2024/07/31

🟧ファミリーマーㇳ、社員の卵子凍結支援 保管料3割安く、配偶者や子供も対象

 ファミリーマートは31日、卵子の凍結保管サービスを通常より安く利用できる福利厚生制度を始めると発表しました。再生医療関連事業を手掛けるセルソース(東京都渋谷区)と連携します。対象者は本社社員とその家族。毎月5500円かかる卵子の保管料が3割ほど安くなります。

 対象者は本社社員とその家族で、配偶者や子供といった2親等以内の親族を含みます。対象者はセルソースが提携する医療機関を受診し、カウンセリングや検査を受け卵子を凍結します。検査費や採卵・凍結費用は自己負担ですが、年に数万円かかる保管料を割り引きます。

 卵子の凍結は将来の妊娠に備える選択肢の1つとして、注目されています。厚生労働省は2021年度から、がん治療の前に卵子や精子などを凍結保存する「妊孕性(にんようせい)温存療法」の研究促進の補助事業を始めました。東京都も2023年度から卵子凍結にかかる費用を助成しています。

 卵子凍結を支援する企業も増えており、ユニ・チャームは7月に社員が卵子の凍結保管サービスを安く利用できる福利厚生制度を導入しました。

 2024年7月31日(水)

2024/07/30

🟧百貨店で販売のうなぎ弁当などで130人食中毒の症状 90歳代の1人死亡

 横浜市保健所は29日、京急百貨店(港南区)の食品売り場にある「日本橋鰻伊勢定」で販売された「うなぎ弁当」などを食べた計130人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、うち5人の便から黄色ブドウ球菌が検出されたと発表しました。市保健所は食中毒と断定し、百貨店内の伊勢定と百貨店内にある同じ伊勢定のレストランを営業禁止処分としました。

 市保健所によると、症状を訴えているのは10歳未満から90歳代の男女130人。多くは軽症ながら、2人が経過観察のために入院し、90歳代の女性1人が弁当を食べた後に嘔吐などの症状を発症して亡くなったといいます。女性は持病があり、市保健所は「因果関係は不明」としています。

 問題になっているのは、24日から25日に地下1階の食品売り場で販売された「うなぎ弁当」と「うなぎかば焼き」。

 29日夜に記者会見を開いた京急百貨店と伊勢定の説明では、いずれも百貨店内で伊勢定がつくったもので、2日間で1761食を販売しました。24日は「土用の丑(うし)の日」で、地下1階の売り場の厨房(ちゅうぼう)に加えてバックヤードの厨房も使ったといいます。

 この伊勢定のマニュアルでは、弁当の製造でうなぎを焼くスタッフ以外は手袋をつけることになっていましたが、当日は盛りつけ担当のスタッフが手袋をつけずに作業していたということです。

 黄色ブドウ球菌は化のうした傷口などに多くいる細菌で、保健所は手や指に傷がある人は食品に直接触れないよう呼び掛けています。

 亡くなった女性は24日午後6時から7時ごろに弁当を食べ、深夜に救急搬送されたものの、翌日死亡したといいます。伊勢定の富田宗一郎取締役は「多数の被害者を出したことを深くおわび申し上げる」と謝罪しました。

 26日に体調不良の訴えがあり、28日午後8時までに147人から体調不良の訴えが寄せられているといいます。

 ホームページによると、日本橋鰻伊勢定は東京都中央区日本橋室町に本店があり、今回の京急百貨店内の店舗を含む6店を展開しています。

 2024年7月30日(火)

2024/07/29

🟧東京都内、熱中症の疑いで88人救急搬送 うち70歳代男性重篤

 東京消防庁によりますと、29日都内では、午後3時までに10歳から91歳までの合わせて88人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち、70歳代の男性1人が命の危険が切迫している重篤な状態、60歳代と70歳代の男性2人と60歳代の女性1人が重症、10歳代から90歳代の30人が中等症、10歳代から80歳代の54人が軽症です。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、室内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、対策を徹底するよう呼び掛けています

 茨城県のまとめによりますと、29日午後3時までに県内では、14歳から94歳までの合わせて19人が、熱中症やその疑いで医療機関に搬送されました。

 いずれも命に別状はなく、重症者はいないということです。

 2024年7月29日(月

2024/07/28

🟧ヨーロッパ医薬品庁、認知症薬の販売承認を否定 エーザイ「レカネマブ」

 ヨーロッパ連合(EU)の薬事当局のヨーロッパ医薬品庁(EMA)は26日、医薬品の科学的評価を担当する委員会が日本の製薬大手エーザイがアメリカの製薬会社バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」(商品名:レケンビ)を販売承認しないよう勧告したと発表しました。認知機能の低下を緩和する効果が副作用のリスクに見合わないと判断しました。

 レカネマブは認知症の早期段階にある患者を対象に、病気の原因とされる脳内の有害タンパク質「アミロイド・ベータ」を除去する抗体薬。臨床試験では、1年半の投与で症状悪化のペースを27%抑えられた一方、13%に脳の浮腫、17%に脳の微小出血が起こる副作用がみられました。

 アメリカや日本など6カ国・地域で承認され、日本、アメリカ、中国ではすでに販売されています。エーザイは「極めて残念だ」とコメントし、再審議を請求すると表明しました。

