2026/01/31

🟥脳死者の臓器移植に診療報酬加算へ ドナーコーディネーターの働きも評価、報酬を手厚く

 厚生労働省は、脳死者から提供される臓器の移植手術を実施した病院に対する診療報酬を手厚くする方針を固めた。院内の人員や設備不足を理由に移植が見送られる問題が起きる中、病院が体制を整えて移植をスムーズに行えるようにする狙いがある。2026年度の診療報酬改定での加算の新設を目指しており、28日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提示した。

 移植を手掛ける病院は、外科医らが臓器提供者(ドナー)がいる病院に赴き臓器の摘出を行い、自院に運んだ臓器を患者に移植する。移植には、多くの人員と手術室の確保が必要となるが、これらが不足し移植を見送る事態が相次いでいる。厚労省によると、2024年に脳死者から提供された臓器に対し、院内の体制を理由に、移植が見送られた患者は延べ662人に上った。

 厚労省は、脳死者からの臓器の摘出と移植の手術を行った場合に、実施病院に支払う診療報酬を加算する新しい仕組みを設ける。肺、心臓、肝臓、 膵臓(すいぞう)、小腸、腎臓の摘出や移植の手術料に、一定割合を上乗せする。

 外科医らの移動、人員や手術室の確保に加え、急な移植手術に対する普段の準備などにかかる手間を評価する。加算によって移植を行う病院に人員や設備の充実を促す。加算額は2月までに決める。

 また、臓器提供が行われる病院で、ドナー家族の対応などに当たる認定ドナーコーディネーターの働きにも診療報酬で評価する。厚労省は、看護師らを認定する仕組みの構築を進めており、改定後は認定者が家族に臓器提供の同意取得を行った場合に、報酬を手厚くする。

 現行では、臓器あっせん機関の日本臓器移植ネットワーク(JOT)が同意取得を担っているが、業務の逼迫(ひっぱく)による手続きの遅れが問題視されていた。厚労省は、各病院に認定者を配置しやすくし、臓器提供の手続きが滞りなく進むようにしたい考えだ。

 近年、国内の脳死下の臓器提供件数は増えているものの、国際的なデータベースによると、2024年の人口当たりの脳死と心停止ドナーは米国の44分の1、韓国の7分の1で、先進国の中で最低水準となっている。

 2026年1月29日(木)

2026/01/30

🟥百日せき、昨年少なくとも赤ちゃん7人死亡 ワクチンでの予防が重要

 昨年、大きな流行となった「百日せき」で、昨年1年間に少なくとも7人の赤ちゃんが亡くなっていたことがわかった。これは過去20年で最も多いとみられる死者数で、専門の医師はワクチンでの予防が重要だと呼び掛けている。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の赤ちゃんで重症化や死亡のリスクが高いとされている。

 昨年春ころから患者が急増して大流行となり、1年間に報告された患者数は8万9387人で、現在の方法で集計を始めた2018年以降最も多くなった。

 さらに、全国およそ100カ所の赤ちゃんの治療の基幹となる病院に尋ねたところ、昨年1

年間に百日せきで入院したのは延べ480人以上で、このうち少なくとも7人が治療を受けたものの亡くなっていたことがわかった。

 厚生労働省の人口動態調査によると、過去20年で百日せきの死者が最も多かったのは2012年の3人で、昨年の死者数はそれを超えて最も多くなっているとみられる。

 亡くなった7人は生後1カ月未満から4カ月の赤ちゃんで、このうち5人は生後2カ月から受けられる百日せきを含む定期接種のワクチンを接種する前だった。

 昨年の流行はこれまで治療に使われてきた抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」の拡大が背景にあるとみられていて、中には、薬が効かずに治療が遅れ、死亡したケースも報告されている。

 子供の感染症に詳しい新潟大学の齋藤昭彦教授は、「百日せきは赤ちゃんが命を落とすことのある深刻な病気であることを認識しなくてはいけない。マスクなどの感染対策のほか、ワクチンが効果的なので赤ちゃんだけでなく学齢期の子供を始め、周囲の家族が追加で接種することも検討してほしい」と呼び掛けている。

 百日せきは患者の飛まつなどで広がる細菌性の感染症で、発症すると激しいせきなどの症状を引き起こす。

 赤ちゃんで重症化しやすく、呼吸が止まってしまったり、肺炎や脳症といった合併症を引き起こしたりして死亡することもある。

 過去には、毎年多くの患者が出ていた病気で、1960年代には死者が100人を超える年もあった。

 しかし、1981年に現在使われているタイプのワクチンの接種が始まってからは減少傾向が続き、重症化したり死亡したりする赤ちゃんも少なくなった。

 厚労省の人口動態調査によると、近年は死者の報告がない年もあり、過去20年で最も死者が多かったのは2012年の3人だった。

 百日せきに感染した場合、通常は「マクロライド系」と呼ばれる抗菌薬を服用することで治療するが、この薬が効かない「薬剤耐性菌」の拡大が問題となっている。

 国立健康危機管理研究機構の調査によると、昨年、全国の患者から採取した検体のうちおよそ8割が耐性菌だったということである。

 耐性菌に感染したかどうかは詳しい検査をしないとわからないため、昨年の流行では赤ちゃんの治療が遅れて亡くなったケースも報告されている。

 また、通常使われる抗菌薬を処方されても治療し切れないため、症状が治まらないまま感染を広げてしまう恐れも指摘されている。

 このため日本小児感染症学会と日本小児呼吸器学会は昨年8月、百日せきの診療ガイドラインを見直し、重症の患者には通常の「マクロライド系」の抗菌薬に加え、「ST合剤」と呼ばれる別の抗菌薬の使用も検討するよう呼び掛けている。

 2026年1月30日(金)

2026/01/29

🟥小中高生の自殺、過去最多の532人 全体は2万人を下回り過去最少

 2025年の小中高生の自殺者数(暫定値)は532人で、統計のある1980年以降で最多となった。一方、全体の自殺者数は1万9097人で、統計を開始した1978年以降で初めて2万人を下回り、最少となった。厚生労働省が1月29日、発表した。

 小中高生の自殺者数は、前年の確定値より3人増えた。内訳は、小学生が10人(前年確定値より5人減)、中学生が170人(同7人増)、高校生が352人(同1人増)。性別でみると、男性が255人(同16人増)、女性が277人(同13人減)だった。

 小中高生の自殺者数はコロナ禍に入った2020年に急増。以降も高止まりが続く。特に女性の中高生で増加傾向が目立ち、2019年の確定値と2025年の暫定値を比べると、中学生で2・0倍、高校生で2・2倍になっている。

 19歳までの原因・動機をみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最多の126件、「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」「学業不振」「親子関係の不和」と続いた。

