2024/12/22

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針です。

 国は2008年度から、全国の小学5年生と中学2年生を対象に50メートル走やボール投げ、反復横とびなど8つの項目で体力や運動能力を調べていて、今年度は約185万人が対象となりました。

 この中で、8項目の成績を80点満点で数値化した「体力合計点」の全国平均は、中学生の男子では昨年度より0・5ポイント上がって41・7で新型コロナの感染拡大前の2019年度の成績を上回りました。

 特に「長座体前屈」や「立ち幅跳び」では調査開始以来、最もよい成績となったほか、「50メートル走」は7秒99で6年ぶりに8秒を切りました。

 また、中学生の女子は昨年度より0・1ポイント上がり47・2とほぼ横ばいとなっています。

 一方で、小学生の合計点は、男子が0・1ポイント下がって52・5、女子が0・4ポイント下がって53・9で、依然として新型コロナの感染拡大前よりも低い水準で推移しています。

 特に女子は、「上体起こし」以外のすべての項目で下がっているか横ばいとなっていて、合計点は過去最低となりました。

 また、生活習慣についてのアンケートでは、学習以外でスマートフォンやテレビなどを1日3時間以上見る割合が小中学生ともに昨年度より増え、小学生では男子が44・1%、女子が38・7%と、いずれも約2ポイント増加しています。

 これについてスポーツ庁は、スマートフォンなどを見る時間はコロナ禍で増加に拍車がかかり、今後もこの傾向は続いていくと分析していて、日常生活で運動の機会を増やす取り組みに力を入れたいとしています。

 調査結果の分析にかかわった子供のスポーツ学が専門の中京大学の中野貴博教授は中学生の男子が新型コロナの感染拡大前の成績に戻った一方で、小学生では依然、低い水準となっていることについて、「コロナ禍で、体を動かす遊びは制限されてしまっていたが、今の中学生はコロナ禍より前にいろいろな遊びを経験している。一方で今の小学生は、生活習慣を確立する小学校中期までの時期に新型コロナの感染拡大が直撃したので、その影響が残っている可能性がある」と分析しています。

 また、子供たちの運動の課題として全力を出し切ることができない児童や生徒が見られることを挙げ、「学校現場を回っていると、全力を出し切る前にやめてしまったり、全力を出す機会そのものが減っていたりする。それは一瞬の力を使う握力や、持久力のテスト結果にも影響していると推測される。教員の雰囲気や声掛けでも変わると思うし、思い切ってやってみた時の爽快感が子供に伝われば、変化が出てくると思う」と指摘しました。

 2024年12月22日(日)

2024/12/21

🟪インフルエンザの患者数が注意報の基準を超える 新型コロナと同時に流行ピークの恐れも

 インフルエンザの感染状況について、厚生労働省は20日、全国約5000の定点医療機関から9〜15日の1週間に報告された感染者数が1医療機関当たり19・06人だったと発表しました。前週(9・03人)と比べ2・11倍に急増し、「注意報」の基準の10人を超まし

た。

 都道府県別では、大分県が37・22人で最も多く、次いで福岡県の35・40人、鹿児島県の29・00人でした。東京都は17・36人、大阪府は21・79人などと、42都道府県で注意報の基準を上回りました。

 新型コロナウイルスは1医療機関あたり3・89人で、前週(3・07人)の1・27倍となり、3週連続で増加しました。

 日本感染症学会の石田直・インフルエンザ委員長は。「年明け以降、インフルエンザとコロナが同時期に流行のピークを迎える恐れがある。ワクチン未接種の人は年内に打つことを検討してほしい」と話しています。

 2024年12月21日(土)

2024/12/20

🟪PFAS、来年春に検査義務化を 自民党が緊急提言案

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を巡り、自民党環境部会などが来年春をめどに代表物質の2種類を現在の暫定目標値から水道法の「水質基準」に格上げし、水質検査や濃度が一定の数値を超えた場合の対応を水道事業者に義務付けるよう政府に求める緊急提言案をまとめたことが20日、明らかになりました。

