2024/10/17

🟪低炭素のクリーンエネルギー、2030年代の主役に 国際エネルギー機関予測、石油は減少

 国際エネルギー機関(IEA)は16日、2024年版の「世界エネルギー展望」を公表しました。太陽光など再生可能エネルギーの普及により、2030年代半ばに原子力を含む低炭素のクリーンエネルギーが「最大のエネルギー供給源になる」との予測を示しました。一方、世界の石油需要は2030年までにピークを迎え、減少に転じると見通しました。

 日米欧を中心とした主な石油消費国でつくるIEAは近年、気候変動対策の旗振り役として存在感を高めています。主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は9月、2050年の石油需要が2023年比で18%増えるとの予測を公表しており、両者で異なるシナリオを発信しています。

 IEAは、各国が脱炭素化に向けた表明済みの政策を実行するシナリオでは、クリーンエネルギーが2030年代半ばに石油を上回って最大のエネルギー供給源となり、2050年時点で全体の約4割に達すると予想しました。

 クリーンエネルギーへの投資額は2024年に約2兆ドル(約300兆円)となり、化石燃料の2倍となる見通しです。

 2024年10月17日(木)

2024/10/16

🟪2024年4月の医学部医学科入学者、女性は4割下回る 合格率は10・6%、男性は12・3%

 2024年4月に大学の医学部医学科に入学した女性の割合が2年ぶりに4割を下回ったことが、文部科学省の調査結果でわかりました。

 文科省が公表したのは、2024年度の医学部医学科入試の公正確保などに関する調査。医学部入試で女性を一律減点するなど差別的な対応が行われていたことが2018年に発覚したのを受け、文科省は2019年度と2020年度の入試について医学科がある81大学の男女別合格率を公表する緊急調査を実施。2021年度以降は毎年調査を行っています。

 文科省が15日に公表した調査結果によると、2024年4月に入学した女性の割合は39・8%で、前年度を0・4ポイント下回りました。男性は60・2%(前年度比0・4ポイント増)。文科省の担当者は、「長期的に見た場合は、医学部医学科に入学する男女の割合は縮まってきている」と話しています。

 2024年度入試での81大学の平均合格率は男性12・3%(同0・5ポイント減)で、女性は10・6%(同1・6ポイント減)。女性の平均合格率が男性より高いのは、受験者が女性のみの東京女子医科大を含めて26大学でした。国立(42大学)では男性31・9%、女性28・3%。公立(8大学)は男性30・6%、女性28・8%で、私立(31大学)は男性8・4%、女性7・7%でした。

 医学部医学科の受験者の総数は男性6万7804人(同6・1%増)、女性5万2298人(同13・6%増)。女性の受験者数は、2019年度の調査開始以降で初めて5万人を超えました。

 2024年10月16日(水)

2024/10/15

🟪卵巣予備能検査が一般の不妊治療でも保険適用に 専門家「妊活の目安に」

 結婚の高年齢化に伴い妊娠しにくくなり、不妊治療を受ける人が増えています。卵巣にどれくらい卵子が残っているかを示す卵巣予備能を測る「抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査」が今年6月から一般の不妊治療でも保険適用になり、産婦人科医は「不妊治療をどこまで続けるか、方針決定がしやすくなる」と期待を寄せています。 

 女性の卵子は胎児の間に原始卵胞という形で数百万個がつくられ、出生後は減る一方となっています。卵巣の中で待機していた原始卵胞は、思春期以降、定期的に発育して卵子となって排卵されますが、卵巣の中にある特定の時期に分泌されるAMHの濃度を測定することで、卵子がどのくらい残っているかの目安となります。生理の周期などによって増減する卵胞刺激ホルモンとは異なり、卵巣機能を安定的に評価することができるとされます。

 AMH検査は血液を採取し測定しますが、従来は体外受精をする前提としてのみ、保険適用でした。産婦人科クリニックなどからの要望があり、一般的な不妊症の患者に対する卵巣機能の評価や治療方針の決定などに対し、6カ月間で1回に限り保険適用が決まりました。保険適用後のAMH検査の費用は、3割負担で1800円程度です。

 AMHの数値は20歳代で平均4台、30歳代で3〜1台、40歳代では1以下になるものの、個人差が大きいため、厳密なものではありません。だが、産婦人科医によると、AMH値が高いほど採卵できる数が多いといいます。