 厚労省が2025年に発表した自殺対策白書によると、主要7カ国(G7)各国のうち、10代と20代の死因の1位がともに自殺なのは日本のみだ。

 政府は2023年にとりまとめた「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づき、1人1台端末を利用した自殺リスクの早期把握や、自殺未遂経験のある子供への支援に専門職が助言を行う「自殺危機対応チーム」づくりなどを進める。

 自殺者の全体の状況をみると、前年確定値より1223人減って1万9097人。男性が1万3117人(前年確定値より684人減)、女性が5980人(同539人減)だった。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は15・4で、過去最小だった。都道府県別では、山梨県が21・4と最も高く、新潟県が20・2、青森県が19・6と続いた。

 職業別でみると、有職者が7841人、無職者が9784人、小中高生を含む学生・生徒などが1074人だった。原因・動機別でみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最多で3938件、「病気の悩み(その他の身体疾患)」「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」「生活苦」と続いた。

 年齢階級別でみると、年齢が判明している人のうち、20代以上はすべて前年確定値から減少する中、19歳までのみが増えている状況だ。

 全体の自殺者数は、1998~2011年に3万人台で推移し、2003年をピークに減少傾向にあり、新型コロナ禍で増えたものの減少している。

 2026年1月29日(木) 

🟥致死率の高い感染症「ニパウイルス」、インドで感染者2人 アジアで入国時審査など水際対策の動き

 ロイター通信は28日、インド保健省が同国東部の西ベンガル州で2025年12月以降、致死率の高い感染症「ニパウイルス」の感染者を計2人確認したと発表したと報じた。タイなどアジアの国では入国時の審査強化など水際対策に乗り出している。

 インド保健省は、2人と接触した196人を特定した上で健康状態を調査したことも公表。いずれの接触者も症状はなく、ウイルス検査の結果は全員が陰性だったという。

 世界保健機関(WHO)によると、ニパウイルスの潜伏期間は通常4~14日程度。ヒトが感染した場合の致死率は推計40~75%と高い。

 インドでのニパウイルス感染者の確認を受け、タイ保健省はニパウイルス感染者の発生地域から到着する航空機向けに駐機場を割り当て、乗客に対して、入国審査を通過する前に健康申告を行うことを国際空港に義務付けた。マレーシアの保健省も、特にリスクの高い国からの入国者に対し、国際空港や港湾施設などの入国地点で健康診断を行うなど対策を強化している。

 また、日本の外務省は1月27日、ホームページでインドを対象国とするニパウイルス感染症に関する注意喚起を発表した。在留邦人および渡航者への注意として、手洗い、手指消毒、動物との不用意な接触回避、生の果物など食品・飲料への摂取時の注意などを呼び掛けている。

 日本の国立健康危機管理研究機構によると、ニパウイルス感染症の症状は発熱、頭痛、嘔吐、筋肉痛などから始まり、その後、意識障害などの神経症状が現れる。重症化すると急性脳炎に至ることがある。ワクチンがないため、対症療法が中心となる。

 ヒトへの感染経路は、主にオオコウモリやブタといった感染動物との接触や、感染動物の唾液や尿などの体液で汚染された食物の摂取。患者の血液や体液との接触による「ヒト-ヒト感染」も報告されている。

 これまでに日本国内での患者の報告はない。一方、海外では1998~1999年にマレーシアで初めて発生が確認された。2001年以降はバングラデシュやインドでほぼ毎年患者が報告されている。

 2026年1月29日(木) 

2026/01/28

🟥広島で被爆した在外被爆者訴訟、国に賠償命じる判決 広島地裁

 広島で被爆した後に朝鮮半島へ移り住み、健康管理手当が受けられなかった在外被爆者の遺族が国に賠償を求め、請求権が消滅したかどうかが争われた裁判で、広島地方裁判所は、時効が成立するとした国の主張は権利の乱用だとして、国に賠償を命じる判決を言い渡した。

 戦後、海外に移り住んだ在外被爆者について、国は1974年の通達で健康管理手当を支給しないなどとしていたが、2003年に通達を廃止し、遺族などが賠償を求める訴えを起こした場合などに支払いを行うようになった。

 広島で被爆した後に朝鮮半へ移り住んだ、いずれも韓国籍の在外被爆者3人の遺族たちは、2023年とその翌年、国に、合わせておよそ330万円の賠償を求める訴えを起こしたが、国は、通達の廃止から20年が過ぎ請求権が消滅していると主張していた。

 28日の判決で、広島地方裁判所の山口敦士裁判長は「通達の内容が違法かどうかが別の裁判で争われ、2007年に最高裁の判決が出るまで国が責任を争い続けたことは、原告が権利を行使することを事実上困難にさせた」と指摘した。

 その上で「請求権は時効によって消滅しておらず、国の主張は権利の乱用に当たり許されない」として、請求通り国におよそ330万円の賠償を命じた。

 弁護団によると、在外被爆者の請求権が時効で消滅したかどうかについて裁判所が判断を示したのは今回が初めてだということである。

 2026年1月28日(水)

2026/01/27

🟥千葉県旭市の農場のうずら10万羽余り、鳥インフルエンザで処分

 千葉県旭市にある農場で死んだうずらから「高病原性」の疑いがある鳥インフルエンザウイルスが検出され、県はこの農場で飼育されているおよそ10万8000羽の処分を始めた。千葉県内で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めてである。全国では18例目。

 千葉県によると、26日、旭市の農場でうずらがふだんより多く死んでいるのが見付かり、遺伝子検査の結果「高病原性」の疑いがある「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されたということである。

 千葉県内で高病原性の疑いがある鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めて。

 これを受けて県は27日朝から、この農場で飼育されているうずら、およそ10万8000羽の処分を始めたほか、半径3キロ以内はニワトリや卵などの移動を制限し、3キロから10キロ以内は区域外への持ち出しを制限することを決めた。

 影響を受ける養鶏場などは52カ所、合わせて560万羽あまりに上るということである。

 2026年1月27日(火)

2026/01/26

🟥ロッテ、ガム3商品3万個を自主回収へ 国内で認められていない食品添加物を使用

 ロッテは26日、「めっちゃふくらむフーセンガムボトル」(2024年7月発売)などガム3商品を自主回収すると発表した。回収個数は計約3万個になる見込み。原材料である「エンドウたんぱく」に、国内で使うことが認められていない食品添加物「メチルパラベン」「PEGエステル類」が含まれていた。

 対象はほかに「めっちゃふくらむフーセンガムパウチ」(2025年7月発売)、「ふ〜せんの実ボトルワクワクみっくす!」(2023年9月発売)。手元に対象製品がある場合は、フリーダイヤル(0120・366・133)や同社のウェブサイトで申し出を受け付ける。後日、商品代金相当のクオカードを送付する。

