2025/04/30

🟩群馬県神流町、水道水で14人が食中毒 カンピロバクター検出、農業用水が流入

 群馬県神流(かんな)町で、水道水が原因の食中毒が発生し、水道水を飲んだ子供を含む町民14人が発熱や腹痛、下痢などの症状を訴え、一部の人の便から細菌「カンピロバクター」が検出されました。県が29日に発表しました。神流町によると、配水池の農業用水タンクの水が飲料用水タンクへ流入したことが原因とみられます。

 県などによりますと、神流町から21日、「町内の相原(あいばら)地区の複数の住人が熱や下痢などの症状で医療機関を受診しており、水道水が原因と疑われる」との連絡が保健所に入り、調査を開始しました。

 14人は9歳以下から80歳代の男女で、全員が相原配水池から供給された水道水を飲んでいました。神流町が池の水を調査した結果、「一般細菌数」が水質基準の1・5倍に上り、大腸菌も検出。14人のうち複数の人の便からカンピロバクターが検出され、県は29日、この水道水を飲んだことによる食中毒と断定したと発表しました。入院した人はおらず、14人はいずれも回復に向かっています。

 神流町によると、配水池には、飲料用水タンクと農業用水タンクが隣接して置かれており、双方が同一の排水管でつながっています。調査のため飲料用水タンクの水を抜いた際、農業用水タンク側の水が逆流しているのが確認されました。

 農業用水は近くの沢から引いていて、消毒などはされていないといいます。

 神流町では19日以降、相原地区の25世帯、44人の住民に対し、水道水の飲み水としての使用を控えるよう呼び掛けています。同地区には飲料水のペットボトルを配布しているといいます。

 厚生労働省などによると、カンピロバクターは、鶏や牛、豚など家畜の腸管内に生息する細菌。特に鶏の腸管内にいる確率が高く、市販の鶏肉の6割程度から菌が検出されたとの調査結果もあります。

 カンピロバクターを原因とする食中毒は、生や半生、加熱不足の鶏肉料理で多発しているほか、殺菌が不十分な井戸水や湧水、簡易水道水に由来する水系の感染事例も確認されています。

 国内で発生している細菌性食中毒の中では近年、発生件数が最も多く、年間300件、患者数2000人程度で推移しています。

 2025年4月30日(水)

2025/04/29

🟩国内最高齢、愛知県の114歳に ひ孫33人玄孫11人の近藤ミネさん

 愛知県幸田町に住む114歳の近藤ミネさんが、国内最高齢となったことが28日、厚生労働省から発表されました。

 この日、三女の藤田すみ子さん(74)が町役場で、近藤さんの近況などを語りました。 町によると、1910(明治43)年9月1日生まれの近藤さんは、結婚後は農家として働き、明るい性格で周囲から好かれているといいます。

 すみ子さんによると、ミネさんは現在、左足の骨折の治療のため岡崎市内の病院に入院中。毎日面会に訪れるすみ子さんが同日午後、最高齢者となったことを知らせたといいます。すみ子さんは、「耳が遠く伝わっているかわからないが、家族はみな最高齢にびっくりしていた」と話しました。

 ミネさんの長生きの秘訣(ひけつ)は「好き嫌いなく食べ、よく外に出掛けていたこと」だといい、毎年豊田市の香嵐渓を訪れ、うどんや五平餅を食べていたといいます。子供は9人で、孫16人、ひ孫33人、玄孫(やしゃご)が11人います。

 幸田町の成瀬敦町長は、「近藤さんが国内最高齢になったことは町民の喜びと誇りだ。これからの日々が、健やかで穏やかなものであるようお祈り申し上げる」とのコメントを発表しました。

 2025年4月29日(火)

2025/04/28

🟩国内最高齢、115歳の女性死去 岐阜県土岐市

 国内最高齢だった岐阜県土岐市の林おかぎさんが26日午前8時39分、心不全のため同市立総合病院で亡くなりました。115歳でした。28日、厚生労働省などが明らかにしました。

 林さんは土岐市出身で、1909(明治42)年9月2日生まれ。昨年12月に世界でも最高齢とされた兵庫県芦屋市の女性が116歳で死去して以降、国内で最高齢でした。

 土岐市の加藤淳司市長は、「市民に希望を与えてくださった林おかぎ様の突然の訃報(ふほう)に大変驚くとともに哀惜の念に堪えません。ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。温かい笑顔は私たちの心に深く刻まれています。心よりご冥福をお祈りいたします」とのコメントを発表しました。

 新たな国内最高齢は、愛知県幸田町に住む114歳の近藤ミネさんとなりました。近藤さんは1910(明治43)年9月1日生まれ。

 2025年4月28日(月)

2025/04/27

🟩千葉県で結核集団感染、昨年に漫画喫茶で広がり6人感染 2週間以上続くせきは医療機関へ

 千葉県疾病対策課は25日、習志野保健所管内(習志野市、八千代市、鎌ケ谷市)で結核の集団感染が発生し、厚生労働省に報告したことを発表しました。昨年7月に1人の感染が判明。漫画喫茶で広がって計6人が感染し、うち4人が発病しました。全員が適切な治療を受け、快方に向かっているとしています。

 同課によると、昨年7月24日、病院から県に患者1人の発生届があり、その40歳代の男性が漫画喫茶を長期利用していたことがわかりました。今年1月以降、漫画喫茶で接触のあった他の利用者と従業員計7人の健康診断を実施し、発病者2人と感染者1人が確認されました。このうち1人は2月3日、発熱と呼吸困難で救急搬送され、肺結核と診断されました。2月中旬以降に調査対象を拡大して接触者8人を調べたところ、発病者1人と感染者1人が新たに確認されました。