 委員会は、臨床試験ではレカネマブは薬効のない偽薬に比べて認知症状の進行を遅らせることはできたものの、その差は小さいと指摘しました。脳内の微小な腫れや出血がみられ、一部は重症化する上、アルツハイマー病になる危険性が高い遺伝子変異を持つ人で特に副作用が懸念されることも重視。全体として、投薬による利益は副作用のリスクを大きく上回るものではないとしました。

 2024年7月28日(日)

2024/07/27

🟧救急車で大病院に搬送、緊急性ない場合7700円以上徴収へ 茨城県が12月から

 茨城県は26日、救急車で大病院に搬送されても緊急性が認められない場合、病院が患者から7700円以上を徴収する方針を明らかにしました。12月1日から運用します。

 軽症者が安易に救急車を利用するのを減らし、病院側の負担を軽くする狙いです。同じような運用は三重県松阪市で今年6月から行われていますが、県によると、都道府県単位では全国初といいます。

 大井川和彦知事が同日の定例会見で発表しました。

 初診時にかかりつけ医の紹介状を持たず、200床以上の大病院を受診すると、患者は追加で7700円以上の「選定療養費」を負担します。しかしこれまでは救急車で搬送された場合、緊急性の有無にかかわらず徴収の対象外になっていました。

 県は選定療養費の運用を見直す理由について、緊急性が低いのに救急車を利用する事例があることや、医師の働き方改革で診療体制を縮小する医療現場の負担が懸念されるとしました。県内の23病院が対象で、12月までに緊急性を認めるかどうかの統一的な基準をつくるとしています。

 県の調査によると、救急搬送者の6割以上が25の大病院に集中し、そのうちの半数近くは軽症者といいます。大井川知事は「救急車が無料のタクシー化している。一分一秒を争う重症者のために救急搬送のリソースがとられているのは非常に大きな問題だ」と話しました。

 県は救急車を呼ぶべきか判断を迷った時は、電話相談の利用を呼び掛けています。15歳以上は「#7119」、15歳未満は「#8000」へ。

 2024年7月27日(土)

2024/07/26

🟧新型コロナ患者数11週連続増加 厚労相、夏の拡大「非常に警戒」

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、7月21日までの1週間では1つの定点医療機関当たりの平均患者数が13・62人で前の週の1・22倍となり、11週連続で増加しています。

 厚生労働省は、「増加傾向が続いていて、これまでもお盆明けが感染拡大のピークだったことを踏まえると、今後も感染者が増えることが見込まれる」としています。

 厚労省によりますと、7月21日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から1万2262人増えて、6万7334人となりました。

 また、1つの定点医療機関当たりの平均患者数は13・62人で、前の週の11・18人の1・22倍となりました。前の週から増加が続くのは11週連続となりました。

 都道府県別では多い順に、佐賀県が31・08人、宮崎県が29・72人、鹿児島県が27・38人、熊本県が27・13人、大分県が24・02人、高知県が23・32人、長崎県が23・13人、沖縄県が22・06人、愛知県が20・82人などとなっていて、鹿児島県と沖縄県を除く45の都道府県で前の週より増加しています。38の府県では、注意報基準レベルである10人を超えています。 

 7月21日までの1週間に、全国約500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は3827人で、前の週と比べて744人の増加でした。

 武見敬三厚労相は同日の閣議後会見で今夏の感染拡大について、「非常に警戒している」と話しました。

 厚労省は全国の流行状況について、「増加傾向が続いており、これまでもお盆明けが感染拡大のピークだったことを踏まえると今後も感染者が増えることが見込まれる。部屋の換気やマスクの着用や手洗いなど感染対策を徹底してほしい」としています。

 2024年7月26日(金)

2024/07/25

🟧新型コロナ中和抗体薬、160万人分を廃棄へ 厚労省が確保したものの変異で治療効果が下がる

 厚生労働省は24日、保有する新型コロナウイルス治療用の中和抗体薬について、計約160万人分を廃棄する案を専門家委員会に示し、了承されました。一般流通は行われず、国が希望する医療機関に配分してきたものの、通常の医療体制に移行したことに伴い、5月末で配分を終了したためです。今後、別の専門家部会にも諮り、最終決定します。

 廃棄されるのは、中外製薬の「ロナプリーブ」が約124万人分、イギリスのグラクソ・スミスクラインの「ゼビュディ」が約27万人分、イギリスのアストラゼネカの「エバシェルド」が約11 万人分。2021年7月以降に承認され、厚労省が必要量を確保してきました。しかし、新型コロナの変異に伴って治療効果が下がり、異なるタイプの抗ウイルス薬が優先的に使われるようになりました。

 抗ウイルス薬は不測の事態に備えて、厚労省が約435万人分の保管を続けますが、使用期限を迎えたものは順次廃棄する方針です。

 2024年7月25日(木)

2024/07/24

🟧熱中症疑い、全国で1週間に9078人病院搬送 今季2番目に多く、死者は6人

 7月21日までの1週間に熱中症で病院に搬送された人は、全国で9000人余りに上ったことが、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁によりますと、7月15日から21日までの1週間に、熱中症で病院に運ばれた人は全国で合わせて9078人で、前の1週間より2800人余り多く、今シーズン2番目に多くなりました。