 代表物質のPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)は暫定目標値のため、基準を超えても対応は努力義務にとどまります。そのため水質検査を実施していない水道事業者もあり、基準化により「100%の検査と基準順守を図る」ことを訴えます。政府も水質基準に格上げする方向で、有識者会合で議論しています。

 政府はPFAS汚染の実態を把握するため、大規模な水道事業のほか小規模な簡易、専用水道を対象とした初の全国調査を実施。専用水道の結果は未公表ですが、環境省によると、2024年度は富山県を除く46都道府県の332水道事業で検出されました。基準値超えは確認されませんでした。

 2024年12月20日(金)

2024/12/19

🟪アメリカ初の鳥インフルエンザ重症患者、南部ルイジアナ州で報告

 アメリカ疾病対策センター(CDC)などは18日、南部ルイジアナ州在住の高齢者1人が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染し、重症だと発表しました。鳥インフルエンザのパンデミック(世界的な大流行)への懸念が高まる中、アメリカ国内で人の重症例が報告されたのは初めて。

 アメリカで今年4月以降に報告された鳥インフルエンザの感染者数は、これで61人となりました。これまでの感染者はいずれも軽症で、自宅療養していました。

 CDCによると、ルイジアナ州の患者は裏庭で病気になったり死んだりした飼育中の鳥と接触していました。

 ルイジアナ州保健局は、「患者はH5N1感染に関連する重度の呼吸器疾患を患っており、現在入院している。重篤な状態だ」と明らかにしました。患者は基礎疾患を有し、65歳以上だといいます。

 カナダ西部ブリティッシュコロンビア州でも11月に、10歳代の重症患者が入院。この患者とルイジアナ州の患者のウイルスは、いずれも遺伝子型が「D1・1」で共通しています。

 こうした中、アメリカで最も人口が多く、感染者61人のうち34人が報告された西部カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は18日、非常事態を宣言し、州の監視態勢を強化し、農業部門を支援すると表明しました。

 2024年12月19日(木)

2024/12/18

🟪アメリカ・ニューヨーク大、ブタの腎臓を人に移植 3例目、患者は退院し透析離脱

 アメリカのニューヨーク大学ランゴーン医療センターは17日、遺伝子を改変したブタの腎臓を53歳の女性患者に移植することに成功したと発表しました。患者の治療を目指した腎臓の異種移植は3例目で、前の2人は移植から2カ月前後で死亡しており、現在、世界で唯一の異種移植を受けた生存者だとしています。

 アラバマ州出身のトワナ・ルーニーさんは、1999年に母親に腎臓一つを提供しましたが、数年後、妊娠合併症のため、残りの腎臓が機能しなくなりました。

 動物の臓器を人に移植する異種移植は長年、実現が困難とされてきたものの、遺伝子改変と免疫管理の進歩により、夢の医療ではなくなってきており、中でも近年、ブタは理想的なドナー候補と見なされています。

 妊娠高血圧腎症により慢性腎臓病を患っていたルーニーさんは、2016年12月から8年間、人工透析を受けてきました。

 腎臓移植待機リストに入れられていましたが、適合する腎臓がなかなか見付からずにいました。有害な抗体レベルが異常に高いため、拒絶反応が起きるのはほぼ間違いなく、一方で、透析の継続に必要な血管の条件が悪くなってきたため、健康状態が悪化していました。

 選択肢が尽きたルーニーさんは、ブタの腎臓移植の臨床試験に参加することを申請。11月25日に7時間におよぶ手術を受けました。

 ルーニーさんは12月6日に退院。体調はよく、人工透析をやめられたといいます。記者会見に臨んで、「この贈り物、第2の人生のチャンスを受け取ることができて、とてもうれしい」と語り、「元気いっぱいです。食欲もあるし…もちろん、トイレにも行ける。8年間行けなかったのに!」と笑い、「ディズニー・ワールド」でお祝いする予定だと付け加えました。