 保険適用に尽力した絹谷産婦人科(広島市)の絹谷正之院長は、「妊娠を希望する人にとって自分の妊娠可能な残り時間を早めに知ることがとても重要で、少子化対策にもつながると考える」と話しています。

 2024年10月15日(火)

2024/10/14

🟪マイコプラズマ肺炎が群馬県で増加 患者数が前週の1・89倍

 子供に多い呼吸器感染症の「マイコプラズマ肺炎」が群馬県内で増加しています。9月30日〜10月6日に県内9カ所の基幹定点医療機関から報告された1機関当たりの患者数は前週比89%増の1・89人。1週間当たりの患者数では2017年以降で最も多くなりました。

 県衛生環境研究所によると、県内では7月後半から患者が増え始め、9月16~22日は11・33人で、今年初めて1機関当たり1人を超えました。23〜29日は1・00人に減少したものの、再び増加に転じました。

 1人を超えるのは2019年以来。インフルエンザでは1人が流行開始の目安とされています。

 定点医療機関から報告されたマイコプラズマ肺炎の患者数の推移を見ると、2016年は年間の累計患者数が649人で、週ごとで1機関当たり5人を超えた時期もありました。コロナ下の2021〜23年は年間の累計患者数が8人、1人、11人と例年に比べ少なかったものの、今年は6日までに89人となっています。

 マイコプラズマ肺炎は細菌感染により発症します。潜伏期は2〜3週間で、発熱や頭痛、長引くせきなどが主な症状。飛沫(ひまつ)や接触により広がり、大人もかかることがあります。

 県感染症・疾病対策課は、「風邪と区別しづらいので、せきなどの症状が長引く時は医療機関を受診して」と呼び掛けています。

 国立感染症研究所によると、9月23〜29日に全国の定点医療機関から788人の患者が報告され、現在の集計方法になった1999年以降の最多を更新しました。1機関当たりは1・64人で前年同期比41倍でした。

 2024年10月14日(月)

2024/10/13

🟪HPVワクチンのキャッチアップ接種、初回接種を11月末までに

 子宮けいがんなどを防ぐHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種の機会を逃した人に対する「キャッチアップ接種」について、厚生労働省は初回の接種を11月末までに受ければ、期限内に間に合うという見解を自治体に示しました。

 子宮けいがんなどを防ぐための「HPVワクチン」を巡っては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次いだことなどから、厚労省が2013年に積極的な接種の呼び掛けを中止しましたが、2022年4月に有効性や安全性が確認できたとして、積極的な呼び掛けを再開しました。

 厚労省は呼び掛けを中止していた期間に接種の機会を逃した女性に対し、無料で受けられる「キャッチアップ接種」を2025年の3月末を期限に実施しています。

 接種は3回行う必要があり、これまで示されてきた標準的なスケジュールでは、すべてを終えるのに6カ月かかり初回の接種を9月末までに受ける必要があるとされてきました。

 これに対し厚労省は4価と9価のワクチンの場合、接種スケジュールを最短4カ月に縮めることが可能で、初回の接種を11月末までに済ませれば、期限内に3回の接種をすべて終えられるという見解を9月下旬に市区町村などに示しました。

 厚労省は、「接種の間隔が短くなっても健康上の問題はないので、まだ接種していない人はぜひ検討してほしい」と話しています。

 2024年10月13日(日)

2024/10/12

🟪都市部の病院に採用された臨床研修医、地方で一定期間働く仕組み導入へ 偏在の是正につなげる狙い

 厚生労働省は2026年度から、医師が多い都市部の病院に採用された臨床研修医が、医師が少ない地方で一定期間働く仕組みを導入する方針を決めました。東京、大阪、京都、岡山、福岡の5都府県から年間130人以上が参加することを見込んでいます。医師が都市部に集中し、地方で不足する偏在の是正につなげるのが狙いです。

 免許を取得した医師は、内科や外科、救急などの臨床研修を2年間受けることが義務付けられており、各都道府県が指定する病院に採用されます。研修医が都市部に集中するのを防ぐため、都道府県別に募集定員に上限が設けられています。

 新たな仕組みで派遣先となるのは、医師が少ない青森、岩手、秋田、山形、福島、茨城、群馬、新潟、長野、岐阜、三重、山口、宮崎の13県など。対象は原則として臨床研修の2年目で、期間は半年以上とします。医師本人の希望に基づき、参加できるようにします。