 このうち、死亡した人は新潟、香川、福岡など6県の計6人で、入院が必要な「重症」や「中等症」が合わせて2768人、「軽症」が6180人でした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が5058人と、全体の5割を超えたほか、18歳以上65歳未満が3144人、7歳以上18歳未満が825人、7歳未満が51人でした。

 都道府県別では、東京都が757人と最も多く、次いで、大阪府の719人、愛知県の573人などとなったほか、北海道では314人と、前の週と比べると約3・2倍に増えました。

 また、場所別では、住宅が3380人、次いで、道路が1661人、屋外の競技場や駐車場が1301人などとなっています。

 7月21日までの累計は3万4547人で、昨年同時期に比べ3045人多くなっています。

 6月、1カ月のまとめも発表され、全国で7275人と、6月としては統計を取り始めた2010年以降、2022年の1万5969人に次いで2番目の多さとなりました。

 死亡した人は5人で、6月も65歳以上の高齢者が半数以上を占めています。

 総務省消防庁は、「6月は梅雨の期間中でも暑くなり、湿度も高かったため、熱中症の搬送が多くなったとみられる。本格的な夏を迎えるが、『熱中症警戒アラート』が発表されたら、外出を控えるほか、エアコンを使ったり、こまめに水分をとったりするなど、熱中症への対策をとってほしい」と呼び掛けています。

 2024年7月24日(水)

2024/07/23

🟧HPVワクチンの無料キャッチアップ接種、今年度末まで

 子宮頸(けい)がんなどを防ぐHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンを巡って、厚生労働省は接種の機会を逃していた女性が無料で接種できるキャッチアップ接種を実施していますが、期限が今年度末となっていることから、周知するためのキャンペーンを開始しました。

 子宮頸がんなどを防ぐためのHPVワクチンを巡っては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次いだことなどから、一時、積極的な接種の呼び掛けが中止されましたが、有効性や安全性が確認できたとして、一昨年4月、積極的な呼び掛けが再開されました。

 そして、呼び掛けを中止した期間に接種していなかった、1997年度から2007年度生まれの女性を対象に、公費で打てる「キャッチアップ接種」が実施されています。

 無料で接種できるのは来年3月末までですが、接種は3回行う必要があり約半年かかることから、期間内に終えるためには今年9月末までに1回目を受ける必要があります。

 一方で、厚労省がキャッチアップ接種の対象者に、制度を知っているか尋ねたところ、約半数が「知らない」と回答したということで、厚労省は全国の7つの大学でキャンペーンを行うなどして、周知を進めています。

 周知キャンペーンを企画した厚労省参与で、静岡社会健康医学大学院大学の溝田友里准教授は、「ワクチンを接種するかは個人の判断によるもので、周りが強制するものではなく、期限が迫っているから急いで受けなければいけないというものでありません。また、初めて接種する場合にはやはり副反応の心配もあると思いますので、スケジュールに余裕がある夏休み期間のこのタイミングに、効果とリスクについて十分に知った上で、検討していただきたい」と話しています。

 また、大学生などが住民票がない市町村で接種を希望するケースが多いことについて、「住民票がない市町村で接種を希望される場合は住民票がある市町村にまずはお問い合わせください。多くの自治体では住民票がない地域でも受けられる措置を取っているので気軽に相談してほしい」と呼び掛けていました。

 2024年7月23日(火)

2024/07/22

🟧東京都内、熱中症の疑いで80人救急搬送

 東京消防庁によりますと、22日都内では、午後3時までに3歳から97歳までの合わせて80人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち、20歳代と60歳代の男性2人が重症、10歳代から90歳代の28人が中等症、3歳から90歳代の50人が軽症です。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、室内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、対策を徹底するよう呼び掛けています。

 神奈川県によりますと、22日午後3時までに県内では45人が熱中症の疑いで搬送され、このうち4人が重症だということです。

 搬送された45人のうち、20人が65歳以上の高齢者でした

 埼玉県消防課によりますと、22日午後4時の時点で熱中症の疑いで合わせて77人が救急搬送されたということです。

 このうち中等症が19人、軽症が58人となっています。

 年代別では7歳以上18歳未満が7人、18歳以上65歳未満が30人、65歳以上の高齢者が40人となっています。

 県は、エアコンを使ったり水分をこまめに補給したりして、熱中症の対策を徹底するように呼び掛けています。

 千葉県によりますと、県内では22日午後4時までに55人が熱中症の疑いで搬送されました。

 死亡した人や3週間以上の入院が必要な重症の患者はいませんでした。

 県は、エアコンの適切な使用やこまめな水分補給など、熱中症の対策を徹底するよう呼び掛けています。

 2024年7月22日(月)

2024/07/21

🟧東京都のコロナ感染者が10週連続で増加 都医師会「昨夏のピークを上回る恐れ」

 東京都内で新型コロナウイルスの感染者が増えています。都によると、8~14日の定点医療機関当たりの感染者報告数は7・56人(前週7・14人)で、10週連続の増加となりました。都医師会は、昨夏のピークを上回る流行となる恐れがあるとして、マスクの着用や手洗いなど感染対策の徹底を呼び掛けています。