 結核については、同一の感染源が2家族以上にまたがって、20人以上を感染させた場合、集団感染に認定します。発病者1人は感染者6人分と計算するため、今回の事例も集団感染に該当しました。

 2014年の千葉県内の結核患者の新規登録数は493人。集団感染事例は2023年にも1件発生しています。

 県は 結核の初期症状について風邪の症状とよく似ているとし、2週間以上せきが続く場合は医療機関を受診するよう呼び掛けています。

 2025年4月27日(日)

2025/04/26

🟩PFAS排出元特定、わずか4例 環境省「詳しい原因わからず」

 環境省が2023年度に実施した水質調査では、全国の地下水や河川で暫定指針値を超える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出されましたが、自治体が「排出元を特定できた」としているのはわずか4例でした。泡消火剤を使用していたアメリカ軍基地などが疑われているものの、同省は「詳しい原因はわからない」と説明しています。

 4例のうち、福島県会津若松市では工場排水からPFASが検出されました。静岡市や京都府綾部市では、汚染地域の周辺にPFASを扱っていた事業所がありました。岡山県吉備中央町では、PFAS除去に使った使用済み活性炭が山中に放置され、地下水を汚染したことがわかっています。

 2022年度の調査で、排出元が工場と特定された大阪府摂津市と大分市も含め、環境省が把握しているのは6例だけでした。東京都立川市、広島県東広島市、沖縄県宜野湾市などアメリカ軍施設周辺でも高い数値が出ているものの、汚染源は特定されていないといいます。

 水に溶けやすいPFASは、土壌に浸透し、地下水を通じて拡散するため、排出元と汚染地域が異なるケースも多くなっています。

 2025年4月26日(土)

2025/04/25

🟩熱中症警戒アラート、今年の運用始まる 過去に例のない危険な暑さは熱中症特別警戒アラート

 熱中症による健康被害が予測された場合に発表される「熱中症警戒アラート」の今年の運用が23日から始まりました。健康に重大な被害が生じる恐れがある場合には一段上の位置付けの「熱中症特別警戒アラート」が出され、熱中症を予防する行動の徹底が求められます。

 熱中症警戒アラートは、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」が33以上と予測される地域に環境省と気象庁が発表し、昨年の発表は全国で合わせて1722回に上りました。

 この情報が発表されると、政府は適切にエアコンを使用するなど涼しい環境で過ごすこと、こまめに水分や塩分を補給すること、それに運動を原則中止することなどふだん以上に対策を取るよう呼び掛けます。

 さらにその一段上に位置付けられる「熱中症特別警戒アラート」は、暑さ指数がすべての観測地点で35以上と予測される都道府県を対象に環境省が発表するもので、「人の健康に重大な被害が生じる恐れがある過去に例のない広域的な危険な暑さ」が想定されています。

 熱中症特別警戒アラートは昨年から運用されていて、これまで発表されたことはありませんが、発表された場合には熱中症を予防する行動の徹底が求められます。

 また市区町村が「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定した公共や民間のエアコンが効いた施設を住民に開放すること、学校の校長や経営者、イベントの主催者などの管理者には熱中症対策が徹底できない場合、運動やイベントの中止、リモートワークへの変更などの判断が求められます。

 熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラートは23日から今年の10月22日まで運用されます。

 地球温暖化に伴って日本の夏の平均気温は上昇していて、気象庁によりますと6月から8月の平均気温は昨年までの100年で1・3度上昇しました。

 昨年7月には最高気温40度以上を1日に6つの地点で観測するなど、昨年の夏の日本の平均気温は平年と比べて1・76度高くなり、気象庁が1898年に統計を取り始めて以降、一昨年と並んで最も暑い夏となりました。

 また熱中症で死亡する人も増えていて、厚生労働省によりますと2022年は1477人、2023年は1651人、昨年は2033人に上りました。

 総務省消防庁によりますと、熱中症で搬送された人の数は昨年、全国で9万7578人に上り、統計を取り始めた2008年以降最も多くなりました。

 2025年4月25日(金)

2025/04/24

🟩大阪市のダイキン工業従業員らから高濃度PFAS検出、肺疾患と関連か 医師らのチームが健康調査

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を含む製品を作っていた工場の元従業員らの健康調査をした医師らのチームが23日、大阪市内で記者会見を開き、元従業員ら5人の血液からPFASの代表的な物質「PFOA(ピーフォア)」を高濃度で検出したと明らかにしました。間質性肺疾患を発症した人もおり、論文ではPFOAが関連する可能性も指摘し、分析に加わった小泉昭夫京大名誉教授は「肺疾患との関連指摘は初とみられる」としています。

 論文は厚生労働省所管の労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所の学術誌に掲載されました。

 工場は大手空調メーカー「ダイキン工業」淀川製作所(大阪府摂津市)。大阪府北部の住民ら約1200人と、同製作所の元従業員ら7人の血液などを調べました。

 元従業員ら7人のうち、5人の血中からPFOAを高濃度で検出、うち2人が間質性肺炎で、いずれも粉塵(ふんじん)が発生する工程に携わるなどしていました。近隣住民や地元農家についても分析し、いずれも高いといえる濃度でした。

 記者会見には摂津市の住民も参加し、周辺に対する影響への懸念を訴えました。また、調査にかかわった市民団体の長瀬文雄事務局長は、「長期にわたってPFASに曝露された住民が住み続けている。国や摂津市、ダイキン工業に情報開示や対応を求めていきたい」と話しました。

 摂津市では、地下水から国が定めた目標値の約420倍のPFASを検出。ダイキン工業は過去にPFOAを取り扱っていたものの、2012年に国内での製造・使用を終了しています。

 ダイキン工業は取材に対し、「論文の内容を確認できておりませんので、コメントは差し控えます」と回答しました。

 2025年4月24日(木)

