2025/08/31

🟥緊急避妊薬「ノルレボ」の市販了承 対面販売義務付け、年齢制限せず保護者の同意も不要

 望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」について、厚生労働省の専門家部会は29日、医師の処方箋なしに薬局で購入できる市販薬としての製造販売を了承した。対面販売を義務付けた上、購入する女性の年齢を制限せず、保護者の同意は不要とした。

 この薬は、あすか製薬(東京都港区)が製造販売するもので、避妊を失敗したり、性暴力を受けたりした女性が使う。性行為から72時間以内に服用すると、妊娠を約8割防げる。

 専門家部会では、市販化に際し、薬剤師が対面で販売し、その場で服用することを義務付けるとした。臨床試験などで安全性が確認されているため、使用者の年齢を制限せず、予期せぬ妊娠を望まない若者を支援する観点から保護者の同意は不要とする。

 性犯罪による被害が疑われる場合には性被害者の支援拠点である都道府県の「ワンストップ支援センター」などの支援機関とも連携するとしている。

 この薬は、市販化を求める声を受け、2023年11月から日本薬剤師会が国の調査事業として、処方箋なしでの試験販売を16歳以上の女性を対象に一部薬局で行っている。

 緊急避妊薬は、海外約90カ国・地域では薬局で処方箋なしで買えるが、国内では医師の処方を受ける必要があった。

 2025年8月31日(日)

2025/08/30

🟥新型コロナ、10週連続で増加 ニンバス流行、のどに強い痛み

 厚生労働省は29日、全国約3000の定点医療機関から18〜24日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3万3275人だったと発表した。1医療機関当たりの感染者数は8・73人。前週比1・39倍で10週連続の増加となった。研究者が「ニンバス」と呼ぶ変異株「NB・1.8・1」が流行している。

 のどの強い痛みが特徴で、海外では「カミソリの刃をのんだような痛み」と表現される。重症化のリスクは高まっていないが、夏休み明けの学校で集団行動が増えるため、専門家は注意を呼び掛けている。

 1医療機関当たりの感染者が最も多かったのは宮崎県の21・04人で、鹿児島県16・81人、長崎県14・78人と続いた。

 2025年8月30日(土)

2025/08/29

🟥マイナ保険証搭載スマートフォン、9月19日から全国で順次利用可能に

 「マイナ保険証」の機能を搭載したスマートフォンが9月19日から、準備が整った全国の医療機関や薬局で順次、利用できるようになる。

 マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の機能を搭載したスマートフォンについて、厚生労働省は7月から関東の一部の医療機関を対象に先行する形で利用できるようにしたところ、大きな問題はなかったとして、9月19日から、準備が整った全国の医療機関や薬局で順次、使えるようにすることを明らかにした。

 利用できるのは、スマートフォンの読み取りに対応した専用の機器を設置している医療機関や薬局で、厚労省は、受診に際しては事前に確認し、わからない場合は、実物のマイナンバーカードを持参するよう呼び掛けている。

 また、何らかの事情でスマートフォンの読み取りができない場合は、マイナポータルにログインして、資格情報の画面を提示すれば、保険診療を受けられるということである。

 厚労省は、「今後、対応している医療機関や薬局をホームページに掲載するなどして、円滑に受診できる環境整備に取り組んでいきたい」としている。

 2025年8月29日(金)

2025/08/28

🟥富山県内初、猫がマダニ感染症「SFTS」に感染 高岡厚生センター管内

 富山県は27日、高岡厚生センター管内で、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に、猫が感染したと発表した。猫の感染は県内初となる。SFTSは犬や猫から人に感染する恐れがある。県は過剰な触れ合いは避け、ペットが体調不良の際には、すぐに動物病院を受診するように求めている。

 県によると、高岡厚生センター管内の住民が飼育する猫が8月22日、食欲がなく、動物病院を受診したところ、発熱や黄疸(おうだん)などの症状がみられた。25日に県衛生研究所の検査で陽性であることが判明した。人への感染は確認されていない。

 県内では、人のSFTS感染は2022年11月と今年6月に計2例発生している。県生活衛生課の担当者はマダニにかまれないよう、草むらでは長袖や長ズボンの着用を呼び掛けている。

 2025年8月28日(木)

2025/08/27

🟥T細胞を作り出す「胸腺」細胞、人のiPS細胞から作製成功 免疫不全患者らの治療法開発に期待、京都大

 京都大学の研究チームは、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、免疫に関して重要な役割を果たす「胸腺」の細胞を作ることに成功したと発表した。

 将来的には重い免疫不全などの治療につながる可能性があるとして、さらに研究を進めるということである。

 この研究は、京都大学iPS細胞研究所の浜崎洋子教授らのチームが発表したものである。

 胸腺は、ウイルスやがんなどの異物を体の中から排除する「免疫応答」で中心的な役割を担う「T細胞」を作り出している。

 今回、研究チームはこの胸腺に注目し、人のiPS細胞を使って、胸腺の内部にある細胞を作り出すことに成功したということである

 さらにこれを、T細胞のもとになる細胞とともに実験室で培養したところ、さまざまな異物に反応できるT細胞そのものができることがわかったということである。

 研究チームは、今回の手法が、年齢とともに免疫の機能が衰えた人や、重い免疫不全の患者の治療に、将来的につながる可能性があるとして、さらに研究を進めることにしている。