 22日の昼過ぎに、アメリカの食品原料メーカーの日本法人でエンドウたんぱくを供給しているエー・ディー・エム・ジャパンからロッテに申し出があり発覚した。同社は「本件による健康への影響は極めて低いものと考えている」と説明する。現時点で今回自主回収する製品が原因の健康被害の報告はないという。

 メチルパラベンとPEGエステル類はアメリカでは食品に使うことが認められている。

 2026年1月26日(月)

2026/01/25

🟥アフリカ連合、エムポックス緊急宣言終了 新規感染者数減少で拡大抑止

 アフリカ連合(AU)の疾病対策センター(CDC)は23日までに、エムポックス(サル痘)の拡大を受けて2024年8月に出した緊急事態宣言を終了した。22日付。2025年前半から後半にかけて新規感染者数の減少傾向が続き、拡大を抑止できたためとしている。

 アフリカでは2024年に入ってコンゴ民主共和国(旧ザイール)を中心に感染が本格化。疑い例を含め、32カ国で約22万件の感染例が確認された。CDCのジャン・カセヤ事務局長は声明で、「終息したわけではなく、継続的な警戒が必要だ」とした。

 エムポックスを巡っては世界保健機関(WHO)も2024年8月に緊急事態宣言を出したが、2025年9月に終了を発表した。

 2026年1月25日(日)

2026/01/23

🟥インフルエンザ感染者、2週連続増加 1医療機関当たり11・33人

 厚生労働省は23日、全国約3000の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計4万3027人で、1医療機関当たり11・33人だったと発表した。前週比1・07倍で、2週連続の増加となった。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回るのは4週連続。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは宮崎県の30・75人。鹿児島県27・98人、大分県21・43人と続いた。少なかったのは、北海道4・45人、秋田県4・92人、岩手県5・76人など。九州などで1医療機関当たりの感染者数が多くなっている。

 今季は、全国平均で警報レベルを超えるのが昨季より5週早く、昨年11月17~23日の週には全国で1医療機関当たり50人を超えた。

 2026年1月23日(金)

2026/01/22

🟥水虫薬1個注文したら4個ずつの定期購入に、医薬品ネット通販のトラブル増加

 医薬品のネット通販でトラブルが増えている。1回限りの注文のつもりが定期購入になっていたり、「返金保証」が受けられなかったりするケースがあるとして、国民生活センターが注意を呼び掛けている。

 ニュースサイトを見ていたら「水虫の治療薬が今だけ50%OFF」という広告が出たので注文したところ、4個入った荷物が届いた。1個しか注文していないし、定期購入でもなかったはずだが、契約は4個ずつ届く定期購入になっていた。販売事業者から2回目以降の解約は受けるが、初回は解約できないと言われた。(70代男性)

 SNSの広告を見て、かかとの角質を取り除く医薬品を代金後払いで注文した。約1カ月後に商品が届いたが、すでにほかの商品を利用していたので、販売事業者に返品と解約希望を伝えたところ、「返品は発送の10日前までに連絡する必要がある。次回分も本日発送済みなので届いたら支払うように」と言われた。返金保証制度があると書いてあったので、簡単に返金されると思っていたが、6回の継続購入と、利用した商品の箱や容器、利用明細書などをすべて返送することが必要だと言われた。(50代女性)

 全国の消費生活センターなどに寄せられた情報をまとめると、ネット通販を利用した医薬品の定期購入に関するトラブル相談は、2021年度は325件だったが、2022年度には1253件に増加。2024年度には2066件に上り、2025年度も10月末時点で1481件で、前年度同期比で396件多くなっている。

 2026年1月22日(木)

2026/01/21

🟥子宮頸がんなど防ぐHPVワクチン、1回接種で2回に劣らない効果

 子宮頸(けい)がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を予防するワクチンの1回接種に、2回接種と劣らない予防効果がみられたとする研究結果をアメリカの国立がん研究所の研究チームが発表した。1人当たりの接種回数が減れば、ワクチン確保が難しい国などでも接種率が上がることが期待される。

 論文が昨年12月、アメリカの医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された。

 子宮頸がんは、若い女性に多いがんで、性交渉によるHPV感染が主な原因だ。女性の多くが生涯に一度は感染するが、約90%は2年以内にウイルスが自然に排除される。だが、一部の人では感染が続き(持続感染)、数年から数十年かけてがんに進行する。

 200種類以上あるHPVのうち、がん化するのは少なくとも15種類あり、主に「16型」と「18型」が原因となることが多い。

 HPV感染を防ぐワクチンには2価、4価、9価の3つがある。2価は16型と18型の感染を防ぐ。現在広く使われている9価は、16型と18型に加えて、がんや尖圭(せんけい)コンジローマの原因となる7つの型の感染も防ぐ。

 研究では、中米コスタリカの12~16歳の女性2万330人を対象にした。2価または9価のワクチンについて、それぞれ1回接種した場合と、2回接種した場合に分けて、初回接種から5年間にわたり、HPVの16型と18型の持続感染がないかを調べた。

 2026年1月21日(水)

2026/01/20

🟥東京消防庁、救急隊の昨年1年間出動件数93万超 過去2番目の多さ

 東京消防庁の救急隊の昨年1年間の出動件数が速報値で93万1000件余りと、一昨年に次いで過去2番目に多くなったことがわかった。東京消防庁は出動が増えると現場への到着が遅れ、救える命が救えなくなる恐れもあるとして救急車の適正な利用を呼び掛けている。

 東京消防庁によると、救急隊の昨年1年間の出動件数は速報値で93万1817件となり、一昨年に次いで過去2番目に多くなった。

 背景には、高齢化が進み高齢者の搬送が増えていることや、猛暑による熱中症の搬送が増えたこと、それにインフルエンザの流行が例年よりも早かったことなどがあるということである。

 一方、寄せられる119番通報のうち、およそ2割は「家の鍵をなくした」、「トイレの水が止まらない」、「タクシーがつかまらない」といった不要不急のもので、救急隊の運用に影響が出かねない状況だということである。

 救急隊の出動件数は、コロナ禍で事故などが減った時期を除いてこの10年ほどは増加傾向が続いていて、東京消防庁は出動が増えると現場への到着が遅れ、救える命が救えなくなる恐れもあるとしている。

 その上で、症状が重くなく、救急車を呼ぶかどうか迷った場合は、インターネットの「救急受診ガイド」や専用の相談ダイヤル「#7119」に問い合わせるなど、救急車の適正な利用を呼び掛けている。

 東京23区を担当する東京消防庁の総合指令室では、24時間体制で119番通報を受け付けている。

 年末年始は例年、インフルエンザの患者や、酒を飲んだ後に転倒する人、それに、餅をのどに詰まらせる高齢者などが増えることから、1日当たりの通報は平均で3000件程度と、ふだんよりも500件ほど多いという。

 このため、夜間の時間帯を中心に職員を増やして対応しているということである。

 2026年1月20日(火)

