2025/12/31

🟥正月三が日に集中、高齢者の餅の窒息事故に消費者庁が注意を呼び掛け

 お雑煮などを食べる正月に、餅をのどに詰まらせて、死亡する事故が後を絶たないことから、消費者庁は、特に高齢者が食べる際は、小さく切った上で、よくかんでから飲み込むように注意を呼び掛けている。

 消費者庁によると、2019年までの2年間に餅をのどに詰まらせて死亡した65歳以上の高齢者は661人に上っていて、事故のおよそ2割が正月三が日に起きていたということである。その後も毎年正月に、餅の窒息事故は相次いでいて、特に高齢者は、年齢を重ねる中でかむ力や、飲み込む力が弱くなっていくことから、のどに詰まらせやすいということである。

 このため消費者庁は、餅を食べる時の注意点として、▽小さく切って食べやすい大きさにすること▽水分を取って、のどを潤してから口に入れること▽ゆっくりよくかんでから飲み込むことなどを呼び掛けている。

 また、万一のどに詰まらせた場合は、背中の肩甲骨の辺りを、力強く何度もたたくなどして吐き出させるということで、詳しい応急手当の手順については、日本医師会のホームページなどで確認してほしいとしている。

 消費者庁の堀井奈津子長官は、「去年食べているからといって、今年も食べられるという人ばかりではない。ふだんの食事でも、えん下の状況が変わってきたなど思い当たることがある場合は、本人も家族も気を付けてほしい」と話していた。

 2025年12月31日(水)

2025/12/30

🟥埼玉県嵐山町の養鶏場で鳥インフルエンザ陽性 24万羽の処分開始

 埼玉県は、嵐山町の養鶏場の鶏で高病原性の鳥インフルエンザへの感染が確認されたとして、飼育されているおよそ24万羽の処分を30日から開始した。

 嵐山町の採卵用の養鶏場では29日、鶏が通常より多く死んでいるのが見付かり、簡易検査で陽性反応が出たため、埼玉県は30日午前8時すぎから緊急の対策本部会議や国との協議を相次いで実施した。

 その後、県による遺伝子検査の結果、この養鶏場の鶏で高病原性の「H5亜型」の鳥インフルエンザへの感染が確認されたため、県は午前10時から飼育されているおよそ24万羽の処分を開始した。

 鳥インフルエンザの感染確認は埼玉県では今シーズン初めてで、1カ所当たりの処分数としては県内で過去最大の規模となるということである。

 また、終了までに9日ほどかかる見通しである。

 県は養鶏場から半径3キロ以内を「移動制限区域」として鶏の移動を禁止し、3キロから10キロ以内を「搬出制限区域」として周辺の養鶏場などに区域外への出荷などを禁止するほか、4カ所の消毒ポイントを設置して感染のまん延防止対策を徹底するとしている。

 埼玉県の大野元裕知事は、「殺処分された鶏の肉や卵などが出回る可能性はなく、万が一、口にしても人が感染することはないとされているので、風評被害が広がらないよう国と連携して対応したい」と話していた。

 2025年12月30日(火)

2025/12/29

🟥名古屋大病院小児外科、9日から手術を原則停止 患者が死亡する医療事故や投薬ミスなど相次ぐ

 内視鏡手術を受けた患者が死亡するなどの医療事故や、投薬ミスが小児外科で相次いでいるとして、名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)は27日、同科での手術を12月9日から原則停止していると発表した。患者の安全確保や管理体制に懸念があるといい、再開時期は未定。他の病院で対応困難な患者がいる場合などは例外的に手術するという。

 発表によると、2023年に内視鏡手術で誤って健康な腎臓を摘出する事案があり、今年は内視鏡手術中に患者が心停止してそのまま死亡する事案が発生。12月には、医師が薬剤の効能を誤解したまま手術で使うミスも発覚した。

 外部の専門家を含む調査委員会は、2023年の事例を医療過誤に当たると判断し、今年の死亡事案については調査を続けている。投薬ミスについては、今のところ患者に重大な影響は確認されていないという。

 2025年12月29日(月)

2025/12/28

🟥リムジンバス乗務員がはしか感染 羽田・成田空港発着便に乗務、不特定多数と接触した可能性

 東京都によると、東京・羽田空港などを発着するリムジンバスの男性乗務員(30代)が麻疹(はしか)に感染したことが確認された。23日午後に東京・豊洲のホームセンターに3時間滞在したほか、24日に羽田空港と千葉・成田空港などを発着するバスで乗務しており、不特定多数と接触した可能性がある。

 都の発表によると、乗務員は23日午後1~4時ころ、江東区豊洲の「スーパービバホーム豊洲店」1階に滞在したほか、24日には、東京空港交通のリムジンバスで、▽午前9時45分竹芝・臨海・豊洲方面発、成田空港行き▽午後1時45分成田空港発、銀座方面行き▽同5時15分羽田空港発、豊洲行き―の便で乗務した。

 乗務員は発熱や目の充血、発疹などの症状があるが入院しておらず軽症。海外渡航歴はなく、23日に発病した。管轄する複数の保健所で疫学調査を行い、28日午前時点で、職場などの接触者30人を対象に健康観察をしている。

 都は同じ時間帯に居合わせた人に対し、発熱や発疹、せき、鼻水、目の充血など、麻疹への感染が疑われる症状が出た際には、公共交通機関の利用を控え、医療機関の指示に従って受診するよう呼び掛けている。

 麻疹は主に空気感染で広がる。感染力は極めて強く、免疫を持たない人が感染者に接するとほぼ100%感染するとされる。

 2025年12月28日(日)

2025/12/27

🟥被爆2世のゲノム解析、3月開始 親からの変化調査、放射線影響研究所

 日米共同で運営する放射線影響研究所(放影研)は23日、被爆者と被爆2世のゲノム(全遺伝情報)解析を始めたと発表した。親の放射線被曝(ひばく)が子供のDNA配列に影響を与えるかは明らかになっていない。今回の解析で、親が高線量の放射線を受けた場合に、子供のDNA配列に変化が起きやすいかどうかを調べ、今後の研究につなげる。

 放影研によると、調査対象となるのは1985年以降に血液の提供を受けた広島、長崎の約400家族、約1400人。そのうち被爆2世ら子供は約580人。同意を得られた人で実施する。

父母と子供を3人一組として変化を調査。その上で、親が高線量の放射線を被爆した子供と、それ以外の子供との間で比較する。

 今回同定された変化が放射線によるものなのかどうかは判別できず、がんなど特定の病気との因果関係や罹患(りかん)率までは明らかにできないという。結果の公表は5年後を目指し、今後の遺伝的影響の研究基盤とする。