 8~14日には、都内419カ所の定点医療機関のうち416カ所から3146人の感染報告がありました。年代別では10歳代が最も多く、50歳代、40歳代が続きました。

 都内の感染者数は5月ごろから増加が続いており、都医師会の尾崎治夫会長は16日にあった定例会見で、「昨年同時期の流行状況とかなり類似している」と指摘。「5類に移行して関心が薄れているが、このペースでいくと昨夏のピークより感染者が多く出るのではないか」と危機感を示しました。

 尾崎会長は特に、猛暑が続く中で高齢者の体力や免疫力が低下しているとして、「暑さとコロナの発熱、のどの強い痛みなどが重なると、持病が悪化して重症化する可能性がある」と話しました。

 また、手のひらや口の中に水疱(すいほう)状の発疹ができる手足口病も流行が続いています。子供を中心に夏に流行する感染症で、定点当たりの患者数は前週比2・42人増の16・39人と5週連続で「警報」レベルを超えました。

 都によると、都内では例年、8~9月にかけてピークを迎えるものの、今年は異例の早さで感染が拡大しています。アルコール消毒は効きにくく、せっけんでのこまめな手洗いやマスクの着用などが有効といいます。

 コロナや手足口病患者の増加を受け、小池百合子都知事は19日の定例会見で、「熱中症にも注意し、それぞれの状況に応じて対応策を講じていただきたい」と訴えました。

 2024年7月21日(日)

2024/07/19

🟧新型コロナウイルス感染者、10週連続増加 主流は変異株「KP・3」

 厚生労働省は19日、全国約5000の定点医療機関から8~14日に報告された新型コロナウイルスの感染者数は5万5072人だったと発表しました。1医療機関当たり11・18人で、前週比1・39倍。10週連続の増加となりました。

 感染者は北海道と沖縄県を除く45都府県で前週より増加しました。都道府県別では、鹿児島県が31・75人(前週23・13人)、佐賀県が29・46人(同16・31人)、宮崎県が29・34人(同19・74人)、沖縄県が28・57人(同29・92人)、熊本県が26・33人(同18・24人)の順となっています。これまで11週連続で患者数が全国1位だった沖縄県を、鹿児島県、佐賀県、宮崎県が上回りました。

 現在、流行の主流となっているのは、広がりやすいとされる変異株「KP・3」。過去の流行でも夏に感染拡大が見られており、専門家は「第11波に入っている」との見方を強め、対策を促しています。

 流行中のKP・3は冬に多く検出されたオミクロン株「JN・1」から派生し、4~5月ごろに主流となりました。東京大の研究チームはJN・1と比べ広がりやすく、感染やワクチンによって獲得した免疫を逃れる力が強いという分析結果を発表しています。

 日本感染症学会理事長の長谷川直樹・慶応大教授(感染症学)は、「第11波に入っているのではないか。かからない、広げないことが大事だ」と指摘しています。

 厚労省は、「こまめに手洗いや消毒をし、窓を開けて室内の換気をするようにしてほしい」と呼び掛けています。

 2024年7月19日(金)

2024/07/18

🟧熱中症で病院搬送、1週間で全国の6194人 5人死亡186人重症

 7月14日までの1週間に熱中症で病院に搬送された人は全国で6100人余りに上ったことが、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁によりますと、7月8日から14日までの1週間に、熱中症で病院に運ばれた人は、全国で合わせて6194人で、前の週(9105人)より約2900人減ったものの、前の年の同じ時期(6354人)と同水準で高い数字となっています。

 このうち、死亡した人は5人、入院して集中治療の必要性のある「重症」が186人、病院への搬送を必要とする「中等症」が2156人、現場での応急処置で対応できる「軽症」が3789人でした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が3970人と、全体の6割余りを占めたほか、18歳以上65歳未満が1796人、7歳以上18歳未満が389人、7歳未満が39人でした。

 都道府県別では、東京都が725人と最も多く、次いで、埼玉県の492人、大阪府の481人、愛知県の449人、千葉県の385人などとなっています。

 また、熱中症となった場所別では、住宅が3050人、次いで、道路が1036人、工事現場や作業所などが563人などとなっています。

 気象庁によりますと、東日本と西日本では、18日から7月24日ごろにかけ、沖縄・奄美では7月24日ごろにかけて、高気圧に覆われて晴れ、猛烈な暑さとなるところがある見込みです。

 総務省消防庁は、梅雨明け前後の湿度が高い、蒸し暑い日に熱中症が増加する傾向にあるとして、適切に冷房を使用したり、こまめに水分を補給したりするほか、作業を行う時は適度に休憩するなど、熱中症への対策を呼び掛けています。

 2024年7月18日(木)

2024/07/17

🟧激辛ポテトチップス食べた都立高校の生徒14人、病院に搬送 口や胃の痛み、昨年はアメリカで死亡事故も

 16日午後、東京都大田区の都立高校で、市販されている激辛のポテトチップスを食べた多数の生徒が体調不良を訴え、14人が病院に搬送されました。生徒たちは口や胃の痛みを訴えましたが、いずれも軽症だということです。

 16日午後1時前、東京都大田区にある都立六郷工科高校で、市販されている激辛のポテトチップスを食べたという多数の生徒が体調不良を訴え、高校1年の生徒14人が病院に搬送されました。