 浜崎教授は、「今回の方法を使えば、本来、私たちが持っている免疫の機能を与えることができる可能性がある。高齢者や新生児など免疫が十分ではない人に必要な免疫を与えられる未来につながることを期待したい」と話していた。

 2025年8月27日(水)

2025/08/26

🟥マダニ媒介感染症「SFTS」、今年の患者数143人で過去最多を更新

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年これまでに全国から報告された患者数は速報値で143人となった。今年はこれまで感染が確認されていなかった地域でも患者が報告されていて、厚生労働省は注意を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがあり、感染して死亡する患者の割合は10%から30%に上るとされている。

 国立健康危機管理研究機構によると、8月17日までの1週間に全国から報告されたSFTSの患者は三重、兵庫、佐賀、熊本、鹿児島の各県でそれぞれ1人ずつの5人で、今年の累計の患者数は速報値で143人となり、国内で初めて感染が報告された2013年以降の最多を更新した。

 感染者が報告されているのは31道府県で、高知県で14人、大分県で11人、熊本県、長崎県で9人、鹿児島県、島根県、兵庫県で8人など、西日本を中心に多くなっているが、今年はこれまで感染が確認されていなかった関東地方や北海道でも報告されている。

 厚労省は、西日本に限らず他の地域でも患者が報告される可能性があるとして、マダニに刺されないよう野外で肌の露出を減らすなどの対策を周知するよう自治体に通知を出して注意を呼び掛けている。

 2025年8月26日(火)

2025/08/25

🟥沖縄県、はしか感染1人確認と発表 県内6年ぶり発生

 沖縄県地域保健課は25日、中部保健所管内で10歳代のはしか(麻疹)感染を確認したと発表した。県内ではしかの患者発生が報告されるのは2019年5月以来で、6年ぶり。周囲に感染させる可能性がある期間に、不特定多数の人と接触した行動履歴は確認されていない。

 10歳代の患者は8月7日からカンボジアに渡航し、12日に帰沖。19日に発熱や倦怠感の症状があり、23日に中部保健所管内の医療機関を受診し、はしかの陽性が確認された。自宅で療養し、24日には回復しているという。

 潜伏期間を踏まえると、カンボジアで感染した可能性が高いとみられる。保健所が、家族ら濃厚接触者の確認を進めている。患者のはしか予防接種歴は2回。

 はしかは感染力が非常に強く、肺炎や中耳炎、脳炎を合併することがあり、先進国でも1000人に1人程度の割合で死亡するといわれる。妊婦がかかると、流産や早産を起こす可能性がある。厚生労働省によると、感染させる可能性がある期間は、発症日の1日前から解熱後3日を経過するまでの期間。

 2025年8月25日(月)

2025/08/24

🟥観光客急増で南極汚染深刻化、研究者が警告

 観光客の急増と研究プロジェクトの拡大が南極の汚染を深刻化させていると、研究者たちが20日に警告した。すでに人為的な気候変動の脅威にさらされている地球上で最も手つかずの自然環境の一つにとって、新たな打撃となる。

 国際研究チームは新たな研究で、南極の人間が活動してきた地域では、重金属を含む微粒子の濃度が40年前の10倍に上昇していると述べた。

 国際南極旅行業協会によると、この変化は南極大陸を訪れる観光客数が過去20年間で年間2万人から12万人に増加したことと関連している。

 科学誌「ネイチャー・サステナビリティー」に掲載された研究は、「南極における人間活動の増加は、船舶、航空機、車両、そして支援インフラなどから発生する化石燃料の燃焼による汚染物質への懸念を高めている」と述べている。

 観光客を乗せた船は、汚染物質を多く含む化石燃料で動いており、ニッケル、銅、亜鉛、鉛などの微粒子の発生源となっている。

 研究論文の共著者の一人、オランダ・フローニンゲン大学のラウル・コルデロ氏は、「観光客が頻繁に訪れる地域には汚染粒子が存在するため、南極の雪はより速く解ける」「観光客1人でも、約100トンの雪の融解を加速させる一因となる可能性がある」と語った。

 重金属は、科学調査によっても増加している。コルデロ氏によると、長期間滞在する研究プロジェクトは、観光客1人の最大10倍の影響を与える可能性があるという。

 この研究は、汚染度の高い重油の使用禁止や、観光業界による電気推進船やハイブリッド推進船の導入など、南極大陸を保護するための取り組みにおいて「意義ある前進」があったことを認める一方で、「南極大陸における人間活動による負荷を軽減するために、再生可能エネルギーへの移行の加速や化石燃料の使用削減など、さらに多くのことを行う必要がある」と指摘している。

 2025年8月24日(日)

2025/08/22

🟥1度上昇で生産性が3%低下 猛暑と労働者、国連報告

 世界保健機関(WHO)と世界気象機関(WMO)は22日、猛暑が労働者にもたらす影響に関する報告書を発表し、20度を超えて1度上昇するごとに労働者の生産性が2〜3%低下すると指摘した。中高年労働者らへの配慮や、職業の特性に照らした暑さ対策、適切な初期治療への対応が必要だと訴えた。