 遺伝子改変されたブタの腎臓が脳死状態ではない人に移植されたのは、ルーニーさんで3人目。

 1人目の患者は、手術から2カ月後に亡くなり、2人目は回復の兆しを見せていたものの、47日後に移植した腎臓を取り出す必要に迫られ、その後、亡くなりました。

 しかし、ルーニーさんの場合は移植を受ける前に末期状態ではなかったと、手術を主導したロバート・モンゴメリー医師は指摘し、過去のそれぞれの事例が重要な教訓となり、技術が洗練したと強調しました。

 ルーニーさんに提供されたブタの腎臓には、人体との適合性を高めるため10個の遺伝子改変が施されており、その中には、宿主の拒絶反応を防ぐのに役立つ胸腺も含まれています。

 2021年に脳死患者に遺伝子改変されたブタの臓器移植を世界で初めて行った異種移植の先駆者、モンゴメリー医師は、いずれの技術についても「おそらく来年の今ごろか、もっと早く」正式の臨床試験が行われる可能性が高いとの見方を示しました。

 2024年12月18日(水)

2024/12/16

🟪2023年の青森県がん死亡率、20年連続全国最悪

 人口10万人当たり何人ががんで死亡したかを表す青森県の75歳未満年齢調整死亡率が、2023年は86・1(前年比2・1ポイント悪化)となり、20年連続で47都道府県中最も悪かったことが13日、国立がん研究センター(東京都中央区)のまとめでわかりました。

 男女ともに数値が悪化し、全国平均との差が拡大しました。主要部位のうち、大腸がんは2・7ポイント悪化の14・4で全国ワースト。肺がんと乳がんはほぼ横ばいだったものの、前年に続き最下位となりました。

 男女計の死亡率86・1は、全国平均の65・7と比べ20・4ポイント高く、2022年の16・6ポイント差からさらに大きく開きました。

 男女別では、男性が105・7(前年比4・4ポイント悪化)、女性が69・6(同0・2ポイント悪化)。男性は20年連続、女性は12年連続で都道府県別順位がワーストでした。

 部位別では、肺がんが0・1ポイント改善の16・1、乳がんが横ばいで13・6。肝がんは0・3ポイント増の4・3、前立腺がんは0・8ポイント増の3・2で悪化しました。一方、胃がんは1・0ポイント減の7・7、食道がんは0・2ポイント減の3・0、子宮がんは1・4ポイント減の6・9、卵巣がんは1・3ポイント減の3・5と改善しました。

 都道府県別順位は、子宮がんと食道がんが2022年に引き続きワースト(47位)。前立腺がんは前年の39位から47位、肝がんは31位から43位に順位を下げました。胃がんは変わらず45位でした。卵巣がんは38位から14位に順位が大きく改善しました。

 2006〜2021年まで16年連続全国ワーストだった大腸がんは、2022年は46位と改善したものの、2023年は再びワーストに。大腸がんのうち、結腸がんの死亡率が9・4(同2・7ポイント悪化)となり、全国順位も前年の37位から47位に下がりました。

 青森県健康医療福祉部の守川義信部長は、「数値がよくなっている部位もあるが、全体として数値が悪くなっていることや、特に下部消化管のがんが悪くなっていることは重く受け止めている。本年度から始めたがん精密検査の受診費用補助を活用してもらうとともに、さらに検査を受けやすい仕組みを考えていきたい」と話しました。

 2024年12月16日(月)

2024/12/14

🟪新型コロナ感染者2週連続で増加 前週比1・27倍 

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、12月8日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が3・07人と、2週連続で増加しました。厚生労働省は「例年、冬は感染が拡大する傾向にあり、引き続き基本的な感染対策を徹底してほしい」としています。

 厚労省によりますと、12月2〜8日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から3218人増えて、1万5163人となりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は3・07人で、前の週の1・27倍となりました。

 都道府県別では、多い順に秋田県が9・31人、北海道が9・27人、岩手県が8・21人、青森県が6・03人、山梨県が6人などとなっていて、少なかったのは沖縄県0・80人、鹿児島県0・84人、和歌山県0・88人など。岩手県、秋田県、大阪府、和歌山県を除く43の都道府県で、前の週より増加しています。