🟥医療事故かどうかを判断した経過の記録、4月から保存を義務付け 事後検証をしやすく

 厚生労働省は、4月からすべての医療機関に対し、医療事故かどうかを判断した経過などの記録の保存を義務付ける方針を明らかにした。事後検証をしやすくし、判断の一貫性を高めるのが狙い。入院可能な医療機関に医療安全の管理者を置くことも義務化し、医療事故への対応力の向上を図る。19日の専門家部会で関係省令の改正が了承された。

 医療事故調査制度では、医療現場で予期せず患者が死亡した場合、医療機関は遺族に説明し、第三者機関に報告した上で院内調査を行うことになっている。ただ、医療事故に該当するかどうかの判断は院長らの考えに左右されたり、遺族への対応が不十分な医療機関があるといった課題が指摘されていた。

 記録の保存で、判断や遺族への説明が適切だったかを検証し、その後の対応に生かすようにするほか、過去の記録に基づいて判断できるようにする。

 病院や、入院病床を持つ診療所、助産所には医療安全管理者の設置も求める。医師や看護師らが務め、医療事故や事故につながる事案が起きた場合に原因の分析や予防策の立案を担う。

 厚労省は2029年4月から医療事故の判断や遺族対応にかかわる職員への研修受講を義務づける方針だ。

 2026年1月20日(火)

2026/01/19

🟥肥満防ぐ機能性ヨーグルトを新発売、江崎グリコ 安静時のエネルギー消費量向上と体脂肪減

 江崎グリコは16日、運動時よりも多い安静時のエネルギー消費量の向上と、体脂肪を減らす機能を備えた機能性表示食品「BifiX(ビフィックス)ヨーグルトα(アルファ)」を、27日から順次発売すると発表した。両方の機能を併せ持つ機能性表示食品のヨーグルトは日本初となる。

 同社が発見したビフィズス菌「BifiX」と食物繊維「イヌリン」を配合。2つの成分を同時に摂取することで脂肪燃焼を促す効果などがある短鎖脂肪酸を腸内で生み出す。27日に一部商品を公式通販サイトで、3月2日にシリーズ全5品を全国のスーパーやコンビニエンスストアなどで売り出す。

 同社担当者によると、人間が1日に消費するエネルギー量の6割は座っている時など安静時が占め、運動や歩行などによる消費の約2倍。安静時のエネルギー消費には基礎代謝も含まれる。年齢とともにこのエネルギー消費が減り、さまざまな疾病の引き金となる肥満の要因となることから「無理なく太りにくい体づくりのニーズ」に着目したヨーグルトを開発した。

 市場調査会社のインテージの調べによると2024年度のヨーグルト市場は約4786億円。近年は横ばい傾向が続くが、機能性を特徴とする商品が市場を牽引(けんいん)している。市場で最もシェアが高いのは「免疫ケア」で、競争が激しい。

 江崎グリコの開発担当者は、商品群が比較的薄い「体脂肪対策」にアプローチすることで「機能性ヨーグルトの市場を活性化したい」と話す。

 「BifiXヨーグルトα」の希望小売価格は100グラム入り個食タイプと同量の飲料タイプとも173円前後。飲料タイプ12本入りの箱売り(2074円前後)も用意する。

 既存商品の「BifiXヨーグルトほんのり甘い脂肪ゼロ」(140グラム入り)など2品は3月の新商品投入に合わせて販売を終了する。

 2026年1月19日(月)

2026/01/18

🟥B型肝炎の救済対象を拡大 「再発」患者ら、除斥期間めぐり国と和解

 集団予防接種が原因のB型肝炎を巡り、賠償を求める権利が消滅する除斥期間(20年)の起算点が争われた裁判が15日、福岡高裁(河合芳光裁判長)で和解した。国と全国原告団との基本合意も新たに交わされ、従来の国の運用より救済対象が拡大される。対象者は数百人ほどとみられる。

 B型慢性肝炎を発症した患者は、2011年の基本合意を受けて制定された特別措置法などに基づき、提訴して和解すれば国から最大1250万円の給付金を受け取れる。

 これまでは除斥期間の起点を「最初の発症時」とされ、発症していったん症状が治まり、20年以上を経て「再発」するなどした患者は賠償の請求権がないとされた。特措法により給付金は支給されるが、大幅に減額されていた。

 こうした国の運用に対し、原告側は救済対象を広げるよう求めていた。

 福岡県の再発の患者2人が原告となった第1陣訴訟では、最高裁が2021年、再発時を起点とする判断を示し、原告が勝訴した。

 再発や「再々発」の患者ら7人が原告の第2陣訴訟では2020年に福岡地裁で原告が敗訴。だが福岡高裁での控訴審では、2021年の最高裁の判決を受けて、全国の同種訴訟を一本化して救済案が協議されていた。

 今回の和解では、除斥期間の起算点は再発や再々発の時点とすることが明記され、最大1250万円を受け取れることになった。

 除斥期間が過ぎたとして減額された給付金をすでに受け取った患者についても、国が追加で支払うことが盛り込まれた。

 2026年1月18日(日)

2026/01/17

🟥ブタから人の「異種移植」、半数超が「良いこと」 自分が受けるのは8割近くが抵抗感、意識調査結果

 ブタなどの臓器を重い病気の患者に移植する「異種移植」について、半数以上の人が肯定的にとらえているとする調査結果を、国立成育医療研究センターがまとめた。一方で、自分が異種移植を受ける立場になった場合、8割近くが抵抗感を示し、同センターは「日本で実施するには、国民への情報提供と理解の浸透が欠かせない」としている。

 異種移植を巡ってはアメリカで、腎不全の患者に大きさが人と近いブタの腎臓の移植が実施されている。国内でも、明治大発の新興企業による治験が計画されている。

 調査は2024年12月、インターネットでアンケートを行い、20~79歳の3209人から回答を得た。

 異種移植の言葉と内容を知っていると答えたのは17・2%で、言葉のみ知っているのは12・5%、内容のみ知っているのは17・4%だった。

 日本での実施を「良いことだと思う」は63・8%となり、「思わない」の40・6%を上回った。しかし、医師から異種移植を勧められた場合、「抵抗感を持つ」との回答が77・0%に上り、60・9%が「異種移植を受けない」と答えた。動物由来の病原体に感染する不安も88・2%に上った。

 調査を行った同センターの神里彩子・医事法制研究部長は、「国内では社会的な準備が整っているとは言えない。わかりやすい情報提供や環境整備が必要だ」と指摘している。

 2026年1月17日(土)

🟥「摂食障害」から「摂食症」へ 学会が名称を変更「病気と認識を」

 「接触障害」ではなく「摂食症」へ――。日本摂食障害学会が、日本摂食症学会に名称を変えた。治療で回復できる病気という正しい認識を広め、早く適切な治療につなげる狙いがある。