 神谷研二理事長は、「DNAは究極的な個人情報だ。倫理的観点から適切に実施されるよう取り組む」と述べた。

 被爆2世は被爆者援護法の対象外で、遺伝的影響を受けた可能性があるとして国に損害賠償を求める訴訟を起こしているが、退けられている。長崎訴訟は敗訴が確定。広島訴訟は「多数の研究者から支持されているとはいえない」などとして一、二審とも敗訴し、最高裁に上告している。

 2025年12月27日(土)

2025/12/26

🟥インフルエンザ感染者、4週連続で減少 警報レベル超えは6週続く

 厚生労働省は26日、全国約3000の定点医療機関から15~21日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計12万6127人で、1医療機関当たり32・73人だったと発表した。前週比0・89倍で、11月17~23日の51・12人から4週連続で減少した。警報レベルとされる1医療機関当たり30人を超えたのは6週連続。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは宮崎県の94・75人。鹿児島県76・54人、福岡県63・69人が続いた。全国的に減少傾向だが、徳島県、佐賀県、鹿児島県、沖縄県で増加した。

 少なかったのは、秋田県11・32人、沖縄県14・76人、岩手県15・60人など。

 休校や学年閉鎖、学級閉鎖となった小中高校は計4752校で、前週より660校ほど減った。

 厚労省は、「年末年始は大人数で集まる機会も増えるので、換気やせきエチケットなどの感染対策を行ってほしい」と注意を呼び掛けている。

 2025年12月26日(金)

🟥新型コロナ感染者、7週ぶり微増 1医療機関当たり1・24人

 厚生労働省は26日、全国約3000の定点医療機関から15~21日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が4778人で、1医療機関当たり1・24人だったと発表した。前週比1・02倍で、前週まで6週連続で減少していたが、わずかに増加した。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは北海道の4・40人で、福島県3・83人、岩手県2・67人と続いた。少なかったのは福岡県0・22人、鹿児島県0・26人、佐賀県0・33人などだった。

 2025年12月26日(金)

2025/12/25

🟥茨城県城里町の養鶏場で鳥インフルエンザの感染確認 今季最大の97万羽の殺処分を開始

 茨城県は25日、城里町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)の感染を確認したと発表した。飼育されている採卵鶏97万羽を殺処分する予定で、今季では全国最大規模となる。養鶏場での鳥インフルエンザ発生は同県では今季初。全国では10例目で、殺処分対象数は計約365万羽に膨らんだ。

 県によると、養鶏場から24日午前に「鶏がまとまって死んでいる」と家畜保健衛生所に通報があった。県が10羽を簡易検査したところ、すべて陽性と判明し、遺伝子検査の結果、25日朝に感染が確認された。

 鳥インフルエンザが大流行した2022年秋から2023年春のシーズンには、26道県で84例が確認された。殺処分数は過去最多の約1771万羽に上り、卵不足による価格高騰は「エッグショック」と呼ばれた。

 今季も卵の価格は高騰しており、JA全農たまごが25日発表した鶏卵の卸値は1キロ当たりの基準値(Mサイズ、東京地区)で345円となった。2023年3~6月に記録した最高値350円に迫る水準で、今年11月18日から同じ金額で高止まりが続いている。

 2025年12月25日(木)

2025/12/24

🟥ゼンショーHD子会社、冷凍食品11万袋余を自主回収

 飲食チェーンなどを展開するゼンショーホールディングスの子会社は、販売している冷凍食品の一部で消毒薬のようなにおいが確認されたとして、11万袋余りを自主回収すると発表した。健康被害は確認されておらず、対象の商品から健康を害する成分は検出されていないとしている。

 自主回収するのは、ゼンショーホールディングス傘下で冷凍食品の販売などを手掛ける「トロナジャパン」が全国で販売した商品「おかず三昧 海老といかのひとくち揚げ」で、賞味期限が再来年、2027年の3月11日、3月13日~16日、3月19日の合わせて11万320袋。

 会社によると、12月12日に消費者から「通常と異なる風味がある」との指摘があり、製造元のベトナムの工場で調べたところ、通常商品とは異なる成分や消毒薬のようなにおいを確認したということである。

 会社によると、12月23日時点で健康被害は確認されておらず、対象の商品から健康を害する成分は検出されていないとしている。

 会社は原因の特定を急いでおり、「多大なるご迷惑をおかけすることを深くおわびします。再発防止に向け、詳細な原因究明と品質管理の徹底に万全を尽くします」とコメントしている。

 回収の受け付けは、会社の公式ホームページのほか、次のフリーダイヤルで対応するとしている。

 0120-681-468 0120-941-035 0120-559-014

 12月24日から来年1月末までの、午前10時から午後5時の間、祝日も含めて対応するとしている。

 2025年12月24日(水)

2025/12/23

🟥診療報酬、全体で2・22%のプラス改定へ プラスは12年ぶり

 診療報酬の来年度の改定を巡り、政府は「薬価」を0・87%引き下げる方針を固め、これにより、診療報酬全体では2・22%のプラス改定となる。全体の改定率がプラスとなるのは2014年度以来、12年ぶりである。

 来年度の診療報酬改定を巡っては、政府内のこれまでの調整の結果、物価高などの影響を踏まえ、医療従事者の人件費などに充てられる「本体」を3・09%引き上げる方向です。

 そして、医薬品などの公定価格を定める「薬価」について、政府は、市場での薬の取り引き価格が国の定めた価格を下回っていることから、0・87%引き下げる方針を固めた。

 これにより、診療報酬全体では2・22%のプラス改定となる。全体の改定率がプラスとなるのは2014年度以来、12年ぶりである。

 政府は、今後、さらに物価高が進んだ場合、医療機関の経営状況などを踏まえて柔軟に対応できる方策を検討していく方針である。

 一方、来年度、臨時に改定する介護報酬については、現場で働く人たちの処遇改善などを図るため2・03%引き上げるほか、障害福祉サービス報酬は1・84%引き上げる方針で24日、上野賢一郎厚生労働相と片山さつき財務相が協議を行い、正式に決定する運びである。

 2025年12月23日(火)

2025/12/22

🟥徳島市、生活保護申請者らに賞味期限切れ備蓄食品支給 同意書にサイン求める

 生活保護の申請者や受給者のうちその日の食料に困るなど緊急支援が必要な人に対し、徳島市が、賞味期限切れの備蓄食品を支給し、その際、「体調が悪くなった場合、自己責任」とする同意書にサインさせていたことがわかった。