 12月8日までの1週間に、全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1658人で、前週の1・17倍、前々週の1・46倍と増加。11月初頭の1・93倍となっています。

 厚生労働省は全国の流行状況について、「例年、冬は感染が拡大する傾向にあり、引き続き、手洗いやうがい、せきエチケットなどの基本的な感染対策を徹底してほしい」と呼び掛けています。

 2024年12月14日(土)

2024/12/13

🟪インフルエンザ感染者、1医療機関当たり9・03人に 全都道府県で増加

 厚生労働省は13日、全国約5000カ所の定点医療機関から直近(12月2〜8日)の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が、1医療機関当たり9・03人(前週4・86人)だったと発表しました。増加は7週連続で、全都道府県で前週より増えました。

 都道府県別では、福岡県が20・3人(前週11・43人)となり、3週連続で最多。次いで、大分県が13・41人(同6・91人)、千葉県が13・23人(同8・18人)の順となりました。全国の計1402施設で学校などの休校や学年・学級閉鎖がとられました。

 一方、直近1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は1医療機関当たり3・07人で、前週の2・42人から増加しました。

 2024年12月13日(金)

2024/12/12

🟪神奈川平塚市の特養ホームで49人が新型コロナ集団感染、90歳代の3人死亡

 神奈川県平塚市東八幡の特別養護老人ホーム「ローズヒル東八幡」で12月に入って新型コロナウイルスの集団感染が発生し、9日までに90歳代の男女3人が死亡していたことがわかりました。感染者は入所者96人のうち34人と職員15人の計49人に上ったものの、現在は収束に向かっているといいます。

 特養を設置・運営する同市の社会福祉法人「つちや社会福祉会」によると、最初の感染が確認されたのは1日。その後、1日5、6人のペースで増加しました。連絡を受けた県平塚保健福祉事務所が6、9日に立ち入り調査を実施し、集団感染に至った原因などについて特定を進めています。

 同法人によると、特養では利用者、職員ともに通常はマスクを着用して生活しているといいます。事態を受け、水島圭一理事長(54)は「施設内での集団感染防止に万全を期してきたが、防ぐことができず申し訳ない。今後、行政機関の指導に基づき、再発防止に最大限の努力をする」としました。

 神奈川県のまとめによると、新型コロナの県内の発生状況は7月下旬をピークに減少を続け、11月末にやや増加しています。県内366カ所の定点医療機関で7月22〜28日の1週間は3902人(1医療機関当たり10・66人)の感染を確認。11月25日〜12月1日は、前週比191人増の681人(同1・86人)でした。

 2024年12月12日(木)

2024/12/11

🟪埼玉県越谷市が全AEDをオートショック型に 県内初、初動の迅速化で救命率上昇を期待

 埼玉県越谷市は12月、市が設置したすべての自動体外式除細動器(AED)を、電気ショックが自動で始まる「オートショック型」に切り替えました。市によると、自治体が設置したAEDをすべて同タイプにするのは越谷市が県内で初めて。自動化により救助者の心理的負担が減り初動が早くなることで、救命率の向上が期待できるとしています。

 市消防局によると、オートショック型は急病人を見付けた救助者が機器を体にセッティングすれば、電気ショックが必要なケースでは自動で作動するタイプ。ガイダンス後に音声アナウンスで「電気ショックを行います。離れてください」と流れ、その間に急病人の体に触る必要はなく、カウントダウンが終わった後に電気ショックが始まります。

 市は12月、既存のAEDをオートショック型に切り替え、新たに50台の同タイプを増設。228台のAEDがすべてオートショック型になりました。

 担当者によると、従来タイプは作動ボタンを救助者が押さなければならず、「助からなかったら自分の責任になるのでは」「AEDを使ったらかえって悪化するのでは」という心理的負担があり、使用をためらい使用が遅れる可能性があると指摘されています。オートショック型なら電気ショックをすべきかどうかを判断するのは機器で、自動作動することで迅速な対応ができます。

 市は2006年、市役所などの公共施設や市立の小中学校にAEDの設置を始め、その後、リース契約の更新に合わせて、一部のコンビニエンスストアなどにも増設をしてきました。