 摂食症は、食事量や食べ方などを制御しづらくなり、心身に影響が出る症状を指す。患者は拒食、過食、意図的な嘔吐(おうと)などを繰り返してしまう。

 要因は、体形や体重への不安による過度なダイエットやストレスなどさまざま。うつ病や不安症などの精神疾患を併発していることも多い。厚生労働省の精神保健福祉資料によると、患者数は2022年時点で約21万7000人という。

 長く摂食障害と呼ばれてきたが、2014年には、精神科医らでつくる日本精神神経学会が「摂食症」と表すようになった。

 「障害」だと「回復できない」という誤解や偏見を生む心配がある、などがその理由。子供の場合、障害という診断が与えるショックの大きさも指摘されていた。

 ただ、その後も社会に広まっていないとして、日本摂食障害学会も昨年10月、名称変更を決定。年明けごろから、ホームページや会則などを変え始めた。

 2026年1月17日(土)

2026/01/16

🟥食道がん、手術せずオプジーボ加え治療効果 京大など共同チーム

 食道がん患者への抗がん剤と放射線治療の併用治療に、免疫チェックポイント阻害剤オプジーボを同時に使うと治療効果が高まることを、京都大学病院などによる研究チームが医師主導治験で明らかにした。今後、手術した場合とほぼ同等の治療効果が出ることを目指し、どのような人により有効なのかを確かめていくという。

 食道がんの日本人患者の9割を占める食道扁平(へんぺい)上皮がんの治療は、手術ができる場合はがんを切除するのが一般的。体力面や食道の温存を望む場合などで、手術をせずに抗がん剤と放射線治療を併用する。ただ、手術よりも再発のリスクが高く、5年生存率は37%と低かった。研究チームは、抗がん剤と放射線の併用療法にオプジーボを加えることで、食道扁平上皮がんの治療効果が高まるかを41人の患者で確かめた。

 その結果、30人(73%)は画像検査や組織の一部をとって検査したところ、がんがなくなる「完全奏功」の状態になった。心配されていた、オプジーボを使うことで起きやすくなる、重い肺の炎症は2人(5%)にとどまった。

 2026年1月16日(金)

2026/01/15

🟥「がん」と診断された人の5年後の生存率を初公表 がんの種類で差

 全国のがん患者の情報を一元的に管理する「全国がん登録」に基づき、厚生労働省が、がんと診断された人の5年後の生存率を集計し、初めて公表した。前立腺がんや甲状腺がん、小児のリンパ腫などで90%を超えた一方、すい臓がんでは11%余りと、がんの種類によって生存率に大きな差があることがわかった。

 「全国がん登録」は、法律に基づいて、がんと診断された人の、がんの種類や進行度、治療内容などの情報の届け出を、全国すべての病院などに義務付けたもので、厚労省は登録された情報をもとに、2016年にがんと診断された人の5年後の生存率を集計し、14日に公表した。

 それによると、15歳以上の5年生存率は、前立腺がんで92・1%、甲状腺がんで91・9%、皮膚がんで91・1%と、90%を超えたほか、乳がんで88%、喉頭がんで75・2%、大腸がんで67・8%などとなっている。

 一方で、がんの種類によっては5年後の生存率が低いものもあり、すい臓がんで11・8%、胆のうがん・胆管がんで23%。肝臓がんで33・4%などとなった。

 また、15歳未満の小児がんの患者の5年後の生存率は、網膜芽腫で97・6%、リンパ腫・リンパ網内系腫瘍で95・7%、腎腫瘍で90・4%などとなっていて12あるすべての分類の平均は82・4%だった。

 全国のがん患者の情報を一元的に管理する「全国がん登録」が2016年に開始されて以降、登録された情報に基づく5年後の生存率が公表されるのは初めてで、厚労省は、がん対策の基礎となるデータの1つとして活用していくことにしている。

 また、厚労省は2022年と2023年に全国でがんと診断された患者数を公表。2022年は99万930人、2023年は99万3469人で、2020年に新型コロナウイルス流行開始の影響で一時減少したのを除き、ほぼ横ばいが続いている。

 2026年1月15日(木)

2026/01/14

🟥鳥インフルエンザ確認の三重県津市の養鶏場、2万5000羽の殺処分に着手

 三重県は13日、津市内の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの発生を確認し、この養鶏場が飼育する約2万5000羽の殺処分に着手した。鶏舎の消毒などを含めた防疫措置を17日に完了する予定。

 県によると、この養鶏場が12日、県中央家畜保健衛生所に「一つの鶏舎で6羽が死んでいる」と通報。13日朝に判明した遺伝子検査の結果では、10羽のうち7羽が陽性だった。

 この日は約150人の県職員が交代で殺処分の作業に従事。24時間態勢で作業に当たる。県から委託を受けた建設会社の従業員らは、鶏を埋却するための掘削作業に取りかかった。

 同日午後3時現在、33・6%に当たる8400羽を殺処分した。14日夜には全羽の殺処分を終える見通し。養鶏場で営業を再開するには、少なくとも5〜6カ月を要するという。

 また、県は13日、この養鶏場から半径3キロ圏内にある3つの養鶏場に立ち入り、鶏に異常がないことを確認。これらの養鶏場に対しては、飼育する計約60万羽の移動を制限した。

 県幹部らは、同日の本部員会議で改めて今後の防疫措置を確認。経営などに影響を受けた事業者らの相談に応じ、支援策を紹介するための窓口を県庁内に設けたことなども共有した。

 一見勝之知事は、▽迅速で的確な防疫措置▽県民への正確な情報提供▽風評被害の防止―などを職員らに指示。「不安を感じる県民や事業者に寄り添って対応してほしい」と述べた。

 高病原性鳥インフルエンザが県内で確認されるのは、南伊勢町内の養鶏場で発生した2011年2月以来となる。全国では今季に入って16例目。東海地方では今季初となる。

 2026年1月14日(水)

🟥新型コロナ感染者、3週ぶりに減少 1医療機関当たり1・13人

 厚生労働省は13日、全国約3000の定点医療機関から昨年12月29日~今年1月4日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3629人で、1医療機関当たり1・13人だったと発表した。前週比0・86倍で、3週ぶりに減少した。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは北海道の4・51人で、福島県4・44人、秋田県3・32人と続いた。少なかったのは佐賀県0・18人、石川県0・30人、鹿児島県0・32人などだった。

 2026年1月14日(水)

2026/01/13

🟥インフルエンザ、6週連続減少 警報レベル下回る

 厚生労働省は13日、全国約3000の定点医療機関から昨年12月29日~今年1月4日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計3万3217人で、1医療機関当たり10・35人だったと発表した。前週比0・45倍で、6週連続の減少。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を3週連続で下回り、減少傾向が続いている。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは宮崎県の38・71人。鹿児島県23・19人、沖縄県23・18人が続いた。少なかったのは、奈良県3・41人、神奈川県4・79人、東京都4・89人など。秋田県、岐阜県、沖縄県の3県では前週より増えたものの、他は減少した。