 徳島市は「不適切だった」として、こうした対応を取りやめたとしている。

 関係者や徳島市によると、市では2023年5月~2025年12月、生活保護の申請者や受給者のうちその日の食料に困るなど緊急支援が必要な計59人に対し、賞味期限が切れたパンやアルファ化米などの災害用の備蓄食品を支給し、その際、「支給された食料の飲食によって体調が悪くなった場合、自己責任であることを理解しています」とする同意書にサインさせていたということである。

 支給した備蓄食品の中には賞味期限を1年2カ月すぎていたものもあったということである。

 賞味期限切れの食品については国の食品寄付のガイドラインで「直ちに安全性を欠き、食べられなくなることを意味するわけではない」とした上で、食べられる期限の目安について科学的な根拠がある場合に限り提供されるべきで、食中毒などの事故発生に備えて連絡体制を整備することが望ましいなどとされているが、徳島市はこうした対応をとっていなかったということである。

 また、市によると、防災訓練などで災害用の備蓄食品を市民に配付する際には、賞味期限の切れていないものを渡していたということで、生活保護に詳しい専門家は、「一般には渡さないものを生活困窮の人に渡していたことは、困っているからいいだろうという判断があった可能性もあり、線を引いていることになる」と指摘している。

 これについて徳島市は、生活保護の決定を急ぐ対応を基本としているとした上で「『明日の食べ物がない』という人に対して賞味期限切れの食品を支給していた。生活保護の申請者などとそれ以外の市民で対応を分けていたという認識はない」と話している。

 その上で「万が一の事故の想定をしていなかったことや『自己責任』とした同意書をとっていたことは不適切だった」などとして、こうした対応を取りやめたとしている。

 2025年12月22日(月)

2025/12/21

🟥アメリカFDA、淋病治療用の経口抗菌薬2種類を承認 薬剤耐性と戦う待望の新薬

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は12日、淋(りん)菌による性感染症である「淋菌感染症(淋病)」向けの2種類の経口治療薬を承認したと発表した。

 一つ目は、アメリカのエンタシス・セラピューティクスが開発した経口顆粒剤「ゾリフロダシン(商品名:ヌゾルベンス)」で、成人および12歳以上で体重35kg以上の患者が対象である。泌尿生殖器における単純性淋菌感染症の治療に使用される。

 患者930人を対象としたゾリフロダシンの臨床試験では、単回投与で、標準治療(セフトリアキソン注射とアジスロマイシン錠の併用療法)と同等の効果が認められた。

 二つ目は、イギリスのグラクソ・スミスクラインが開発した経口錠剤「ゲポチダシン(商品名:ブルジェパ)」で、12歳以上で体重45kg以上の単純性淋菌感染症患者が対象である。

 患者628人を対象としたゲポチダシンの臨床試験では、ゲポチダシンの2回投与に標準治療と同等の有効性があることが確認されたものの、安全性に関する臨床データが限られているため、他に治療の選択肢がほとんどない患者に対して使用される予定である。なお、ゲポチダシンは今年3月に尿路感染症の治療薬として初めて承認された。

 単純性淋菌感染症は、尿道や子宮頸部などの局所的な淋菌感染を指し、治療せずに放置すると生殖器への感染拡大や不妊につながる恐れがある。淋菌は多くの薬剤に対して耐性を獲得しつつあり、これまで使われていた抗菌薬が効かなくなってきていることが懸念されている。

 2025年12月21日(日)

🟥神奈川県、はしか患者と接触した人にワクチン無料接種 蔓延防止のため22日から実施 

 感染力が非常に強いはしか(麻疹)患者が増加していることを受け、神奈川県は22日から患者の接触者を対象に予防ワクチン「麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)」の無料接種を始める。保健所から自身が接触者との連絡があった場合などに、来年3月末まで県が指定する10の拠点医療機関で緊急接種できる。免疫を持たなかったり不十分だったりする人を主な対象とした取り組みで、県によると全国で初めてという。

 県によると、県内の感染者は2019年が94人だった一方、新型コロナウイルス禍の2020~2024年は0~1人を推移。しかし今年になって全国的に急増し、県内でも1~6月が39人、7月から11月末までが2人となっている。海外から入ったウイルスが広がったためとみられている。

 はしかは麻疹ウイルスに感染することで発症し、重症化の恐れがある。予防接種法では小学校入学前までに2度の定期接種を受けることになっている。県内の接種率は第1期が94・8%、第2期が90・4%(いずれも2024年度)。2度の定期接種を受けなかったことなどを理由に、免疫を持たない人や不十分な人が感染すると、ほぼ100%発症するとされている。

 患者に接触後、72時間以内にワクチンを接種すれば発症を防げる可能性があるものの、8000円~1万2000円程度の自己負担が課題だった。そこで県は9月補正予算で2240万円を投じ、280人分のワクチンを確保した。

 感染が確認された場合、医療機関から届け出があった保健所が患者からの聞き取り調査で接触者をリストアップし、ワクチン接種の対象者に連絡するという。報道発表などを通して患者と接触したと疑われることが判明した場合は、各自で保健所に問い合わせてもらうことも想定している。

 黒岩祐治知事は、子供の定期接種の大切さを説明するとともに、感染拡大防止に向けて「早め早めに手を打つことが大事」と呼び掛けた。

 2025年12月21日(日)

2025/12/20

🟥アメリカが新生児検査の推奨疾患追加 協和キリンが治療薬を販売

 協和キリンは17日、重い病気を抱えた赤ちゃんを早期に治療するための「新生児スクリーニング検査」について、アメリカ保健福祉省が検査を推奨する病気に希少疾患の「異染性白質ジストロフィー(MLD)」を加えたと発表した。協和キリンの子会社がMLDの治療薬を手掛けており、普及につながると見込む。

 MLDは10万人当たりで1人程度にみられる希少疾患で、患者の半数が乳幼児期に発症し、多くが5年以内に亡くなっている。協和キリンの子会社であるイギリスのオーチャード・セラピューティクスが治療薬「レンメルディ」をアメリカで販売しており、2024年の売上高は全世界で33億円だった。投与対象となる発症前の患者を見付けにくいのが課題とされる。

 新生児スクリーニング検査では赤ちゃんが重い先天性の病気を抱えているか発症前に調べられ、早期の治療につなげられる。レンメルディが普及するにはスクリーニング検査の対象にMLDが加わることがカギといわれてきた。アメリカ当局の推奨を受け、各州は今後MLDを検査対象に加えるか検討する。

 2025年12月20日(土)