市が消防庁のデータなどを調べた結果、市内で従来のAEDの処置を受けた人で社会復帰したのは約50%だといいます。

 2024年12月11日(水)

2024/12/10

🟪エムポックスの治療薬、国内で初承認へ アフリカ中央部で流行

 エムポックス(サル痘)の治療薬として、j厚生労働省の専門家部会は6日、抗ウイルス薬「テコビリマット」(商品名テポックス)の国内での製造販売の承認を了承しました。承認されると、国内で初のエムポックスの治療薬となります。

 テコビリマットは飲み薬で、ヨーロッパでは天然痘やエムポックスの治療薬として承認されています。国内では日本バイオテクノファーマ(東京都中央区)が承認申請しました。専門家部会では、エムポックスのほか、天然痘や牛痘などに対する治療薬として了承されました。感染症危機対応として国が備蓄することも検討しているといいます。

 エムポックスは発疹や発熱などの症状が出る感染症で、感染者の体液や使用した寝具類などを介した濃厚接触がある場合に感染するとされます。世界保健機関(WHO)はエムポックスについて、今年8月、2022年に続いて2度目の「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、現在、アフリカ中央部を中心に流行が広がっています。

 国内では2022年7月に最初の患者が報告され、これまでに252人(6日時点)が報告されています。

 2024年12月10日(火)

2024/12/09

🟪リンゴ病流行、妊婦感染で流産などの恐れ 産婦人科感染症学会が注意喚起

 風邪のような症状が出た後にほおなどに赤い発疹が出る「伝染性紅斑」、いわゆる「リンゴ病」の患者が関東を中心に増えていることを受けて、日本産婦人科感染症学会は妊婦が感染すると流産や、胎児に異常が起きる恐れがあるとして、感染対策を呼び掛けています。

 「伝染性紅斑」、いわゆる「リンゴ病」はウイルス性の感染症で、風邪のような症状が出た後、ほおなどに赤い発疹が出るのが特徴です。

 主に子供を中心に流行しますが、過去に感染したことがない妊婦が感染すると流産や死産につながったり、胎児に異常が起きたりする恐れがあります。

 リンゴ病の患者がこの秋から関東を中心に増加していることから、日本産婦人科感染症学会は、妊婦に感染対策を呼び掛ける注意文を公表しました。

 注意文によりますと、妊婦が初めてリンゴ病に感染した場合、6%で流産や死産などにつながるほか、4%で胎児貧血や胎児水腫といった異常が起きるとしています。

 また、感染した人がウイルスを広げるのはほおなどに赤い発疹が出る前の風邪のような症状の時期で、知らない間に感染した家族から感染することがあるとしています。

 その上で、せきやくしゃみによる飛まつや、感染した人と同じ食器を使うなどの接触で感染するため、手洗いやマスクの着用といった対策を心掛けるとともに、感染した人や風邪のような症状がある人との接触を避けるよう呼び掛けています。

 日本産婦人科感染症学会の理事でリンゴ病に詳しい手稲渓仁会病院の山田秀人医師は、来年にかけてさらに流行が拡大する可能性があるとした上で、「過去に感染したことがあるかどうかは検査を受けないとわからないので、まずは基本的な感染対策を徹底して予防してほしい」と話しています。

 2024年12月9日(月)

🟪11月の世界平均気温、史上2番目の高さ 14・10度、EUの気象情報機関発表

 ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は9日、今年11月の世界平均気温が14・10度で、1940年からの観測史上、2番目に高い月だったと発表しました。これまでの最高記録だった昨年11月の14・22度は下回りました。

 産業革命前と同程度とされる1850〜1900年の11月の推定平均気温と比べ、1・62度高くなりました。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」では、年ごとの変動を除いた世界の平均気温の上昇幅を1・5度に収めることが目標ですが、達成は困難な情勢です。

 コペルニクス気候変動サービスは2024年の世界平均気温について、過去最高になるとの見通しを示しています。

 2024年12月9日(月)