 警視庁などによりますと、生徒たちは口や胃の痛みのほか吐き気を訴えましたが、いずれも軽症だということです。

 このポテトチップスは男子生徒が持ち込んだもので、同級生など約30人に配ったということです。

 パッケージには「18禁」「成人向け」などと書かれていて、販売元のホームページでは、唐辛子の辛味成分「カプサイシン」が入っているため、高血圧や胃腸の弱い人、それに18歳未満は食べないよう注意を呼び掛けていました。

 昨年9月には、激辛トルティーヤチップスを我慢しながら食べるSNS上の挑戦企画に参加したアメリカの少年(当時14)が死亡しており、激辛ポテトチップスの危険性が改めて浮き彫りとなりました。

 近年はSNS上で激辛料理に挑戦する企画なども多く、触発された若者がその危険性を認知せずに激辛料理を食べる例も増えているといいます。16日に体調不良を訴えた高校生らが食べた激辛ポテトチップスについても、メーカー側が「食べすぎるとおなかが緩くなる場合がある」などと注意喚起をしていましたが、そうした注意する表記が、かえって若者の挑戦心を煽った側面もありそうです。

 激辛ポテトチップスを食べて昨年9月に亡くなったアメリカの少年について、検査当局は今年5月、カプサイシンを大量に摂取し、心臓に異常が起きたことが死亡原因と報告しました。ポテトチップスには大人用で子供は食べないように注意が書かれていたが、子供も購入できる状態でした。

 死亡した少年のほかにも病気になったり、病院に搬送されたりした子供の報告があったといいます。

 日本でも、2019年7月に長野市の高校の生徒9人が、文化祭で食べた激辛料理が原因で病院に搬送された例もあるなど、各国で同様の事例が散見されます。

 農林水産省によると、カプサイシンはカプサイシノイドと呼ばれる炭素、水素、酸素、窒素からなる天然の有機化合物の一つで、唐辛子などに含まれる辛みをもたらす成分であると説明。舌の感覚神経を刺激して、辛みを感じさせ、水にはほとんど溶けず、油やアルコール、酢には溶けやすい性質を持つとしています。

 強い辛味を感じた際、多くの人が水を飲むことで対処するものの、カプサイシンは水では溶けにくく、その成分を洗い流すことはできず、「かえって逆効果」(スナック菓子を製造・販売するジャパンフリトレー)といいます。

 農水省は、カプサイシンの辛味を緩和するには乳製品が有効で、乳製品に含まれている成分が舌に接触するカプサイシンを吸着してくれるといいます。辛いものを食べる際には、ヨーグルトや牛乳などの乳製品を一緒に食べることを推奨しており、ジャパンフリトレーは「冷凍バターは、バターの乳成分と冷凍による冷却効果で辛さを和らげる」としています。

 2024年7月17日(水)

2024/07/16

🟧世界の子供のワクチン接種率、回復が停滞 国連が警鐘

 国連は15日、世界の子供のワクチンの接種率が伸びておらず、数百万人の子供たちが未接種もしくは接種が完了していない状態に置かれているとの統計を発表しました。これにより、はしか(麻しん)などが流行しやすくなると警鐘を鳴らしました。

 世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF) が公開したデータによると、2023年には84%(約1億800万人)の子供が三種混合(DTP)ワクチンの3回目の接種を終えています。DTPの3回目の接種率は各国の予防接種率を測る指標として使われています。

 これは新型コロナウイルスの流行で激減した接種率がわずかに回復した2022年と同水準で、改善傾向が止まったことを意味しています。コロナ流行以前の2019年は86%でした。

 両機関によると、2023年にDTP未接種もしくは接種が完了していない子供は2019年比で270万人増えています。

 また回復が停滞しただけでなく、1回も接種を受けていない子供の数は2019年は1280万人、2022年は1390万人だったのに対し、2023年は1450万人に増えました。

 はしか予防接種では、定期接種で1回目の接種を受けた子供の数は2023年は83%で、2022年と同レベルでした。コロナ流行前は86%でした。

 2回目の接種済みの子供はわずか74%でした。両機関は流行を防ぐには95%の接種率が必要だと指摘しています。

 UNICEFの予防接種部門トップ、エフレム・レマンゴ氏は記者らに、「流行を予防し、根絶目標を達成するには低すぎる」と話しました。

 レマンゴ氏は、2023年には30万人がはしかに感染したと指摘。これは、2022年の感染者数の3倍近くです。

 2024年7月16日(火)

2024/07/15

🟧健康と要介護の中間「フレイル」をAIが早期発見、自宅の電気使用量を分析 群馬県安中市が導入

 群馬県安中市は、加齢で心身が衰えて「健康」と「要介護」の中間の状態「フレイル」に陥っているかどうかをAI(人工知能)が早期発見するサービスを、7月から県内で初めて実施しています。

 導入したのは、中部電力のサービス「eフレイルナビ」。対象者の自宅の電気使用量を同社が30分ごとに測り、AIが分析してフレイルの可能性があるかどうかを判定します。

 市によると、フレイルになると自宅にこもりがちになり、消費電力が一定になる傾向があるといいます。eフレイルナビは、AIが使用電力から外出回数や睡眠時間なども分析します。

 市は分析結果を利用者に伝え、フレイルと判定されたら職員が訪問して体力測定を行うなど、健康状態の改善を助言します。市によると、このサービスを導入した長野県松本市などでは、住民の意識向上につながり、運動などの予防に取り組む人が増えたといいます。