2025/04/23

🟩モデルナ製のRSウイルス用mRNAワクチンを了承、新型コロナ以外で初 厚労省部会

 厚生労働省の専門部会は21日、アメリカのモデルナがメッセンジャーRNA(mRNA)技術を用いて開発したRSウイルス感染症のワクチンの承認を了承しました。正式に承認されれば、新型コロナウイルス用以外で国内初のmRNAワクチンとなります。

 名称は「エムレスビア」で、60歳以上が使うとRSウイルス感染症を予防する効果があるといいます。アメリカやヨーロッパですでに承認されています。

 RSウイルスは小児の感染が多く、発熱や鼻水といった風邪症状が出て、重症化することがあります。高齢者は重い気管支炎や肺炎の原因になるほか、ぜんそくなどの持病が悪化するケースもあります。

 モデルナによると、日本では年に推定約6万3000人が入院し、約4500人の死亡原因になっているといいます。

 mRNAワクチンは、ウイルスのタンパク質の遺伝情報を人工的に合成して製造します。注射後、体内でつくられたタンパク質に免疫システムが反応し、ウイルスへの免疫ができます。

 新型コロナのワクチンとして実用化が進み、2023年には関連技術を開発した研究者がノーベル賞を受賞しました。

 大阪大の位高啓史教授は、「ほかの感染症でも、免疫形成に必要なタンパク質の遺伝子配列が決まれば、以降のmRNAを合成してワクチンにする作業は共通だ。従来のワクチンに比べて開発スピードが速い」と指摘します。

 エムレスビアは、RSウイルス用のワクチンとしては国内3例目となります。厚労省によると、残る2種類のワクチンと比べて重大な副作用の発生頻度などに特段の違いはないといいます。

 モデルナは、インフルエンザと新型コロナの混合ワクチンを手掛けています。最終段階の治験が進行中で、承認されれば1回の注射で2つの感染症に対応できます。接種する人の利便性が高まるほか、医療機関の業務効率化にもつながります。

 感染症だけでなく、がん治療などへの応用も進んでいます。モデルナとアメリカの製薬大手メルクの日本法人MSDは、皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)や一定の種類の肺がんを治療するワクチンを共同で開発中です。MSDが製造販売するがん免疫薬「キイトルーダ」とmRNAワクチンを併用して治療効果を高めます。

 現在国内で進んでいる新規のmRNA医薬品の治験は、すべて外資系企業によるものです。コロナ禍のような感染症危機時に、ワクチンや治療薬を海外に依存することは経済安全保障の観点からもリスクになるため、国内企業による創薬ノウハウの蓄積が欠かせません。

 2025年4月23日(水)

2025/04/22

🟩はしか感染、茨城県内で新たに3人 今年計9人に

 茨城県は19日、県内在住の20歳代男性と40歳代女性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。県は14日以降、不特定多数との接触がない1人の感染も確認し、県内の今年の感染者は計9人となりました。発表の2人はいずれも、竜ケ崎保健所管内の医療機関から報告があり、発症前後に県南地域3市の病院や店舗に出入りしていました。すでに感染の報告があった患者との接触で感染したとみられます。

 県感染症対策室によると、発表の男女2人はいずれも18日までに倦怠感や発熱などがありました。医療機関を同日に受診。県衛生研究所で検査し陽性が確定しました。それぞれ自宅療養中。

 男性や女性が利用した施設で、不特定多数の人と接触した可能性があります。該当施設に特定の時間帯に出入りした人は、10日前後経過して発熱や発疹などはしかを疑う症状が出た場合、最寄りの保健所に電話連絡するよう呼び掛けています。

 該当施設と時間帯は、男性が総合守谷第1病院(同県守谷市)で17、18両日の午前8時~午後7時半、セブン-イレブンつくば手代木店(同県つくば市)で17日午後7〜9時。女性がカスミ守谷テラス店(守谷市)で16日午後3時半~6時、セブン-イレブン守谷本町店(同)で17日正午~午後2時、ローソン谷和原小絹店(同県つくばみらい市)で同日午後8時半~10時半。

 2025年4月22日(火)

2025/04/21

🟩鳥取県倉吉市、 50歳代男性が熱中症疑いで心肺停止

 20日午前10時すぎ、鳥取県倉吉市関金町で用水路の清掃をしていた50歳代の男性が倒れているのを別の作業員が見付け、119番しました。県中部消防局によりますと、男性は熱中症とみられ、搬送された際、心肺停止の状態だったということです。

 鳥取地方気象台によると、倉吉市では20日、午前10時すぎに5月中旬並みの最高気温23度を観測しました。

 同県内では前日の19日午後にも、鳥取市の鳥取砂丘で観光客の30歳代男性と80歳代女性が熱中症の疑いで病院に搬送されました。県東部消防局によると男性は搬送時、重症だったということです。

 19日午後2時半ごろ鳥取砂丘に観光に来ていた30歳代男性が体調不良を訴え、砂丘の施設の職員と消防に通報がありました。

 消防によりますと、搬送の際、男性は熱中症疑いの重症で、意識はありましたがぐったりとした様子だったということです。

 また午後4時半ごろ、80歳代女性が砂丘でうずくまっているのを近くにいた他の観光客が発見し、消防に通報しました。女性も熱中症疑いとみられていて、搬送時は軽症で意識はあったということです。

 いずれも現在の容体はわかっていません。

 19日の最高気温は倉吉市で30・5度、鳥取市で30・4度、岩美町岩井で30・3度など、鳥取県内6地点で7月並みとなる今年最高気温を記録しています。

 2025年4月21日(月)