2024/12/08

🟪梅毒の匿名検査で「陽性」なのに「陰性」と告知ミス 札幌市、連絡先わからず

 札幌市西保健センター(西区)は11月1日に梅毒の検査を受けた27歳の女性に対し、結果が「陽性」だったにもかかわらず誤って陰性と通知していたことがわかりました。検査は匿名で行われていて女性と連絡がとれないことから、心当たりのある人は連絡するよう呼び掛けています。

 札幌市西保健センターによりますと、11月1日、梅毒の検査を希望した27歳の女性がセンターを訪れ、検査を受けたということです。

 女性は1週間後の11月8日に再びセンターを訪れ、職員から検査結果を伝えられた際に、実際は陽性だったにもかかわらず誤って陰性と通知されました。

 陽性の人については、本来、その場で病院の紹介状などを手渡し、センターから札幌市保健所に対応結果などを報告する必要がありますが、この報告の数と検査で陽性になった人の数が合わなかったことから、女性に誤って通知したことがわかったということです。

 センターによりますと、職員の確認不足が原因だったということで、謝罪するとともに再発防止に努めるとしています。

 また、検査は匿名で行われているため、女性の名前や住所などは把握できておらず連絡がとれないことから、札幌市西保健センターは心当たりのある人に連絡してほしいと呼び掛けています。

 電話番号は、011・621・4241です。

 2024年12月8日(日)

2024/12/07

🟪インフルエンザ、流行期に入ってから4週連続で患者増加

 12月1日までに全国から報告されたインフルエンザの患者数は、1医療機関当たり4・86人で、全国的な流行期に入ってから4週連続で増加しています。

 国立感染症研究所などによりますと、12月1日までの1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は2万4027人で、1医療機関当たり4・86人と、前の週から2・5人増えています。全国的な流行期に入ってから患者数が増加するのは、4週連続です。

 都道府県ごとにみますと、福岡県が11・43人、長野県が9・07人、千葉県が8・18人、広島県が7・01人などとなっているほか、大阪府が4・91人、愛知県が4・66人、東京都が4・32人で、46の都道府県で前の週から増加しました。

 また、これらの数値から推計されるこの1週間の全国の患者数は約18万4000人となっていて、前の週に比べて2倍以上となっています。

 厚生労働省は、手洗いや、マスクの着用を始めとした「せきエチケット」、それにワクチン接種の検討などの感染対策を呼び掛けています。

 日本感染症学会の長谷川直樹理事長は、「これまでの患者数の推移からこのまま一気に数が増えて、年内にも感染のピークを迎えるのではないか」と指摘し、「インフルエンザワクチンは、効果が出るまで接種してから2週間ほどかかることを踏まえて接種を検討してほしい。熱やせきなどの症状があれば登校や出社を控えて医療機関を受診するほか、電車など人が密集する場所ではマスクをしたり、帰宅したら手洗いをしたりと、基本的な感染対策を心掛けてほしい」としています。

 2024年12月7日(土)

2024/12/06

🟪リンゴ病、関東1都3県で流行警報 妊婦感染で流産の恐れも

 風邪に似た症状が出てほおなどに発疹ができる「伝染性紅斑」、いわゆる「リンゴ病」の感染が広がり、関東の1都3県でいずれも警報の基準に達しています。妊婦が感染すると、流産などにつながる恐れもあることから、各地の自治体は対策の徹底を呼び掛けています。

 伝染性紅斑、いわゆるリンゴ病はウイルス性の感染症で、発熱など風邪に似た症状とほおなどに赤い発疹が出ます。

 子供を中心に流行しますが、妊婦が感染すると流産につながる恐れもあります。

 関東の各県の医療機関から12月1日までの1週間に報告されたリンゴ病の患者数は、医療機関1カ所当たりの平均で、埼玉県が3・49人、東京都が3・02人、神奈川県が2・17人、千葉県が2・1人と、いずれも国が定める基準の「2人」を超え1都3県すべてで流行警報が出ていて、東京都では過去最多となりました。