 WMOによると、記録が残る1850年以降で2024年が最も暑く、今後も高い確率で記録更新が見込まれる。

 報告書は、世界の約半数の人々が猛暑にさらされていると強調。猛暑は労働者の熱中症や脱水症状だけでなく、腎臓の機能障害ももたらし、家計の収入にも深刻な影響を及ぼすとした。

 2025年8月22日(金)

2025/08/21

🟥お盆明け、新型コロナ警戒 福島県内2週間で感染2・4倍

 福島県内で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。例年はお盆以降に感染者数がさらに増える傾向にあるため、医療関係者や県は対策を取るよう促している。

 県が20日発表した感染症発生動向調査週報によると、11〜17日は県内48カ所の定点医療機関から1カ所当たり7・77人の感染者が報告された。前週から2・44人増え、2週間前の3・25人の2・4倍近くになった。

 福島医大医学部感染制御学講座の山藤(さんどう)栄一郎主任教授は、新型コロナの感染者数がお盆以降に増える要因を「お盆で人の移動や人との接触が増える上、室内でエアコンをつけていることで、換気が不十分になる」と分析し、エアコンの使用中も窓を少し開けておくことを勧めている。

 昨年の新型コロナによる死者数は全国で3万人を超え、インフルエンザの10倍以上だった。山藤主任教授は「どうしても換気ができない場合は、必要に応じてマスクを着用するなど、感染対策を講じてほしい」と呼び掛けた。

 県の感染症発生動向調査週報(11〜17日)によると、両頬などに赤い発疹が出る伝染性紅斑(リンゴ病)の感染者数は県内28カ所の定点医療機関1カ所当たり0・82人だった。前週から1・18人減り、1人を下回ったため、県は31週続いていた警報を解除した。

 一方、激しいせきを伴う「百日せき」は15人の感染が報告され、前週(追加報告の8人を含む56人)から41人減少した。

 2025年8月21日(木)

2025/08/20

🟥熱中症の病院搬送者、全国で1週間に5141人

 8月17日までの1週間に熱中症で病院に運ばれた人は、全国で5100人余りに上ったことが総務省消防庁のまとめでわかった。

 総務省消防庁によると、8月11日から17日までの1週間に熱中症で病院に運ばれた人は全国で合わせて5141人だった。

 前の週より2400人余り少なくなり、内訳でみると、「死亡」が2人、入院が必要な「重症」と「中等症」が1764人、入院の必要がない「軽症」が3309人などだった。 

 年齢別では、65歳以上の高齢者が2967人と、全体の半数以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が1697人、7歳以上18歳未満が448人、7歳未満が29人だった。

 場所ごとに詳しくみると、住居が1915人と最も多く、次いで道路が1039人、屋外の競技場や駐車場などが898人となっている。

 都道府県別では、大阪府が419人、東京都が348人、愛知県が298人、兵庫県が287人などとなっている。

 今年5月1日から月17日までの累計は7万5352人となり、昨年の同じ時期と比べ、870人余り少なくなっている。

 総務省消防庁は、「気象庁の予報では気温が高い状況はしばらく続くとみられるので、今後とも熱中症対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。

 2025年8月20日(水)

2025/08/19

🟥百日せき、1週間の患者数400人近く減も依然高水準

 子供を中心に感染し、激しいせきが続く「百日せき」について、8月10日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は3200人余りで、前の週より400人近く減ったものの、依然として高い水準が続いている。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、乳児が感染すると重症化して死亡する恐れもある。

 国立健康危機管理研究機構によると、8月10日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は、前の週より388人少ない3211人となった。

 都道府県別にみると、東京都で276人、埼玉県で222人、群馬県で210人、愛知県で172人、茨城県で164人、神奈川県で162人、千葉県で150人などとなっている。

 また、今年これまでの累計の患者数は6万4467人となった。

 今シーズンは患者数の増加に伴い乳児が重症化したり死亡したりするケースが出ているほか、これまで治療に使われてきた抗菌薬が効かない「耐性菌」に感染するケースも各地で報告されている

 日本小児科学会は、生後2カ月を迎えたら速やかに定期接種のワクチンを接種するなど、重症化リスクの高い乳児への対策を呼び掛けている。

 2025年8月19日(火)

2025/08/18

🟥ミニストップ、店内加工品で消費期限を偽装 全店舗で販売見合せ

 コンビニチェーンのミニストップは18日、関東や関西の一部店舗で店内加工したパック総菜について、消費期限の偽装があったと発表した。これまでにおにぎりや弁当でも同様の事案が発覚し、社内で調査していた。偽装にかかわったのは現時点で23店舗で、他の店舗も調査するほか、全店舗での一部店内加工品の販売を当面見合わせる。

 唐揚げやフランクフルトなど店内で仕上げた総菜のほか、「手づくり」シリーズのおにぎりと弁当の販売を休止する。フライドポテトやホットドッグ、アイスクリームといったカウンター商品や、工場で加工を済ませた食品は引き続き取り扱う。