2025/12/19

🟥しらすパックにフグ稚魚混入、毒があり自主回収 福岡市のスーパー「種類が違うもの入っていたら通報を」

 福岡市のスーパーで販売されたパック詰めの「釜揚げしらす」に、フグの稚魚とみられる魚が混入していたことがわかった。毒を持っている可能性があり、販売店が自主回収を進めている。

 福岡市によると、17日、福岡市西区小戸のフードウェイ小戸店でパック詰めの「釜揚げしらす」を購入した客から「フグの稚魚が混入していた」と保健所に連絡があった。

 購入客は離乳食を作ろうとしていたところ、別の魚が混ざっていることに気が付いたということである。

 連絡を受けた福岡市の職員が店舗の在庫を確認したところ、新たにもう1パック、フグの稚魚とみられる魚が混入しているものが見付かった。釜揚げしらすは加工された状態で店舗に入荷され、売り場で小分けして販売されていたということである。

 フードウェイ小戸店では12月3日以降、同様の商品を少なくとも270パック販売したが、今のところ健康被害の報告はないということである。

 フグは猛毒のテトロドトキシンを持っている可能性があり、フードウェイは自主回収を進めている。

 福岡市は購入者に対して、「違う種類の魚が混入していた場合は、食べずに販売店や保健所に相談してほしい」と呼び掛けている。

 2025年12月19日(金)

2025/12/18

🟥北極が観測史上最も暑い年を記録 アメリカ海洋大気庁報告書

 アメリカ海洋大気庁(NOAA)は16日、年次報告書「北極圏報告カード」を公表し、北極が観測史上最も暑い年を記録したことを明らかにした。

 報告書によると、北極の気温は2024年10月から2025年9月の間、1991年から2020年の平均より1・60度高かった。報告書は1900年まで逆上るデータを基に構成された。

 共同執筆者でアラスカ大学のトム・バリンジャー氏は、「これほどの短期間で急速な温暖化が見られるのは警戒すべきことだ」と述べ、このような傾向は「近年では前例がなく、数千年単位でも前例がない可能性がある」と指摘した。

 報告書によると、北極では過去1年間に、1900年以降最も暖かい秋、2番目に暖かい冬、3番目に暖かい夏が記録されたという。

 人為的な化石燃料の燃焼により、北極の温暖化は地球全体の平均をはるかに上回る速さで進行している。「北極温暖化増幅」として知られるこの現象は、複数の要因によって引き起こされているという。

 また、北極海氷は春に最大となるが、2025年3月には過去47年で最小のピークが観測された。予測モデルによると、北極は2040年、あるいはそれよりも前に、ほぼ海氷のない夏を迎える可能性があるとされた。

 2025年12月18日(木)

2025/12/17

🟥「臍帯」使い傷付いた神経再生、京都大などが治験開始へ 「バイオ3Dプリンター」で管を作製

 京都大などの研究チームは、臍帯(さいたい)(へその緒)を使って、手指の末梢(まっしょう)神経が傷付いた患者を治療する治験を2026年1月に始めると発表した。臍帯の細胞を培養し、立体的に組織を作る「バイオ3Dプリンター」で神経を覆う管を作製し、傷付いた部分に移植する。

 臍帯には、組織を修復する細胞が含まれている。他人へ移植しても、拒絶反応を起こさないとされる。研究チームは動物実験で、神経が再生するのを確認した。治験では、指の神経が傷付いた3人の患者に対し、作製した管を移植する。経過を約9カ月観察し、安全性と有効性を確かめる。臍帯は、東京大医科学研究所の臍帯血・臍帯バンクが保管しているものを活用する。

 事故などで、手指の神経を損傷した患者に対しては、患者自身のほかの場所の神経を移植する治療が行われている。だが、神経を採取した場所にしびれや痛みが出ることがある。

 このため研究チームは当初、患者の皮膚の細胞を取り出し、バイオ3Dプリンターで神経再生を促す筒状の組織を作る方法を模索したが、培養に時間がかかり、作製するまでに約2カ月かかった。臍帯の細胞を使えば、期間を半分程度に短縮できるという。

 研究チームの池口良輔・京都大教授(手の外科)は、「欠損した神経の長さや太さによっては、神経の再生を諦めざるを得ない場合もあったが、治療ができるようになる可能性がある」と話している。

 2025年12月17日(水)

2025/12/16

🟥老眼の点眼薬、アメリカで承認 薬物治療に新たな選択肢

 アメリカの製薬企業レンズ・セラピューティクスは、同社が開発した老眼治療用の点眼薬「VIZZ」がアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表した。アメリカでは2021年に他社製品の「VUITY」が承認されており、老眼の薬物治療に新たな選択肢が加わった。

 日本には今のところ老眼用の承認薬がないが、老眼は加齢に伴ってほぼすべての人がかかる疾患だけに、眼鏡や手術に頼らない簡便な対策として注目されそうだ。

 正常な目は「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉が伸縮し、レンズの役割をする水晶体の厚みを変えることでピントを合わせる。しかし年齢を重ねると毛様体筋が衰え、水晶体の弾力性も失われる。その結果、ピントを合わせにくくなり近くがぼやける。これが老眼だ。

 同社によると、VIZZの有効成分アセクリジンは毛様体筋ではなく、瞳孔(黒目)の大きさを調節する虹彩の筋肉「瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)」に作用し、瞳孔径を2ミリ未満に縮小する。これによって「ピンホール効果」が生じ、近くに焦点が合いやすくなる。1日1回の点眼で30分以内に効果が表れ、最長10時間持続する。

 先行したVUITYも同様に瞳孔を縮小させるが、その有効成分ピロカルピン塩酸塩が瞳孔括約筋と毛様体筋の両方を収縮させるのに対し、アセクリジンは瞳孔括約筋に選択的に働くため副作用を軽減できるという。

 臨床試験では刺激感やかすみ目、頭痛などの副作用が報告されたが、同社は「大部分は軽度かつ一過性で、自然に消失した」としている。

 ピロカルピン塩酸塩の点眼薬は、日本では緑内障の治療に使われているが、老眼の改善目的では自由診療扱いとなり、保険は適用されない。

 2025年12月16日(火)

2025/12/15

🟥オンライン精神医療、条件付きで初診導入へ 引きこもりなど想定

 厚生労働省は11月20日、精神医療におけるオンライン診療について、現在は認めていない初診も条件付きで認める方針を明らかにした。医師と患者の1対1ではなく、患者のそばに保健師がいるなど所定の条件を満たす場合に導入する。