 今季は、全国平均で警報レベルを超えるのが昨季より5週早く、昨年11月17~23日の週には全国で1医療機関当たり50人を超えた。

 2026年1月13日(火)

2026/01/12

🟥7割の患者で食道がん消失、抗がん剤・放射線に免疫薬併用 京大治験

 京都大学などは9日、食道がんの化学放射線治療とがん免疫薬を併用した医師主導の治験の結果を公表した。41人の患者のうち7割超に当たる30人でがんが完全に消えた。副作用の発生率も低く、安全性を示した。治験の結果をまとめた論文をイギリスの医学誌「イー・クリニカル・メディスン」(オンライン版)に掲載した。

 食道がんは主に酒やたばこが原因で発症する。食道の周りには心臓や肺があり、手術が難しい。京大の武藤学教授によると世界の食道がん患者のうち8割がアジア人だ。武藤教授は食道がんの治療は「アジア人にとって重要な課題」だと話す。

 食道がんは一般的に抗がん剤と手術を併用して治療する。手術ができない場合などは抗がん剤に加えて放射線で治療する。だが、この方法だとがんが再発するリスクが高く、治療効果も限られていた。研究チームは手術をせずにがんを確実に治す方法を目指し、抗がん剤と放射線の治療にがん免疫薬の「オプジーボ」を併用する治験を実施した。

 日本人の食道がんの9割以上を占める扁平(へんぺい)上皮がんを対象に、治療の安全性や有効性を調べた。

 すると結果が得られた41人のうち30人(73%)でがんが完全に消え、1年後の生存率も93%と高かった。放射線治療などに伴う重い副作用である肺臓炎の発生率は5%にとどまり、その他の副作用も医師らが対応できる範囲のものだった。がん細胞の遺伝子の働きを調べると、免疫の働きが活発なほど治療がよく効く傾向が出ていた。

 今後は治療から3年後の経過を解析するほか、遺伝子の働きを調べてより治療が効きやすい人の特徴を探す。武藤教授は「効果が期待できる人たちを見付けて再発を避け、よりよい治療を提供できる」と期待する。

 2026年1月12日(月)

2026/01/11

🟥マダニが媒介する感染症「SFTS」の患者数、昨年は過去最多の191人に

 マダニが媒介する感染症、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、昨年1年間に全国から報告された患者数は、速報値で191人と過去最多になった。新たに感染が確認された地域が東日本でも広がり、専門家は注意を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして、死亡することもある。

 国立健康危機管理研究機構によると、昨年1年間に報告された患者数は速報値で191人と、これまでで最も多かった2023年を50人余り上回り、過去最も多くなった。

 患者が報告されたのは32道府県で、高知県で15人、静岡県と大分県で13人、長崎県で12人、佐賀県と熊本県で11人、兵庫県で10人など、西日本を中心に多くなっている。

 また、各地の自治体の発表などによると、北海道や茨城県、栃木県、神奈川県などで、初めて感染が確認され、東日本にも広がってきている。

 国立健康危機管理研究機構獣医科学部の前田健部長は、「致死率の高いマダニの感染症が、日本に存在していることを知ってほしい」とした上で、「例年は3月ごろから患者が増え始めるので、草むらなど野外で活動する際は、肌を見せない服装をしたり、虫よけ剤を使ったりといった対策をしてほしい」と注意を呼び掛けている。

 2026年1月11日(日)

2026/01/10

🟥シート状に培養したiPS細胞をそのまま凍結保存 解凍後も人体組織分化の機能維持

 シート状に培養したiPS細胞を、人体の組織に分化するという機能をほぼ維持したまま凍結保存することに成功したと、神戸大の研究チームが8日までに国際科学誌に発表した。実用化すれば、機械を使ったiPS細胞の大量生産や維持管理が容易になるという。

 iPS細胞は通常、シート状に培養する。冷凍保存も可能だが従来の方法では容器から剥がしてばらばらにする必要があり、工程が複雑な上に作業中に細胞が劣化する恐れがあった。

 研究チームは今回、凍結前に短時間の酵素処理をすることで、シート構造を壊すことなく細胞同士の結合を弱めることに成功。その上で新たな保存剤を開発。

 酵素処理をしなかったり、処理をしても市販の保存剤を使ったりしてシートを冷凍保存すると、解凍から48時間後の細胞生存率は0%近かった。一方で新技術では、少なくとも生存率は70%以上となった。

 研究チームの丸山達生教授は、「iPS細胞は維持管理に熟練の手技や、高価な培地が必要だったが、冷凍食品のように簡便に長期保存でき、再生医療の実現や新薬開発に貢献できる」としている。

 2026年1月10日(土)

2026/01/09

🟥兵庫県伊丹市の研修医過労死で和解 市が見舞金、院内で経過記録活用

 2018年、兵庫県伊丹市の市立伊丹病院の研修医だった男性=当時(25)=が自殺し、遺族が長時間労働による精神障害が原因として市に約1億3000万円の賠償を求めた訴訟が、神戸地裁で和解したことが9日わかった。市が見舞金を支払う他、死亡の経過記録を病院が継続的に保管し、職員研修に活用すると約束する内容。

 男性の両親は「最愛の息子は帰ってきませんし、悲しみが消えることもありません。決して風化させることなく、二度と同じような事故を起こさぬよう、真摯に取り組んでいただきたい」と代理人弁護士を通じてコメントした。和解は昨年12月22日付。

 男性は大阪大卒業後の2018年4月から研修医として勤務し、外科や呼吸器内科に配属された。同年7月、一人暮らしをしていた寮の自室で自殺した。伊丹労基署の認定では、死亡直前1カ月間の時間外労働は、計80時間弱に達していたという。

 2026年1月9日(金)

🟥がん遺伝子パネル検査、治療到達8% がんの種類で差も、5万4000人解析

 がんの遺伝子の変化を網羅的に調べて対応する治療を探す、がん遺伝子パネル検査を国内で受けた5万人超についての分析を、国立がん研究センターなどの研究チームが発表した。検査に基づく治療を受けられたのは8%で、がんの種類によっても差があった。

 がんは遺伝子の変化によって起きることから、近年は遺伝子の変化を調べ、それに合った治療をするゲノム医療が推し進められている。100種類以上の遺伝子を同時に調べるがん遺伝子パネル検査は2019年に保険診療になった。

 研究チームは、2019~2024年に検査を受けた約5万4000人について分析した。

 検査の結果、治療法のある遺伝子の変化が見付かったのは73%に上ったが、国内未承認薬や治験段階のものも含まれ、実際にその治療を受けられたのは8%だった。ただ、経年的に改善してきており、2019~2020年には6%だったが、2023~2024年には10%に増えていた。