 同社によると、東京都、大阪府、京都府などの23店舗で偽装があった。店内厨房での調理後、本来はすぐに消費期限を記したラベルを貼るべきところ、一定時間を空けて貼付していた。売り場に一度並べた商品のラベルを付け替える問題も判明している。

 来店客からは18日時点で健康被害の訴えは出ていないという。問題のあった23店舗は保健所への報告を済ませており、厨房を備える全国約1800店舗での緊急点検を進めている。

 ミニストップは同日、「お客さま、関係各所の皆さまには多大なるご迷惑をおかけしましたこと心よりおわび申し上げます」との謝罪文を公表した。その上で「発生した事案の原因究明を図るとともに、再発防止に尽力します」としている。

 2025年8月18日(月)

2025/08/17

🟥東京都内、熱中症で22人が救急搬送 うち1人重症

 東京消防庁管内で17日午後3時までに熱中症で医療機関に救急搬送されたのは、暫定値で12歳から95歳までの男女22人だった。このうち20歳代の男性1人が重症、7人が中等症、14人が軽症だということである。

 東京消防庁は、室内でも暑いと感じたら我慢せずに冷房や扇風機を利用し、水分をこまめに補給するなど熱中症予防を呼び掛けている。

 2025年8月17日(日)

2025/08/16

🟥新型コロナ感染者、8週連続で増加 1医療機関当たり6・13人

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、8月10日までの1週間に、1つの定点医療機関当たりの平均の患者数が6・13人と8週連続で前の週から増加した。

 厚生労働省は、「例年夏と冬には感染者が多くなる傾向にあり、感染者の増加が続いている。手洗いやせきエチケット、エアコンを使用していても部屋の換気を行うなど、基本的な感染対策に引き続き取り組んで欲しい」としている。

 厚労省によると、8月4〜10日までの1週間に全国約3000の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は前の週から1761人増えて2万3126人となった。 

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6・13人で前の週の1・11倍となり、8週連続で前の週から増加した。

 都道府県別では、多い順に宮崎県が14・71人、鹿児島県が13・46人。佐賀県が1・83人、熊本県が10・78人、沖縄県が1・42人などとなっていて、40の都道府県で前の週より増加している。少なかったのは北海道2・52人、滋賀県3・49人、広島県3・60人などだった。

 8月10日までの1週間に、全国約500の定点医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1729人で、前の週と比べて227人増加した。

 厚生労働省は全国の流行状況について、「例年、夏と冬には感染者が多くなる傾向にあり、感染者の増加が続いている状況だ。手洗いやせきエチケット、エアコンを使用していても部屋を換気するなど、基本的な感染対策に引き続き取り組んでほしい」としている。

 2025年8月16日(土)

2025/08/15

🟥がん手術を担う消化器外科医、5200人不足 2040年に、病院集約化を検討へ

 2040年には、がん手術を担う消化器外科医が約5200人不足するという推計を盛り込んだ報告書を、厚生労働省のがん診療に関する検討会が14日までにまとめた。「必要な医師数が確保できず現在提供できている手術を継続できなくなる恐れがある」と指摘。高齢化と現役世代の減少が進む中、長時間労働などを理由に、若手医師が消化器外科を避けがちなことが背景にありそうだ。

 報告書は、治療の効率性を向上し、医師が経験を蓄積して高度な医療技術を維持できるよう、都道府県が医療機関の集約化などを検討する必要があるとした。

 検討会では、手術の需要と供給のバランスを予測した。需要は、初回手術を受ける患者数が2025年で推計46万5000人なのに対し、2040年は約44万人で約5%減る。

 一方、供給側の医師はこれを大幅に上回る速さで減少する。特に外科医の約7割を占める消化器外科では、日本消化器外科学会の所属医師が2025年の約1万5200人から、2040年に約9200人へ約39%減少。需給を単純計算すると、約5200人の不足が見込まれるとした。

 2025年8月15日(金) 

2025/08/14

🟥暑さでスマートフォンの温度上昇も バッテリー劣化や発火の恐れに注意を

 記録的な暑さが続く中、通信各社では、スマートフォン本体の温度が上昇するとバッテリーの劣化や発火の恐れがあるとして、注意を呼び掛けている。

 スマートフォンのバッテリーにはリチウムイオン電池が使われていて、熱の影響を受けやすい特性があり、気温が上昇すると内部に熱がこもり、一時的に操作できなくなったり、バッテリーが劣化したりすることがある。

 KDDIが、35度の気温で、充電しながら動画を再生し続け、スマートフォンの表面温度を測ったところ、48・7度になったということである。

 さらに気温が上がりやすい車内のダッシュボードを想定し、85度の環境に2日間スマートフォンのバッテリーを置いたところ、1ミリから2ミリ膨張したということである。

 こうした状況が続くとバッテリーが劣化し、発火の恐れもあるという。

 このため会社では、スマートフォンの表面温度が上昇していると感じたら、電源を切って使用をやめ、涼しい場所に置くよう呼び掛けている。

 KDDIシステム戦略部の桑田卓哉さんは、「高温状況で使い続けるとやけどの懸念もあるので、いったん利用を控えてほしい。風を当てることでスマホの温度を下げることもできるので、そうした対処をしてほしい」と話していた。

 2025年8月14日(木)