 対象となるのは未治療の人、治療を中断した人、引きこもりの人で、保健所や市町村とつながりのある人。精神疾患の特性上、外出することに二の足を踏む人が一定数いるとされる。オンラインの初診が認められれば、そうした人が医療とつながる可能性がある。

 同日の「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」(座長=田辺国昭東京大大学院教授)で、情報通信機器を用いた診療の「対応の方向性」に盛り込んだ。

 検討会では、患者や患者の家族の立場で参加する委員から初診も認めるよう望む意見が挙がっていた。一方、診療側の委員からは、患者の安全面を心配する声や不適切な診療が増えるとする懸念が挙がっている。

 厚労省は、今後もオンライン診療は再診の患者が望む場合に対面診療と組み合わせることを基本としつつ、オンライン診療ができる医療機関を拡充する。

 厚労省は2023年3月、精神医療におけるオンライン診療の指針を策定。対面診療との組み合わせを認め、初診のオンライン診療は認めていない。

 2024年度診療報酬改定ではその指針を踏まえたオンライン診療に報酬が新設されたが、普及していない。政府は2024年6月に閣議決定した規制改革実施計画で「初診・再診ともに、より活用される方向で検討する。2025年までに結論を出す」としていた。

 2025年12月15日(月)

2025/12/13

🟥iPS細胞「心筋球」を移植、心不全症状など改善 慶応大発ベンチャー

 iPS細胞からつくった心臓の筋肉の細胞を、重い心不全の患者に移植する治療について、慶応大発ベンチャー「ハートシード」(東京都港区)が12日、患者10人に行った治験(臨床試験)結果を公表した。多くの患者で心機能や症状の改善がみられた。安全性にも問題はなかったとして、同社は2026年中の製造販売承認の申請を目指す。

 同社が開発したのは、iPS細胞からつくった心筋細胞を塊にした「心筋球」。動脈硬化などで血管が狭くなり、心機能が低下した「虚血性心疾患」の患者に移植することで、細胞が成長し、心機能の改善につながると期待されている。

 治験では、移植する細胞数を5000万個とする「低用量」と、1億5000万個の「高用量」の二つのグループに分けて、心筋球を特殊な注射器具で機能が衰えた部分に注入。同時に血流を改善するための冠動脈バイパス手術も行った。

 低用量の5人について、移植前と移植1年後の状態を比べたところ、4人で心臓が血液を送り出す力などの心機能や自覚症状などの指標で改善がみられた。うち3人は、坂道や階段を上る時などにみられた息切れなどの症状がなくなった。6分間に歩ける距離が150メートルから500メートルに延びた人もいた。

 高用量の5人も、移植半年後の各指標をみると、心機能や自覚症状などの各指標で維持や改善の傾向がみられた。

 2025年12月13日(土)

2025/12/12

🟥政府、PFHxSの関連物質を禁止 製造や輸入、身体に影響恐れ

 政府は12日、有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」の一種である「(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)」の関連物質について、生物に蓄積し身体に影響を及ぼす恐れがあるとして第1種特定化学物質に指定する政令を閣議決定した。今後、製造や輸入などが原則禁止される。

 PFHxSは水や油をはじくPFOA(ピーフォア)やPFOS(ピーフォス)と同様の性質を持つ。毒性や蓄積性が確認され、2023年に第1種特定化学物質に指定された。関連物質についても、自然作用によりPFHxSに変わる可能性があり、有害化学物質を国際的に規制するストックホルム条約の廃絶対象となった。

 環境省によると、今回の規制はPFHxS関連物質が使われた海外製品が国内に入ることを防ぐことが狙い。

 2025年12月12日(金)

🟥インフルエンザ感染者2週連続減少、警報水準超えは続く

 全国のインフルエンザの感染者数は2週連続で減少したものの、依然として警報レベルを超える状況である。

 厚生労働省によると、12月1日から7日までの1週間に全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの感染者数は計14万8314人で、1医療機関当たり38・51人となった。

 前週の0・86倍で、2週連続で感染者数は減少したが、大きな流行の発生を示す「警報」レベルの基準30人を依然として超えている。

 都道府県別でみると、最も多かったのは、福岡県の65・56人で、その次に多かった宮崎県は62・54人で、どちらも前週より増加した。41府県で警報レベルを超えている。

 今年は昨年よりおよそ1カ月早く流行シーズンに入っていて、厚労省は、手洗いやマスク、換気など基本的な感染対策を呼び掛けている。

 2025年12月12日(金)

2025/12/11

🟥ジャングリア沖縄で販売の菓子「沖縄そばチップス」自主回収 アレルギー物質不記載

 沖縄県初の本格的なテーマパーク「ジャングリア沖縄」(同県今帰仁村など)を運営する「ジャパンエンターテイメント」(JE、同県名護市)は10日、園内の2店舗で販売した揚げ菓子の「沖縄そばチップス」を自主回収すると発表した。パッケージに記載のないアレルギー物質の大豆、乳成分が含まれていた。これまで9823個を販売したが、健康被害の申し出はないという。大豆、乳アレルギーがある人は食べないよう呼び掛けている。

 JEによると、価格は税込み1400円で、プレオープンの7月4日から12月9日まで販売していた。納品元のリウボウ商事(同県那覇市)が委託する検査機関との情報連携に欠落が生じ、アレルギー物質の情報を記載せずラベルを印字してしまったという。

 JEは「原因究明と再発防止に努める」としている。

 問い合わせはリウボウ商事第2事業部・電話098・869・4344。平日午前10時から午後5時まで受け付ける。

 2025年12月11日(木)

2025/12/10

🟥2025年の世界気温、観測史上2番目の暑さに ヨーロッパ気候監視機関

 ヨーロッパ気候監視機関「コペルニクス気候変動サービス」は9日、2025年が観測史上2番目に暑い年を記録する見通しだと発表した。

 コペルニクスのデータは、地球の気温が産業革命前の水準を1・5度上回る見通しであることを裏付けるもので、これは2015年のパリ協定で合意された閾値を超えることを意味する。

 月次報告によると、1~11月の平均気温は1・48度上昇し、「2023年と並んで記録上2番目に暖かい年」となった。

 コペルニクスで気候戦略を担当するサマンサ・バージェス氏は「2023~2025年の3年間平均は、初めて1・5度を超える見込みだ」と述べ、「これらの節目は抽象的なものではなく、気候変動の加速を示している。将来の気温上昇を抑える唯一の方法は、温室効果ガスの排出を迅速に削減することだ」と語った。