 対象人数は、派遣元となる5都府県で募集定員上限の5%以上に設定しました。厚労省は、研修内容の検討や運営にかかる費用への補助を検討しています。

 地方では、さまざまな病気の患者を診たり、住民との距離感が近い中で対応したりする状況で、多様な経験を積みやすいとされます。厚労省は、こうした経験を通じて、若手医師が地域医療の魅力を知り、研修後も地方を勤務地として選んでもらえることも期待しています。

 2024年10月12日(土)

2024/10/11

🟪緊急性が認められない症状は費用徴収、不要不急の救急搬送で茨城県指針案

 緊急性のない救急搬送患者から「選定療養費」を徴収する茨城県主導の取り組みで、緊急性を評価する具体的な指針の素案が10日、明らかになりました。素案では軽度の切り傷や擦り傷は「明らかに認められない」としました。茨城県は12月からの運用を目指し、11日に開く県議会保健福祉医療委員会で報告します。

 関係者によると、素案で緊急性が「基本的に認められない」とする症状は10例程度。風邪症状のほか、微熱(37・4度以下)、打撲、慢性的または数日前からの歯痛、便秘、何となく体調が悪いといった不定愁訴、眠れないーなどで、それぞれ単独の症状のみのケースが該当します。別の疾患の兆候の可能性から、評価が難しい場合は、緊急性を認めても「差し支えない」としました。

 一方、緊急性が認められる具体例として、15歳未満と15歳以上に区分した上でそれぞれ20例程度を提示しました。15歳未満は「15秒以上の無呼吸がある」「全身が青くなっている」など、15歳以上は「ろれつが回りにくく、うまく話せない」「突然の顔や手足のしびれ」などを挙げます。

 緊急性の有無は救急要請時に逆上って医師が判断します。具体例のような症状があれば、搬送後に症状が改善していても緊急性は認められます。

 徴収開始は休日明けの12月2日午前8時半からの計画。徴収額は病院によって異なり、1100円から1万3200円となります。

 選定療養費は、一般病床数が200床以上の大病院を紹介状なしで受診した場合にかかる追加費用。不要不急の救急搬送の患者から徴収する今回の取り組みは、県内大病院の約9割が参加意向を示しています。県は関連病院や県医師会と指針内容について協議を進めてきました。今後は同委員会への報告を経て、今月上旬に指針をまとめ、同下旬までに県民への広報を始めたい考え。

 県内の昨年1年間の救急搬送件数は、過去最多の約14万3000件。うち6割以上が大病院に集中し、約半数は軽症患者が占め、中には緊急性が低いケースもあるといいます。

 2024年10月11日(金)

2024/10/10

🟪「目の治療」に特化した初の医療保険登場 コンタクトレンズ購入者対象に目の治療目的の入院や手術時に5000円支払い

 住友生命保険は10日から、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のコンタクトレンズ購入者を対象に、目の治療に特化し た医療保険「めまもりほけん」を販売します。

 保険料はJ&Jが全額を負担するため、使い捨てコンタクトを一定数購入すれば無償で加入できます。1日使い捨ての場合、年間8箱の購入が条件。

 契約期間中(1年間)に眼科で入院や手術、注射による治療を受けた際に、一律5000円の保険金が支払われます。例えば、ものもらいが悪化して、たまったうみを出すための手術や、緑内障治療のための目薬が処方された時などが対象となります。対象外の治療もあるので確認が必要です。

 手続きは、J&Jの専用アプリと住友生命保険の専用申し込みサイトで行い、現在、入院中かどうかなどの告知を行います。保険金の申請もサイトで受け付けます。

 住友生命保険によると、目の治療に特化した保険や、特定の商品に保険をつける「組み込み型保険」の導入は、いずれも生保業界で初めてといいます。

 目にかかわる病気は自覚症状が少ないことなどから重症化するケースが多いとされていて、住友生命保険は「保険加入を切っ掛けに、早期発見に貢献できることを期待したい」としています。

 2024年10月10日(木)

2024/10/09

🟪日本脳炎、岐阜県内初の感染者 人から人への感染なし、成人男性でワクチン接種歴なし

 岐阜県内で成人男性が日本脳炎ウイルスに感染していたことが、わかりました。1999年の統計開始以来、県内で感染した患者は初めてだということです。

 岐阜県によりますと、10月3日、県外の医療機関から保健所に、日本脳炎の患者が発生したとの届け出がありました。

 感染が判明したのは成人男性で、9月上旬から中旬に岐阜県内で感染したものとみられています。

 男性は発熱や頭痛、意識障害などの症状が出て病院に入院しましたが、現在は快方に向かっているということです。男性は海外渡航歴はなく、ワクチン接種歴もないということです。