2025/08/13

🟥VR映像でうつ病患者治療 高知大病院が臨床研究

 高知大病院と医療系企業「BiPSEE」(東京都渋谷区)はこのほど、うつ病患者の気分が落ち込む症状「抑うつ」を、仮想現実(VR)映像を用いたデジタル療法で軽減できることを特定臨床研究で確認したと明らかにした。医療機器としての承認を目指し、治験開始に向け準備を進めている。

 同病院などによると、うつ病患者の中には抗うつ薬の効きにくい人や、論理的な理解が必要とされるタイプの精神療法が向かない人もいる。

 臨床研究では、VRとスマホアプリを組み合わせた8週間のプログラムを自宅で実施。仮想空間の海に漂う生物を、色や形などの指示に従い一定時間見詰め、自発的に注意を向ける練習を行った。自分の内面ばかりに向いてしまう注意をコントロールすることが狙いという。

 研究に参加した患者47人のうち、VR療法を実施した24人は、うつ病のスコアが減少し、追跡調査でも効果が継続した。

 同社の代表取締役で高知大医学部の松村雅代特任教授は、「誰でも感覚的に理解できるのはVRの大きな強み。うつ病治療の選択肢の一つにしていきたい」と話した。

 2025年8月13日(水)

2025/08/12

🟥マダニ媒介の感染症「SFTS」、全国の患者数が昨年1年間の累計上回る

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年、これまでに全国から報告された患者数は、速報値で124人と、昨年1年間の累計を上回った。これまで感染が確認されていなかった地域でも患者が報告されていて、専門家は対策を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニにかまれることで感染する感染症で、発症したネコやイヌから人に感染するケースも報告されている。

 国立健康危機管理研究機構によると、今年に入ってから8月3日までに報告された患者数は、速報値で124人に上り、すでに昨年1年間の累計の120人を超えた。

 また、過去最も多かった2023年の同じ時期を20人上回っている。

 感染者が報告されているのは28府県で、高知県で14人、長崎県で9人、島根県と熊本県と大分県で8人、愛知県と鹿児島県で7人など、西日本を中心に患者が多くなっている。

 今年は、これまで感染が確認されていなかった地域でも患者が報告されていて、各地の自治体の発表などを含めると、北海道、茨城県、栃木県、神奈川県、岐阜県で初めて感染が確認された。

 国立健康危機管理研究機構獣医科学部の前田健部長は、「西日本以外の地域でも、ウイルスを持ったマダニが増えている可能性がある。野外で活動する際はマダニに刺されないよう、肌の露出を減らす服装を心掛けるなど、対策をしてほしい」と話している。

 SFTSは、2013年に国内で初めて患者が確認され、例年約40人から130人ほどの患者が報告されている。

 感染すると、6日から2週間ほどの潜伏期間の後、発熱や倦怠感のほか、おう吐や下痢などの症状が現れ、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがある。

 厚生労働省によると、国内でSFTSと診断された患者のうち、死亡した患者の割合は27%と報告されているということである。

 患者には対症療法が行われるほか、2024年に抗ウイルス薬の「ファビピラビル」が治療薬として承認されている。

 感染を媒介するマダニは、主に屋外の草むらや畑、森の中などに生息していて、農作業中や、山の中を歩いている時に、かまれることがあるとされている。

 厚労省では、マダニに刺されないよう、農作業や登山で草むらなどに入る場合は、長袖や長ズボンを着用し、肌の露出を少なくするよう呼び掛けている。

 また、SFTSを発症したペットのネコやイヌから飼い主や獣医師が感染したケースや、患者の血液から医師が感染したケースが報告されていて、厚労省は、動物や人の血液や唾液などを介した感染にも注意が必要だとしている。

 2025年8月12日(火)

2025/08/11

🟥訪問介護業者の倒産、最多45件 2025年1~6月、物価高で経営改善「限界」

 訪問介護事業者の倒産は2025年1〜6月に全国で45件あり、2年連続で過去最多を更新したことが9日わかった。前年同期の40件から12・5%増で、介護報酬の減額が影響した。集計した東京商工リサーチは、物価高でコスト削減が難しいため、自力での経営改善は「限界」だとして公的支援を訴えている。

 負債額1000万円以上を対象に集計した。45件の倒産のうち38件は、介護報酬の減額や利用者減少による売り上げ不振が原因だった。介護報酬は厚生労働省が原則3年に1度改定しており、訪問介護の基本報酬は2024年度改定で減額となった。

 各事業者は報酬減により、賃上げに回す資金が乏しくなっている。政府は補助金などで支援を続けているが、介護職の賃金は全産業平均を下回ったままだ。ヘルパーの採用が難しく、人手不足が一因となった倒産も6件あった。

 倒産事業者の規模は、これまで小規模・零細事業者が大半だった。今回は中小事業者にも広がり、業界の苦境が鮮明だ。都道府県別では、東京都が6件で最多。和歌山県が5件、兵庫県が4件で続いた。

 2025年8月11日(月)

2025/08/10

🟥「日本ストライカー」製造のAED9153台自主回収 品質検査で不具合確認

 心臓発作を起こした人に救命措置を行うAED(自動体外式除細動器)について、製造・販売している都内の会社が品質検査で電気ショックができない可能性がある不具合が確認されたとして、9000台余りを自主回収すると発表した。