2025/04/20

🟩横田基地のPFAS流出、アメリカ側が再発防止策「活性炭フィルターで浄化処理」

 昨年、アメリカ軍横田基地から一部の物質が有害とされる有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を含む水が流出したとみられる問題で、アメリカ側は基地内に残った水を活性炭で浄化して放出する方針を16日、東京都などに伝えました。

 これについて環境省は放出されるPFASの濃度が現在、国が水道水で設定している暫定的な目標値を下回れば許容されるという考え方を示しました。

 アメリカ軍横田基地では昨年、有機フッ素化合物の「PFAS」のうち、有害性が指摘されている「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」を含む水が基地の外に流出した可能性が高いことが明らかになりました。

 東京都や基地の周辺自治体でつくる協議会は、貯水池に残る「PFOS」などを含む水の処分時期を示すよう求めていましたが、アメリカ側は活性炭フィルターを使って貯水池に残された水に含まれる「PFOS」などを除去し、処理後の水を排水路へ放出すると16日、防衛省を通じて都や自治体に伝えました。

 現在、「PFAS」を排水する際の法律に基づく基準はありませんが、環境省は放出される「PFAS」の濃度が現在、国が水道水で設定している暫定的な目標値の1リットル当たり50ナノグラムを下回れば許容されるという考え方を示しました。

 浅尾慶一郎環境大臣は18日の閣議後の記者会見で、「今回の事案を踏まえて、『PFOS』『PFOA』を含む水の処理の目安として考えているものだ。この濃度であれば健康への悪影響はないレベルだと考えている」と述べました。

 2025年4月20日(日)

2025/04/18

🟩女性の過度なやせ願望に日本肥満学会が警鐘 「女性の低体重・低栄養症候群」を新たな症候群として位置付け

 女性のやせすぎや栄養不足は骨密度の低下や月経周期の異常などの健康障害を引き起こすとして、日本肥満学会が過度な「やせ願望」に警鐘を鳴らしました。

 日本では、20歳代女性の5人に1人が肥満度を示すBMIが18・5未満の低体重(やせ)とされていて、先進国の中でも特に高い割合となっています。

 若い女性のやせすぎや栄養不足は、骨密度の低下、月経周期の異常などの健康障害、不妊や生まれてくる子供の健康に影響をおよぼす可能性があります。

 そのため、日本肥満学会は17日、記者会見を開き、「女性の低体重・低栄養症候群」を新たな症候群として位置付けるためのワーキンググループを立ち上げると発表しました。今後、診断の基準や治療法を確立するための研究などを進めていくということです。

 日本肥満学会は、やせている女性が多い背景として、SNSやファッション誌などのメディアの影響で、「やせていることが美しい」という価値観が浸透し、特に若い女性の間で「やせ願望」が高まっていることや、貧困により十分な食事をとれていないなどの社会的な要因があると指摘。過度な食事制限や偏った食生活が長期化すると健康障害を招きやすくなるとして、過度な「やせ願望」に警鐘を鳴らしました。

 日本肥満学会の小川渉常務理事は記者会見で、「まずはしっかり食べて、運動して寝る。それでも調子が悪い場合は医療が必要になる」と話しました。

 2025年4月18日(金)

2025/04/17

🟩茨城県の緊急性ない救急車利用で「選定療養費」徴収は940件 軽症者搬送9・2%減

 茨城県内の大規模病院で昨年12月から始まった、緊急性が認められない救急搬送に対する「選定療養費」の徴収について、同県は2月までの約3カ月間の検証結果を発表しました。対象22病院での徴収率は4・2%で、県内全体の「軽症など」の救急搬送件数は前年同期比で9・2%減少しました。県は救急医療の逼迫(ひっぱく)緩和などについて「一定の効果があった」としています。

 県によると、昨年12月2日から今年2月末までの3カ月間で、対象22病院への救急搬送は2万2362件。うち4・2%に当たる940件で、選定療養費が徴収されました。症状別では、「風邪の症状」83件(8・8%)や「腹痛」80件(8・5%)、「発熱」68件(7・2%)、「打撲」59件(6・3%)などが多くなりました。

 一方、県は、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉の近隣5県の協力を得て同期間の救急搬送件数も比較。その結果、5県の救急搬送はいずれも前年同期比約4~9%増加しましたが、茨城県は全体の救急搬送が0・5%減少の3万8041件でした。

 内訳でみると、同期間中には記録的なインフルエンザの流行などもあり、「中等症以上」は前年同期比で7・1%増加したものの、「軽症など」が9・2%減少しました。医療、救急の現場からも、「軽症者や不要不急の救急搬送が減った」といった意見があったといいます。

 こうした結果を踏まえ、県は「救急搬送のピークでもある冬場で救急車の適正利用や救急医療の逼迫緩和に一定の効果があった」と結論付けました。

 また、救急車の呼び控えによる重症化などの事例報告はありませんでした。このほか、「救急電話相談で救急車を呼ぶよう助言されたにもかかわらず、選定療養費を徴収された」といった苦情により返金されたケースも2件あったといいます。

 県は引き続き、関係者で構成する検証会議で運用に問題がないか検討するとともに、県民への広報などを実施し、適切な運用を図る方針。

 2025年4月17日(木)

2025/04/16

🟩認知症にパーキンソン病薬が効果 iPS細胞で治療候補発見

 いずれも認知症状のある神経難病「前頭側頭型認知症(FTD)」と「ハンチントン病」の治療に、パーキンソン病で使われている薬が効く可能性があると慶応大発のベンチャー「ケイファーマ」が発表しました。患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使う独自の手法で確かめたとしています。 

 FTDは脳の前頭葉や側頭葉が萎縮して神経細胞が傷付き、精神症状や言語障害が出る認知症の一種。国内の推定患者数は1万2000人で、65歳未満の若年性認知症では3番目に多くなっています。