 警報基準に達するのは、千葉県では今の基準で統計を取り始めてから初めてで、埼玉県では9年ぶり、東京都では6年ぶりなどとなっています。

 また、栃木県は1・31人、群馬県は0・55人、茨城県は0・51人と、いずれも前の週より増加しています。

 リンゴ病の原因となるウイルスはアルコール消毒の効果が乏しく、各地の自治体などは、せっけんによる手洗いやマスクの着用などの感染対策のほか、妊娠中の人は感染が広がっている場所に出掛けないなどの対応をとるよう呼び掛けています。

 2024年12月6日(金)

2024/12/05

🟪点滴に市販サプリ注入し母親死亡、逮捕の息子「体調回復させようとした」

 入院中の母親の点滴に水で溶かしたサプリメントを注入し、血液に細菌を混入させて死亡させたとして、愛知県警捜査1課は4日、傷害致死容疑で、名古屋市南区堤町の無職伊藤直行容疑者(62)を逮捕しました。「やったことは間違いないが、なぜ菌が入ったかわからない」と一部否認しているといいます。

 逮捕容疑は8月8〜9日、同市内の病院で市販のサプリを水で溶かし、母親の晴代さん(85)の点滴ボトルに注射器で注入。血液内に細菌が混入し、同23日午後8時ごろ、誤嚥(ごえん)性肺炎で死亡させた疑い。

 同課によると、母親は7月上旬に脱水症状で入院。伊藤容疑者が「サプリを母親に飲ませたい」と相談したものの、医者からやめるよう忠告されていました。「体調を回復させようとした」と供述しているといいます。

 捜査関係者によると、サプリと注射器は伊藤容疑者が購入し、点滴に注入する際に細菌が混入したとみられます。8月10日、看護師が濁った点滴に気付き、病院側が県警に連絡しました。

 2024年12月5日(木)

2024/12/04

🟪香港投資ファンドが小林製薬に提訴を請求 前会長らに100億円余り

 紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを巡る一連の問題を受けて、小林製薬は、会社の株式の7%余りを保有する香港の投資ファンドから、創業家出身の前会長などに100億円余りの損害賠償を求める訴えを起こすよう、請求を受けていたことがわかりました。

 小林製薬を巡っては、積極的な経営改革を求める「アクティビスト」として知られる香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」が、11月19日時点で、小林製薬の発行済み株式の7・54%を取得しています。

 そうした中、紅麹の成分を含むサプリメントを巡る一連の問題を受けて、オアシス・マネジメントが創業家出身の前会長、小林一雅特別顧問、前社長の小林章浩取締役、山根聡社長、社外取締役4人の合わせて7人について「会社に損害を与えた」などとして、合わせて100億円余りの損害賠償を求めて提訴するよう会社側に求めていることが関係者への取材でわかりました。

 このほかにもオアシス・マネジメントは、小林特別顧問が会長職を退いてもいまだに会社の会長室を使い続けていると指摘した上で「経営陣は、創業家依存からの脱却を進める意思があるのか疑わしい」などと主張し、一連の問題の再調査と、新たな社外取締役の選任を求める株主提案を行っています。

 投資ファンド側の要求が強まる中、小林製薬がどう対応するかが焦点です。

 2024年12月4日(水)

2024/12/03

🟪肥満治療薬「ゼップバウンド」製造販売を承認 美容・ダイエット目的の不正使用で世界的に一時品薄

 厚生労働省の専門家部会は2日、アメリカの製薬大手イーライリリーが開発した肥満症治療薬「ゼップバウンド」について、製造販売の承認を了承しました。2月に肥満症としては約30年ぶりの新薬となる、デンマークの製薬大手ノボノルディスクファーマの「ウゴービ」が発売されており、治療の選択肢が広がることになります。

 ゼップバウンドは注射薬で、食欲を抑え、体重減少の効果があります。肥満症と診断され、高血圧や脂質異常症の持病があるなど、一定の条件を満たす患者が対象となります。日本人を対象とした臨床試験では、高用量での投与を週1回、72週続けたグループの体重が平均22・7%減少しました。