 安中市は事業費184万円を今年度予算に計上。利用者は無料でサービスを受けられます。6月21日の記者会見で、大谷雄一保健福祉部長は「フレイルかどうかを早期に気付いて対策を取り、健康寿命を延ばす切っ掛けにしてほしい」と話しました。

 対象は一人暮らしの65歳以上で、要介護認定を受けていないなどの条件を満たした先着100人。希望者は、市役所か松井田支所に必要書類を持参して申し込みます。市高齢者支援課の佐藤美佳主査は、「今は不要と思っても、いつフレイルになるかわからない。元気なうちに申し込んで、早期発見につなげてほしい」と話しています。

 2024年7月15日(月)

2024/07/14

🟧脳死の診断、可能性ある患者の約3割にとどまる 厚労省調査

 脳死状態からの臓器提供を行うためには医師が「脳死」と診断した上で家族の同意を得て、法的な「脳死判定」を行う必要がありますが、厚生労働省の研究班が全国約900の医療機関を対象に調査したところ、実際に「脳死」の診断が行われたのは脳死の可能性がある患者の約3割にとどまっていたことがわかりました。

 研究班は、「脳死の診断は治療の継続を判断するために重要で、ひいては臓器提供の意思を尊重することにもつながる。診断に伴う検査など、医師の負担を軽減し、適切な診断を行うことが必要だ」と指摘しています。

 脳死状態の患者から臓器提供を実施する前には、家族の同意を得て法的な「脳死判定」を行う必要がありますが、判定に進む前に医師が「脳死」と診断した上で家族に説明を行うことが求められています。

 厚労省の研究班は、意識や呼吸がなく瞳孔が開いているほか、適切な治療をしても病状の回復が見られないなど脳死の可能性がある状態から死亡した患者のうち、実際に脳死と診断された患者の割合を調べるため、全国の大学病院や救命救急センターなど895施設を対象にアンケート調査を行い、601施設から回答を得ました。

 その結果、2022年度の1年間で脳死の可能性がある状態から死亡した患者は2978人いたのに対し、実際に診断が行われたのは923人で、約3割にとどまりました。

 このうち、家族に提供の説明が行われたのは761人で、最終的に臓器を提供したのは105人だったということです。

 研究班の代表で日本医科大学付属病院高度救命救急センターの横堀將司部長は、「診断に伴う検査や家族への説明など、医師の負担が大きく、脳死とされ得る状態の患者を積極的に診断しないケースがあるのではないか」と指摘した上で、「脳死の診断は治療の継続を判断するために重要なことだが、ひいては患者や家族の臓器提供の意思を尊重することにもつながる。医師の負担を軽減して、適切な診断を行うことが必要だ」と話しています。

 2024年7月14日(日)

2024/07/13

🟧エーザイの認知症薬「レカネマブ」、香港とイスラエルで新薬承認を取得

 エーザイは11日、アメリカのバイオジェンと開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」が香港衛生署から新薬承認を取得したと発表しました。承認はアメリカと日本、中国、韓国に続き5例目となります。

 2024年8月中の発売を見込んでいます。まずは保険外の適用での発売を予定し、価格はアメリカや日本、中国の薬価を踏まえてエーザイが決めます。

 エーザイによると、香港では70歳以上の9・3%、85歳以上の32%が認知症患者に該当します。認知症患者のうち約7割がアルツハイマー型認知症と報告されています。

 レカネマブはアルツハイマー病の症状の進行を抑える効果が認められています。ヨーロッパやイギリスなど13カ国・地域で承認申請をしています。

 エーザイは12日、アメリカのバイオジェンと開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」がイスラエルで新薬承認を取得したと発表しました。承認はアメリカと日本、中国、韓国、香港に続き6例目となります。

 2024年10〜12月中の発売を見込んでいます。保険市場での販売となり、当局の価格決定プロセスに従って薬価が決まります。

 レカネマブはヨーロッパ連合(EU)など12カ国・地域で承認申請をしています。

 2024年7月13日(土)

2024/07/12

🟧新型コロナウイルス感染者数、1医療機関当たり8・07人 9週連続で増加、1カ月で2倍に 

 厚生労働省は12日、全国約5000カ所の定点医療機関から7月1~7日の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数が、1医療機関当たり8・07人だったと発表しました。9週連続で増加し、1カ月前(6月3~9日)の約2倍となりました。

 感染者は九州を中心に増えています。地域別で最も多かったのは、沖縄県で同29・92人(前週は29・91人)。次いで、鹿児島県が同23・13人(同15・42人)、宮崎県が同19・74人(同11・78人)、熊本県が同18・24人(同12・21人)、佐賀県が同16・31人(同11・26人)となっています。

 2024年7月12日(金)

2024/07/11

🟧白血病治療の合併症、原因の腸内細菌特定 大阪公立大

 白血病治療などで実施される造血幹細胞移植で問題となる合併症「移植片対宿主病(GVHD)」について、抗菌薬から逃れて増殖する毒性の強い菌が発症に関係していることを突き止めたと、大阪公立大などの研究チームが10日付のイギリスの科学誌「ネイチャー」に発表しました。菌を攻撃する酵素も発見し、藤本康介大阪公立大准教授は「GVHDの新しい治療薬の開発が期待される」としています。