 がんの種類によっても治療に結び付く割合には差があり、患者が多く薬剤開発が進んでいる肺がんは20%、甲状腺がんは35%と高かった。一方で、薬剤の開発が進みにくい膵(すい)がんや肝臓がんは2%に満たなかった。

 患者の生存期間との関係を見ていくと、科学的根拠が強く国内承認済みの薬がある遺伝子変化が見付かった人は、最も予後が良かった。有効性のある薬が国内未承認薬だった場合でも、予後が良い傾向にあった。治験などを通じて未承認薬が使えれば、患者が恩恵を受けられる可能性がある。

 国立がん研究センター研究所分子腫瘍(しゅよう)学分野の片岡圭亮・分野長は、「がん遺伝子パネル検査の有用性と限界、がんの種類によって違いがあることも明らかになった。今後、薬剤開発が進みエビデンスが確立されていくことが重要だ」と話す。

 論文は6日、医学誌「ネイチャー・メディシン」の電子版に掲載された。

 2026年1月9日(金)

2026/01/08

🟥インフルエンザ感染者、5週連続で減少 西日本では依然多く

 厚生労働省は8日、全国約3000の定点医療機関から昨年12月22~28日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計8万7534人で、1医療機関当たり22・77人だったと発表した。前週比0・70倍で、5週連続の減少。

 全国平均では警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回ったが、西日本では依然として超えている地域が多い。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは宮崎県の62・57人。鹿児島県48・00人、佐賀県39・88人が続いた。少なかったのは、秋田県10・56人、福島県11・54人、岩手県11・98人など。前週より増えたのは沖縄県のみだった。

 今季は、全国平均で警報レベルを超えるのが昨季より5週早く、昨年11月17~23日の週には全国で1医療機関当たり50人を超えた。

 2026年1月8日(木)

2026/01/07

🟥メルカリに「熊の胆」出品、厚労省が削除要請 未承認の医薬品で薬機法抵触の恐れ

 漢方薬などに使われる「熊の胆(い)」とされる粉末がフリーマーケットアプリ「メルカリ」に出品され、厚生労働省が医薬品医療機器法(薬機法)に抵触する恐れがあるとして、削除を求めていたことが同省などへの取材でわかった。メルカリは出品を削除した。

 「熊の胆」は熊の胆嚢(たんのう)を乾燥させたもので、胆汁に含まれる成分が肝機能改善や胃のむかつき、食欲不振などに効果があるとされ、法律上は医薬品に当たる。北海道大の坪田敏男教授(野生動物医学)によると、粉末状にして、煎じてから飲むのが一般的という。

 厚労省は昨年12月下旬、粉末の出品を把握。出品者が製造したという内容の説明文があったことから、未承認の医薬品と判断し、販売行為などが薬機法違反になる可能性があるとしている。

 メルカリは薬機法に基づいて医薬品の出品を禁止する規定を設けているが、今回は厚労省からの要請があり、総合的に判断して削除したという。

 粉末状でない「熊の胆」とみられるものも今年に入って出品されており、数万円で取引されている。厚労省は一部を把握しており、対応を検討している。

 2026年1月7日(水)

2026/01/06

🟥2025年の交通事故死者、過去最少 2547人、2000人以下にする政府目標達成できず

 警察庁は6日、2025年の全国の交通事故死者数が前年より116人(4・4%)減の2547人だったと発表した。統計がある1948年以降で最少だった2022年の2610人を63人下回り、3年ぶりに過去最少を更新した。

 警察庁によると、65歳以上の高齢者は1423人で、全体の55・9%を占めた。都道府県別では、神奈川県が139人で最多となり、東京都の134人、北海道の129人が続いた。

 交通事故死者数は1970年に過去最多の1万6765人を記録。1996年以降は1万人を下回って、2016年にピークの4分の1を下回る3904人となり、2021~2024年は2600人台で推移していた。減少は2年連続。

 政府は2021~2025年度の交通安全基本計画で、2025年までに交通事故による死者数を2000人以下とする目標を立てていたが、達成できなかった。

 2026年1月6日(火)

🟥アメリカ保健福祉省、子供の予防接種スケジュール改訂 推奨ワクチン6種削減を勧告

 アメリカ保健福祉省は5日、子供の予防接種スケジュールを改訂し、接種を推奨するワクチンの数を17種から11種に減らすことを勧告すると発表した。

 保健当局は引き続き、麻疹(はしか)、おたふく風邪、風疹、ポリオ、水痘、ヒトパピローマウイルス(HPV)などの予防接種を推奨する。一方で、RSウイルス、髄膜(ずいまく)炎菌、B型肝炎、A型肝炎の予防接種は、感染リスクが全般的に高い子供に対象を絞って推奨する。

 インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、ロタウイルスの予防接種に関しては、保護者が医師などと相談して受けるかどうかを決めることを勧告するとした。

 こうした予防接種の費用は引き続き健康保険の対象となる。ただし、健康な子供については非推奨となり、接種を受けるには医師への相談が必要となったワクチンについては、今回の改訂が保護者にとって新たな障壁となる可能性もある。

 日本ではB型肝炎やロタウイルスのワクチンが子供の定期接種の対象14種類に含まれ、複数種類を同時に接種するものもある。

 アメリカではワクチン懐疑派のロバート・F・ケネディ保健福祉長官の下、疾病対策センター(CDC)が見直しを進めていた。

 アメリカでは今シーズン、インフルエンザの症例が急増している。CDCによれば、これまでに小児の死亡例が9例報告された。

 2026年1月6日(火)

2026/01/05

🟥ゲノム編集で筋ジストロフィー治療、マウスで効果・持続性確認 京大

 筋ジストロフィー症で損傷した筋肉が回復しにくくなるのを、ゲノム編集を使って治療する方法を、京都大学と武田薬品工業の研究チームが開発した。これまでの治療法よりも効果的で持続することをマウスの実験で確かめた。今後、実用化に向けて安全性などを確かめる。

 研究チームが対象にしたのは、遺伝性疾患のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)。患者は遺伝子の異常でジストロフィンというタンパク質ができず、筋肉の細胞が傷付いても修復しにくい。これまでは、薬で異常な遺伝子の一部を取り除いてジストロフィンを作りやすくする治療が行われていた。また、無害なウイルスを使ってジストロフィンを作り出す遺伝子を組み込む治療が行われていたが、重篤な副作用が出て中止になっている。

 研究チームは、遺伝子を組み込むのにゲノム編集技術を使う方法を開発。その結果、ウイルスを使う方法よりも、細胞修復に欠かせない筋幹細胞に、遺伝子を効果的に組み込めることをマウスの実験で確認した。さらに、ジストロフィンを作り出す効果も1年以上にわたって持続した。これまでの治療では通常、週1回点滴しなければならないが、今回の方法ではそうした負担を軽減できる可能性があるという。