 ハンチントン病は手足や顔が勝手に動いてしまう症状や、精神症状、認知症状が起こる遺伝性の病気で、国内には推定約1000人の患者がいるとされます。

 同社は、いくつかのタイプがあるFTDの各タイプが含まれる患者8人、ハンチントン病の患者5人の血液からそれぞれiPS細胞を作製。それを神経細胞へと分化させた上で、それぞれに約1300種類の薬を投与して、どれかに効果があるか調べました。

 すると、パーキンソン病に適応のある既存薬「ロピニロール塩酸塩」が、FTDの神経細胞が損傷、死滅するのを8株中7株で抑える効果があることがわかりました。効果はタイプを問いませんでした。

 ハンチントン病の患者由来の神経細胞でも、すべての株で、病気によって神経細胞が短くなったのを回復したり、異常を抑制したりするのを確かめました。

 ケイファーマの福島弘明社長は、「臨床試験(治験)実施に向け準備を進め、海外も視野に、患者に治療を早く届けたい」と話しました。

 2025年4月16日(水)

2025/04/15

🟩大阪市ではしか患者発生、10歳未満の女児 発症の前日に「ららぽーとEXPOCITY」などを利用

 大阪府などは14日、大阪市内に住む10歳未満の女児がはしか(麻疹)に感染し、不特定多数の人と接触している可能性があるとして注意を呼び掛けました。

 大阪府などによりますと、女児は4月9日に発熱やせきなどを発症し、11日に検査を受け、12日にはしかに感染していると判明しました。女児に直近の海外渡航歴はなく、ワクチン接種歴はないということです。

 女児は発症前日の8日午前11時半ごろから午後0時半ごろにかけて、阪急・神崎川駅から十三・蛍池駅経由で大阪モノレールの万博記念公園駅を下車し、午後0時半から午後6時ごろまで、吹田市の商業施設「ららぽーとEXPOCITY」に滞在。その後、午後6時ごろから7時ごろにかけて、大阪モノレールの万博記念公園駅から蛍池・十三駅経由で阪急・神崎駅を下車していました。

 今年に入って大阪府内でのはしかの発生は12例目だということで、大阪府などは、不特定多数の人と接触した恐れがあるとして注意を呼び掛けています。

 2025年4月15日(火)

2025/04/14

🟩日本人は過去最大の89万人減 昨年10月時点の人口推計、増加は東京都と埼玉県だけ

 総務省が14日公表した2024年10月1日時点の人口推計によると、日本人は89万8000人減の1億2029万6000人で、比較可能な1950年以降、最大の落ち込みでした。外国人を含む総人口は前年同月に比べて55万人少ない1億2380万2000人でした。減少は14年連続で、マイナス幅は比較可能な1950年以降で4番目になりました。

 東京都と埼玉県を除く45道府県で前年から減りました。東京都に神奈川、千葉、埼玉3県を合わせた東京圏では微増でした。

 将来を担う0〜14歳は34万3000人減の1383万人で、総人口に占める割合は11・2%と過去最低を更新しました。働き手の中心となる15〜64歳は22万4000人減の7372万8000人で、割合は59・6%でした。

 一方、65歳以上は1万7000人増の3624万3000人となり、割合は29・3%で過去最高。75歳以上は70万人増の2077万7000人となりました。

 2025年4月14日(月)

2025/04/13

🟩茨城県の20歳代女性、はしか感染 県内今年6人目

 茨城県は12日、県内在住の20歳代女性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。竜ケ崎保健所管内の医療機関から報告がありました。発症前、守谷市内のスーパーに出入りしていました。11日に感染を公表した20歳代男性の妻で、家庭内の感染とみられます。県内の今年の発症者は計6人となり、直近で感染が確認された2023年1年間の患者1人を上回っています。

 県感染症対策室によると、女性は夫のはしか感染を受けて健康観察中だった11日、発熱と倦怠感があったことから医療機関を受診しました。県衛生研究所で同日検査した結果、陽性が確定しました。現在は自宅で療養しています。

 女性は10日午後2〜5時ごろ、スーパー「カスミ松ケ丘店」を利用していました。同対策室は同じ日時に店舗や病院を出入りした不特定多数の人に感染の可能性があるとし、利用から10日前後経過して発熱や発疹などはしかの症状が出た場合、最寄りの保健所に電話連絡した上で、医療機関を受診するよう呼び掛けています。

 2025年4月13日(日)

2025/04/12

🟩インフルエンザ感染者、1医療機関当たり1・20人で3週続けて減る 18府県で「1人」下回る

 厚生労働省は11日、全国約5000カ所の定点医療機関から3月31日〜4月6日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が、1医療機関当たり1・20人(前週1・85人)だったと発表しました。3週連続の減少となりました。

 都道府県別で最も多かったのは秋田県で3・79人(同3・46人)、続いて岩手県2・87人(同3・39人)、沖縄県2・70人(同3・84人)、長野県2・65人(同4・00人)の順となりました。

 流行入りの目安となる「1人」を下回ったのは、愛知、京都、兵庫など18府県で、前週の6県から大幅に増えました。

 定点医療機関から報告された新たな入院患者数は、118人(同125人)でした。

 2025年4月12日(土)

2025/04/11

🟩厚労省、新型コロナワクチンの助成終了を自治体に連絡

 65歳以上の高齢者と基礎疾患のある60~64歳の人を対象とした新型コロナウイルスワクチンの定期接種を巡り、厚生労働省は10日、自治体に対し1回当たり8300円を出してきた助成を2025年度の接種からなくす方針を決め、各都道府県に連絡しました。

 定期接種は2024年度に始まりました。国の助成は、全額公費による「特例臨時接種」から定期接種への移行によって急な負担増が生じないよう、緩和措置として行われてきました。2025年度の定期接種は秋に始まる見込み。独自の補助を設ける自治体もありますが、助成がなくなれば接種の自己負担額は高くなるとみられます。