 GVHDは、移植した造血幹細胞に由来する免疫細胞が、患者の臓器を異物と認識して攻撃する反応で、重症化すると死亡することもあります。移植前の抗がん剤、抗菌薬の投与や、放射線治療によって、腸内細菌が乱れることが一因とされています。

 研究チームが移植を受けた患者の排せつ物を分析したところ、一部の患者で特定の種類の細菌が増加していました。細菌を採取し、馬の血液を使って培養すると血液を溶かす強い毒性を持っていることがわかりました。マウスに細菌を投与して移植をしたところ、菌がない場合よりも死亡率が高くなりました。

 2024年7月11日(木)

2024/07/10

🟧せきや頭痛・鼻水などの急性症状想定「急性呼吸器感染症」、5類に 未知の感染症の流行把握も

 国や自治体が行う感染症発生動向調査について、厚生労働省は、今年度中にも新たな区分「急性呼吸器感染症(ARI)」を設け、全国の定点医療機関に患者数を報告させる方針を決めました。国際基準に合わせ、せきや頭痛、鼻水などの急性症状を伴う患者を想定しています。ウイルスや細菌など病原体を問わずに幅広く報告を求めることで、呼吸器感染症全体の広がりを早期に把握することを目指します。

 ARIは、のどや肺の炎症などを招く感染症の総称で、季節性インフルエンザや新型コロナウイルス、RSウイルスなど、従来から個別に調査している感染症も含まれます。ARIの患者数と、継続して調査するインフルエンザや新型コロナの患者数との比較や、病原体のゲノム解析を行い、未知の感染症の流行把握も狙います。

 感染症法は、感染症を危険度の高い順に1~5類に分類しています。ARIはインフルエンザなどと同じ「5類」として扱います。

 8日の専門家部会に案を示し、了承されました。委員からは「定点観測を行う医療機関や自治体の負担にならないよう、ARIの定義をしっかり定め、周知して始める必要がある」などの意見が出ました。

 2024年7月10日(水)

2024/07/09

🟧東京都内、熱中症の疑いで55人救急搬送 うち1人は重篤な状態

 東京消防庁によりますと、東京都内では9日午後3時までに、20歳から93歳までの合わせて55人が熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち板橋区では80歳代の女性が屋内で倒れているのを家族が見付け、医療機関に搬送されましたが、重篤な状態だということです。

 また、70歳代の女性1人が重症、50歳代から90歳代の28人が中等症、20歳代から90歳代の25人が軽症です。

 搬送者を年代別でみると、最も多いのは80歳代で19人、次いで90歳以上の5人となっています。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、室内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、熱中症予防対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。

 茨城県のまとめによりますと、9日午後3時までに県内では15歳から91歳までの合わせて12人が熱中症やその疑いで医療機関に搬送されました。いずれも命に別状はないということです。

 2024年7月9日(火)

2024/07/08

🟧熱中症疑い、東京都内で3~98歳の198人を救急搬送 今年最多の人数

 東京消防庁によりますと、東京都内では7日午後9時までに、3歳から98歳までの合わせて198人が熱中症の疑いで救急搬送されました。昨日より65人増え、今年最多の人数だということです。

 このうち八王子市の80歳代の男性は午後2時ごろ、住宅内で横たわっているところを家族が見付け、病院に搬送されましたが、重篤な状態です。

 また、70歳代と80歳代の男性3人が重症、男女53人が中等症、男女141人が軽症だということです。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、室内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、対策を徹底するよう注意を呼びかけています。

 2024年7月8日(月)

2024/07/07

🟧熱中症疑い、東京都内で3~98歳の86人を救急搬送

 東京消防庁によりますと、7日、東京都内では午後3時までに3歳から98歳までの男女合わせて86人が熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち70歳代と80歳代の男性2人が重症だということです。

 東京消防庁はのどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、室内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。

 2024年7月7日(日)

2024/07/06

🟧東京都内で熱中症疑い58人搬送 80歳代女性が重症

 東京消防庁によりますと、6日、都内では午後3時までに2歳から93歳までの男女合わせて58人が熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち80歳代の女性1人が重症、20歳代から90歳代の18人が中等症、2歳から90歳代の39人が軽症だということです。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、室内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。

 2024年7月6日(土)

2024/07/05

🟧東京都内、55人を熱中症疑いで救急搬送 23~90歳の男女

 東京消防庁によりますと、5日、東京都内では午後3時までに、23歳から90歳までの男女合わせて55人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。

 このうち、70歳代の2人が重症、そして、20歳代から90歳代の23人が中等症、20歳代から90歳代の30人が軽症だということです。搬送者の8割は60歳代以上dでした。

 東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、室内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。

 2024年7月5日(金)

2024/07/04

🟧新型コロナウイルスの感染を抑制する天然物質を特定 長崎大など、抗ウイルス薬開発に期待

 長崎大高度感染症研究センターの安田二朗教授らの研究チームは3日、土壌に存在する微生物が生産する天然物質プラディミシンA(PRMーA)が、新型コロナウイルスの感染を抑制することを発見したと発表しました。同ウイルスの変異株に有効な抗ウイルス薬が開発できる可能性があるとしています。