 研究チームの京大iPS細胞研究所の堀田秋津准教授(幹細胞遺伝子工学)は、「ほかのタイプの筋ジストロフィーも、組み込む遺伝子を変えることで治療できる可能性がある。今後は人への臨床応用に向けて、さらに研究を進めていきたい」と話した。

 研究成果は12月17日付のアメリカの科学誌「セルリポーツ」に掲載された。

 2026年1月5日(月)

2026/01/04

🟥返礼品はがん検診や脳ドック ふるさと納税で健康増進、秋田県

 秋田県は、健康や医療の課題解決に、ふるさと納税制度を活用する新たな取り組みを始めた。国内最大級の仲介サイト「ふるさとチョイス」で寄付を受け付け、返礼品としてがん検診や脳ドックを用意。個人や企業からの寄付金は県民の健康増進や医療機関の勤務環境改善などの県事業に活用する。

 秋田県はがん死亡率が28年連続全国ワーストで、メタボリック症候群の該当者や予備軍の割合も全国で上位となっている。人口減少や高齢化が進み、医師不足も深刻だ。

 課題を解決するため、県は2025年12月、ふるさとチョイスを運営するトラストバンク(東京都品川区)と連携協定を締結。情報通信技術(ICT)導入による医療機関の勤務環境整備やアプリを使った健康づくりなど、健康・医療関連事業の財源として、2026年度中に計5000万円の寄付を集めることを目標に定めた。

 個人版ふるさと納税の返礼品には「がん検診」「頸部MRA(磁気共鳴血管撮影法)健診」「脳ドック」の3コースがある。

 2026年1月4日(月)

🟥永谷園、「おとなのふりかけ紅鮭」6360個を自主回収 小麦含む「辛子明太子」の中身と包装資材を取り違えて販売

 永谷園は3日、ふりかけ商品「おとなのふりかけ紅鮭」6360個を自主回収すると発表した。一部商品の中身が、小麦を含む同シリーズの「辛子明太子」となっており、アレルゲン表記に問題があるためという。

 対象は、賞味期限が今年10月で、賞味期限表記の下段右側に「20A」と記載のある商品。昨年12月31日に、流通業者からの指摘で発覚した。工場での生産時に包装の資材を取り違えたという。健康被害は確認されていないとしている。

 購入者には商品を着払いで返送してもらい、代金相当分のクオカードを後日送る。問い合わせは同社の商品回収専用ダイヤル(0120・919・454)へ。

 永谷園は「心より深くお詫び申し上げます」とコメントし、回収を呼びかけている。

 2026年1月4日(日)

2026/01/03

🟥愛知県美浜町の養鶏場で鶏舎2棟焼ける 約10万羽の鶏が死ぬ

 3日朝、愛知県美浜町の養鶏場で鶏舎2棟が焼け、飼育されていたおよそ10万羽の鶏が死んだということで、警察が詳しい原因を調べている。

 3日午前5時40分ごろ、愛知県美浜町にある養鶏場で「鶏を飼う鶏舎から火が出ている」と養鶏場の関係者から消防に通報があった。

 警察によると、消防車など10台以上が出て消火に当たり、火はおよそ3時間後に消し止められたが、木造の鶏舎2棟合わせて2100平方メートルほどが全焼したということである。

 警察によると、けが人はいないということだが、鶏舎2棟は屋根が焼け落ちるほど損傷が激しく、飼育されていたおよそ10万羽の鶏が死んだということである。

 鶏舎の関係者は、鶏のふんを搬出する装置から火が出ていたと警察に対して説明しているということで、警察が火事の詳しい原因を調べている。

 2026年1月3日(土)

2026/01/02

🟥東京都内、餅詰まらせ80代女性1人死亡 80代から90代の3人が意識不明で病院搬送

 元日の1日、東京都内では4人が餅をのどに詰まらせて救急搬送され、このうち80代の女性が死亡した。東京消防庁は、特に高齢者や子供が餅を食べる際は、小さく切った上でよくかむなど、十分注意するよう呼び掛けている。

 東京消防庁によると、1日午前1時すぎ、港区の80代の女性が自宅で大福をのどに詰まらせたと、家族から通報があった。

 女性は病院に搬送されたが、その後、死亡した。

 このほか、都内では80代から90代の男性3人がそれぞれ、餅をのどに詰まらせて、いずれも意識不明の状態で病院に運ばれた。

 東京消防庁は、特に高齢者や子供が餅を食べる際は、小さく切った上で、まずお茶や汁物を飲んでのどを潤してからゆっくりかんで食べるよう呼び掛けている。

 また、餅をのどに詰まらせた場合、意識があれば、胸かあごを支えてうつむかせた上で、背中をたたいて吐き出させるなどし、意識がなければ、すぐに心臓マッサージをして救急車を呼んでほしいとしている。

 2026年1月2日(金)

2026/01/01

🟥老化細胞を除去する薬剤を開発、加齢性疾患の治療に期待 京都大

 加齢で蓄積する老化細胞を除去する新たな薬剤を開発したと、京都大の研究チームが12月25日までに発表した。マウスで加齢性疾患の進行を抑制する効果を確認しており、人

での治療法開発も期待されるという。論文は国際学術誌に掲載された。

 生き物は年を取るとともに、回復力が低下して、老化した細胞が死ににくくなり、体内に残ってしまう。体内に残った老化細胞が原因で慢性的な炎症が起きて老化が進むと考えられている。こうした老化細胞を人為的に細胞死させ、体内から取り除く研究が世界的に進められている。

 研究チームは、老化細胞にある2種類のタンパク質が結合して老化が進行することを発見。抗がん剤を基に、結合を阻害する機能を持った薬剤を開発し、老化細胞を除去する効果を確認した。

 高齢マウスなどに投与したところ、筋力のほか、肝臓や腎臓の機能が改善し、加齢性疾患である特発性肺線維症の進行を抑制する効果もあった。副作用はなかったという。

 研究チームの近藤祥司・京大大学院准教授(老年医学)は、「人の臨床応用を進めて加齢性疾患の新たな治療法を開発し、高齢者の身体機能低下の防止につなげたい」と話している。

 2026年1月1日(木)

🟥大病院から診療所への患者紹介、初診料に600円上乗せ 新報酬で役割分担促す

 地域の診療所が大病院から患者の紹介を受けると、初診料に600円を上乗せできる仕組みが6月に始まる。病状が安定した患者は地域の「かかりつけ医」が担当し、病院はより重い患者に専念する役割分担を促す。病院の待ち時間短縮や勤務医の負担軽減などにつなげる。 中央社会保険医療協議会(厚生...