 自主回収の対象となるのは「日本ストライカー」が製造し、一昨年3月から今年2月にかけて販売した「サマリタン」シリーズ、合わせて9153台。

 会社によると、これらの製品はヨーロッパの基準に合わせて製造プロセスを変更したということで、今年3月の品質検査で回路の基板部分に故障があり、電気ショックができなくなる可能性があることがわかったということである。

 これまでのところ国内でトラブルは報告されていないということであるが、会社は救命措置を行う場合に機械が作動しない可能性があるとして、自主回収すると発表した。

 この製品は全国の4348施設に納入されていて、会社は情報提供を行った上で、準備ができしだい、代わりの製品を発送し、対象の製品を回収するという。

 日本ストライカーは、「ご迷惑をおかけすることを心よりおわび申し上げます。緊急時に、ほかに使用できるAEDがある場合はそちらを使用してほしい」とコメントしています。

 2025年8月10日(日)

2025/08/09

🟥建設アスベスト訴訟、大阪高裁でも和解 12社が115人に計12億円支払い

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸って肺がんや中皮腫になった元作業員と遺族ら約130人が、アスベストを含む建材を扱った複数のメーカーに損害賠償を求めた訴訟が8日、大阪

高裁(徳岡由美子裁判長)で和解が成立した。原告弁護団は「多くの被災者が亡くなる中で、早期救済の一点で集団和解に至った意義は大きい」と評価する。

 和解条項によると、建材メーカー12社が原告115人に対して、計約12億5000万円を解決金として支払う。そのうち、日東紡績や大健工業など10社は被害を生じさせたことについて謝罪。責任が認められないとされたメーカー9社も原告らに「哀悼とお見舞いの意」を表する。

 東京高裁でも7日に和解が成立しており、原告弁護団の村松昭夫弁護士は会見で「画期的な前進だ。全国で続く関連訴訟で和解が進むこと、裁判がなくても救済される仕組みができることを強く望む」と話した。

 一方、屋外の解体作業などをしていた原告らについては、メーカー側の責任が否定された。村松弁護士は「建設現場でアスベストを吸って病気になった事実は同じで、被災者の線引きは許されない。政治こそが動くべき問題だ」と訴えた。

 建設アスベストを巡っては、最高裁が2021年に国と一部メーカーの賠償責任を認め、国が給付金を支払う制度をつくった。一方で、建材メーカー側は賠償額などを争い、訴訟が続いている。

 弁護団は9~10日の午前10時~午後6時、被害者向けに電話での無料相談を実施する。問い合わせは0120・966・329へ。弁護団は「できるだけ多くの被災者を掘り起こしたい」と話している。

 2025年8月9日(土)

2025/08/08

🟥認知症薬、年45万円値下げ 「レカネマブ」、11月から

 厚生労働相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協)は6日、認知症のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の薬価を11月1日から15%引き下げることを了承した。費用対効果が低いとの分析結果が示されていた。患者1人(体重50キロの場合)当たり年約298万円から約45万円安い年約253万円とする。

 「レカネマブ」(商品名レケンビ)は軽い認知症と、その前段階の軽度認知障害の人が対象の薬。エーザイなどが開発し、認知機能の低下を遅らせる効果が期待されている。体重1キロ当たり10ミリグラムを点滴で2週間に1回投与する。期間は原則1年半まで。

 中医協は2023年12月、公的医療保険の適用対象とすることを了承した。その際、薬価を引き下げる場合でも下げ幅を最大15%にとどめると定めていた。薬価は現在、1瓶(500ミリグラム)11万4443円で、11月から9万7277円に引き下げる。

 患者の自己負担は年齢や所得に応じて薬価1~3割。自己負担に上限を設ける高額療養費制度もある。

 2025年8月8日(金)

2025/08/07

🟥30年凍結保存の受精卵から男児誕生 世界最長、アメリカのカップル

 アメリカ中西部のオハイオ州の女性がこのほど、30年以上前に凍結された受精卵(胚)を使って妊娠し、赤ちゃんを出産した。出生に至った凍結胚としては、世界で最も長期にわたって保存されたものと報じられている。

 オハイオ州在住のリンジー・ピアースさん(35)と夫ティム・ピアースさん(34)のもとに7月30日、息子タディアス・ダニエル・ピアースくんが誕生した。リンジーさんは、「まるでSF映画のようだ」と家族で話していると、学術誌「MITテクノロジーレビュー」に語った。

 今回用いられた凍結胚は、出生に至ったものとしては世界で最も長い間、保存されていたとされる。これまでの最長記録は、2022年にアメリカのオレゴン州で誕生した双子のケースで、30年前の1992年に凍結された胚が用いられた。

 ピアース夫妻は7年間にわたり子供を授かろうと努力を重ねた末、凍結された受精卵を用いることを決めた。そして、リンダ・アーチャードさん(62)が1994年に、当時の夫と体外受精(IVF)治療でつくった受精卵が用いられた。