 イーライリリーは、同じ成分の薬を2型糖尿病の治療薬としてすでに販売していますが、世界的な需要増に加え、美容・ダイエット目的での不適切な使用も相次ぎ、一時、品薄状態となっていました。

 専門家部会では、遺伝性の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の治療薬「クアルソディ」の製造販売承認も了承されました。ALS患者の約2%を占める遺伝子変異がある患者が対象。筋力低下を招く有害なタンパク質の生成を抑える効果が期待されます。

 2024年12月3日(火)

2024/12/02

🟪今日からマイナ保険証に「一本化」、従来の健康保険証も最長1年有効

 現行の健康保険証は2日に新規発行が停止され、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に原則として移行します。混乱を回避するため、従来の健康保険証は2025年12月1日までの最長1年間使用できます。マイナ保険証の利用は低迷しており、円滑な移行には今後、利用の促進をどこまで図ることができるかが課題となります。

 マイナ保険証の利用登録は、10月時点で7747万人が手続きをすませています。全国の医療機関や薬局の92%(9月時点)がマイナ保険証に対応します。

 従来の保険証の使用は、市区町村が運営する国民健康保険と後期高齢者医療保険では来夏までが基本で、会社員らが入る健康保険組合や全国健康保険協会は最長の1年間になります。

 従来の健康保険証の期限切れ前に、マイナ保険証を持っていない人や、マイナンバーカードを保険証として利用登録していない人には、申請しなくても健保組合などから「資格確認書」が交付されます。病院で提示すれば、従来の健康保険証と同じように保険診療を受けられます。

 マイナ保険証を使った場合、本人が同意すれば、医師は病院の受診歴や処方薬の履歴を確認できます。従来は新規加入や転居・転職時に新たに健康保険証を発行してもらう必要がありましたが、マイナ保険証は継続して利用できるメリットもあります。

 ただ、他人の情報がひも付けられたトラブルなどの影響で、マイナ保険証の利用率は10月時点で15%にとどまっています。高齢者を中心に不安を抱く人が多く、政府は国民の不安 払拭(ふっしょく)に向け、利便性の理解につながる情報提供に力を入れる方針です。

 2024年12月2日(月)

2024/12/01

🟪イギリス議会下院「安楽死」法案、予想外の大差で賛成多数 余命6カ月未満の18歳以上対象

 イギリス議会下院(定数650)で11月29日、終末期患者の「安楽死」を認める法案を巡る1回目の採決が行われ、賛成多数で法案審議が次の段階に進むことになりました。2015年に同様の法案が提出された際は反対多数で廃案となりました。世論は安楽死容認派が多く、法制化されるかどうか注目が集まっています。

 法案は議員立法の形で、与党・労働党の議員が提出しました。余命6カ月未満の18歳以上の患者が、医師から処方された薬物を服用して命を絶つことを認めます。患者の明確な意思があることなどを2人の医師が確認した上で、裁判官が最終的に判断します。

 賛否が拮抗(きっこう)するとの見方もありましたが、採決の結果は賛成330、反対275。イギリス国民の間では安楽死を受け入れる考えが広まっている模様で、調査会社ユーガブが11月19、20日に実施した世論調査では法案への賛成は73%で、反対は13%でした。

 一方、採決前の討論では、家族などに負担をかけたくないとの思いから安楽死を選ぶ人が増えるといった反対意見が出ました。今後の審議で条文は修正される可能性があり、下院での法案採決は来年になる見通し。法案成立には上院に当たる貴族院も通過する必要があります。

 安楽死には、医師が患者に薬物を投与する「積極的安楽死」もあります。イギリスBBCによると、安楽死はオランダやベルギー、スペイン、カナダ、アメリカの一部の州などで合法化されています。

 ロンドン中心部のイギリス議会の前では、議員たちに自らの声を直接届けようと、法案に賛成と反対、それぞれの立場をとる合わせて数百人が集まりました。

 賛成派が掲げたプラカードには「幸福な人生には、幸福な死を」などという主張が、反対派のプラカードには「死ぬためではなく、生きるための支援を」などという訴えがそれぞれ書かれていました。

 2024年12月1日(日)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...