 日本脳炎は2019年以降、全国の患者数は年3~9人で推移しており、今年は9月22日までに全国で4人の患者が確認されていますが、岐阜県内で感染した患者は、1999年の統計開始以来初めてだということです。

 日本脳炎は急激な発熱が数日続き、頭痛などの症状が出るとされ、死亡率は20〜40%で、生存者の45〜75%に後遺症が残るとされています。一方、ウイルスに感染しても無症状で終わるケースもあるということです。

 人から人に感染することはなく、ウイルスに感染した家畜のブタを刺した蚊が、人を刺すなどして人に感染するとされています。

 県は、蚊に刺されないように注意するとともに、発症を抑えられるとされる予防接種を受けるよう呼び掛けています。

 2024年10月9日(水)

2024/10/08

🟪マイコプラズマ肺炎、患者数が過去最多タイ 患者の8割が14歳以下

 発熱や長引くせきなどが特徴で、主に子供がかかるマイコプラズマ肺炎について、国立感染症研究所は8日、9月29日までの1週間に、全国約500の医療機関から報告があった患者数は、1医療機関当たり1・64人(速報値)で、現在の調査方法となった1999年以来、過去最多だった2016年10月の患者数に並びました。

 マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」と呼ばれる細菌に感染することで引き起こされます。せきによる飛沫(ひまつ)などからうつり、周期的な流行がみられるのが特徴です。発熱や全身のだるさなどが現れ、熱が下がった後も3~4週間せきが続きます。

 患者の8割を14歳以下が占めています。多くは軽症ながら、一部は重症化したり、心筋炎などの合併症を生じたりすることがあります。

 厚生労働省の担当者は、「手洗いをこまめに行い、感染した場合は、マスクをして家庭内でのタオルの共有を避けてほしい」と呼び掛けています。

 厚生労働省の担当者は、「最近は学校や家庭での感染も目立っている。ふだんからせっけんで手洗いをすることに加え、せきの症状がある場合はマスクの着用を心掛け、家庭内でのタオルの共有を避けてほしい」と呼び掛けています。

 2024年10月8日(火)

2024/10/07

🟪強制不妊の被害補償法案、衆院通過 8日成立の公算大、被害者に1500万円

 衆院は7日の本会議で、旧優生保護法下の強制不妊手術を巡る被害補償法案を可決しました。一連の訴訟に参加していない人らが対象で、手術を受けた本人に1500万円、配偶者に500万円の補償金を支払います。併せて被害者に対する謝罪や差別の根絶を決議しました。法案は参院に送付され、8日の本会議で成立する公算が大きくなっています。

 法案は旧優生保護法を違憲とした7月の最高裁判決を受け、超党派の議員連盟がまとめました。2019年施行の一時金支給法は、手術を受けた本人のみに一律320万円を支払う内容だったのに比べ、金額や対象を拡大しました。

 前文には「国会および政府は、憲法に違反する立法行為と執行の責任を認め、心から深く謝罪する」との文言を盛り込みました。本人や配偶者が死亡した場合、補償金は子や孫、兄弟姉妹といった遺族が受け取れます。旧優生保護法に基づく人工妊娠中絶手術を強いられた人には、一時金として200万円を支給します。

 被害者側が請求し、期限は法施行から5年。訴訟を経ないで迅速に対応するため、こども家庭庁に設ける審査会で被害を認定します。

 2024年10月7日(月)

2024/10/06

🟪コンゴでエムポックスワクチンの接種開始

 世界保健機関(WHO)は5日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)で、天然痘に似た症状の感染症「エムポックス(サル痘)」のワクチン接種が始まったと発表しました。WHOが8月中旬に宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の改善につながるか注目されます。

 コンゴは接種の態勢が整っていなかったものの、緊急事態宣言後、アメリカやヨーロッパ連合(EU)が計26万5000回分のワクチンを無償供与しました。医療従事者の研修、ワクチンの保管・輸送設備などの面でWHOの支援も得て、実施にこぎ着けました。

 5日は東部の北キブ州で接種がスタート。コンゴ保健当局は医療従事者や感染者と接触があった人々を対象に、ワクチンを提供していきます。

 WHO高官は接種開始が「ウイルス拡散の抑制と地域社会の安全確保に向けた重要な一歩になる」と意義を強調しました。

 日本政府もワクチン提供でコンゴ政府と合意しています。アフリカでは今年、コンゴを中心に16カ国で、疑い例を含め3万4000件以上の感染が判明し、800人以上が死亡しています。