 アーチャードさんは当時、4つの胚をつくった。1つは現在30歳の娘の誕生につながった。残りの3つは冷凍保存されたままだった。

 アーチャードさんは、その後、夫と離婚し、冷凍保存費用がかさみ、使わなかった胚を別のカップルや個人に提供する「胚の養子縁組」に出すことにした。

 2025年8月7日(木)

2025/08/06

🟥中国・広東省で「チクングニア熱」感染7000人超 蚊が媒介、高熱や発疹などの症状

 中国で、蚊が媒介するウイルスが引き起こすチクングニア熱が拡大しており、これまでに少なくとも13都市で7000人以上の感染者が確認された。人から人への感染はないものの、当局は新型コロナウイルス流行時と同様の防疫措置を講じている。

 チクングニアウイルスは、感染した蚊に刺されることで広まるウイルスであり、通常は死に至ることはない。イギリスのBBCによれば、香港の北に位置する広東省で急速に拡大しており、同省の13都市で感染が確認された。ここ1週間で確認された感染者数は約3000人に上る。

 アメリカ紙ニューヨーク・タイムズによると、チクングニアは中国ではまれなウイルスだが、7月8日に仏山市で海外から持ち込まれた感染例が確認された後、急速に拡散。仏山市は現在、最も感染者が多い地域となっている。8月4日には、香港での初の症例として、12歳の少年の感染が確認された。

 南方日報によると、広東省では新型コロナウイルス流行時を想起させるような措置が取られており、感染者は検査で陰性結果が出るまで病院内で蚊帳に入れられ隔離されている。

 ニューヨーク・タイムズが報じた中国政府からの通知内容によると、当局は各家庭を訪問し、蚊の発生源となる水溜まりの除去が徹底されているかを確認している。協力しない住民は「感染症予防妨害」の罪で罰金が科されたり、刑事責任が問われたりする可能性がある。仏山市南海区では、家庭訪問調査に非協力的だった少なくとも5世帯に対し、電力の供給が停止されたという。

 その他の対策として、蚊の幼虫であるボウフラを捕食する「オオカ」を自然界に放ち、蚊を駆除する試みが進められている。また、池に魚を放流してボウフラを食べさせたり、殺虫剤を散布したり、ドローンを使い蚊の発生場所を特定したりする措置もとられている。

 チクングニア熱は、主に蚊を媒介として感染するウイルス性疾患で、主な症状は頭痛、筋肉痛、吐き気、倦怠(けんたい)感、発疹、関節の腫れなど。世界保健機関(WHO)によれば、これらの症状は通常2週間以内になくなるが、激しい関節痛が数カ月から数年にわたって続く場合がある。関節痛はチクングニア熱の大きな特徴であり、この症状がなければデング熱やジカ熱と誤診される可能性が高く、正確な感染者数の把握が難しい。

 2025年8月6日(水)

2025/08/05

🟥東京23区、56人が熱中症疑いで死亡 エアコン使用せずが3分の2以上

 東京23区で、今年6月から7月末までに56人が熱中症の疑いで亡くなったことが、東京都監察医務院の調べでわかりました。

 エアコンがあったものの使っていなかったケースが全体の3分の2以上に上り、専門家は気温が高い今の時期は命を守る道具として昼夜を問わずエアコンを使用するよう呼び掛けています。

 東京都監察医務院が今年6月16日から7月末にかけて東京23区で亡くなった原因を調べた人のうち、熱中症の疑いがあるのは、速報値で56人でした。

 年代別では、70歳代が26人と最も多く、次いで80歳代が16人、60歳代が10人、50歳代が2人、90歳代以上と30歳代がそれぞれ1人となっています。

 場所別では、全体の約96%に当たる54人が屋内で亡くなっていて、このうちエアコンがあったものの使っていなかったケースが38人で、全体の3分の2以上に上りました。

 また、エアコンを使っていて亡くなったのが11人、エアコンを設置していなかったケースが5人でした。

 熱中症に詳しい埼玉慈恵病院の藤永剛副院長によりますと、自宅でエアコンをつけずに熱中症になるケースは多く、特に高齢者は、昔は使っていなかったから大丈夫とか、エアコンが体に悪いと思い込んでいる人が多いということです。

 藤永副院長は、「夜でも室温が30度を超える今の時期は、命を守る道具としてエアコンをずっとつけておくべきだ。苦手な人は風が直接当たらないようにしたり、薄手の服を1枚羽織ったりしてエアコンを日常的に使ってほしい」と呼び掛けています。

 2025年8月5日(火)

2025/08/04

🟥熱中症疑い、東京都内で67人救急搬送

 東京消防庁によりますと、東京都内では4日午後3時までに9歳から96歳までの男女

合わせて67人が、熱中症の疑いで医療機関に救急搬送されました

 このうち、19人が中等症、48人が軽症だということです。重症の人はいませんでした。

 東京消防庁は、室内でも暑いと感じたら我慢せずに冷房や扇風機を利用し、のどが渇く前に水分をこまめにとるなど熱中症予防を呼び掛けています。

 2025年8月4日(月)

2025/08/03

🟥発がん性疑い物質含む消火剤が河川流出、基準値上回る 健康被害なし、八王子市の東京工科大

 東京都八王子市は7月23日、市内の東京工科大学八王子キャンパスの駐車場の消火設備から、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」を含む消火剤が漏れ出て、近くの河川に流出したと発表しました。河川などからは基準を大幅に上回るPFOSが検出されました。健康被害は確認されていません。