 低所得者を無料とするための取り組みは残す予定。定期接種対象外の人は、引き続き原則全額自己負担の任意接種となります。

 2024年度は定期接種の費用1万5000円程度のうち、自己負担額が最大7000円になるよう、ワクチンの生産体制整備のための基金を活用して助成していました。この基金は今年2月の衆院予算委員会で、過去に運用損を出したことが指摘されました。

 2025年4月11日(金)

2025/04/10

🟩大阪府東大阪市で30歳代男性はしか感染 渡航歴なし、病院や隣接市の店舗など利用

 大阪府東大阪市は9日、市内の30歳代男性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。感染の可能性がある期間に海外渡航歴がなく、国内で感染したとみられます。ワクチンを接種しているかはわかっていないということで、男性は自宅で療養し快方に向かっています。

 市によると、男性は3月31日に倦怠感などの症状が出始め、4月1〜3日に東大阪生協病院を受診。7日にはしかと診断されました。3月末には隣の八尾市にある店舗なども訪れていました。

 東大阪市は男性が訪れた施設名を公表し、不特定の人と接触した可能性があるとして、注意を呼び掛けています。

 大阪府によりますと、今年に入ってからのはしかの発生数は10例目です。

 潜伏期間は最大21日間で、はしか患者と接触した場合には、接触後3週間の注意が必要と呼び掛けています。

 2025年4月10日(木)

2025/04/09

🟩リンゴ病流行、福島県内に警報 10年ぶり、感染者高止まり

 風邪に似た症状が出て頬などに赤い発疹ができるリンゴ病(伝染性紅斑)の流行が、福島県で続いています。県内の定点医療機関から1週間に報告された感染者数(医療機関1カ所当たりの平均)は、少なくとも1月下旬ごろから9週連続で全国1~2番目に多く、2015年以来約10年ぶりに「警報」が発令されています。リンゴ病は子供を中心に流行しますが、妊婦が感染すると流産などにつながる恐れもあり、新年度を迎え、県や医療関係者らが感染防止を呼び掛けています。

 県内48カ所の定点医療機関から報告された昨年の同時期の感染者はほとんどいなかったものの、全国的な流行を受けて県内も昨年11月ごろから増加がみられ、今年1月6~12日の週に警報基準の「2人」を超えました。警報発令以降、解除の基準となる「1人」を下回らず、高止まりしています。

 国立感染症研究所によると、直近1週間(3月24〜30日)は1医療機関当たり1・90人と栃木県の2・33人に次いで2番目に多く、前週、前々週は全国最多でした。

 小学生の子を持つ福島市の主婦(41)は、「風邪の症状が出たとしても、リンゴ病を疑うという発想があまりない。学校が始まって接触の機会も増えるので、自覚がないうちに流行が広がってしまわないかが心配」と危惧しています。

 福島医大医学部感染制御学講座の山藤(さんどう)栄一郎主任教授(44)によると、リンゴ病は、風邪のような症状が出て数日〜1週間程度後に両頬などに赤い発疹が出ます。発疹が出る前の時期の感染力が強く、発疹が出るころには感染力がほぼなくなっているため「症状からリンゴ病を疑うのはきわめてむずかしい」といいます。

 新型コロナウイルスほど感染力は強くないものの、コロナと同じように、飛沫(ひまつ)だけでなく、息を吐くなどして放出され、空気中に漂うウイルスを吸い込んで感染するため、集団生活を送る学校や家庭内などで感染しやすくなります。対策には換気やマスクの着用が効果的だといいます。

 子供が重症化するケースはあまりないのに対して、妊婦が感染すると3〜5割ほどの確率で胎児にも感染し、胎児が貧血になってしまうケースや、死産や流産に至ってしまう可能性もあります。特に妊娠初期に注意が必要だといい、「妊婦や基礎疾患のある人には侮れない病気」と指摘しています。

 今年の流行については「もともと数年に1度程度、流行の波があったが、コロナ流行時の感染対策によって抑えられた。その波がひとまとめにきているのではないか」と推測しています。

 新年度を迎え「マスクと換気が大切。可能であれば、風邪の症状があれば休むことも感染を広げないためには有効だ」と訴えています。

 2025年4月9日(水)

2025/04/08

🟩百日ぜき患者急増、3カ月で昨年1年上回る4771人 乳児は重症化の恐れ

 新型コロナウイルス禍では患者が減っていた、激しいせきが特徴の百日ぜきが流行し始めています。国立健康危機管理研究機構が8日に発表した速報値によると、全国の医療機関から3月24〜30日に報告された患者数は578人。昨年から徐々に増えていましたが、今年の約3カ月間の累計は4771人となり、昨年1年間の累計4054人を超えています。

 都道府県別では、大阪府が最も多く375人。次いで新潟県357人、東京都330人、沖縄県289人、兵庫県274人、福岡県257人、宮崎県239人と続きます。

 患者数は2018年、2019年はそれぞれ1万人超が報告されていました。2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降は、感染対策や人流が減ったこともあってか、少ない状態が続いていましたが、コロナ以前の水準に戻りつつあるようです。

 日本小児科学会は、「重症例も報告されている」として注意を呼び掛ける文書を公表しました。薬の効かない耐性菌の報告も増えているといい、学校にはせきが消失するか、5日間の抗菌薬の治療が終われば登校できるものの、せきが続く間はマスク着用などが必要だとしました。

 この感染症は、百日ぜき菌が原因で、飛沫感染します。風邪の症状が出て、次第にせきが増えて激しくなります。乳児は重症化しやすく、死に至ることもあります。治療には抗菌薬やせき止め薬が使われます。予防には5種混合ワクチンが有効とされます。