 先月は産業革命前の水準より1・54度高く、記録上3番目に暖かい11月となった。コペルニクスによると、平均地表気温は14・02度に達した。

 上昇幅は小さくみえるかもしれないが、こうした変化はすでに気候を不安定化させ、嵐や洪水などの災害をより激しく、頻繁にしていると科学者らは警告している。

 2025年12月10日(水)

2025/12/09

🟥「ミニピル」国内初販売、血栓リスク少ない避妊薬

 意図しない妊娠を避ける経口避妊薬で、従来の低用量ピルとは異なり、血栓リスクのある成分を含まない新しいタイプの薬を厚生労働省が国内で初めて承認し、今年6月から販売が始まった。女性医療の専門家は、「低用量ピルが使えなかった人も使用できる。女性主体の避妊の選択肢が増えた」と歓迎している。

 従来の経口避妊薬は、卵子の発育を抑制して不正出血を減らすエストロゲン(卵胞ホルモン)と排卵を抑制し精子の進入を妨げるプロゲスチン(黄体ホルモン)との2種類の女性ホルモンを配合した薬剤。避妊作用の主体はプロゲスチンで、血管内で血が固まる血栓症の原因となるエストロゲン成分の含有量を減らしてきた経緯から、低用量ピルと呼ばれてきた。

 それに対して、近年、プロゲスチンのみを含有する通称「ミニピル」が欧米などで開発され、国内での臨床試験を経て、厚労省が5月に製造販売を承認した。商品名はあすか製薬の「スリンダ錠」。

 低用量ピルは血栓リスクがあるため、重度の高血圧の女性や、35歳以上で1日15本以上の喫煙者、血栓症を発症したことのある人、前兆のある片頭痛のある人は利用できず、肥満や40歳以上の人にも処方が避けられていた。

 福島県立医大ふくしま子ども・女性医療支援センターの小川真里子特任教授(産婦人科)は、「日ごろの診療でも、ピルを処方したくてもできない例が4分の1ぐらいあった。今後は40歳以上の人や血栓リスクが心配な人でも使うことができる」と話す。ただし、いずれも使用可能な場合は「月経日の安定化や不正出血が少ないなどの点で、低用量ピルを薦める」としている。

 2025年12月9日(火)

2025/12/08

🟥高額療養費制度に年間上限額を検討 長期治療患者に配慮、「多数回該当」は負担据え置き

 「高額療養費制度」の見直しを巡り厚生労働省の専門委員会は、これまでの議論を整理し、70歳以上の通院にかかる自己負担を抑える「外来特例」については、負担上限額の見直しを検討すべきだとしている。

 一方、長期にわたって治療を続ける患者の負担を軽減する「多数回該当」の上限額は据え置くなどとしている。

 医療費が高額になった患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」を巡り厚生労働省は、2025年8月に予定していたひと月当たりの負担上限額の引き上げを見送るとともに専門委員会を設置して、見直しに向けた検討を進めている。

 専門委員会は8日にこれまでの議論を整理し、この中では「現行の所得区分は大くくりだと言わざるを得ない」として、能力に応じた自己負担を求める観点から、所得区分の細分化などが必要だとしている。

 そして、70歳以上の通院にかかる自己負担を抑える「外来特例」については、現役世代の保険料負担を軽減するため負担上限額の見直しを検討すべきだとした上で、対象年齢の引き上げも視野に入れるべきだとしている。

 一方、長期にわたって治療を続ける患者に配慮するため、直近12カ月の間に3回以上、制度を利用した場合に4回目以降の負担が軽減される「多数回該当」の上限額は据え置き、新たに年間の負担上限額を設けるとしている。

 厚労省は専門委員会の議論などを踏まえ、年内に見直しの方向性を示すことにしている。

 2025年12月8日(月)

2025/12/07

🟥保健医療の国際人材育成拠点を東京都に設立 途上国から受け入れ

 誰もが負担可能な費用で公平に医療を受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」を推進するため、日本政府と世界銀行、世界保健機関(WHO)は6日、途上国の政策担当者の育成を担う拠点「UHCレッジハブ」を東京都内に設立した。日本は国民皆保険など、保健財政にかかわる知見を生かし、途上国が自国で安定的に医療を提供する仕組みづくりを支援する。

 同日、UHCに取り組む20以上の国の閣僚や国際機関、民間団体の代表者らが集まり、各国の連携や取り組みを議論する会合を都内で開催。日本政府と世界銀行、WHOが拠点の設立文書に署名した。

 UHCレッジハブは、日本が議長国を務めた2023年の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)での議論を踏まえて設立した。発足に合わせて開いた会合で上野賢一郎厚生労働相は「我が国や世界各国が有する知見、経験を共有し、貢献をしていく」と述べた。

 UHCレッジハブは、低・中所得国それぞれの課題やニーズに合わせた1年程度の研修プログラムを提供する。まずインドネシア、エジプト、エチオピア、ガーナ、カンボジア、ケニア、ナイジェリア、フィリピンの8カ国から人材を受け入れる。

 高市早苗首相はビデオメッセージを寄せ「日本は医療アクセスの向上を通じて世界トップクラスの健康水準を誇る国となった。世界銀行やWHOなどと緊密に連携し、活動を後押しする」と語った。

 UHCについては、2030年までにすべての国や地域で実現させる国際目標が掲げられているが、達成は見通せていない。

 UHCナレッジハブには、世界銀行とUHCが専門職員を配置して活動する。

 2025年12月7日(日)

2025/12/06

🟥日本人女性、2型糖尿病発症のリスクが白人比2・29倍 肥満に当たる高BMIで顕著

 群馬大とオーストラリアのクイーンズランド大は3日、人種・民族別の女性6グループを比較した結果、日本人は生活習慣が影響する「2型糖尿病」の発症リスクが白人の2・29倍になるとの研究結果を発表した。肥満の度合いを示す体格指数(BMI)が27・5以上の場合は特に顕著という。人種やBMIとの関連が明確になり、予防や早期発見のための健康指導で活用されることが期待される。

 研究は、日中豪と欧米で暮らす女性73万408人を追跡調査しているデータを分析。グループは日本人、中国人、東南・南アジア人、白人、黒人、複数の人種・民族的背景を持つ人に分け、追跡期間は最長20年超になる。

 リスクは、年齢や喫煙歴、BMIなどが同一という条件を想定して算出。最もリスクが低い白人を基準(1)にすると、日本人は2・29で、中国人2・77、黒人2・61、東南・南アジア人は4・13などだった。

 BMIを加えた分析も行った。白人の18・5~23未満の適正体重グループを1とすると、日本人のこのグループは3・03だった。肥満に当たるBMI27・5~30未満で9・04、30以上の場合は19・67に上った。

