだ」との意見もあった。

 「集団分析」は、ストレスチェックを行った医師などが、個人の結果を部署など一定の規模の集団ごとに集計し、分析。会社側が分析結果をもとに、必要に応じて従業員の負担を軽減できるよう職場環境の改善を図るものだ。

 しかし、集団分析の実施状況は、50人以上の事業所でも約5割にとどまっており、今回も履行水準の判断が困難として見送られた。厚労省によると、集団分析をしなかった理由について、必要性を感じなかった▽時間的余裕がなかった▽マンパワーや費用を確保できなかった―と答えた事業所が多かったという。

 厚労省の担当者は、「ストレスチェックは集団分析から環境改善までを含めた一体的な制度。現状では義務化は時期尚早と判断したが、実施が進むよう実際に導入した事業所の取り組みを周知するなど働き掛けていく」と説明する。

 今回の法改正では集団分析の義務化や、新たなメンタルヘルス対策を検討するよう求める付帯決議が付けられた。国は来年度以降、これまでのメンタルヘルス対策の効果を検証し、議論を進める方針だ。

 2026年2月28日(土)

2026/02/27

🟥東京都が難病患者を職員採用へ 「都庁が率先」柔軟な働き方を認める

 東京都は2026年度から、難病患者を対象とした都職員の採用選考を始める。小池百合子知事が26日、都議会一般質問での答弁で明らかにし、「都庁の率先行動により、難病や障害の有無にかかわらず、誰もが能力を発揮して活躍できる社会の実現につなげていく」と語った。

 都によると、採用の対象とする難病は、障害者総合支援法で支援が特に必要とする376疾病に加え、都が独自に医療費を助成している8疾病の患者。症状は千差万別で継続的な治療を受けている患者も多く、採用選考に際しては個別の相談に応じて必要な対応をとるほか、採用後も柔軟な働き方を認め、業務内容にも配慮するという。

 20274月からの勤務を想定し、採用者数や選考の時期といった詳細は今後検討する。

 民間企業の障害者の法定雇用率は現在2・5%で、7月には2・7%に引き上げられる。ただ、雇用義務の対象は障害者手帳を持つ身体・知的・精神障害者で、手帳を持たない難病患者は法定雇用率には含まれない。

 2022年の厚生労働省の調査では、難病と診断された人は推計で126万4000人いるものの、36・5%に当たる46万1000人が障害者手帳を持っていない。 

 厚労省は難病患者を法定雇用率の算定対象にすることも検討しているが、都は国の動きに先駆けて採用に乗り出すことで、難病患者が就労しやすい環境づくりを進めたい考えだ。

 2026年2月27日(金)

🟥みちのく記念病院の「みとり医」、自分の氏名わからず署名できず 青森県警、「しかるべき処分」の意見つけ書類送付

 2023年3月、青森県八戸市のみちのく記念病院で患者同士の殺人が起き、それを病院が 隠蔽(いんぺい)していた衝撃的な事件。県警は医師法違反(無診察治療)の疑いで同病院に勤務していた男性医師(86)の捜査書類を青森地検に送付し、起訴を求めない「しかるべき処分」の意見をつけた。一...