 2025年4月8日(火)

2025/04/07

🟩アメリカ、はしかで2人目の子供が死亡 感染者約650人に

 アメリカ南西部で発生した、はしか(麻疹)の流行により、2人目の子供が死亡したと、当局が6日に発表しました。感染者は約650人に上っています。

 テキサス州の医療機関、UMCヘルスシステムの幹部は、最近はしかと診断された学齢期の子供が亡くなったことを明らかにしました。基礎疾患はありませんでしたが、はしかの予防接種を受けておらず、合併症の治療を受けていたとしています。

 今回のはしかの流行はアメリカで数年ぶりの大規模なものとなっています。

 ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉省(HHS)長官は過去に、ワクチンの重要性を軽視する発言をし、医療専門家を驚かせたことがあるものの、6日にはX(旧ツイッター)に「はしかの拡散を防ぐ最も効果的な方法は、MMR(はしか・風疹・ムンプス混合)ワクチンだ」と投稿しました。

 子供の遺族を慰問するためにテキサス州を訪れたとするケネディ長官は、HHSと疾病対策センター(CDC)が同州での予防接種を支援していると付け加えました。6日時点で「アメリカ全土22州で642件の症例が確認されており、うち499件がテキサス州内だ」と説明しました。

 3日のCDCの発表によると、これまでに集計した症例の97%は予防接種を受けていない患者と判明しています。このうち年齢不詳者を除き、5歳未満が約196人、5〜19歳が240人、20歳以上が159人となっています。

 2025年4月7日(月)

2025/04/06

🟩百日ぜきが長崎県内で増加、3月末で昨年1年間の6倍

 激しいせきが特徴の百日ぜきが長崎県内で流行しています。今年の患者数は3月30日時点で24人。すでに昨年1年間の6倍に達しています。感染症法の改正により、患者数を全数把握するようになった2018年以降では最多のペースで増加していて、県は注意を呼び掛けています。

 県環境保健研究センターによると、百日ぜきは患者の鼻水やせきに含まれる百日ぜき菌から感染し、けいれん性のせき発作を起こします。潜伏期間は5〜10日で、鼻水やせきといった風邪のような症状から始まります。2〜3週間で次第にせきが激しくなり、回数が増えます。夜間のせき発作が多いのも特徴で、回復までに2〜3カ月を要することもあります。

 県内の患者数は2018年以降では、2019年の70人が最多でした。今年1月から3月30日までに報告された24人を年代別にみると、10歳代が18人で最多。続いて10歳未満が4人、40歳代と70歳代が各1人。

 乳児は肺炎や脳症を合併して重症化することもあり、同センターは早期の予防接種を推奨。予防のため、手洗い、うがいや適切なマスク着用、せきエチケットなどを呼び掛けています。

 2025年4月6日(日)

2025/04/05

🟩インフルエンザ感染者、2週連続で減少 1医療機関当たり1・85人

 厚生労働省は4日、全国約5000カ所の定点医療機関から3月24〜30日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が、1医療機関当たり1・85人(前週1・98人)だったと発表しました。2週連続で減少しました。

 都道府県別で最も多かったのは、長野県で4・00人(同4・80人)。続いて、富山県3・92人(同3・67人)、沖縄県3・84人(同4・20人)、秋田県3・46人(同3・08人)、新潟県3・43人(同5.02人)の順となりました。

 流行入りの目安となる「1人」を下回ったのは、岐阜、三重、島根、山口、高知、鹿児島の6県でした。

 定点医療機関から報告された新たな入院患者数は125人(前週122人)で、12週ぶりの増加となりました。学級・学年閉鎖の措置が取られたのは、6施設(同148施設)でした。

 厚生労働省は4日、全国約5000カ所の定点医療機関から3月24〜30日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が1万4354人で、1医療機関当たり2・92人(前週3・23人)だったと発表しました。前週比0・90倍で、8週連続で減少が続いています。

 1医療機関当たりの感染者数が多かったのは茨城県4・85人、長野県4・78人、山梨県4・63人。少なかったのは鹿児島県1・40人、沖縄県1・41人、秋田県1・54人などでした。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1336人で、前週比0・91倍でした。

 2025年4月5日(土)

2025/04/04

🟩感染性胃腸炎の患者数、最多続く 2タイプのノロウイルス流行

 おう吐や下痢を引き起こす「感染性胃腸炎」の流行が続き、3月23日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者の数は、7週連続でこの時期として過去10年で最も多くなっています。原因の一つ、ノロウイルスは、今シーズン、2つの異なるタイプのウイルスが流行していることがわかり、専門家は患者数が多い状態が続く理由ではないかとしています。

 国立健康危機管理研究機構によりますと、3月23日までの1週間に、全国約3000の小児科医療機関から報告された感染性胃腸炎の患者の数は、1医療機関当たり9・04人と7週連続で、この時期として、過去10年で最も多くなっています。

 感染性胃腸炎の原因の一つ、ノロウイルスについて、群馬パース大学大学院の木村博一教授のグループは、今年1月から3月までに、全国から報告されたウイルスのタイプを集計しました。

 その結果、「GⅡ・17」というタイプが65%余り、「GⅡ・4」」というタイプが17%余り検出されていて、2つのタイプのウイルスが流行していることがわかりました。

 木村教授は、2つのタイプのウイルスが時期をずらして流行しているため、患者数が多い時期が例年より長引いているとみられると分析した上で、「新年度になり、子供が幼稚園や学校などに通い始めると、感染のリスクが高まるので、流行は今後も続く可能性がある。手洗いや消毒などの対策を徹底してほしい」と呼び掛けています。

 2025年4月4日(金)