 従来、アジア人であることや肥満は糖尿病のリスクとされていたが、今回の研究で具体的な関連がわかった。

 群馬県庁で開いた記者会見で、群馬大の長井万恵(かずえ)准教授(疫学)は「日本の糖尿病患者を減らすために早期介入の手立てを考えなければならない」と訴えた。クイーンズランド大のギータ・ミシュラ教授(疫学)は「世界で研究したことを日本の女性にも反映でき、共同研究はとても意義がある」と語った。

 70歳時点で、中高年に多いとされる2型糖尿病の発症割合をみると、白人の約7%が最も低く、日本人は約18%だった。中国人は約12%、東南・南アジア人と黒人は約25%だった。論文は3日、糖尿病に関する国際学術誌で発表された。

 両大学は女性の健康に関して体系的な研究を加速するため2023年10月、群馬大昭和キャンパスにクイーンズランド大との共同研究拠点を設置。長井氏は同大でも研究に従事した。

 2025年12月6日(土)

2025/12/05

🟥医師の偏在是正、開業抑制へ DX推進や手当増も、改正医療法が成立

 医師偏在の是正や医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた医療法などの改正法が5日、参院本会議で可決、成立した。外来医療の医師が多い地域での新規開業を抑制し、医療機関の維持が困難な区域で働く医師の手当を増額する。オンライン診療や電子カルテの活用を進める。

 偏在対策では、都市部などでの開業希望者に、地域で不足する救急や在宅の医療機能を担うよう都道府県が要請でき、開業後に従わない場合は勧告や公表することも検討する。人口より医療機関の減少スピードのほうが速い地域を「重点医師偏在対策支援区域」に設定し、診療所の承継や開業を支援。医師の手当増額の財源は、健康保険の保険者側の負担とする。

 オンライン診療の手続きや受診施設について規定を整備し、電子カルテ情報を全国の医療機関で共有できるネットワーク「電子カルテ情報共有サービス」の構築と普及を目指す。

 衆院厚生労働委員会で与党と野党の一部が修正案を共同提出。医療機関の病床削減を都道府県が支援できるとし、国が費用負担する内容などを加えた。

 2025年12月5日(金)

🟥マイナンバーカード、1億枚突破 交付開始から10年、保有率8割

 総務省は5日、マイナンバーカードの保有枚数が3日時点1億2万9804枚となり、初めて1億枚を超えたと発表した。人口に占める保有者の割合は80・3%。

 マイナンバーカードは、住民票を持つ日本国内の全住民に12桁の番号をつけて管理する「マイナンバー制度」が2015年に始まったことに合わせ、2016年1月から交付が始まった。有効期限は18歳以上が発行から10回目の誕生日までのため、更新を迎える利用者が増えている。総務省は早めの手続きを呼び掛けている。

 また、12月2日からはカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用が原則になった。

 2025年12月5日(金) 

2025/12/04

🟥ゲノム編集ベビー、初の法規制へ 受精卵の子宮への移植に罰則

 厚生労働省などは4日、遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集技術で作製した受精卵を人の子宮に戻すことを禁止し、違反した場合は罰則を設ける方針を示した。ゲノム編集を施した子「ゲノム編集ベビー」の誕生を規制する新法の制定を検討する。

 厚労省と文部科学省、こども家庭庁は同日、ゲノム編集技術を使った受精卵について具体的に議論する合同会議を立ち上げた。2019〜2024年に各省庁の審議会で議論した内容を整理した。

 規制内容としてゲノム編集を施した受精卵の子宮移植を禁止し、違反した場合は、10年以下の拘禁刑、または1000万円以下の罰金を科すことを検討する。こうした受精卵を扱う際には計画書の提出を求める規制内容を示した。今後、法制化に向けて検討を進める。法案を取りまとめて早ければ2026年の通常国会に提出する。

 受精卵は「生命の萌芽(ほうが)」と国の考え方で位置付けられており、慎重な取り扱いが求められる。ゲノム編集した受精卵を子宮に移植して出産すれば、生まれた子供は遺伝子を人工的に改変したゲノム編集ベビーになる。

 ゲノム編集ベビーは安全性や倫理面に大きな課題がある。ゲノム編集技術は遺伝性の病気の発症予防に生かせる可能性がある一方、別の遺伝子を誤って改変してしまうと、病気になるリスクもある。遺伝子の改変は将来世代にも影響が続く。狙った容姿や能力を持つ子を誕生させようとする試みにつながれば、優生思想や差別を助長する恐れがあると指摘されている。

 ゲノム編集技術を巡っては2012年、遺伝子操作が簡便な技術「クリスパー・キャス9」が開発されて関連研究が急速に発展した。中国の大学の研究者が2018年、エイズウイルスに感染しにくいようにゲノム編集した受精卵から双子の女児を誕生させたと公表し、国際的な非難が殺到した。米欧や中国、韓国はゲノム編集した受精卵の作製を禁止し、違反した場合の罰則を設ける。

 日本も2019年、政府が法規制に乗り出す考えを示し議論を続けていた。現状は政府が示した倫理指針に基づいた規制はされているが、破られた場合の罰則がない。厚労省の担当者は「国内大学でも実験動物のマウスを使った関連研究がされるなど、技術が近年発展している」とみており、早期の法制化を急ぐ。

 4日の3省庁による別の審議会では、人のiPS細胞などの万能細胞から受精卵を作製する研究の指針も議論する。細胞から精子と卵子を作って、受精卵を作製する研究は従来認められていなかったが、技術の発展を受けて、内閣府の生命倫理専門調査会は8月、研究を認める方針に転換した。

 生殖目的ではなく、科学的に合理性のある研究目的に限り受精卵の作製などを認める。培養期間を14日までとして、人の子宮への移植を禁じる。内閣府の方針を基に、各省庁は関連する研究指針を改正する。

 2025年12月4日(木)

2025/12/03

🟥サンフランシスコ市、超加工食品の製造業者提訴 健康被害への責任追及

 アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ市は2日、超加工食品の製造業者を相手取り訴訟を起こしたことを明らかにした。超加工食品を巡っては、数十年にわたる過剰摂取の結果、多くのアメリカ人が肥満になったと専門家らは指摘している。

 訴訟の対象には、クラフト・ハインツ、コカ・コーラ、ネスレ、ケロッグなど大手食品メーカーも含まれる。

 サンフランシスコ市の法律顧問を務めるデービッド・チウ氏は、「これらの企業は、超加工食品の開発とマーケティングによって公衆衛生の危機を引き起こした」と述べ、「食品を人の体にとって有害なものに変えてしまった」と批判した。