 2024年10月6日(日)

2024/10/05

🟪埼玉県の10歳代男性、はしかに感染 県内では3年3カ月ぶり

 埼玉県は、県内に住む10歳代の男性がはしかに感染したと発表しました。

 男性は海外への渡航歴はなく、県内で感染した可能性もあり、県は注意を呼び掛けています。

 県感染症対策課によりますと、はしかの感染が確認されたのは県内に住む10歳代の男性です。男性は9月20日に発熱し、その後、発疹などはしかの症状が現れたといいます。男性は後日、医療機関を受診し入院。現在は、症状が改善したため退院し、自宅で療養しています。

 1日に県衛生研究所で検体を採取しPCR検査を実施。3日にはしかの陽性反応が確認されました。

 男性は海外への渡航歴はなく、感染源が不明で県内で感染した可能性もあるということです。

 また、男性と接触があった人たちについても健康観察を行っているものの、これまでのところ、発症した人はいないということです。

 今年、県内ではしか患者が確認されたのは初めてで、発生は約3年3カ月ぶりです。

 埼玉県は「はしかは感染力が強いので感染が疑われる場合は医療機関を速やかに受診してほしい。また、感染を広げないよう公共交通機関の利用などは控えてほしい」としています。

 2024年10月5日(土)

2024/10/04

🟪東京都内のマイコプラズマ肺炎患者数、前週に続き過去最多更新

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の東京都内の患者数が、前の週に続いて過去最多を更新し、都は、こまめな手洗いやせきエチケットの徹底を呼び掛けています。

 マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛まつや接触で広がり、感染すると発熱や全身のけん怠感や頭痛、せきといった症状がみられるほか、一部の人は肺炎が重症化したり、発熱で衰弱したりして入院するケースがあるほか、まれに脳炎を起こすこともあります。

 都は3日、マイコプラズマ肺炎の9月29日までの1週間の1医療機関当たりの患者数が2・96人になったと公表しました。

 これは過去最多となった前の週の2・80人を上回っていて、2週続けて過去最多を更新したこととなります。

 都は、こまめな手洗いやせきエチケットの徹底を呼び掛けるとともに、せきが長引くなどの症状がある場合は、医療機関を受診するよう呼び掛けています。

 日本マイコプラズマ学会の理事を務める杏林大学の皿谷健教授は、感染の拡大について。「コロナ禍の3年半はマイコプラズマの患者が非常に少ない状態だったが、昨年の行動制限の解除を機に手洗いやマスクといった感染対策が緩やかになったことなどから感染が急拡大していて子供だけでなく大人が家庭内感染する例も目立っている」と指摘しています。

 その上で、「私が所属する大学病院でも毎日数人の感染者が発生しているほか、感染者のおよそ5%は新型コロナなどほかの呼吸器疾患にも感染している状態だ」と話していました。

 また、マイコプラズマ肺炎の症状などについて、「初期症状風邪と似ていて診断は難しいが、強いせきや高熱が3日以上続けばマイコプラズマの感染が疑われる。個人でできる対策は、手洗いやマスクの着用、具合の悪い人がいたら距離をとる、といった基本的な対策の徹底が重要だ」と話していました。

 2024年10月4日(金)

2024/10/03

🟪重症の糖尿病患者にiPS細胞を用いた膵島細胞シート移植、京大病院が治験へ 来年1月に患者登録開始

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いて膵臓(すいぞう)の細胞が正常に働かない重症の1型糖尿病を治療する臨床試験(治験)について、京都大病院は2日、来年1月に開始すると正式に発表しました。

 対象となるのは血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されなくなり、「 膵島(すいとう)移植」の適応となる20歳以上65歳未満で、5年以上前に1型糖尿病と診断されるなどした患者3人。

 計画では、健康な人のiPS細胞から数センチ四方の膵島細胞のシートを作って患者の腹部の皮下に複数枚を移植し、5年間経過を観察して安全性などを確認します。来年1月に患者の登録を始め、2月に1例目の移植を行うとしています。

 医薬品医療機器法では、届け出から30日が経過しないと治験を始められないと定められています。京都大病院は9月2日、治験の審査などを担う独立行政法人・医薬品医療機器総合機構に計画書を提出していました。