2025/04/03

🟩アメリカ保健福祉省などで職員の大規模解雇始まる はしか対応への影響懸念も

 ドナルド・トランプ大統領の方針のもと連邦政府の職員の大幅な削減が進められているアメリカで、公衆衛生などを担当するアメリカ保健福祉省や、医薬品などの審査を行う機関で、職員の大規模な解雇が始まりました。アメリカでは、今年に入ってから感染力が非常に強いはしかが各州に広がっていて、対応への影響を懸念する声も上がっています。

 アメリカのメディアは1日、保健福祉省や、感染症対策を担う疾病対策センター(CDC)、それに医薬品などの安全性を審査する食品医薬品局(FDA)などで、職員の解雇が一斉に始まったと伝えました。

 対象となった職員の中には、感染症対策を担当する幹部や、医薬品の審査に携わる職員、それに、たばこの規制を行う部署の幹部も含まれていたということです。

 解雇を伝えるメールは早朝にかけて送られたということで、解雇されたことを知らずに出勤しようとした人もいたということです。

 今回の大量解雇は、トランプ政権が「政府効率化省(DOGE)」のもとで進める歳出削減策の一環です。保健福祉省の予算は、2025会計年度が約1兆8015億ドル(約269兆円)で4年前から3割以上増えました。保健福祉省トップのロバート・ケネディ・ジュニア長官は「バイデン政権下で増えた。無駄と闘う」と主張しています。

 ケネディ長官は早期退職などに応じる者も含め、職員数を4分の1減らして約6万2000人とし、年間18億ドル(約2700億円)を節約しながら医療の質を保てると説明。1日にはX(旧ツイッター)に「この改革は保健福祉省の使命を本来の『慢性疾患のまん延を食い止める』ことに戻すためのものだ」「職を失った方々には心からお見舞い申し上げる。しかし、現実は明らかで、私たちが行ってきたことはうまくいっていない」と投稿しました。

 一方、アメリカでは今年に入ってから、感染力の非常に強いはしかの感染者が、南部テキサス州を中心に合わせて19の州で480人以上確認されていて、対応への影響を懸念する声も上がっています。

 2025年4月3日(木) 

2025/04/02

🟩「百日せき」急増、今年の累計患者数が4100人に 昨年1年間を上回る

 子供を中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」について、全国の医療機関から今年、これまでに報告された患者の数は4100人と昨年1年間の累計4054人を上回りました。乳児が感染すると重症化することがあり、専門家は「生まれて2カ月になったら速やかに定期接種のワクチンを打つことが重要だ」と呼び掛けています。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の乳児が感染すると、重症化して死亡する恐れもあります。

 国立感染症研究所などが統合されて1日から発足した「国立健康危機管理研究機構」によりますと、3月23日までの1週間に、全国の医療機関から報告された患者の数は458人で、今年の累計の患者数は4100人となりました。

 昨年1年間の患者数は速報値で4054人で、今年はすでにこれを上回っています。

 都道府県ごとの累計の患者数をみますと、大阪府で336人、東京都で299人、新潟県で258人、沖縄県で252人、兵庫県で233人などとなっています。

 国立健康危機管理研究機構によりますと、生まれて間もない乳児では、特徴的なせきがみられず、かわりに息を止めるような「無呼吸発作」が起きて、呼吸が止まる危険性があるほか肺炎や脳症を起こすこともあり特に注意が必要だということです。

 東京都立小児総合医療センターの堀越裕歩部長は、「新型コロナの感染対策で百日せきの患者も少ない時期が続いたため、免疫のない人が一定数いることから患者が急増していると考えられる。生後2カ月から受けられる定期接種のワクチンに百日せきのワクチンも含まれているので、打てる月齢になったら速やかに接種することが重要だ」と話しています。

 2025年4月2日(水)

2025/04/01

🟩「国立健康危機管理研究機構」が発足 感染症対策の研究機関統合

 感染症の対策を担当しにてきた国の2つの研究機関が統合され、「国立健康危機管理研究機構」(JIHS<ジース>)として4月1日に発足しました。科学的な知見をもとに、政府に感染症対策について助言を行うほか、基礎研究と治療法の開発などを一体的に行い、新たな感染症の流行に備えることを目指します。

 「国立健康危機管理研究機構」は、これまで感染症の発生状況に関する調査や病原体の研究などを行ってきた「国立感染症研究所」と、世界各国の感染症の流行地域に医療スタッフを派遣したり、病院での診療を通じて治療法などを開発したりしてきた「国立国際医療研究センター」が統合されて設立されました。

 新たな組織では、感染症の流行に迅速に対応するため、専門の部署を設けてふだんから国内外の感染症の発生状況などの情報を収集するほか、科学的な知見に基づいて政府に対策に関する助言を行います。

 また、新たな感染症の世界的な流行が起きた場合は、基礎研究の部門と患者の診療に当たる部門が連携して、薬やワクチンの開発に必要な臨床試験をより円滑に実施するとともに、治療の手引きの策定を行うとしています。

 理事長に國土典宏・前国立国際医療研究センター理事長、副理事長に脇田隆字・前国立感染症研究所所長が就任。国立健康危機管理研究機構の國土典宏理事長は、「次のパンデミックが明日起こっても、対応できる準備をすることこそ、危機管理だと思う。新型コロナから時がたつにつれ、人々の感染症への関心が薄れ、対策の優先度が下がっていくことがないよう、社会に情報を届ける方法を考えていきたい」と話しています。

 2025年4月1日(火)

🟩新型コロナ新規感染者は定点当たり0・84人、4週連続で1人を下回る

 厚生労働省は6日、全国約3000の定点医療機関から5月26日〜6月1日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3227人だったと発表しました。1医療機関当たりは0・84人で、前週と変わらず横ばい。1人を下回るのは4週連続。  1医療機関当たりの感染者数が多かった...