 チウ氏は、アメリカ人は超加工食品を避けたいと考えているものの「私たちはそれらに取り囲まれている。これらの企業は公衆衛生の危機を生み、大きな利益を上げてきた。今こそ、もたらした害に対して責任を取るべきだ」と主張した。

 超加工食品を巡っては、ロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉長官も、特に若者の間で肥満や慢性疾患、健康状態の悪化を招いているとして批判している。

 アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカ人の40%が肥満とされ、約16%が糖尿病を患っている。

 サンフランシスコ上級裁判所に提出された訴状は、アメリカのスーパーマーケットで販売されている製品の約70%が超加工食品だと指摘。製造業者がその危険性を知りながら、たばこ企業と同様の手法でリスクを無視・矮小化したマーケティングを展開してきたと主張している。

 一方、訴訟の対象となった多くの企業を束ねる業界団体、コンシューマー・ブランズ協会のサラ・ガロ氏は、これらのメーカーは「アメリカ人がより健康的な選択をし、製品の透明性を高めることを支援している」と反論。

 さらに「超加工食品の科学的な定義は現時点で確立しておらず、単に加工されているという理由だけで食品を不健康と分類したり、栄養価全体を無視して悪者扱いするのは、消費者を誤解させ、健康格差を広げる」と指摘し、「企業は政府が定めた厳格な、証拠に基づく安全基準を順守しており、消費者が日常的に利用する安全で手頃な価格の便利な製品を提供している」と述べた。

 2025年12月3日(水)

2025/12/02

🟥医療機関の受診、原則マイナ保険証の利用に 従来の保険証も3月までOK

 12月2日から、会社員やその家族が加入する健康保険組合の健康保険証に代わって、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用が原則となった。1日までですべての健康保険証の有効期限が切れたため。厚生労働省は患者が期限切れの保険証を提示しても、来年3月末までは窓口で医療費の全額の支払いを求めない対応を認める方針を示している。制度の切り替えによる混乱を避けるためだ。

 健康保険証の有効期限が切れた後は、「マイナ保険証」か「資格確認書」を提示して受診することが必要になる。75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険証や、多くの自治体の国民健康保険(国保)の保険証はこの夏に期限切れになっており、厚労省は3月末までは、期限切れの保険証でも通常通りの窓口負担で済むよう医療機関に求めている。今回、会社員やその家族が加入する健康保険組合や協会けんぽなどについても、同様の対応とする。

 上野賢一郎厚労相は2日の記者会見で、全国民の健康保険証(従来型)が有効期限を迎え、マイナ保険証を基本とする仕組みに2日から完全移行したことに「メリットを広く享受してもらえるよう、マイナンバーカードの安全性を含め周知を図る」と述べた。

 上野厚労相は、マイナ保険証の利用が「本人の健康状態や、医療情報を活用したより良い医療の提供に大きく寄与する」と説明。10月時点で37・1%だった利用率は増加傾向だとして「今後さらなる利用が期待される。不安の声にも丁寧に対応する」と語った。

 2025年12月2日(火)

2025/12/01

🟥ゴールドウイン、PFAS不使用に 年内に衣料品の素材切り替え、海外拡大で

 アパレル大手で衣料品の素材として有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を使うことを取りやめる動きが広がっている。「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは2025年内で代替素材に切り替える。PFASは熱に強く、アウトドア向け衣料で活用されている。健康への有害性が指摘されて米欧で規制が進んでおり、対応を急ぐ。

 PFASは主に炭素とフッ素からなる有機フッ素化合物の総称で、1万種類以上あるとされる。水や油をはじき、熱に強い性質があるため、半導体から衣料品まで幅広い製品で使われている。自然界でほとんど分解されないため「永遠の化学物質」とも表現される。一部の物質では飲み水などから人体に入ると、発がん性などのリスクがあるとされる。

 こうした懸念から、ゴールドウインは2025年内でPFAS素材の使用を全16ブランドでやめる。同社の売りはノース・フェイスやヘリーハンセンなどの高機能衣料品で、これまで荒天時や雪山での着用を想定したレインジャケットやバッグ、シューズ類の加工でPFASを使っていた。

 ザ・ノース・フェイス事業本部の畑野健一氏は、「PFASを使わない素材はPFAS使用の生地と比べ、はっ水機能や生地の張りが損なわれる」と話す。そのため、「バルトロライトジャケット」などノース・フェイスの定番商品では、着用感が変わらないよう糸の編み方や加工の方法を模索した。2026年春夏シーズンから発売する全商品で新製法・加工に切り替える。

 日本でのPFAS規制は一部種類にとどまる。アメリカではPFAS全種類を使用した商品の販売規制が進むなど、米欧の規制は先行している。米欧に販路を持つ大手ブランドを中心に、PFASフリー素材への切り替えが進んでいる。

 日本ゴアが製造する機能素材「ゴアテックス」は表面加工のはっ水剤などでPFASを使用してきたが、2025年内に全製品で切り替える。ゴアテックスは3層構造で、「メンブレン」という真ん中の膜が防水機能の肝となる。機能性を保つ代替素材の研究を続け、新素材「ePEメンブレン」を開発した。

 2022年から一般向けで代替を進め、2025年からより高い機能が求められる競技用のウエアでも切り替えている。同社から調達したゴアテックスを商品に使用しているデサントも、2026年春夏から切り替えを進める。

 世界的ブランドでは対応が先行している。アメリカのナイキは2024年度にPFASフリー素材に切り替え、ドイツのアディダスも2024年秋冬までに99%の商品で切り替えた。アメリカのパタゴニアも2025年から、全製品でPFASを使った防水・はっ水加工をしていない。

 ゴールドウインは海外での店舗拡大を進めている。米欧で2店舗を展開する「ゴールドウイン」ブランドでは、2033年までにロンドンやニューヨークなど8店舗に拡大する。全社では2029年3月期に海外売上高比率を10%と足元から倍増させる計画だ。

 1万種類に上るPFASのうち、有害性が指摘されている物質は一部とされるが、海外ではPFAS全体に忌避感が高まっている。世界最大市場であるアメリカやヨーロッパでの事業を拡大するには、消費者の懸念払拭が急務だ。素材に関する情報の開示や安全性を示す取り組みも求められる。

 2025年12月1日(月)

🟥インフルエンザ感染者、2週連続増加 1医療機関当たり11・33人

 厚生労働省は23日、全国約3000の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計4万3027人で、1医療機関当たり11・33人だったと発表した。前週比1・07倍で、2週連続の増加となった。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回...