 新型コロナウイルスを覆う突起状のスパイクタンパク質には、糖が鎖状につながった「糖鎖」が巻き付いています。研究では、PRMーAが糖鎖にくっつくことや、その仕組みを確認。さらに培養細胞を使った試験で、PRMーAの濃度を高めると同ウイルスの感染を抑制できることが裏付けられました。

 新型コロナは変異株に有効な薬の開発が課題となっていて、糖鎖はウイルス表面にあるので、PRMーAの効果は変異株に対しても変わらないとされます。糖に結合するタンパク質レクチンも、感染抑制に有効なことがすでに報告されているものの、有害な抗原抗体反応を引き起こす危険性があるなど薬に利用するには多くの課題があります。これに対し、PRMーAは有害な影響を及ぼすこともないといいます。

 研究は2022年から、名古屋大糖鎖生命コア研究所の中川優准教授ら、国内5大学の研究者が参加し実施。研究成果は4月、化学誌「バイオオーガニック&メディシナル・ケミストリー」オンライン版に掲載されました。

 薬の開発に向け、今後はPRMーAを含む化合物を合成する研究を進め、どの化合物がより効果的かを調べていきます。

 安田教授は、「(医薬品の原石となる)リード化合物として有望であることが示された」と話しています。

 2024年7月4日(木)

2024/07/03

🟧熱中症で新潟柏崎市の70歳代女性が死亡、新潟県内の死者は2024年初めて

 新潟県は2日、同県柏崎市高柳町の空き地で倒れていた70歳代女性が6月29日に熱中症で死亡したと発表しました。県によると、近隣住民が29日正午ごろ、倒れている女性を見付け119番通報しました。駆け付けた救急隊がその場で死亡を確認。新潟県警による検視の結果、死因は熱中症でした。県内の熱中症による死者は今年初めて。

 新潟県消防課によると県内では2023年、熱中症による救急搬送者数(5〜9月)が2141人に上り、このうち死者が7人と、いずれも過去最多でした。

 新潟県健康づくり支援課の担当者は、「高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくいため、特に注意してほしい」と呼び掛けました。

 2024年7月3日(水)

2024/07/02

🟧沖縄県の救急出動、1週間当たり最多2237件 コロナ感染高止まりも影響か

 沖縄県内の救急出動、救急搬送の増加が止まりません。1週間当たりの出動件数が6月17~23日に初めて2000件を超えて2237件に達し、6月24~30日の直近1週間に救急搬送された人数は1952人で、週ごとに統計を取り始めた2019年以降、最多となりました。

 那覇市消防局では6月23日だけで107件と、昨年7月5日の96件を上回り、過去最多の出動件数を記録しました。

 高齢化が進む中で救急出動の増加は全国的な傾向ですが、新型コロナウイルス感染症の新規感染の高止まりも影響しているとみられます。那覇市消防局救急課は、「詳しい分析はこれからだが、6月23日はコロナ感染など発熱患者が多かった」としています。

 沖縄県内では、週ごとの救急搬送人員が本年度になってからの12週すべてで過去6年間の中で最も多くなっていて、コロナ感染者がより多かった時期を上回ることが常態化しています。

 救急出動先からの受け入れ照会の回数も増え、6月17~23日には4回以上の事案が本年度最多の33件に上りました。最大照会回数は9回。現場での待機時間も延びて、30分以上の待機が5週連続で50件を超えました。救急医療体制が綱渡り状態となっています。

 2024年7月2日(火)

2024/07/01

🟧紅麹の新たな76人の死亡事例、小林製薬が調査計画を厚労省に提出 内容は非公表

 小林製薬の紅麹(べにこうじ)を含むサプリメントを摂取後に健康被害が相次いでいる問題で、小林製薬は1日、新たに因果関係を調査するとしていた76人の死亡事例に関しての調査の進め方などをまとめた計画を6月29日付で厚生労働省に提出したと発表しました。小林製薬は計画の内容について「非公表」としています。

 この問題では、武見敬三厚労相が6月28日、これまで把握していた5人以外に、死亡に関する相談が170件あったと発表。170件のうち、91件についてはサプリメントを口にしておらず、3件については調査を終え、因果関係がなかったとする一方、残りの76件については利用者が紅麹成分を摂取し、死亡との因果関係を調査中としていました。直接的な死因が肺炎や脳梗塞、がんといった人も含まれているといいます。

 武見厚労相は、死亡事例を2カ月以上報告していなかったことについて、「小林製薬の判断により、死亡者数の報告をしなかったことは極めて遺憾である」と怒りをあらわにし、遺族の同意の取得や医療機関からの情報収集など、今後の調査の進め方について早急に計画を作成し、29日までに国に報告するよう求めていました。

 厚労省は、小林製薬による調査の進展状況を直接管理する方針を示しています。

 2024年7月1日(月)

🟪インフルエンザの患者数が注意報の基準を超える 新型コロナと同時に流行ピークの恐れも

 インフルエンザの感染状況について、厚生労働省は20日、全国約5000の定点医療機関から9〜15日の1週間に報告された感染者数が1医療機関当たり19・06人だったと発表しました。前週(9・03人)と比べ2・11倍に急増し、「注意報」の基準の10人を超まし た。  都道府県別では...