 参加を希望する患者からの問い合わせは、京都大病院のホームページで受け付けます。

 治験責任医師の矢部大介教授は、「まずは安全性を評価する治験だが、参加を希望される方はご連絡いただきたい」としています。

 2024年10月3日(木)

2024/10/02

🟧海洋温暖化の速度は2005年以来2倍に EU報告

 人類が原因となった地球温暖化の影響で、2005年以降、海水温の上昇速度がほぼ倍増しているとするヨーロッパ連合(EU)の地球環境モニタリング計画「コペルニクス」の報告書が9月30日、発表されました。

 報告書は、地球表面の約70%を覆い、気候の主要な調整役を果たす海洋に対する温暖化の影響を強調しています。

 コペルニクスの海洋学者カリーナ・フォン・シュックマン氏によると、1960年代から海洋の温暖化は継続的に進んでいますが、2005年以降急激に加速しているといいます。

 過去20年間で、温暖化のペースは1平方メートル当たり0・58ワットから1・05ワットにほぼ倍増しました。

 調査結果は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、人類の排出する温室効果ガスによる長期的な海洋の加熱について述べた内容と一致しています。

 IPCCによると、1970年以降、二酸化炭素やその他の温室効果ガスの放出によって大気中に閉じ込められた余分な熱の約90%が海に吸収されています。

 温暖化した海洋は、地球全体の気象パターンや降雨の位置に影響を与えることで、嵐やハリケーン、その他の極端な気象現象を引き起こしています。

 2024年10月2日(水)

2024/10/01

🟧東工大・東京医科歯科大が統合、「東京科学大」発足 世界トップクラスを目指す

 東京工業大と東京医科歯科大が統合して1日、東京科学大が誕生しました。国立大の統合は、2007年に大阪大が大阪外国語大と統合して以来。東京科学大は、国立大学法人の経常収益でみると東京大や京都大などに次いで7番目の規模となり、世界トップクラスの科学系総合大学を目指します。

 経営を担う大竹尚登理事長(旧東工大教授)と、教育・研究を束ねる田中雄二郎学長(旧医科歯科大学長)の2トップ体制をとります。大学本部は東京都目黒区の旧東工大に置き、当面は旧2大学の学部名や定員を存続させます。学生数(学部生と大学院生)は旧東工大が計約1万人。旧医科歯科大が計約3000人。

 大竹理事長と田中学長が1日午後に記者会見します。

 旧東工大は理工系分野で、旧医科歯科大は医学分野で、それぞれ国内トップクラスの研究力を誇ります。両大学とも世界最高水準の教育研究活動を期待され、国から規制緩和などの特例を受ける「指定国立大」でした。

 それでも欧米の理科系有力大と比べて、予算規模や引用の多い論文数などで、大きく水を空けられています。こうした状況を打開するため、「医工連携」を深めるなどして世界と戦える力を持ちたいと、統合を決断しました。

 相乗効果を生み出すには、異なる文化の中で過ごしてきた両大学の教職員や学生が、スムーズに融和できるかがポイントになります。学生は机を並べて学び、研究者は協力して一つのテーマに挑戦するなど、大学として意識的に双方の出身者が集う場を作ることが必要です。

 新大学の試金石となるのが、近く2度目の公募が予定されている「国際卓越研究大学制度」です。認定されれば、政府が作った10兆円規模の「大学ファンド」の運用益から、毎年数百億円を受け取ることができます。研究設備を充実させ、国内外から優秀な研究者を集めることで、新大学の起爆剤となります。

 統合について環境・社会理工学院の2年生の女性は、「名称が変わるのは寂しいが、医工で連携する効果には期待している」。大学院医歯学研究科の博士課程の男性は、「旧東工大の研究者を通じてメーカーなど他職種の人と接点を持つことができれば、勉強になることが多いと思う」と話しました。

 旧東工大は1881年設立で理、工など6学院(学部に相当)。医科歯科大は1928年設立で、医、歯の2学部。

 2024年10月1日(火)

🟪低炭素のクリーンエネルギー、2030年代の主役に 国際エネルギー機関予測、石油は減少

 国際エネルギー機関(IEA)は16日、2024年版の「世界エネルギー展望」を公表しました。太陽光など再生可能エネルギーの普及により、2030年代半ばに原子力を含む低炭素のクリーンエネルギーが「最大のエネルギー供給源になる」との予測を示しました。一方、世界の石油需要は2030年...