 市によると10日、同大の屋内駐車場に設置してある消火設備の天井付近の配管から消火剤が漏れ出ているのを警備員が発見。水で洗い流して清掃しました。その際、大学構内の浄化施設を通らなかった一部の排水が、調整池を通して河川に流出したとみられるといいます。調節池に流出した消火剤は計2リットル程度。

 市が15日に周辺の2地点を検査したところ、調整池の出口付近からは1リットル当たり8600ナノグラム(ナノは10億分の1)を検出しました。近くを流れる兵衛川と水路の合流地点では同1600ナノグラムが確認されました。人体に影響がないとされる国の指針値(同50ナノグラム)を大幅に上回りました。

 市は大学構内からの排水を遮断した上で、水路にPFOS除去のための活性炭を設置し、モニタリングを続けています。

 PFOSは有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」の一種で、発がん性が指摘されています。環境中で分解されにくく、高い蓄積性があることから、国内外で製造、使用が規制されています。PFOSは主に泡消火薬剤、半導体、金属メッキ、写真フィルムなどに使われてきました。

 2025年8月3日(日)

2025/08/02

🟥マダニ感染症「SFTS」、京都府南部で初確認 女性が感染、発熱など発症

 京都府は7月31日、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に、山城北保健所管内在住の80歳代女性が感染したと発表しました。軽症といいます。京都府南部での感染確認は、2013年の統計開始以降初めて。

 京都府によると、女性は7月下旬に発熱などを発症し、入院しました。宇治田原町内で感染したと推定しているといいます。府内のSFTSの症例報告は今年4件目で、統計を取り始めた2013年以降で最も多くなっています。

 SFTSはウイルスを保有するマダニに刺されて感染します。潜伏期間は6〜14日程度で、発熱や嘔吐(おうと)などがみられます。マダニは草むらややぶに生息しているといい、府は「草むらでは肌を隠すなど対策が必要。長時間地面に寝転んだり、座ったりしないようにしてほしい」としています。

 2025年8月2日(土)

2025/08/01

🟥熱中症搬送、27日までの1週間で1万804人 前週の2倍近くに増加

 7月27日までの1週間に熱中症で病院に運ばれた人は全国で1万人余りと、前の週の2倍近くに増加したことが、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁によりますと、7月21日から27日までの1週間に熱中症で病院に運ばれた人は全国で合わせて1万804人でした。

 前の週の5309人から2倍近く増加していて、昨年の同じ時期よりは2000人ほど少なくなっています。

 内訳は、「死亡」が16人で、入院が必要な「重症」や「中等症」が3884人、入院の必要がない「軽症」が6821人などでした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が6012人と全体の半数以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が3759人、7歳以上18歳未満が969人、7歳未満が64人でした。

 都道府県別では、東京都が1099人と最も多く、次いで埼玉県が750人、北海道で690人などとなっています。

 北海道では昨年の同じ時期の2倍以上となっていて、先週24日には北見市で39度ちょうどを観測するなど記録的な暑さとなっていました。

 全国の熱中症の搬送者のうち場所別では、住宅が4083人で全体の3割以上を占め最も多かったほか、道路が2094人、駅のホームや駐車場など不特定の人が出入りする屋外が1328人、道路工事現場や工場などの仕事場が1244人などとなっています。

 これで、今年5月1日から7月27日までの累計は5万3126人となり、昨年の同じ時期の4万6276人から7000人近く多くなりました。

 総務省消防庁は、「今後も暑さが見込まれるため、こまめな水分補給やエアコンの適切な使用、屋外で作業する際の休憩、離れて住む人への声掛けなど対策を取り続けてほしい」と話しています。

 2025年8月1日(金)

🟥「置くだけで防カビ」に合理的な根拠なし、P&Gジャパンに措置命令 消費者庁

 合理的な根拠がないのに置くだけで浴室の防カビ効果があると宣伝したとして、消費者庁は1日、日用品大手「P&Gジャパン」(兵庫県神戸市)の景品表示法違反(優良誤認)を認定し、再発防止を求める措置命令を出しました。

 発表によると、同社は遅くとも2022年4月から翌2023年7月までの間、「ファブリーズ お風呂用防カビ剤」を販売する際、自社のウェブサイトやCMなどで「置くだけ、掛けるだけで防カビ!」「効果が約6週間続く!」などと宣伝した上で、製品などにも浴室内に設置するだけで防カビ効果があるような表示をしていました。

 同庁は、同社から効果を証明する資料の提出を受けたものの、合理的な根拠があると認められなかったといいます。

 2025年8月1日(金)

🟥食道がんの胸腔鏡手術、開胸手術に劣らない結果 負担少なく「推奨」

 食道がんの手術で、従来の開胸手術に比べ、より患者の負担が少ない胸腔鏡(きょうくうきょう)による手術を行った場合でも、長期的な生存期間が劣らないとする研究結果を、国立がん研究センターなどが30日、発表した。今後、食道がんの診療ガイドラインが改訂され、胸腔鏡手術の推奨度が上がると...